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「ゼロノマキバオー-03」(2009/04/08 (水) 07:39:30) の最新版変更点
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マッチレースの内容は学院の正門からスタートし周囲を一周するといったものだった。
その距離はおよそ5000メイル、かなりの長コースだがマキバオーも経験したことがない距離ではなかった。
正門前では一人の私腹を持て余した金持ちの生徒がブックメーカーとなり机を広げていた。
その前には行列が出来ている。
果たしてそのオッズはギーシュが1.1倍なのに対しルイズは60.0倍、何ともやる気の無い数字だった。
マキバオーは先程の厩務員に馬具一式を着けてもらっていた。
「がんばれよ白いの、私も一口お前さんに賭けさせてもらったよ。あんな血統だけの馬に負けないどくれよ」
「んあ、ありがとなのねおっちゃん」
馬具を装着したマキバオーは不安そうにルイズに訊ねる。
「でも大丈夫なのね?僕に乗れるか心配なのよ、落ちたら危ないのよ」
馬鹿にされたと思ったルイズは自信たっぷりに返す。
「危ない?私を誰だと思ってるの。小さい頃から乗馬は得意だったんだから、あんたを乗りこなすことなんて簡単よ」
プロフィールに書いてあったんだからそうに違いない。
マキバオー達は線が引かれたスタートラインまで移動する。
ルイズはマキバオーにぴょんと飛び乗った。そのおかしな格好に廻りから笑い声が飛んだ。
「いいぞルイズ!お似合いだー!」
「これから競馬をするっていうのに犬に股がってどうすんのよ」
ルイズは一気に赤面し勝負を受けた事を後悔した。
「言わせとけ、たれ蔵の走りを見たら仰天するぜ。それより手綱しっかり握しめとけよルイズ」
チュウ兵衛はルイズに励ますように言った。
二頭の間に太っちょの少年が立ち空砲を鳴らしレースはスタートした。
スタート同時にマキバオーはギーシュの前を行き差をぐんぐん広げる。
生徒達は大型の鏡に魔法で映し出されたその光景を見て歓声を上げた。
「どうなってんだあの白いチビ!めちゃくちゃはえーよ!」
「どうしたギーシュ!犬に前を走られてるぞー!」
ルイズはマキバオーの速さに驚き言われた通り手綱を強く握り直す。
「ちょっと速いじゃないのよ!」
「んあ、だから競走馬って言ったでしょ」
ルイズは初めてマキバオーが競走馬だということを理解した。
出だしだけかと思っていたがレースは残り半分を切っても前を行くのはマキバオーだ。
「ムチ持ってんのかギーシュ!前行け前ー!」
「あいつ馬乗ったことあるのかよ、さっきから全然差が縮まらねーじゃねえか」
始めはマキバオーの走る姿と速さに歓声を上げていた生徒達だったが
ほとんどがギーシュに賭けていたのでしだいにギーシュに対する罵声に変わっていった。
レースはマキバオーが大差をつけたまま残り800メイルまで差し掛かった。
「こっちは有り金注ぎ込んでんだ!負けたら承知しねーからなあ!」
「ふざけんな殺すぞギーシュ!」
マズイ…生徒達の野次が聞こえる。このまま負けたらみんなに腹いせで何をされるかわからない。刺されるかもしれない。
追い込まれたギーシュはある策を考えつく。
それは自分が乗ってる馬ごとフライの魔法をかけるといったものだった。
精神力を著しく消耗するが重力ごと負荷が無くなった馬は格段にスピードが増す。そういうことにしておこう。
レース終盤、ギーシュは驚異的なスピードで追い上げ30馬身差以上あった差を一気に詰め寄った。
「いいよー来い来い来い!ここからここからー!」
「まくれギーシュ!差せー差せー!」
生徒達の想いが通じたのか遂にはギーシュはマキバオーを抜いた。
「よっしゃ!もう来るなよ白いのー!」
「そのままーそのままーッ!」
チュウ兵衛とマキバオーも前を走るギーシュのスピードに驚く。
「何だあの馬はえーじゃねえか。たれ蔵!まだ足は残ってるな!」
「んあ!まだまだ行けるのね!」
「よし、向こうが貴族の馬ってんならこっちは野生の走りってもんを見せてやろうぜ!残り200振り落とされんなよルイズ!行くぜたれ蔵!」
チュウ兵衛はそう言ってマキバオーの頭に噛みついた。
「んあああああ!」
「え?え?」
マキバオーの体は上下前後にバネのように激しく動く。それはもうロデオ状態だった。
ルイズは片手で手綱を掴み片手でスカートを押さえる。大したもんだ。
一回は逆転したレースだったが最後の直線マキバオーは加速しまた差し返してゴールした。
「こんなもん八百だ八百!」
「何が『僕に賭けといてくれたまえ』だ!金返せてめえ!」
ギーシュは暴徒と化した生徒達に襲われた。
「んは、久しぶりに思いっきり走った気がするのね」
「なかなかの走りっぷりだったぜたれ蔵。あーあ、あのやろう袋にされてら、良い気味だぜ」
「んあーでもちょっと可哀想なのね」
チュウ兵衛とマキバオーはギーシュを見て笑い合った。
ルイズがマキバオーから降りる。
「…あんた本当に競走馬だったのね」
「やっと信じてくれたの?でも君もよく僕に乗れていられたのね。凄いのよ、勘助くん仕事無くなるのよ」
「しかもただの競走馬じゃねえぜ。日本じゃ白い奇跡って言われてた程の強い馬だったんだぜ」
「んは~やめてなのね親分テレるのね」
マキバオーは頭をポリポリとかく。
そっか、本当に強い馬だったんだ…、ルイズは考える。
「あんた達名前は何て言うの?」
「何だよ今更だな。俺はチュウ兵衛様、こっちはたれ蔵、いや違った正式名称はうんこたれ蔵だ」
「ウンコ・タレゾー?」
「うんこのとこで切らないで欲しいのね!それに僕の名前はマキバオー、ミドリマキバオーなのね!うんこたれ蔵は親分に不本意な形でつけられた名前なのよ」
「たれ蔵てめえ!俺がつけてやった名前が気に入らねえってのか!」
「出来ればカッコイイ方の名前で呼んで欲しいだけなのね」
「なんだとてめえ!」
ミドリマキバオー…名前はマキバオーって言うのか。
ルイズはマキバオーに思い切って聞いてみた。
「ねえマキバオー、またレースに出てみる気は無い?」
「んあ?」
トリステイン王国首都郊外にあるトリスタニア競馬場
そこにマキバオー達の姿はあった。
【始祖ブリミル賞】
賞金総額4万エキュー
距離 芝 2400メイル
秋のトリスタニア競馬場で行われるGⅠレース。ハルケギニア中から
そして聖地、東の地から強豪馬が集まる世界最大のドリームレースでもあり。
国境、歴史、種族を越えた最強馬決定戦でもある。
┌───┬───┬───┬───┬───┬───┬────┐
│ 6. │ 5. │ 4. │ 3. │ 2. │ 1. │ トリスタニア │
├─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼────┤
│⑫│⑪│⑩│⑨│⑧│⑦│⑥│⑤│④│③│②│①│ 9R. │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼────┤
│ヤ│ロ | ル | ラ│ ミ│ビ |. ヘ |. タ .|. ソ│.ゲ│ガ│エ.│ 発 走 |
│マ | マ│イ│イ│ ド│ン |. イ .|. レ |. ラ│.ル |. リ│.ル | .15:40 │
│グ | リ | ズ | ジ | リ |. ビ│ ミ│チ│ ト .|. マ│.ア│サ├────┤
│チ | ア│カ│ン│マ│ン |. ン│チ│.ブ│.ン |. ノ.│.レ│ 第75回 │
│ノ │シ | ワ│グ│キ│ヴ│ノ │ビ│.ア│.ス│.ヒ│ム│ │
│ボ | タ | イ│ヘ│バ│ ィ│イ.│.ッ│ル│││カ.│ │ 始 │
│ル│ノ│イ | リ | オ | ン│.ジ│チ│.ビ│プ│.リ.│ │ 祖 │
│ │ホ | | オ | | │ダ│ │ │.オ |. レ | │ │ .ブ │
│ │.ウ | |. ス│ │││ │ │.ン│.ッ│ │ │ .リ │
│ │ │ │ │ │ル│ │ │ │ク.│ │ │ .ミ │
│ │ │ │ │ │ヴ│ │ │ │.ス│ │ │ .ル. │
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 賞 │
│牡│牡│牝│牡│牡│牡│牡│牝│牡│牡│牡│牡│ │
│ 5.│ 5.│ 4.│ 5.│ 4.│ 5.│ 6.│ 4.│ 5.│ 5.│ 5.│ 4.│ GⅠ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│東│呂│鳥│東│鳥│呂│下│鳥│有│下│賀│聖│ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│56│56│53│57│45│57│57│53│57│57│56│56│ │
│ ス│ エ.│ オ│ カ.│.ル│ ジ│.ア.│.ジ│.ア.│ ミ.│.ダ│.ツ.│ │
│ テ│ ド│ レ.│ ッ.│ イ.│ ュ.│.ン.│ .ョ│ ン.│ ル│.グ│.ノ │ │
│ フ│ ガ│││ コ│ ズ│ リ.│.ド│ ン.│ ド│.コ.│ ラ.│.マ.│ │
│ ァ.│││ ノ │.イ│ ・ │ オ│ レ.│ ・.│ レ.│ ・.│ ス│ ル│ │
│ ン│ ・ │ ・ │.イ│ ト.゙│ ・.│.ア.│.ム│ ア.│デ│ ・.│ │ │
│ ・.│.プ│ ヨ.│ ・.│ ・.│ チ│ シ.│ ル│ ス│ ム│ ホ.│ │ │
│パ│ ラ.│ メ │.カ.│ ラ.│.ェ.│. ュ│ タ.│ ・.│││ ワ│ │ │
│ キ│││ │ ラ.│ ・.│ザ│ ・ │ │ ス│ ロ.│ イ│ │ │
│ ス│ ド│ │ │.ヴ│││ シ.│ │ボ│ │ ト.│ │ │
│ エ│ │ │ │ .ァ│ レ.│ ュ.│ │ リ.│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ リ.│ │ タ.│ │..ッ│ │ │ │ │
│ │ │ │ │.エ.│ │ ル│ │ チ│ │ │ │ │
│ │ │ │ │││ │ ケ│ │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ ル│ │ │ │ │ │ │ │ │
│─│貴│貴│─│貴│平│平│貴│貴│貴│貴│.エ│ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│…│…│…│…│×│○│…│…│△│△│◎│…│ │
│…│△│…│…│△│◎│…│…│…│▲│○│…│3歳以上 │
│…│×│…│…│▲│○│…│△│△│…│◎│…│.牡・牝 │
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴────┘
オッズ
②ガリアノヒカリ 3.2 .⑤タレチチビッチ 18.1
⑥ビンビンヴィンダールヴ 3.5 .⑩ルイズカワイイ. 18.7
③ゲルマンスープレックス 4.2 .⑦ヘイミンノイジ 54.8
④ソラトブアルビオン 6.8 .⑫ヤマグチノボル. 68.0
⑧ミドリマキバオー 8.2 ①エルサレム. 71.8
⑪ロマリアシタノホウ 10.7 ⑨ライジングヘリオス 82.0
世界各国の国王、重要人、貴族、平民そして10万人の観客が見守る中
トリスタニア競馬場にファンファーレが鳴りひびきレースはスタートした。
―各馬ゲートインからいっせいにスタート。
第2コーナーを廻ったところで先頭は予想通りガリアノヒカリ。
さらに各馬一団となってゲルマンスープレックス、ロマリアシタノホウ、タレチチビッチ、エルサレム、ソラトブアルビオン
ルイズカワイイ、ヘイミンノイジ、ビンビンヴィンダールヴ、ヤマグチノボル、ライジングヘリオス
マキバオーとつづいております。
第3コーナーを廻って第4コーナーにかかったところで、
先頭は予想通りガリアノヒカリ、マキバオーは大きくぐぐっとあいて、10馬身といったところでしょうか
さあ!最終コーナーを廻って、直線だ。
各馬いっせいに鞭が入る。
おっと、後方から猛烈な勢いで追い込んでくる白い影。
ミドリマキバオーだ!トップのガリアノヒカリ懸命の疾走。
これをマキバオーが必死に追いかける。
マキバオー速い。先頭集団に並んで一気に抜き去った!
その差2馬身から3馬身!ガリアノヒカリはもう来ないか!
2位以下を大きく引き離して、今ゴールイン。マキバオー圧勝!
第75回始祖ブリミル賞制したのはミドリマキバオー!!
マキバオーこれで前回のアンリエッタ女王杯に続き負け無しの4連勝!まさに白い珍獣白い奇跡であります!
あっと今、馬主兼騎手であるラ・ヴァリエール嬢がファンの声援に手を振って応えてます!
ここにハルケギニアの歴史に名を刻むであろう新たな最強馬が誕生しました!
―完―
#navi(ゼロノマキバオー)
マッチレースの内容は学院の正門からスタートし周囲を一周するといったものだった。
その距離はおよそ5000メイル、かなりの長コースだがマキバオーも経験したことがない距離ではなかった。
正門前では一人の私腹を持て余した金持ちの生徒がブックメーカーとなり机を広げていた。
その前には行列が出来ている。
果たしてそのオッズはギーシュが1.1倍なのに対しルイズは60.0倍、何ともやる気の無い数字だった。
マキバオーは先程の厩務員に馬具一式を着けてもらっていた。
「がんばれよ白いの、私も一口お前さんに賭けさせてもらったよ。あんな血統だけの馬に負けないどくれよ」
「んあ、ありがとなのねおっちゃん」
馬具を装着したマキバオーは不安そうにルイズに訊ねる。
「でも大丈夫なのね?僕に乗れるか心配なのよ、落ちたら危ないのよ」
馬鹿にされたと思ったルイズは自信たっぷりに返す。
「危ない?私を誰だと思ってるの。小さい頃から乗馬は得意だったんだから、あんたを乗りこなすことなんて簡単よ」
プロフィールに書いてあったんだからそうに違いない。
マキバオー達は線が引かれたスタートラインまで移動する。
ルイズはマキバオーにぴょんと飛び乗った。そのおかしな格好に廻りから笑い声が飛んだ。
「いいぞルイズ!お似合いだー!」
「これから競馬をするっていうのに犬に股がってどうすんのよ」
ルイズは一気に赤面し勝負を受けた事を後悔した。
「言わせとけ、たれ蔵の走りを見たら仰天するぜ。それより手綱しっかり握しめとけよルイズ」
チュウ兵衛はルイズに励ますように言った。
二頭の間に太っちょの少年が立ち空砲を鳴らしレースはスタートした。
スタート同時にマキバオーはギーシュの前を行き差をぐんぐん広げる。
生徒達は大型の鏡に魔法で映し出されたその光景を見て歓声を上げた。
「どうなってんだあの白いチビ!めちゃくちゃはえーよ!」
「どうしたギーシュ!犬に前を走られてるぞー!」
ルイズはマキバオーの速さに驚き言われた通り手綱を強く握り直す。
「ちょっと速いじゃないのよ!」
「んあ、だから競走馬って言ったでしょ」
ルイズは初めてマキバオーが競走馬だということを理解した。
出だしだけかと思っていたがレースは残り半分を切っても前を行くのはマキバオーだ。
「ムチ持ってんのかギーシュ!前行け前ー!」
「あいつ馬乗ったことあるのかよ、さっきから全然差が縮まらねーじゃねえか」
始めはマキバオーの走る姿と速さに歓声を上げていた生徒達だったが
ほとんどがギーシュに賭けていたのでしだいにギーシュに対する罵声に変わっていった。
レースはマキバオーが大差をつけたまま残り800メイルまで差し掛かった。
「こっちは有り金注ぎ込んでんだ!負けたら承知しねーからなあ!」
「ふざけんな殺すぞギーシュ!」
マズイ…生徒達の野次が聞こえる。このまま負けたらみんなに腹いせで何をされるかわからない。刺されるかもしれない。
追い込まれたギーシュはある策を考えつく。
それは自分が乗ってる馬ごとフライの魔法をかけるといったものだった。
精神力を著しく消耗するが重力ごと負荷が無くなった馬は格段にスピードが増す。そういうことにしておこう。
レース終盤、ギーシュは驚異的なスピードで追い上げ30馬身差以上あった差を一気に詰め寄った。
「いいよー来い来い来い!ここからここからー!」
「まくれギーシュ!差せー差せー!」
生徒達の想いが通じたのか遂にはギーシュはマキバオーを抜いた。
「よっしゃ!もう来るなよ白いのー!」
「そのままーそのままーッ!」
チュウ兵衛とマキバオーも前を走るギーシュのスピードに驚く。
「何だあの馬はえーじゃねえか。たれ蔵!まだ足は残ってるな!」
「んあ!まだまだ行けるのね!」
「よし、向こうが貴族の馬ってんならこっちは野生の走りってもんを見せてやろうぜ!残り200振り落とされんなよルイズ!行くぜたれ蔵!」
チュウ兵衛はそう言ってマキバオーの頭に噛みついた。
「んあああああ!」
「え?え?」
マキバオーの体は上下前後にバネのように激しく動く。それはもうロデオ状態だった。
ルイズは片手で手綱を掴み片手でスカートを押さえる。大したもんだ。
一回は逆転したレースだったが最後の直線マキバオーは加速しまた差し返してゴールした。
「こんなもん八百だ八百!」
「何が『僕に賭けといてくれたまえ』だ!金返せてめえ!」
ギーシュは暴徒と化した生徒達に襲われた。
「んは、久しぶりに思いっきり走った気がするのね」
「なかなかの走りっぷりだったぜたれ蔵。あーあ、あのやろう袋にされてら、良い気味だぜ」
「んあーでもちょっと可哀想なのね」
チュウ兵衛とマキバオーはギーシュを見て笑い合った。
ルイズがマキバオーから降りる。
「…あんた本当に競走馬だったのね」
「やっと信じてくれたの?でも君もよく僕に乗れていられたのね。凄いのよ、勘助くん仕事無くなるのよ」
「しかもただの競走馬じゃねえぜ。日本じゃ白い奇跡って言われてた程の強い馬だったんだぜ」
「んは~やめてなのね親分テレるのね」
マキバオーは頭をポリポリとかく。
そっか、本当に強い馬だったんだ…、ルイズは考える。
「あんた達名前は何て言うの?」
「何だよ今更だな。俺はチュウ兵衛様、こっちはたれ蔵、いや違った正式名称はうんこたれ蔵だ」
「ウンコ・タレゾー?」
「うんこのとこで切らないで欲しいのね!それに僕の名前はマキバオー、ミドリマキバオーなのね!うんこたれ蔵は親分に不本意な形でつけられた名前なのよ」
「たれ蔵てめえ!俺がつけてやった名前が気に入らねえってのか!」
「出来ればカッコイイ方の名前で呼んで欲しいだけなのね」
「なんだとてめえ!」
ミドリマキバオー…名前はマキバオーって言うのか。
ルイズはマキバオーに思い切って聞いてみた。
「ねえマキバオー、またレースに出てみる気は無い?」
「んあ?」
トリステイン王国首都郊外にあるトリスタニア競馬場
そこにマキバオー達の姿はあった。
【始祖ブリミル賞】
賞金総額4万エキュー
距離 芝 2400メイル
秋のトリスタニア競馬場で行われるGⅠレース。ハルケギニア中から
そして聖地、東の地から強豪馬が集まる世界最大のドリームレースでもあり。
国境、歴史、種族を越えた最強馬決定戦でもある。
┌───┬───┬───┬───┬───┬───┬────┐
│ 6. │ 5. │ 4. │ 3. │ 2. │ 1. │ トリスタニア │
├─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼─┬─┼────┤
│⑫│⑪│⑩│⑨│⑧│⑦│⑥│⑤│④│③│②│①│ 9R. │
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│ヤ│ロ | ル | ラ│ ミ│ビ |. ヘ |. タ .|. ソ│.ゲ│ガ│エ.│ 発 走 |
│マ | マ│イ│イ│ ド│ン |. イ .|. レ |. ラ│.ル |. リ│.ル | .15:40 │
│グ | リ | ズ | ジ | リ |. ビ│ ミ│チ│ ト .|. マ│.ア│サ├────┤
│チ | ア│カ│ン│マ│ン |. ン│チ│.ブ│.ン |. ノ.│.レ│ 第75回 │
│ノ │シ | ワ│グ│キ│ヴ│ノ │ビ│.ア│.ス│.ヒ│ム│ │
│ボ | タ | イ│ヘ│バ│ ィ│イ.│.ッ│ル│││カ.│ │ 始 │
│ル│ノ│イ | リ | オ | ン│.ジ│チ│.ビ│プ│.リ.│ │ 祖 │
│ │ホ | | オ | | │ダ│ │ │.オ |. レ | │ │ .ブ │
│ │.ウ | |. ス│ │││ │ │.ン│.ッ│ │ │ .リ │
│ │ │ │ │ │ル│ │ │ │ク.│ │ │ .ミ │
│ │ │ │ │ │ヴ│ │ │ │.ス│ │ │ .ル. │
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ 賞 │
│牡│牡│牝│牡│牡│牡│牡│牝│牡│牡│牡│牡│ │
│ 5.│ 5.│ 4.│ 5.│ 4.│ 5.│ 6.│ 4.│ 5.│ 5.│ 5.│ 4.│ GⅠ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│東│呂│鳥│東│鳥│呂│下│鳥│有│下│賀│聖│ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│56│56│53│57│45│57│57│53│57│57│56│56│ │
│ ス│ エ.│ オ│ カ.│.ル│ ジ│.ア.│.ジ│.ア.│ ミ.│.ダ│.ツ.│ │
│ テ│ ド│ レ.│ ッ.│ イ.│ ュ.│.ン.│ .ョ│ ン.│ ル│.グ│.ノ │ │
│ フ│ ガ│││ コ│ ズ│ リ.│.ド│ ン.│ ド│.コ.│ ラ.│.マ.│ │
│ ァ.│││ ノ │.イ│ ・ │ オ│ レ.│ ・.│ レ.│ ・.│ ス│ ル│ │
│ ン│ ・ │ ・ │.イ│ ト.゙│ ・.│.ア.│.ム│ ア.│デ│ ・.│ │ │
│ ・.│.プ│ ヨ.│ ・.│ ・.│ チ│ シ.│ ル│ ス│ ム│ ホ.│ │ │
│パ│ ラ.│ メ │.カ.│ ラ.│.ェ.│. ュ│ タ.│ ・.│││ ワ│ │ │
│ キ│││ │ ラ.│ ・.│ザ│ ・ │ │ ス│ ロ.│ イ│ │ │
│ ス│ ド│ │ │.ヴ│││ シ.│ │ボ│ │ ト.│ │ │
│ エ│ │ │ │ .ァ│ レ.│ ュ.│ │ リ.│ │ │ │ │
│ │ │ │ │ リ.│ │ タ.│ │..ッ│ │ │ │ │
│ │ │ │ │.エ.│ │ ル│ │ チ│ │ │ │ │
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│ │ │ │ │ ル│ │ │ │ │ │ │ │ │
│─│貴│貴│─│貴│平│平│貴│貴│貴│貴│.エ│ │
├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤ │
│…│…│…│…│×│○│…│…│△│△│◎│…│ │
│…│△│…│…│△│◎│…│…│…│▲│○│…│3歳以上 │
│…│×│…│…│▲│○│…│△│△│…│◎│…│.牡・牝 │
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴────┘
オッズ
②ガリアノヒカリ 3.2 .⑤タレチチビッチ 18.1
⑥ビンビンヴィンダールヴ 3.5 .⑩ルイズカワイイ. 18.7
③ゲルマンスープレックス 4.2 .⑦ヘイミンノイジ 54.8
④ソラトブアルビオン 6.8 .⑫ヤマグチノボル. 68.0
⑧ミドリマキバオー 8.2 ①エルサレム. 71.8
⑪ロマリアシタノホウ 10.7 ⑨ライジングヘリオス 82.0
世界各国の国王、重要人、貴族、平民そして10万人の観客が見守る中
トリスタニア競馬場にファンファーレが鳴りひびきレースはスタートした。
―各馬ゲートインからいっせいにスタート。
第2コーナーを廻ったところで先頭は予想通りガリアノヒカリ。
さらに各馬一団となってゲルマンスープレックス、ロマリアシタノホウ、タレチチビッチ、エルサレム、ソラトブアルビオン
ルイズカワイイ、ヘイミンノイジ、ビンビンヴィンダールヴ、ヤマグチノボル、ライジングヘリオス
マキバオーとつづいております。
第3コーナーを廻って第4コーナーにかかったところで、
先頭は予想通りガリアノヒカリ、マキバオーは大きくぐぐっとあいて、10馬身といったところでしょうか
さあ!最終コーナーを廻って、直線だ。
各馬いっせいに鞭が入る。
おっと、後方から猛烈な勢いで追い込んでくる白い影。
ミドリマキバオーだ!トップのガリアノヒカリ懸命の疾走。
これをマキバオーが必死に追いかける。
マキバオー速い。先頭集団に並んで一気に抜き去った!
その差2馬身から3馬身!ガリアノヒカリはもう来ないか!
2位以下を大きく引き離して、今ゴールイン。マキバオー圧勝!
第75回始祖ブリミル賞制したのはミドリマキバオー!!
マキバオーこれで前回のアンリエッタ女王杯に続き負け無しの4連勝!まさに白い珍獣白い奇跡であります!
あっと今、馬主兼騎手であるラ・ヴァリエール嬢がファンの声援に手を振って応えてます!
ここにハルケギニアの歴史に名を刻むであろう新たな最強馬が誕生しました!
―完―
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