「魔法少女リリカルルイズ37」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「魔法少女リリカルルイズ37」(2009/03/31 (火) 12:29:34) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
フーケは足下をゆっくり見回した。
身長30メイルのゴーレムの方から見下ろせば、傭兵の動きはまさに手に取るようだ。
そこで今、2つの大きな動きがあった。
1つは5人組。桟橋から離れる方向に傭兵達から逃げている。
もう一つは3人組。こちらは、1人が傭兵達を押しとどめて5人組とは逆に桟橋の方角へ走っている。
「ふぅん……」
ここからでは暗くてよく見えないが、両方とも魔法学院の制服を着た者がいるという。
それなら、どちらかが囮なのだろう。
どちらが囮か、考えるまでもない先に出た5人組の方だ。
「それなら」
フーケはゴーレムの足を3人組に向ける。
その後ろで、風が起こった。
マントの裾が揺れ、人の気配を背中に感じる。
「あんたかい」
フーケの後ろにいるのは、仮面の貴族。
フーケを脱獄させた男だ。
「あちらはいい。私が行こう」
男は仮面のあごをしゃくり、3人組を指した。
フーケはその物言いがフーケのしゃくに障ったが、いちいち指摘する気もない。
「なら、私はあっちの5人組の方と言うわけだね。いいのかい?あっちは囮だろ?」
「かまわん。重要なのは分散させることだ。いいな」
「要は、合流させなけりゃいいだね」
「そうだ。それから」
仮面の男は袋を取り出し、それをフーケに投げてよこした。
「なんだいこりゃ?」
受け取ったフーケは袋を広げる。
中には青い宝石があった。
どこかで見た覚えもあったが、どこかはよく思い出せない。
それに、覚えているよりも少し大きいような気がする。
「今のうちに報酬の払いっておくってわけじゃないだろね」
「ちがう。もし、お前の手に負えないとなったらにそれを使うことだ」
「私が学生なんかに後れを取るって言うのかい?」
「念のためだ」
フーケは男をにらみつけるが、白い仮面に覆われた下の表情を見透かせるわけもない。
ただ、視線を突き刺すのみだ。
「わかったよ。で、どうやって使うのさ」
「ゴーレムに埋めでもすればいい」
仮面の男はそう言うと、マントを翻しゴーレムから飛び降りる。
フーケが見下ろしたときにはその姿はすでに見えなかった。
「やれやれ、勝手な男だよ。おまけに何も教えちゃくれない。少しは教えてくれてもいいだろうに」
フーケはゴーレムの逆に向ける。
5人組の方からは火花が見え、悲鳴と叫び声が聞こえた。
やけに野太い叫び声だ。
おおかた傭兵達の方がやられているのだろう。
「頼りにならない連中だね。ほんと、しかたないね」
ゴーレムの足がずしんと音を立てる。
足下の傭兵達は上手く避けている。
腕利きというふれこみだったのだ。
これくらいは自力で何とかしてくれないと困るというものだ。
両手を広げて道をふさぐユーノの前で傭兵達は少しずつ体勢を立て直していた。
陣形を整え、間合いを計っていく。
そこからどのような攻撃が来るか、それはルーンが教えてくれていた。
1回目はデルフリンガーで止められる。
2回目はシールドとバインドで防げる。
3回目からは乱戦だ。
ユーノは殺気漂う人間の顔を見るのは初めてだった。
物語やニュースでは時々見たことがあるが、生で見る人間の殺気がここまで恐ろしい者だとは想像もしていなかった。
髪の毛が額に張り付くほどに脂汗が流れたが、ユーノは足の震えを押さえることはできていた。
これもルーンのおかげかも知れない。
「私が相手をしよう」
傭兵達の間を割り、仮面の男が現れる。
「この数のさを物ともしないその腕、見せてもらおうか」
男は腰に挟んだ杖を抜く。
剣ではない、剣のような拵えの杖だ。
それに、あのマント。
「相棒、あいつ。メイジだ。あのへっぽこ傭兵どもとはわけが違うぜ」
ユーノは黙ってうなずく。
どう違うのかはわからない。が、デルフリンガーを信じるしかない。
ユーノは横にのばしていた剣を前に向けた。
剣線は男の胸の位置でピタと止まる。
仮面の男も剣を突き出す。わずか腕は曲がり、いつでも動けるようにしていた。
「だ、旦那。俺たちは……」
「去れ!」
その一言で傭兵達はここでの手柄を諦める。
恨めしそうに、ユーノと走り去るルイズとワルドを見た後は、一目散に走っていってしまった。
「ゆくぞ」
男は一歩踏み出す。
突き出した杖の先からは暴風のような風がユーノに向かい吹き荒れた。
嘗めていた!
フーケには後悔の言葉が他になかった。
青銅のゴーレムを使った囮はまあまあだといえたが、それでもたかが学生3人。
たいしたことはないと思っていた。
それなのに今どうだ。
大漁の花びらをゴーレムにまぶされ、それを油に練金、さらには火をつけられたおかげでこうやってゴーレムを燃やされている。
フーケはゴーレムを動かそうとするが、この熱には耐えきれない。
すでに足をついている。もうすぐ倒れてしまうだろう。
その足下では、雇い主がやられたと見た傭兵達が 蜘蛛の子を散らすが如くの、見事な逃走ぶりを見せていた。
「ちっ、これが万が一ってやつか」
フーケは仮面の男に渡された袋の口を開ける。
「なんだい?」
中からはわずかに光が漏れていた。
渡されたときにはただの青い宝石だった。
だが、今はそれがわずかに光を放っている。
「少しはそれらしくなってるじゃないか」
フーケは青い宝石を袋ごとゴーレムに押しつける。
ゴーレムを操って、中に埋めようとしたがそんな必要もない。
青い宝石はかってに袋を残してゴーレムの中に消えていった。
「役に立っておくれよ」
崩れつつあったゴーレムは動きを止める。
崩壊は止まり、その身に力をを取り戻しつつある。
そのことはフーケにもよく分かった。
ルイズは走る。
ワルドに手を引かれるままに走った。
桟橋を上り、さらにその上に。
そこにあるフネを目指し走る。
後ろに引かれる思いを引きずりながら、前に、前に。
タバサは何かを感じた。
何か……それは閃光が貫いたような感覚だ。
その感覚の元を探る。
それは、ゴーレムの肩にあった
「やったわ!」
キュルケがそう思ったのも束の間、炎の中に崩れるゴーレムは再びその姿を元に戻していく。
以前と同じ姿になるとゴーレムは身震いをして炎を全て吹き飛ばした。
「あんた達!よくもやってくれたね!」
ゴーレムを操るフーケと名乗る女の声が聞こえた。
確か捕まっていたはずなのに、とは思ったがそんなことはもうどうでもいい。
フーケの名に違わぬゴーレムの使い手であるあることは確かだ。
フーケの油断を突いてゴーレムを燃やしてやったが、思ったよりも効果は現れていない。
「なんでよ!ギーシュ、あんた……」
言葉は途中で止まる。
ゴーレムが振り上げた手が恐ろしい勢いで落ちてきたのだ。
「ただですむと思ってるんじゃないだろうね」
当たり前だが、フーケの激怒はすさまじい。
おまけにゴーレムは崩れる前より速く動く。
「きゃー!?」
ゴーレムの右腕を走って避ける。
後の地面は大きくへこんでいた。
「うわっ!」
前に走れば何とかなるかと思ったが、そうはいかない。
ゴーレムとは思えない速さでキュルケ達を追ってくる。
「うわぁああっ!!」
その声はギーシュの物だった。
ゴーレムが腕を叩きつけたときにできた地面のでこぼこに足を引っかけて転げていた。
「た、助けけてくれぇ」
「何してんのよ。早く立ちなさい」
「立てないんだぁあああ」
ここで見捨てることもできない。
キュルケは少しだけ戻り、ギーシュの腕を掴み、体を引き上げようとする。
「早くしなさいよ」
「あ、足が」
月の光が消えた再び振り上げられたゴーレムの腕が、月を覆い隠しているのだ。
次には真上から風が落ちる。そして、ゴーレムの腕も落ちる。
「きゃあっ」
「うわああああっ」
悲鳴はゴーレムの腕に潰されたからではない、横から吹いた突風に吹き飛ばされたからだ。
転げるキュルケの視線の先には、杖を構えるタバサがいた。
風の魔法で2人を飛ばしたのだ。
いつもと同じ水のような瞳で赤い髪を振り乱すキュルケを見つめ、早くと視線で伝える。
「このガキィィ!邪魔するんじゃないよぉ!」
ゴーレムの腕が横に動く。
地面をえぐるその先にいるのはタバサだ。
「タバサ!逃げて!」
だが、タバサは動かない。
杖を振り終えた形のまま、その場から動かずにいる。
「逃げてー!」
手を伸ばしても、その先がタバサに届くことはない。
焦燥、そして絶望。見開かれたキュルケの目は確かにそれらに染められていた。タバサを見続ける目からは涙がこぼれ落ちた。
そして、ゴーレムの腕は振り抜かれる。
ラ・ロシェールは崖に作られた都市だ。ゴーレムの吹き飛ばした破片はがらがらとがけの下に落ちていく。
メイジならば、この程度の高さはレビテーションを使えばどうと言うことはない。
だが、それはメイジが普通の状態であればの話だ。
もしゴーレムの一撃で気を失っていればどうなるか。
魔法など使えるはずもなく、地面に激突する。
では今、タバサはどうなったのか。
キュルケは転がる体を止めて、崖を見た。
フーケゴーレムが迫る足音を聞きながらもじっと見ていた。
レビテーションを使ったタバサはついに見えなかった。
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
フーケは足下をゆっくり見回した。
身長30メイルのゴーレムの肩から見下ろせば、傭兵の動きはまさに手に取るようだ。
今、2つの大きな動きがあった。
1つは5人組。桟橋から離れる方向に傭兵達から逃げている。
もう一つは3人組。こちらは、1人が傭兵達を押しとどめて5人組とは逆に桟橋の方角へ走っている。
「ふぅん……」
ここからでは暗くてよく見えないが、両方とも魔法学院の制服を着た者がいるという。
それなら、どちらかが囮なのだろう。
どちらが囮か考えるまでもない。先に出た5人組の方だ。
「それなら」
フーケはゴーレムの足を3人組に向ける。
その後ろで風が起こった。
マントの裾が揺れ、人の気配を背中に感じる。
「あんたかい」
後ろにいるのは仮面の貴族。
フーケを脱獄させた男だ。
「あちらはいい。私が行こう」
男は仮面のあごをしゃくり、3人組を指した。
その物言いがフーケのしゃくに障ったが、いちいち指摘する気もない。
「なら、私はあっちの5人組の方と言うわけだね。いいのかい?あっちは囮だろ?」
「かまわん。重要なのは分散させることだ。いいな」
「要は合流させなけりゃいいんだね」
「そうだ。それから」
仮面の男は袋を取り出し、それをフーケに投げてよこした。
「なんだいこりゃ?」
受け取ったフーケは袋を広げる。
中には青い宝石があった。
どこかで見た覚えもあったが、どこかはよく思い出せない。
それに覚えているよりも少し大きいような気がする。
「今のうちに報酬を払っておくってわけじゃないだろうねえ」
「ちがう。もし、お前の手に負えないとなったらにそれを使うことだ」
「私が学生なんかに後れを取るって言うのかい?」
「念のためだ」
フーケは男をにらみつけるが、白い仮面に覆われた下の表情を見透かせるわけもない。
ただ、視線を突き刺すのみだ。
「わかったよ。で、どうやって使うのさ」
「ゴーレムに埋めでもすればいい」
仮面の男はそう言うと、マントを翻しゴーレムから飛び降りる。
フーケが見下ろしたときには、その姿はすでに見えなかった。
「やれやれ、勝手な男だよ。おまけに何も教えちゃくれない。少しは教えてくれてもいいだろうに」
フーケはゴーレムを逆に向ける。
5人組の方からは火花が見え、悲鳴と叫び声が聞こえた。
やけに野太い叫び声だ。
おおかた傭兵達の方がやられているのだろう。
「頼りにならない連中だね。ほんと、しかたないね」
ゴーレムの足がずしんと音を立てる。
足下の傭兵達は上手く避けている。
腕利きというふれこみだったのだ。
これくらいは自力で何とかしてくれないと困るというものだ。
両手を広げて道をふさぐユーノの前で、傭兵達は少しずつ体勢を立て直していた。
陣形を整え、間合いを計っていく。
そこからどのような攻撃が来るか、それはルーンが教えてくれていた。
1回目はデルフリンガーで止められる。
2回目はシールドとバインドで防げる。
3回目からは乱戦だ。
ユーノは殺気漂う人間の顔を見るのは初めてだった。
物語やニュースでは時々見たことがあるが、生で見る人間の殺気がここまで恐ろしいものだとは想像もしていなかった。
髪の毛が額に張り付くほどに脂汗が流れたが、ユーノは足の震えを押さえることはできていた。
これもルーンのおかげかも知れない。
「私が相手をしよう」
傭兵達の間を割り、仮面の男が現れる。
「この数の差を物ともしないその腕、見せてもらおうか」
男は腰に挟んだ杖を抜く。
剣ではない、剣のような拵えの杖だ。
それに、あのマント。
「相棒。あいつ、メイジだ。あのへっぽこ傭兵どもとはわけが違うぜ」
ユーノは黙ってうなずく。
どう違うのかはわからない。が、デルフリンガーを信じるしかない。
ユーノは横にのばしていた剣を前に向けた。
剣線は男の胸の位置でピタリと止まる。
仮面の男も剣を突き出す。わずかに腕は曲がり、いつでも動けるようにしていた。
「だ、旦那。俺たちは……」
「去れ!」
その一言で傭兵達はここでの手柄を諦める。
恨めしそうにユーノと去って行くルイズとワルドを見た後は、一目散に走っていってしまった。
「ゆくぞ」
男は一歩踏み出す。
突き出した杖の先からは暴風のような風がユーノに向かい吹き荒れた。
嘗めていた!
フーケには後悔の言葉が他になかった。
青銅のゴーレムを使った囮はまあまあだといえたが、それでもたかが学生3人。
たいしたことはないと思っていた。
それなのに今はどうだ。
大量の花びらをゴーレムにまぶされ、それを油に練金、さらには火をつけられたおかげでこうやってゴーレムを燃やされている。
フーケはゴーレムを動かそうとするが、この熱には耐えきれない。
すでに足をついている。もうすぐ倒れてしまうだろう。
その足下では、雇い主がやられたと見た傭兵達が蜘蛛の子を散らすが如く、見事な逃走ぶりを見せていた。
「ちっ、これが万が一ってやつか」
フーケは仮面の男に渡された袋の口を開ける。
「なんだい?」
中からはわずかに光が漏れていた。
渡されたときにはただの青い宝石だった。
だが今はそれがわずかに光を放っている。
「少しはそれらしくなってるじゃないか」
フーケは青い宝石を袋ごとゴーレムに押しつける。
ゴーレムを操って中に埋めようとしたが、そんな必要もない。
青い宝石は勝手に袋を残してゴーレムの中に消えていった。
「役に立っておくれよ」
崩れつつあったゴーレムは動きを止める。
崩壊は止まり、その身に力をを取り戻しつつある。
そのことはフーケにもよく分かった。
ルイズは走る。
ワルドに手を引かれるままに走った。
桟橋を上り、さらにその上に。
そこにあるフネを目指し走る。
後ろに引かれる思いを引きずりながら、前に、前に。
タバサは何かを感じた。
何か……それは閃光が貫いたような感覚だ。
その感覚の元を探る。
それは、ゴーレムの肩にあった
「やったわ!」
キュルケがそう思ったのも束の間、炎の中に崩れるゴーレムは再びその姿を元に戻していく。
以前と同じ姿になると、ゴーレムは身震いをして全身の炎を全て吹き飛ばした。
「あんた達!よくもやってくれたね!」
ゴーレムを操るフーケと名乗る女の声が聞こえた。
確か捕まっていたはずなのに、とは思ったがそんなことはもうどうでもいい。
フーケの名に違わぬゴーレムの使い手であるあることは確かだ。
油断を突いてゴーレムを燃やしてやったが、思ったよりも効果は現れていない。
「なんでよ!ギーシュ、あんた……」
言葉は途中で止まる。
ゴーレムが振り上げた手が恐ろしい勢いで落ちてきたのだ。
「ただですむと思ってるんじゃないだろうね」
当たり前だが、フーケの激怒はすさまじい。
おまけにゴーレムは崩れる前より速く動く。
「きゃー!?」
ゴーレムの右腕を走って避ける。
後の地面は大きくへこんでいた。
「うわっ!」
前に走れば何とかなるかと思ったが、そうはいかない。
ゴーレムとは思えない速さでキュルケ達を追ってくる。
「うわぁああっ!!」
その声はギーシュの物だ。
ゴーレムが腕を叩きつけたときにできた地面のでこぼこに足を引っかけて転げていた。
「た、助けけてくれぇ」
「何してんのよ。早く立ちなさい」
「立てないんだぁあああ」
ここで見捨てることもできない。
キュルケは少しだけ戻り、ギーシュの腕を掴み、体を引き起こそうとする。
「早くしなさいよ」
「あ、足が」
月の光が消えた。再び振り上げられたゴーレムの腕が月を覆い隠しているのだ。
次に真上から風が落ちる。そして、ゴーレムの腕も落ちる。
「きゃあっ」
「うわああああっ」
悲鳴はゴーレムの腕に潰されたからではない、横からの突風に吹き飛ばされたからだ。
転げるキュルケの視線の先には、杖を構えるタバサがいた。
風の魔法で2人を飛ばしたのだ。
いつもと同じ水のような瞳で赤い髪を振り乱すキュルケを見つめ、早くと視線で伝えている。
「このガキィィ!邪魔するんじゃないよぉ!」
ゴーレムの腕が横に動く。
地面をえぐるその先にいるのはタバサだ。
「タバサ!逃げて!」
だが、タバサは動かない。
杖を振り終えた形のまま、その場から動かずにいる。
「逃げてー!」
手を伸ばしても、その先がタバサに届くことはない。
焦燥、そして絶望。見開かれたキュルケの目は確かにそれらに染められていた。タバサを見続ける目からは涙がこぼれ落ちた。
そして、ゴーレムの腕は振り抜かれる。
ラ・ロシェールは崖に作られた都市だ。ゴーレムの吹き飛ばした破片はがらがらとその下に落ちていく。
メイジならば、この程度の高さはレビテーションを使えばどうと言うことはない。
だが、それはメイジが普通の状態であればの話だ。
もしゴーレムの一撃で気を失っていればどうなるか。
魔法など使えるはずもなく地面に激突する。
では、今タバサはどうなったのか。
キュルケは転がる体を止めて、崖を見た。
フーケゴーレムが迫る足音を聞きながらもじっと見ていた。
レビテーションを使ったタバサはついに見えなかった。
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: