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三八八
体力点二を失う。
術を使うと同時に君そっくりの分身が五体現れたため、ワルドは眼を丸くする。
「き、きさまも≪遍在≫を作り出せるというのか!? しかも私よりも多く……」
実際のところ、これらの分身は実体をもつ≪遍在≫とは異なりなんの力もない幻影にすぎず、鏡に映したように術者と同じ行動しかとれぬのだが、
それでも相手を驚かせて隙を作るには充分だ。
幅の狭い通廊の上を、君とその分身たちは三列の縦隊を組んで突進する。
「だが、何人居ようと同じこと! ≪ウィンド・ブレイク≫で一掃してくれる!」
ワルドはうろたえつつも呪文を唱え、君たち六体をまとめて吹き飛ばすべく、暴風を叩きつけてくる。
別の術を用いてそれに対抗しようとする君に、デルフリンガーが
「構えろ! こんどはヘマはしねえ! 思い出したからな!」と叫ぶ。
君はこの剣の言葉を信じて、風を剣で受け止めようと試みてもよいし(一〇三へ)、術を使ってもよい。
KIN・四六三へ
WAL・四四六へ
MAG・三四九へ
YOB・三六三へ
HUF・四四二へ
一〇三
人間を容易に吹き飛ばせるほどのすさまじい突風が襲いくるが、デルフリンガーの刀身に触れた瞬間にそれは雲散霧消してしまう。
「莫迦な!?」
ワルドが驚きの声をあげて新たな魔法を使おうとするが、君は一気に間合いを詰めると猛然と打ってかかる。
六振りの剣が同時にワルドに振り下ろされるが、そのうち五つは実体をもたぬため、ワルドの体をすり抜ける。
君自身の放った一撃はワルドの杖の鍔を砕き、右手の指の何本かを斬り落とす。
がらんと音を立てて床に落ちた杖を慌てて拾いあげようとするワルドだが、それを黙って見過ごすほど君は甘くはない。
屈みこんだ彼の顔を思い切り蹴飛ばすと、長靴越しに骨の折れるいやな感触が伝わってくる。
拾い上げたワルドの杖を通廊の外に放り捨てた君は、口と鼻から血を流して横たわるワルドに近づき、デルフリンガーを大きく振り上げると、冷酷な笑みを浮かべる。
いまだ凶暴な思考に支配されたままの君は、『ご主人様』の敵の息の根を止めてやることに悦びを見出しているのだ。
今まさに剣を振り下ろそうとする君だが、後ろからなにかがぶつかってきたために手を止める。
「お願い、やめて! 殺さないで!」
そう言って君の腰に細い腕を回し、必死で制止しようとするのはルイズだ。
「裏切って、あんたや殿下たちにひどいことをしたけど……それでもワルドはずっとわたしの憧れで……いつも優しくて……ワルドは……お願い……」
泣きじゃくりながら嘆願するルイズを前にして、君の心はいつのまにか落ち着きを取り戻す。
先ほどまでの猛り立った気持ちが、嘘のようだ。
ワルドが妙な動きをせぬようデルフリンガーの切っ先を突きつけ警戒しながら、君はルイズの頭を優しく撫でてやる。
「目の前でかつての婚約者が斬られるというのは、ラ・ヴァリエール嬢にとってはあまりに酷だろう」
そう言って、無事なほうの腕で自らの杖を拾ったウェールズが君たちに歩み寄る。
「子爵、いさぎよく縛につきたまえ。父上を……国王陛下のお命を奪ったのだから死罪は免れないが、貴族としての名誉ある扱いを約束しよう。
まずはアンリエッタの手紙を返してもらおうか」
上体を起こしたワルドはなにも言わず、動こうともしなかったが、君がデルフリンガーを首筋につきつけると、無事な左手を使って懐から一通の手紙を取り出す。
それを受け取ったウェールズはワルドに立つよう命じるが、シューッと息を吐く不気味な音を耳にして、驚いた様子で周囲を見回す。
驚いたのは君とルイズ、そしてワルドも同様だ。
その音は、君たちの立っている場所から七ヤードほど離れたところ、本丸に近い通廊の上から聞こえる。
そこには、一匹の小さな赤い蛇がとぐろを巻いている――このニューカッスルの城へと通じる、秘密の地下通路の入り口で見かけた蛇だ!
「やはり、この世界の魔法使いどもは、役立たずの腑抜けぞろいよ!」
小さな体に似合わぬ重々しい声で、蛇は言う。
「トリステインの屑では、ご主人様の任務は果たせなんだか。皇太子とアナランドの犬めは、ここでまとめて始末してくれるわ!」
その言葉と同時に、蛇の周囲がなんの予告もなく紅蓮の炎に包まれる。
炎の中で巨大な黒い影が鎌首をもたげると、始まったときと同様の唐突さで火は消え、赤い鱗に覆われた怪物が姿を見せる。
十倍以上の大きさにふくれあがった蛇は背中にたたまれた翼を拡げると、憎しみに満ちた眼で君を睨みつける。
君の前に居るのは、邪悪な火炎大蛇だ!一九二へ。
一九二
君たちが突然現れた怪物に驚いた隙に、ワルドは素早く火炎大蛇のそばに駆け寄る。
火炎大蛇はワルドをひと睨みすると、
「手紙は奴の屍から奪い返す――燃え残っておればな! 無能な人間の尻拭いをせねばならぬとは!」と罵り、
君たちのほうに向き直る。
ワルドは慌てて
「待て! あの少女は無関係だ、殺すな!」と言うが、
火炎大蛇は軽蔑したように息を吐く。
「愚か者め! その鼻持ちならぬ甘さゆえ、しくじったのであろうが。さっさと消えろ、臆病者。それとも、きさまも一緒に焼き殺されたいか?」
その言葉を聞いたワルドは顔をしかめつつ甲高い口笛を吹くと、通廊の手摺を乗り越え、虚空に我が身を投じる。
「ワルド!? 杖もないのに!」
ルイズは悲鳴をあげるが、ワルドが飛び降りたのは自らの命を絶つためではない。
鷲の頭と翼をもつ怪物が疾風の勢いで飛来すると、落ちるワルドを背中で受け止め、そのまま西の方向へと飛び去っていく。
それを見たウェールズは、
「子爵の乗ってきたグリフォンだ。私を殺したあと城から脱出するために待機させていたようだな」と悔しげに唸る。
君たちがワルドに気を取られているあいだに、火炎大蛇はすぐそこまで這い寄ってくる。
「きさまらには逃げる手段などないぞ、人間ども!」
怪物は全身から火を噴き、威嚇するように翼をはばたかせる。
「マンパンの敵よ、今こそスナタの森での借りを返してくれる!」
君は武器――いつのまにか刀身から錆が落ち、輝いているデルフリンガー――を構えてこの怪物と対決するか(一四三へ)?
それとも術を使うか(三〇へ)?
覚えているなら、スナタの森で用いた手段をもう一度使ってみてもよい(四一へ)。
四一
次のいずれかの品物を持っているか?
糊の入った小瓶・三二四へ
石粉・二六四へ
宝石細工のメダル・三〇四へ
砂の入った袋・四五へ
いずれもないなら、剣で挑みかかるしかない。一四三へ。
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三八八
体力点二を失う。
術を使うと同時に君そっくりの分身が五体現れたため、ワルドは眼を丸くする。
「き、きさまも≪遍在≫を作り出せるというのか!? しかも私よりも多く……」
実際のところ、これらの分身は実体をもつ≪遍在≫とは異なりなんの力もない幻影にすぎず、鏡に映したように術者と同じ行動しかとれぬのだが、
それでも相手を驚かせて隙を作るには充分だ。
幅の狭い通廊の上を、君とその分身たちは三列の縦隊を組んで突進する。
「だが、何人居ようと同じこと! ≪ウィンド・ブレイク≫で一掃してくれる!」
ワルドはうろたえつつも呪文を唱え、君たち六体をまとめて吹き飛ばすべく、暴風を叩きつけてくる。
別の術を用いてそれに対抗しようとする君に、デルフリンガーが
「構えろ! こんどはヘマはしねえ! 思い出したからな!」と叫ぶ。
君はこの剣の言葉を信じて、風を剣で受け止めようと試みてもよいし(一〇三へ)、術を使ってもよい。
KIN・[[四六三へ>ソーサリー・ゼロ第二部-21#463]]
WAL・四四六へ
MAG・三四九へ
YOB・三六三へ
HUF・四四二へ
一〇三
人間を容易に吹き飛ばせるほどのすさまじい突風が襲いくるが、デルフリンガーの刀身に触れた瞬間にそれは雲散霧消してしまう。
「莫迦な!?」
ワルドが驚きの声をあげて新たな魔法を使おうとするが、君は一気に間合いを詰めると猛然と打ってかかる。
六振りの剣が同時にワルドに振り下ろされるが、そのうち五つは実体をもたぬため、ワルドの体をすり抜ける。
君自身の放った一撃はワルドの杖の鍔を砕き、右手の指の何本かを斬り落とす。
がらんと音を立てて床に落ちた杖を慌てて拾いあげようとするワルドだが、それを黙って見過ごすほど君は甘くはない。
屈みこんだ彼の顔を思い切り蹴飛ばすと、長靴越しに骨の折れるいやな感触が伝わってくる。
拾い上げたワルドの杖を通廊の外に放り捨てた君は、口と鼻から血を流して横たわるワルドに近づき、デルフリンガーを大きく振り上げると、冷酷な笑みを浮かべる。
いまだ凶暴な思考に支配されたままの君は、『ご主人様』の敵の息の根を止めてやることに悦びを見出しているのだ。
今まさに剣を振り下ろそうとする君だが、後ろからなにかがぶつかってきたために手を止める。
「お願い、やめて! 殺さないで!」
そう言って君の腰に細い腕を回し、必死で制止しようとするのはルイズだ。
「裏切って、あんたや殿下たちにひどいことをしたけど……それでもワルドはずっとわたしの憧れで……いつも優しくて……ワルドは……お願い……」
泣きじゃくりながら嘆願するルイズを前にして、君の心はいつのまにか落ち着きを取り戻す。
先ほどまでの猛り立った気持ちが、嘘のようだ。
ワルドが妙な動きをせぬようデルフリンガーの切っ先を突きつけ警戒しながら、君はルイズの頭を優しく撫でてやる。
「目の前でかつての婚約者が斬られるというのは、ラ・ヴァリエール嬢にとってはあまりに酷だろう」
そう言って、無事なほうの腕で自らの杖を拾ったウェールズが君たちに歩み寄る。
「子爵、いさぎよく縛につきたまえ。父上を……国王陛下のお命を奪ったのだから死罪は免れないが、貴族としての名誉ある扱いを約束しよう。
まずはアンリエッタの手紙を返してもらおうか」
上体を起こしたワルドはなにも言わず、動こうともしなかったが、君がデルフリンガーを首筋につきつけると、無事な左手を使って懐から一通の手紙を取り出す。
それを受け取ったウェールズはワルドに立つよう命じるが、シューッと息を吐く不気味な音を耳にして、驚いた様子で周囲を見回す。
驚いたのは君とルイズ、そしてワルドも同様だ。
その音は、君たちの立っている場所から七ヤードほど離れたところ、本丸に近い通廊の上から聞こえる。
そこには、一匹の小さな赤い蛇がとぐろを巻いている――このニューカッスルの城へと通じる、秘密の地下通路の入り口で見かけた蛇だ!
「やはり、この世界の魔法使いどもは、役立たずの腑抜けぞろいよ!」
小さな体に似合わぬ重々しい声で、蛇は言う。
「トリステインの屑では、ご主人様の任務は果たせなんだか。皇太子とアナランドの犬めは、ここでまとめて始末してくれるわ!」
その言葉と同時に、蛇の周囲がなんの予告もなく紅蓮の炎に包まれる。
炎の中で巨大な黒い影が鎌首をもたげると、始まったときと同様の唐突さで火は消え、赤い鱗に覆われた怪物が姿を見せる。
十倍以上の大きさにふくれあがった蛇は背中にたたまれた翼を拡げると、憎しみに満ちた眼で君を睨みつける。
君の前に居るのは、邪悪な火炎大蛇だ!一九二へ。
一九二
君たちが突然現れた怪物に驚いた隙に、ワルドは素早く火炎大蛇のそばに駆け寄る。
火炎大蛇はワルドをひと睨みすると、
「手紙は奴の屍から奪い返す――燃え残っておればな! 無能な人間の尻拭いをせねばならぬとは!」と罵り、
君たちのほうに向き直る。
ワルドは慌てて
「待て! あの少女は無関係だ、殺すな!」と言うが、
火炎大蛇は軽蔑したように息を吐く。
「愚か者め! その鼻持ちならぬ甘さゆえ、しくじったのであろうが。さっさと消えろ、臆病者。それとも、きさまも一緒に焼き殺されたいか?」
その言葉を聞いたワルドは顔をしかめつつ甲高い口笛を吹くと、通廊の手摺を乗り越え、虚空に我が身を投じる。
「ワルド!? 杖もないのに!」
ルイズは悲鳴をあげるが、ワルドが飛び降りたのは自らの命を絶つためではない。
鷲の頭と翼をもつ怪物が疾風の勢いで飛来すると、落ちるワルドを背中で受け止め、そのまま西の方向へと飛び去っていく。
それを見たウェールズは、
「子爵の乗ってきたグリフォンだ。私を殺したあと城から脱出するために待機させていたようだな」と悔しげに唸る。
君たちがワルドに気を取られているあいだに、火炎大蛇はすぐそこまで這い寄ってくる。
「きさまらには逃げる手段などないぞ、人間ども!」
怪物は全身から火を噴き、威嚇するように翼をはばたかせる。
「マンパンの敵よ、今こそスナタの森での借りを返してくれる!」
君は武器――いつのまにか刀身から錆が落ち、輝いているデルフリンガー――を構えてこの怪物と対決するか(一四三へ)?
それとも術を使うか(三〇へ)?
覚えているなら、スナタの森で用いた手段をもう一度使ってみてもよい(四一へ)。
四一
次のいずれかの品物を持っているか?
糊の入った小瓶・三二四へ
石粉・二六四へ
宝石細工のメダル・三〇四へ
砂の入った袋・四五へ
いずれもないなら、剣で挑みかかるしかない。一四三へ。
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