「ゼロと聖石-02」(2007/10/25 (木) 11:57:08) の最新版変更点
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#navi(ゼロと聖石)
前日から翌日までの話をしよう。
結局誰とも遭遇することなく部屋にたどり着き、着替えを済ます。
30サント浮いた状態で。
食堂で食事を済ませる。
椅子から30サント浮いた状態で。
予習と復習をする。
椅子から30サント浮いた状態で。
眠気が来たので眠る、毛布をかぶってお休みなさい。
ベットから30サント浮いた状態で。
ええ、持続時間は優秀だ。朝も目が覚めたらベッドから30サント浮いていた。
…本当に、レビテーションとして優秀なのか失敗なのか分からないレビテトという魔法だった。
いい加減解除したいなと思った瞬間、新しい魔法の気配。
「風に潜む古の力秘めたる精霊達よ 魔に汚れし空を払え! デスペジャ!」
視線が30サント分下がる。
実に12時間ぶりの地上だ。
効果時間はすさまじく長い、しかし移動速度は自身の能力と変わらず高さは30サント。
良く分からない魔法だ。
とりあえずは食事だ、と思い立ち、着替える。
今日はリボンではなくバレッタでまとめる。
気分の問題で香水もつける。
つい最近買ったばかりのソルティレージュという香水屋のだ。
不思議と落ち着き、これをつけた日は怪我とか失敗のダメージが少なくなるから不思議。
さて、気分も落ち着いたところで食事に移る。
ここのコックは腕が良いので毎日の楽しみになっている。
さすがに量は多いが、貴族の精神として全部食べるように心がけている。
もったいないという意味も有るが、奪った命を残すという行為が許されない。
鳥のローストの骨に付いた肉もこそぎ落として食べる。
実はここが一番好きだったりするのは内緒だ。
食事も終わり、胃と精神を落ち着けるために紅茶を飲みながらノートに書き込む。
タイトルは魔法詠唱。
詠唱時間が長いだけあって効果は抜群な私の魔法。
ソラで言えるのは勿論、素早く正確に唱えることが重要になる。
性能はいいのだ、性能は。ただ何もかも詠唱が悪い。
愚痴りつつ、小声で詠唱の練習をするのであった。
授業が始まった後、ミス・シュウルーズの発言に反応して囃したてる輩を無視しつつ、詠唱の練習をする。
詠唱がないマバリアは無視して、今のところ一番詠唱が必要な魔法であるアルテマだ。
Spが20というのは速いのだが、ほかの魔法が25あるんだから必然的に一番遅い。
レビテトに至っては50、アルテマ一回使う間に2回は唱えられる。
今なにか別な人の思考が飛んできたような気がした。
「授業中に独り言とは余裕ですね、ミス・ヴァリエール。前に出て錬金をやってみせなさい」
おっと、小声だったのにばれた。
仕方が無い、ここで実験してみよう。
歩きながらマバリアを発動、これで準備は完了。
「いいですか? 自分が作り出したい金属をイメージするのです…聞いてますかミス・ヴァリエール?」
聞いていません。詠唱するので必死です。
スピードを上げ、一気に魔法を練り上げる。
「先生、伏せてたほうが良いですよ?」
詠唱が完了する一瞬前にそう教えておく。
ほかの皆はいつものように失敗すると退避済み。
こうなったら度肝を抜いてやる!
「渦なす生命の色、七つの扉開き力の塔の天に到らん! アルテマ!」
対象は目の前の石ころ。
あたりに青白い魔力が収束し、
大爆発。
威力はいつもの2倍くらい、範囲はいつもと同じ。
教室の調度品は消し飛び、机は跡形も無い。
同級生は机ごと吹き飛ばされ、小型の使い魔は壁に打ちつけられる。
爆心地のルイズは焦げ目一つ無く仁王立ちし、ミス・シュウルーズは黒こげ。
無事なのはとっさに男子と机でガードしたキュルケと氷で障壁を作ったタバサのみ。
そして、後々伝説となる一言を私は叫んだ。
「よし、実験大成功!」
復活した生徒から大ブーイングだったのは言うまでも無い。
罰掃除を命じられ、机を片付ける。
魔法禁止の令が出ていたので魔法を使わずに机を並べる。
調度品とかも片付けなければならないのだが、片付ける調度品が無い。
アルテマで全部吹き飛ばしましたから。
今は昼食も済んでアフタヌーンティーの時間、シェフ絶品のお茶請けを堪能する最高の時間。
なのだが、そのはずなのだが、いつまで待っても本日のお菓子が来ない。
入り口にはクックベリーパイと大きく書かれていたのに、配膳に来ない。
苛立ちが募り、抗議しようと厨房に乗り込もうとすると聞こえる怒鳴り声。
「君が香水を拾ったおかげで二股がばれてしまった、どうしてくれるんだ!」
隣のテーブルにはギーシュ・ド・グラモン達が集まって平民のメイドを責めていた。
メイドの足元にはクックベリーパイの残骸。
経路から見て次の順番は私。
―――滅殺決定。地べた這いつくばらせてやる。
そんな心に反応してか魔法ゲット。
「無念の死を抱き続ける大地よ、黒き呪縛となれ…グラビデ!」
口汚く罵っているギーシュが急に地面に向かって倒れこむ。
周囲も何が起こっているのかわからないであわてている。
「私を怒らせた罪は重いわよ、ついでにその格好情けないわね、ギーシュ」
魔法の効果が切れ、ギーシュが起き上がる。
その目つきから仕草までこちらをゼロのくせにと罵っているのが伺える。
「邪魔しないでくれたまえ、僕はこのメイドにお仕置きを」
「そんなことで私のクックベリーパイが届かないことが何よりも許せないのよ、二股男」
図星を付かれたのか、顔を真っ赤にしながらこちらをにらむ。
「よろしい、ならば決闘だ。ヴェストリの広場へ来い!」
「良いわよ、実験したいことがいっぱいあるから」
こうして、当事者であるメイド・シエスタのことを完全に無視した決闘という名の、
ギーシュにとっては憂さ晴らしになる決闘が、
ルイズにとっての実験が幕を開けることとなった。
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