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「た、忠勝殿!?」
突如空から降って来た忠勝に、タバサを除く一同は驚く。
だがフーケはその顔に笑みを浮かべると、破壊の杖を忠勝に向けた。
「今更あんたが来て何になるの?こっちには破壊の杖が有るんだよ!」
そう言ってフーケはスイッチに手を掛ける。
ところが、忠勝は一歩踏み出した。
そして「撃ってみろ」と言わんばかりにフーケを見下ろしている。
その様子にフーケは苛立った。
「そうかい、そんなに吹き飛びたいならお望み通りにしてやるわ!!!!」
吐き捨てるように言い放ち、フーケはスイッチを押した。
再び砲弾が発射され、忠勝に直撃する。
この時、フーケ及びキュルケやルイズは誤解をしていた。
忠勝が単に「空を飛べるゴーレムもどき」と勘違いしていた事である。
そう、思い起こせば忠勝はトリステインに召喚され、使い魔となってから一度も戦っていない。
誰も彼がどれだけ強いかを知らなかった。
ただちょっと大きくて変わった平民だろうと、最近ではそう考えるようになっていたのだ。
フーケもその1人である。あれを受けて無事な筈がないと…
だから彼女はそれを見た時、言葉を失った。
ゴーレムすら一撃で倒した破壊の杖を受けたにもかかわらず…
まったくの無傷で、表情も変えずにこちらを見下ろしていた事に…
「馬鹿な!?傷一つないなんて…そんな筈が!」
目の前で変わらず佇んでいる忠勝に皆は驚きを隠せない。
…いや、よく見ると何か違う事にフーケは気づく。肩に何か…まるで盾のような物が付いているのだ。
実はこの時、忠勝は形態変化をしていたのである。
『防御形態』
背中から葵の紋所が描かれた盾を取り出し装着。
機動力を犠牲にする代わりに、自身の防御力を向上させる形態である。
「……………」キュピーン
目を光らせ、再び歩き始めた忠勝にフーケは混乱する。
「う、動くんじゃない!!こっちには人質がいるのを忘れ…!」
ゴンッ!!
「あがっ!?」
言い終わるより早く、何者かがフーケの後頭部を叩いた。
何とも妙な声を上げ、フーケはうつ伏せに倒れる。
突然自分に倒れかかってきたフーケをどかし、ルイズは立ち上がった。
「…あれ?あんたって確か…」
フーケを背後から殴った人物を見てルイズは誰だったかを思い出す。
(この人は確か…学院長室にいた…)
「フォーッフォッフォッ!やったぞ!わしが盗人を成敗してやったわい!!」
(あんな小娘共の方が頼りになるなど…やはり納得がいかん!)
「…うぅ~、朝飯も食わずに行くなんて思わなかったぞ…」
(それにしても何処まで行くんじゃろうか…こっちは歩きじゃからのぅ…)
「見えました。あれです」
(ゼヒ!ハヒィ!こ、こんなに歩くとは思わなんだ!!素直に頼めば良かったわい!)
「無理よこんなの!」
「逃げられよ!ここは拙者と前田殿で!」
(ななな何じゃあの化け物はぁ!?あんなの聞いておらんぞ!)
「来い土人形め!真田源二郎幸村が相手だ!!」
(う…よし、ここは幸村に任せるとしよう。それがいい!)
「た、忠勝殿!?」
「今更あんたが来て何になるの?こっちには破壊の杖が有るんだよ!」
(ううむ、あの女が盗人じゃったとは…あいつめ、色仕掛けに騙されよったな…ん?)
(あれ?ちょっと待て……これって好機じゃね?)
「…と、いうわけで油断しておった彼奴を後ろからガツン!とやったわけじゃ!」
すべて話し終えた氏政はさも嬉しそうに胸を張った。
「あんたねぇ…見てたんなら助けなさいよ」
「何じゃお主!今まで隠れていたからこうやって隙を突けたんじゃろうが!」
呆れているルイズに氏政は反論する。
まぁよく考えてみればこいつがゴーレムに太刀打ち出来るか怪しいものだ。
それに、結果的にはフーケを捕らえる事が出来たので良いだろう。
「これで盗まれた2つの宝は取り戻せたわね。じゃあ戻りましょう」
破壊の杖と禁断の聖書を抱えてルイズは言った。
「タダカツ、フーケを」
タバサに頼まれた忠勝は片手でフーケを掴むと、起動形態に変化する。
「あ!ちょっと待て忠勝!」
だが飛び立とうとした所で氏政に止められた。
「わしは忠勝と一緒に後で行く。お主等は馬車で戻るんじゃ」
氏政はルイズ達を帰らせると、忠勝に一度フーケを降ろすように頼んだ。
氏政は降ろされたフーケに近づくと、気絶している事を確かめる。
そして、フーケの“ある物”を確認したのであった。
「ふむ、黒か…しっかしこれの何が良いのかのぅ…」
#navi(異世界BASARA)
「た、忠勝殿!?」
突如空から降って来た忠勝に、タバサを除く一同は驚く。
だがフーケはその顔に笑みを浮かべると、破壊の杖を忠勝に向けた。
「今更あんたが来て何になるの?こっちには破壊の杖が有るんだよ!」
そう言ってフーケはスイッチに手を掛ける。
ところが、忠勝は一歩踏み出した。
そして「撃ってみろ」と言わんばかりにフーケを見下ろしている。
その様子にフーケは苛立った。
「そうかい、そんなに吹き飛びたいならお望み通りにしてやるわ!!!!」
吐き捨てるように言い放ち、フーケはスイッチを押した。
再び砲弾が発射され、忠勝に直撃する。
この時、フーケ及びキュルケやルイズは誤解をしていた。
忠勝が単に「空を飛べるゴーレムもどき」と勘違いしていた事である。
そう、思い起こせば忠勝はトリステインに召喚され、使い魔となってから一度も戦っていない。
誰も彼がどれだけ強いかを知らなかった。
ただちょっと大きくて変わった平民だろうと、最近ではそう考えるようになっていたのだ。
フーケもその1人である。あれを受けて無事な筈がないと…
だから彼女はそれを見た時、言葉を失った。
ゴーレムすら一撃で倒した破壊の杖を受けたにもかかわらず…
まったくの無傷で、表情も変えずにこちらを見下ろしていた事に…
「馬鹿な!?傷一つないなんて…そんな筈が!」
目の前で変わらず佇んでいる忠勝に皆は驚きを隠せない。
…いや、よく見ると何か違う事にフーケは気づく。肩に何か…まるで盾のような物が付いているのだ。
実はこの時、忠勝は形態変化をしていたのである。
『防御形態』
背中から葵の紋所が描かれた盾を取り出し装着。
機動力を犠牲にする代わりに、自身の防御力を向上させる形態である。
「……………」キュピーン
目を光らせ、再び歩き始めた忠勝にフーケは混乱する。
「う、動くんじゃない!!こっちには人質がいるのを忘れ…!」
ゴンッ!!
「あがっ!?」
言い終わるより早く、何者かがフーケの後頭部を叩いた。
何とも妙な声を上げ、フーケはうつ伏せに倒れる。
突然自分に倒れかかってきたフーケをどかし、ルイズは立ち上がった。
「…あれ?あんたって確か…」
フーケを背後から殴った人物を見てルイズは誰だったかを思い出す。
(この人は確か…学院長室にいた…)
「フォーッフォッフォッ!やったぞ!わしが盗人を成敗してやったわい!!」
(あんな小娘共の方が頼りになるなど…やはり納得がいかん!)
「…うぅ~、朝飯も食わずに行くなんて思わなかったぞ…」
(それにしても何処まで行くんじゃろうか…こっちは歩きじゃからのぅ…)
「見えました。あれです」
(ゼヒ!ハヒィ!こ、こんなに歩くとは思わなんだ!!素直に頼めば良かったわい!)
「無理よこんなの!」
「逃げられよ!ここは拙者と前田殿で!」
(ななな何じゃあの化け物はぁ!?あんなの聞いておらんぞ!)
「来い土人形め!真田源二郎幸村が相手だ!!」
(う…よし、ここは幸村に任せるとしよう。それがいい!)
「た、忠勝殿!?」
「今更あんたが来て何になるの?こっちには破壊の杖が有るんだよ!」
(ううむ、あの女が盗人じゃったとは…あいつめ、色仕掛けに騙されよったな…ん?)
(あれ?ちょっと待て……これって好機じゃね?)
「…と、いうわけで油断しておった彼奴を後ろからガツン!とやったわけじゃ!」
すべて話し終えた氏政はさも嬉しそうに胸を張った。
「あんたねぇ…見てたんなら助けなさいよ」
「何じゃお主!今まで隠れていたからこうやって隙を突けたんじゃろうが!」
呆れているルイズに氏政は反論する。
まぁよく考えてみればこいつがゴーレムに太刀打ち出来るか怪しいものだ。
それに、結果的にはフーケを捕らえる事が出来たので良いだろう。
「これで盗まれた2つの宝は取り戻せたわね。じゃあ戻りましょう」
破壊の杖と禁断の聖書を抱えてルイズは言った。
「タダカツ、フーケを」
タバサに頼まれた忠勝は片手でフーケを掴むと、起動形態に変化する。
「あ!ちょっと待て忠勝!」
だが飛び立とうとした所で氏政に止められた。
「わしは忠勝と一緒に後で行く。お主等は馬車で戻るんじゃ」
氏政はルイズ達を帰らせると、忠勝に一度フーケを降ろすように頼んだ。
氏政は降ろされたフーケに近づくと、気絶している事を確かめる。
そして、フーケの“ある物”を確認したのであった。
「ふむ、黒か…しっかしこれの何が良いのかのぅ…」
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