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「GTA:LCS-0 2」(2007/10/02 (火) 22:40:10) の最新版変更点
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全く奇妙な状況と言わざるを得ない。仮にも学院の中を走るレオーネ・センチネルと言うのは何とも奇妙なものだろう。運転席に俺、助手席に
コルベール、極めつけは後部座席のど真ん中に腰を下ろすルイズ。
「……凄いな、こんな鉄の塊が快適に走行するなんて」
コルベールの珍しいものを見たと言う感激と、驚嘆な様は横から見ていても少々奇妙な気がする。車を極当たり前のように乗っている俺達から
すれば当たり前と言えば当たり前か。一方のルイズは絶対座りにくい場所であろう真ん中に深々と腰を下ろし、不審そうにきょろきょろと辺りを
見回している。もう少し可愛気持って車窓から風景覗いてれば良いのに、しかめっ面で見ている様は、バックミラーから丸見えな俺に笑いを
十二分に誘ってくれる。
「何笑っているのよ!使い魔のくせに!!」
誰でも笑うぜ。まぁ、リバティーシティじゃそう笑う事も少なかったが、久しぶりに色々な意味で笑わせてもらったよ。暫しの穏やかなドライブは
色々とストレス発散にはなったんだがな。
「……これをガレージに使っていいのか?」
倉庫……にしては結構立派な作りな建物まで案内された俺だが、コルベールはどうぞ使ってくれと言ってきた。条件として俺が使わない時には
色々と調べさせてくれと言う。
「それ位なら構わないぜ……でも部品弄るのは勘弁な。スクラップにされたら直せなくなるからな」
「大丈夫ですよ、外見からしか見ませんから」
倉庫に車を収めるとコルベールと別れ、俺はルイズの後をとぼとぼと付いて行く。寄宿舎にあるルイズの部屋が俺の隠れ家らしい。俺のプライドが
全く持って許さないが、このルイズの使い魔になっちまっている以上こうせざるを得まい。また元の世界に帰る為にも利用せざるを得まい。無駄に
長い螺旋階段を昇る最中、幾人かのこの学院の生徒を見かけるが、俺を見るなり一歩下がってまじまじと見据えてくる。先程ルイズの髪を引っ張り、
ある意味陵辱して大暴れした訳だから当然か。
「入りなさい」
暫く歩くとこのルイズの部屋についたのだろう、扉を開けて俺に入るように指示する。部屋に入ると、本当に良いところのお嬢様と言えなくもない、
中世としては結構高級感のある部屋だった。
「入ったは良いが、俺は何処にいればいいんだ?」
「適当に座っていなさい」
「じゃあ適当にくつろがせて貰うぞ」
俺は横にある木製の椅子に腰を下ろすと灰皿を取り出し、煙草に火を付け、そんな時間は経っていなかったが久々の一服に興じる。しかしながら何だ、
奇妙な空間だよな。この部屋の主はこの小娘と言って差し障りないルイズで、俺はその部屋で煙草を吸うなんてな……。
「げほっげほっ何なのよその煙は……」
すると、煙草の煙で咽ているルイズが多分ネグリジェだろう姿で俺の前に現われる……こいつ、俺を男と思って無いのか?だが同時に、今日着ていた
薄汚れた服を手に持っている。嫌な予感がする。
「私の服を洗いなさい」
「やっぱりか。良いぜ、全てを晒す勇気があるならな」
ルイズから服を奪い取り、机に一つ一つ並べてやった。御丁寧に上下の下着まで含まれてやがる。行き成りの俺の行動にルイズは慌てふためき、服を
取り返そうとするが、腕力で勝る俺から何一つ取り返せなかった。
「色気の無い下着だなぁ……うわ、この上着襟筋真っ黒じゃねぇか……ちゃんと身体洗ってるのかよ」
もうセクハラ以外の何者でもない言葉を嫌味ったらしく並べる。洗ってやっても良いがこう高圧的態度を取られればな、俺もこうなる。最も、服を
洗われるんだぜ?見てないところで同じ事されるぞ。
――…ルイズ側。
うわああああっ!!何てことするんだこいつは!!下着に色気がない?身体の洗い方が足りない?余計なお世話よ!!
「服洗って欲しいんじゃないのか?」
何クールに確認してるのよ!……『 躾 』よ!躾てやる!!徹底的に躾てやる!!
「可愛気のねぇ女だな……全く。16歳で貧相で貧しい胸でちっこくてさ、頭悪い性格悪いじゃ男寄ってこねぇぜ?」
「……くっ!!」
事実よ!事実なだけに余計に腹が立つ!!……って、なんでそんな事知ってるのよ!!
「俺は必要な情報をキュルケとか言う胸のでかい女に聞いただけだが?」
おのれ……!!
「あんまりカッカカッカすんな、美容に悪いぜ」
まるで私を諭すかのように言うこいつの目は今まで良く見ていなかったが、雰囲気がそう見せるのだろうか冷たく、冷淡な空気が影のように浮かぶ。
……正直、私が今まで会ってきた人には居ない、何と言うか異質な……上手く表現できないけど、そんな存在感……。
「まあいいわ……そう言えばアンタ、名前聞いていなかったわね……確か……」
「トニー・シプリアーニ」
即答してきた……あれ、確か……。
「え…いや、確かあんたの名前は……アントニオ・シプリアーニではなかったけ?」
「いや……そうは呼んでくれるな。トニーだ、トニー・シプリアーニ。そっちの名前は極身近な人間にしか呼ばせないんだ」
一瞬、こいつの顔が変わった。普通に喋る時は余り感情を露にしないけど……怖い。冷たい感覚が背中に滲んで……あまり触れて欲しく無さそうね。
「洗濯位はしてやるから纏めておけよ」
もう、返す言葉がないわ……。
「ところでルイズ、こんな事を聞くのはどうかと思うが、俺の食事はどんな按配なんだ?」
一通りコミュニケーションを取った後、こんな事を切り出してみた。食事を取った後にこの世界に飛ばされてきたが、もう結構な時間が経過した筈だ。
流石の俺も腹が減る。だが、当のルイズは
「え?…食事?」
呆気に取られたような様子でこう聞き返してくる……嫌な予感がしてきた。
「Mr.コルベールに聞いたが、食事はあんたがたメイジが用意するって聞いたんだが……」
「……自分の分も忘れてたわ」
最悪だ、何てこった。突然訳の分からない世界に飛ばされ、金も意味を成さず、右も左も分からんこの状況下で、このルイズが唯一の生命線にも関らず、
自分の食事の事すらも忘れてしまう有様だとは……。
「だ…大丈夫よ!使い魔用の食べ物くらいはあるわ!」
何て言って出て来た袋にはまぁ何とも名状しがたいもので、『人間じゃない』使い魔なら食いそうだろうけどな!!
「こんな不味そうなの、猫だってくわねぇよ」
冗談じゃねぇ!!エル・ブッロのポルノビデオじゃねぇんだぞ!!リアルでSMじゃねぇか!!……おいおい、これは相当クレイジーだな。仕方ない、
コルベールの所に 逃 げ る か !
「………」
俺はルイズが何かを取りにそっぽ向いた刹那、隙を突いて外に出る。この学院内の構造は理解していないが取り敢えず逃げる。今ルイズに捕まっちまっ
たら面倒な事になりそうだからな!
「!?……ま…待ちなさい!!」
自分の持っていた手榴弾1個と身近に有った棍棒のような棒切れを咄嗟に取り、無駄に長い螺旋階段を落ちるかのように駆け下りる。冗談じゃない、
黙っていたらあの『お仕置き』とも言えなくもない、あんな得体の知れないイカレた物を喰わされるぜ。後ろからはルイズの絶叫が聞こえてくるが
無視をする。
「……くっ!!」
螺旋階段を降り切った直ぐ先で、共に黒いマントをつけた金髪で胸元を開けている優男とロングヘアの黒髪の女がいちゃいちゃと乳繰り合っている。
マセガキ共が。無視しても構わないが……いや、こいつらメイジだ。ルイズが絡むと厄介、可哀相だがここは 寝 て い て も ら お う か ……!!
「……キャ……ああっ!!」
「……おお!?」
棍棒のような棒切れを手に持って一気に乳繰り合っている二人に近寄る。ロングヘアの女と目が合い、声を上げられそうになったが俺の手の方が
一瞬早かった。棍棒を一閃、フルスイングすると二人纏めてなぎ倒す。殺す気は更々ないので追い討ちで二人共々足蹴で留めた。
「すまんな、後で身体で借りは返すぜ」
気を失っている二人にこう声を掛けると俺は全力疾走で回廊を疾走、なんとか中庭に抜け出る道筋は見えた。だが、肝心のコルベールの部屋の在り処が
わからない。そうこうする内に回廊の奥からルイズの絶叫が聞こえてくる。
「なんてこった」
しかし事態は収まってはいない。目の前の噴水前では、色々と教えて貰ったキュルケとどうしてもオッサンにしか見えない奴と談笑している。流石に
さっきの優男とは行かないだろう。しかも後ろにはルイズが迫ってると分かれば、仕方ない。ここは全力疾走で抜け出る他あるまい……。
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