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世界征服路ロボが世界征服ビームにより出来上がった地面の凹みに膝を落とした。クロムウェルが
手馴れた動作でコクピットに乗り込むと、世界征服ロボの左肩突起部分が開口し、無数の穴が姿を
現した。その全てが独裁ミサイルの射出口である。
紫煙を撒き散らしながら、次々と独裁ミサイルがぼくを目掛けて発射され、着弾する度に閃光と轟
音を放った。金属片や石くれが空気を劈いて、ぎりぎりのところでミサイルをかわし続けるぼくを
襲い続ける。攻撃に転じる暇も無い。ぼくの衣服はずたずたに切り裂かれていった。
おまけに砂埃や白煙が辺りを覆いつくし、ぼくの視界を不明瞭にしていった。
そのせいで、襲来するミサイルの確認が非常に困難だ。
「相棒。あのゴーレムは弾切れってもんを知らないのかい?かれこれ、百発は撃っているように思
うんだが」
「独裁ミサイルの残弾数は常に無限だよ」
「…おかしいだろ、それ」
「ぼくに言うなよ。あのロボットの中身は完全にブラックボックスなんだ」
「そんなやつに勝てるのかい?」
「勝てるか勝てないかなんて、関係ない。勝つんだよ」
厚い白煙が立ち込め、いよいよぼくの視界がゼロになった時、ようやくミサイル攻撃が止んだ。ぼ
くの生死を確認するつもりなのだろう。
ぼくは頭上に構えたデルフリンガーを高速で振り下ろし、突風を巻き起こした。風圧に吹き飛ばさ
れた白煙が縦に割れ、視界が一気に開かれる。
ぼくは、世界征服ロボに向かって跳躍した。
「早乙女…。お前の技を借りるぞ」
ぼくは悪友の名前を口にした。
「いくよ、デルフリンガー!」
「おう!」
瞬時に仏界から不動明王を召喚したぼくは燃え滾る熱き闘魂をデルフリンガーに注入した。
「くらえ!不動明王唐竹割り!!」
渾身の力を込めたこの技で世界征服ロボを袈裟切りにするつもりだった。だけど、悲しいかな、世
の中、思うようにいくことなんて滅多に無い。
「いてぇぇぇぇぇえ!」
さっきまで長剣だった物が悲鳴を上げる。非常に辛いことだけど、デルフリンガーの刀身が根元か
ら折れてしまったのだ。もはや、剣ではない。
どうやら、ぼくは紐雄さんを侮っていたようだ。セカイセイフク二ウム合金がここまでの硬度を誇
るとは思いもしなかった。
「…必殺技がこうも簡単に敗れてしまったら、にっちもさっちもいかないな」
「いてて。で、どうするんだい?」
デルフリンガーの声は、実に不機嫌そうだった。ぼくのせいで、彼は半身を失ってしまったのだ。
それも当然のことだろう。
しかも、困ったことに刀身が無いため鞘に収めることすらかなわない。ぼくは柄だけになってしま
った可哀想なデルフリンガーをポケットにしまいこんだ。
「精霊の三原色は使わないのかい?」
「世界征服ロボは、光の精霊のマナを感知すると、自動的にステルスモードに切り替わる」
「それが?」
「前にも言ったろ?色素破壊は可視たる存在にしか効果が無い。見えない存在には手も足も出ない
んだよ」
「相棒の奥義も万能というわけじゃなかったのか」
「世の中、万能なものなんてないよ」
「目の前のゴーレムもかい?」
ぼくは頷く。そう、こいつにだって必ず弱点はあるはずだ。
しかし、それを考察する暇もない。世界征服ロボが執拗に服従パンチを繰り出すためである。音速
を超える拳は白い巨大な柱にも見える。
それが連続的に地面を貫き、次々と地形を作り変えていくのだ。いやはや、地獄絵図としか例えよ
うが無い。ぼくはただただ逃げ惑うしかなかった。
「相棒。後ろから変な音が聞こえる」
「後ろ?」
振り返ると低空を飛行しながら、バンクするゼロ戦の姿がぼくの目に映った。ぼくに向かってまっ
すぐ飛来してくる。
「まさか…」
ぼくがそう呟いたときには、ゼロ戦はもう目の前に迫っていた。
考える暇もなく、ぼくは反射的にゼロ戦の右翼に飛び移った。こいつ、なんて真似をさせるんだ。
風防を空けると、パイロットのきら校生には有無を言わせず、半ば強引にその中に転がり込んだ。
ゼロ戦のコクピットは二人乗りには出来ていない。男同士の押し競饅頭は始めての経験だったけど
、どちらかと言えば、正直、不快だった。
最近までガンダールヴだったぼくと、現在ガンダールヴを担うサイトの邂逅である。
「あんた、小波だろ?良かった、生きてたのか。ルイズが喜ぶよ」
青年は快活さを感じさせる爽やかな声で言った。
「きみが今のガンダールヴか?」
「ああ、おれは平賀 才人。あんたと同じきら校生だ」
「ぼくは小波。小波 公だ」
「よろしくな」
サイトはそう言うと、ぼくに向かって握手を求めた。しかし、ぼくの顔を認めると、彼の笑顔があ
からさまに凍りついた。そして、ぼくの姿を舐めるように見つめた後、そっと眉をひそめた。
「あんた、主人 公(あるひと こう)じゃないか…?」
世界征服路ロボが世界征服ビームにより出来上がった地面の凹みに膝を落とした。クロムウェルが手馴れた動作でコクピットに乗り込むと、世界征服ロボの左肩突起部分が開口し、直径五センチほどの無数の穴が姿を現した。まるで蜂の巣である。困ったことに、その全てが独裁ミサイルの射出口だった。
紫煙を撒き散らしながら、次々と独裁ミサイルがぼくを目掛けて発射され、着弾する度に閃光と轟音を放った。金属片や石くれが空気を劈いて、ぎりぎりのところでミサイルをかわし続けるぼくを襲い続ける。攻撃に転じる暇も無い。ぼくの衣服はずたずたに切り裂かれていった。
おまけに砂埃や白煙が辺りを覆いつくし、ぼくの視界を不明瞭にしていった。
そのせいで、襲来するミサイルの確認が非常に困難だ。
「相棒。あのゴーレムは弾切れってもんを知らないのかい?かれこれ、百発は撃っているように思うんだが」
「独裁ミサイルの残弾数は常に無限だよ」
「…おかしいだろ、それ」
「ぼくに言うなよ。あのロボットの中身は完全にブラックボックスなんだ」
「そんなやつに勝てるのかい?」
「勝てるか勝てないかなんて、関係ない。勝つんだよ」
厚い白煙が立ち込め、いよいよぼくの視界がゼロになった時、ようやくミサイル攻撃が止んだ。ぼくの生死を確認するつもりなのだろう。
ぼくは頭上に構えたデルフリンガーを高速で振り下ろし、突風を巻き起こした。風圧に吹き飛ばされた白煙が縦に割れ、視界が一気に開かれる。
ぼくは、世界征服ロボに向かって跳躍した。
「早乙女…。お前の技を借りるぞ」
ぼくは悪友の名前を口にした。
「いくよ、デルフリンガー!」
「おう!」
瞬時に仏界から不動明王を召喚したぼくは燃え滾る熱き闘魂をデルフリンガーに注入した。
「くらえ!不動明王唐竹割り!!」
渾身の力を込めたこの技で世界征服ロボを袈裟切りにするつもりだった。だけど、悲しいかな、世の中、思うようにいくことなんて滅多に無い。
「いてぇぇぇぇぇえ!」
さっきまで長剣だった物が悲鳴を上げる。非常に辛いことだけど、デルフリンガーの刀身が根元から折れてしまったのだ。もはや、剣ではない。
どうやら、ぼくは紐雄さんを侮っていたようだ。セカイセイフク二ウム合金がここまでの硬度を誇るとは思いもしなかった。
「…必殺技がこうも簡単に敗れてしまったら、にっちもさっちもいかないな」
「いてて。で、どうするんだい?」
デルフリンガーの声は、実に不機嫌そうだった。ぼくのせいで、彼は半身を失ってしまったのだ。
それも当然のことだろう。
しかも、困ったことに刀身が無いため鞘に収めることすらかなわない。ぼくは柄だけになってしまった可哀想なデルフリンガーをポケットにしまいこんだ。
「精霊の三原色は使わないのかい?」
「世界征服ロボは、光の精霊のマナを感知すると、自動的にステルスモードに切り替わる」
「それが?」
「前にも言ったろ?色素破壊は可視たる存在にしか効果が無い。見えない存在には手も足も出ないんだよ」
「相棒の奥義も万能というわけじゃなかったのか」
「世の中、万能なものなんてないよ」
「目の前のゴーレムもかい?」
ぼくは頷く。そう、こいつにだって必ず弱点はあるはずだ。
しかし、それを考察する暇もない。世界征服ロボが執拗に服従パンチを繰り出すためである。音速を超える拳は白い巨大な柱にも見える。
それが連続的に地面を貫き、次々と地形を作り変えていくのだ。いやはや、地獄絵図としか例えようが無い。ぼくはただただ逃げ惑うしかなかった。
「相棒。後ろから変な音が聞こえる」
振り返ると低空を飛行しながら、バンクするゼロ戦の姿がぼくの目に映った。ぼくに向かってまっすぐ飛来してくる。
「まさか…」
ぼくがそう呟いたときには、ゼロ戦はもう目の前に迫っていた。
考える暇もなく、ぼくは反射的にゼロ戦の右翼に飛び移った。こいつ、なんて真似をさせるんだ。
風防を空け、パイロットのきら校生には有無を言わせず、半ば強引にその中に転がり込んだ。
ゼロ戦のコクピットは二人乗りには出来ていない。男同士の押し競饅頭は始めての経験だったけど、どちらかと言えば、正直、不快だった。
最近までガンダールヴだったぼくと、現在ガンダールヴを担うサイトの邂逅である。
「あんた、小波だろ?良かった、生きてたのか。ルイズが喜ぶよ」
青年は快活さを感じさせる爽やかな声で言った。
「きみが今のガンダールヴか?」
「ああ、おれは平賀 才人。あんたと同じきら校生だ」
「ぼくは小波。小波 公だ」
「よろしくな」
サイトはそう言うと、ぼくに向かって握手を求めた。しかし、ぼくの顔を認めると、彼の笑顔があからさまに凍りついた。そして、ぼくの姿を舐めるように見つめた後、そっと眉をひそめた。
「あんた、主人 公(あるひと こう)じゃないか…?」
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