「ときめきメモリアル0-13」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「ときめきメモリアル0-13」(2008/01/08 (火) 20:44:29) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
眼下に広がる戦場を、高地から悠然と眺める隻碗の青年がいた。紺の衣を纏い、漆黒の髪を持つ『銅貨の良心』である。
戦場に夥しい量の血肉を撒き散らす巨大な二股の首を持つ狂犬を目にし、彼は眉をひそめた。
「……サイバーファング?なぜ起動しているんだ?」
剣が訝しげに言った。
「お前さんにしか、操れないんじゃなかったのかね?」
「もちろん、そのはずだよ」
青年は腰に指した剣の柄にそっと触れる。そして、はっと目を見開いた。
「ぼく以外の『きら校生』がハルケギニアに……?」
「キラコウセイ?」
青年が大きく頷いた。
「……たぶん、サイバーファングを操る人はぼくの味方だ」
「じゃあ、一気に片をつけるかい?」
青年は戦場を見据える。しばらくしてから、冷酷な声で言った。
「……見つけた」
剣は背筋を震わせた。彼の知る青年には、あまりにも似つかわしくない声色だったのだ。
「何を?」
青年の周りを包む空気が変わる。
「……クロムウェル、彼はサイバーファングに夢中みたいだ。首をとる絶好のチャンスだよ。今度は『服従ミサイル』を使う暇も与えない。一気に始末してやる」
積極的に残酷な発言をする青年が、剣には以外だった。
「ちょっと、相棒らしくないんじゃないかい?」
「……なにが?」
「いや、今の相棒がさ。なんて、言えば良いか分からないけど……」
青年の顔が歪んだ。
「それは良く分かってるよ、デルフリンガー。だけど、綺麗事だけじゃ解決しないことも、たくさんあるんだ。今は自分の心を鬼にしなくちゃならない。でないと、誰も守れないよ……」
剣は自分の言葉を後悔した。やはり、この青年は、どこまでいっても心根の優しいお人よしに過ぎないのだ。
「わりい、つまらないこと言って。じゃあ、行くか!」
「ああ、頼むよ!」
青年は剣を引き抜くと、戦場に向け跳躍した。
傭兵の生業を続けるうちに、彼の『運動』パラメータは成長限界までに達している。そんな彼を止められる存在が、アルビオン陸軍にいるはずもない。
その時、彼等の頭上を零戦が舞った。
「しかし、一騎とはなめられたものだな」
急降下してくる竜騎兵をを迎え撃つため、自分が跨がる竜を上昇させた騎士が呟く。
しかし、随分と見慣れない形だ。真っ直ぐに伸びた翼は、まるで固定されたように羽ばたきを見せない。しかも異様な轟音を立てている。
「まあ、いい。撃墜してやる」
唇の端をを歪めて、急降下してくる竜騎兵を待ち受ける。己の無知を知ったのは、自身の体に大きな風穴が空いた後だった。
一体の竜騎兵を軽々と片付け、自信を得た才人は次々とアルビオンの航空戦力を屠っていった。
空の奇跡、才人。
地の奇跡、小波。
二つの奇跡が邂逅し、そして、今、三つ目の奇跡が戦場に舞い降りた。
それは、空でも地でもない虚無の奇跡、ルイズ。
残酷な戦場の風が、純粋な三つの想いによって塗り変えられる。
アンリエッタは、信じられない光景を目の当たりにした。今まで散々自分達に砲撃を浴びせかけていた巨艦の上空にまばゆいばかりの光球が現れたのだ。
その球は膨れ上がり、空を浮遊する艦隊を包んだ。さらに光は膨れ上がり、視界をすべて覆い尽くした。
音はない。しかし、アンリエッタは咄嗟に目をつむった。
そして、光が晴れた後、アルビオン軍艦隊は全て炎上していた。そして、緩やかに地面に墜落していく。
眼下に広がる戦場を、高地から悠然と眺める隻碗の青年がいた。紺の衣を纏い、漆黒の髪を持つ『銅貨の良心』である。
戦場に夥しい量の血肉を撒き散らす巨大な二股の首を持つ狂犬を目にし、彼は眉をひそめた。
「……サイバーファング?なぜ起動しているんだ?」
剣が訝しげに言った。
「お前さんにしか、操れないんじゃなかったのかね?」
「もちろん、そのはずだよ」
青年は腰に指した剣の柄にそっと触れる。そして、はっと目を見開いた。
「ぼく以外の『きら校生』がハルケギニアに……?」
「キラコウセイ?」
青年が大きく頷いた。
「……たぶん、サイバーファングを操る人はぼくの味方だ」
「じゃあ、一気に片をつけるかい?」
青年は戦場を見据える。しばらくしてから、冷酷な声で言った。
「……見つけた」
剣は背筋を震わせた。彼の知る青年には、あまりにも似つかわしくない声色だったのだ。
「何を?」
青年の周りを包む空気が変わる。
「……クロムウェル、彼はサイバーファングに夢中みたいだ。首をとる絶好のチャンスだよ。今度は『服従ミサイル』を使う暇も与えない。一気に始末してやる」
積極的に残酷な発言をする青年が、剣には以外だった。
「ちょっと、相棒らしくないんじゃないかい?」
「……なにが?」
「いや、今の相棒がさ。なんて、言えば良いか分からないけど……」
青年の顔が歪んだ。
「それは良く分かってるよ、デルフリンガー。だけど、綺麗事だけじゃ解決しないことも、たくさんあるんだ。今は自分の心を鬼にしなくちゃならない。でないと、誰も守れないよ……」
剣は自分の言葉を後悔した。やはり、この青年は、どこまでいっても心根の優しいお人よしに過ぎないのだ。
「わりい、つまらないこと言って。じゃあ、行くか!」
「ああ、頼むよ!」
青年は剣を引き抜くと、戦場に向け跳躍した。
傭兵の生業を続けるうちに、彼の『運動』パラメータは成長限界までに達している。そんな彼を止められる存在が、アルビオン陸軍にいるはずもない。
その時、彼等の頭上を零戦が舞った。
「しかし、一騎とはなめられたものだな」
急降下してくる竜騎兵をを迎え撃つため、自分が跨がる竜を上昇させた騎士が呟く。
しかし、随分と見慣れない形だ。真っ直ぐに伸びた翼は、まるで固定されたように羽ばたきを見せない。しかも異様な轟音を立てている。
「まあ、いい。撃墜してやる」
唇の端をを歪めて、急降下してくる竜騎兵を待ち受ける。己の無知を知ったのは、自身の体に大きな風穴が空いた後だった。
一体の竜騎兵を軽々と片付け、自信を得た才人は次々とアルビオンの航空戦力を屠っていった。
二つの奇跡が邂逅し、そして、今、三つ目の奇跡が戦場に舞い降りた。
それは、空でも地でもない虚無。
残酷な戦場の風が、純粋な三つの想いによって塗り変えられる。
アンリエッタは、信じられない光景を目の当たりにした。今まで散々自分達に砲撃を浴びせかけていた巨艦の上空にまばゆいばかりの光球が現れたのだ。
その球は膨れ上がり、空を浮遊する艦隊を包んだ。さらに光は膨れ上がり、視界をすべて覆い尽くした。
音はない。しかし、アンリエッタは咄嗟に目をつむった。
そして、光が晴れた後、アルビオン軍艦隊は全て炎上していた。
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: