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「ゼロと一緒にランランルー♪」(2007/09/15 (土) 13:06:57) の最新版変更点
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そのルイズが呼び出した道化師は、すべての理を粉々にした。
真っ白なメイク、大きく塗られた唇、そして真っ赤なアフロ。
黄色と赤と白の三色で彩られた服。
明らかに大きすぎる真っ赤な靴。
平民を呼んだ、道化師を呼んだ、さすがゼロのルイズ、とからかわれるルイズ。
一人部屋で泣きそうになるルイズを、その道化師は一生懸命笑わせようとしていた。
彼の芸を見て笑顔を浮かべるルイズ。
その笑顔に満足したのか、道化師も笑みを浮かべる。
しかしそれでも朝食に出ればからかわれ、授業で失敗すれば馬鹿にされる。
彼女を喜ばせようと必至に芸をする道化師、それに笑顔を浮かべるルイズ。
気がつけばルイズは己の使い魔の前でしか笑わないようになっていた。
ルイズのおかしさに回りが気づいたころ、彼らの処置はもう手遅れになっていた。
それがある日、フーケという名の盗賊の襲撃によって覆る。
遅い来るゴーレム、崩れる塔、フーケからの“破壊の杖”の奪還に志願したのはルイズであった。
そしてルイズとの関係を何とか修復したいと思っていたキュルケ、その友人のタバサが手を上げた。
馬車の中でもキュルケたちには生返事を返し、使い魔の芸で笑うルイズ。
使い魔が時折キュルケたちに投げるすまなそうな視線が、彼女たちの心を打った。
ゴーレムは強力で強靭だった。
キュルケとタバサの魔法はまるで歯が立たず、シルフィードに乗って逃げるしかない。
おとりを引き受けた道化師が、そのだぼっとした服装からは想像もつかない速さでゴーレムをひきつけている。
そんな中で一人、ルイズは“破壊の杖”を振る。しかし何も怒らない。
彼女は悔しかった。己の使い魔一人守ることもできない自分がにくかった。
事実その破壊の杖はマジックアイテムでもなんでもなく、ましてや原作のように近代兵器というわけでもない。
頑丈な金属でできた、特注のステッキに過ぎなかった。
そんなものをいくら振ったところで魔法が使えるようになるわけもなければ、杖から発射された何かがゴーレムを打ち倒すはずもない。
でも道化師は涙を流す彼女を後ろからそっと抱え、彼女の持つ杖に手を添えた。
できるはずがない? そんなことは関係ない。
不可能だ? そんなこと知ったこっちゃない。
無理に決まってる? だからそれがどうしたというのか?
彼は道化師なのだから。彼は笑顔を与えるものなのだから。
かつていた世界で子供たちに夢を与え続け、子供たちの想いで精霊として生み出された彼は、ただ一言となえる。
ルイズだけのための、それは『魔法の言葉』
ただのチタン製の杖を光が包み込み、無骨で真っ黒なステッキがクリスマスセットに出てくるような赤と白のストライプに染まる。
ゴーレムに向けられた杖の先端から放たれた光は、ゴーレムに小さな穴を穿ち爆散させた。
その日からルイズは、まさしく生まれ変わった。
フリッグの舞踏会では己の使い魔とタップダンスを踊り、使い魔の品評会では二人でラインダンスを披露する。
彼女は幸せの中にいた。
その晩たずねてきた王女の頼みにより、ルイズは己の使い魔と立ち聞きしていたギーシュ、加えて後から駆けつけたワルドと共にアルビオンまで向かう。
途中の襲撃者は盗賊も傭兵もフーケも仮面の男も『魔法の言葉』で吹き飛ばし、ルイズはアルビオンまでひた走る。
道化師は何も言わず、汗の一滴もかかずに彼女の後を追従する。
だが悲しいかな彼女は、人生で始めての深い裏切りを体験する。
目の前で血を流して倒れる己の使い魔。
ワルドの突き出した杖とウェールズの間に飛び込み楯になったのだ。
ピクリとも動かない道化師。
ルイズは泣いた、嫌だと、死なないでと。
ならば大丈夫、だって彼はかつての子供たちの味方、今はルイズの味方、彼はその願いを必ずかなえるのだから。
起き上がった彼は、傷も何も初めからなかったかのようにニコニコと微笑んでいた。
その笑顔のまま、指先からの光で空中に文字を描く。
その文字から打ち出された光線が、ワルドを壁ごと吹き飛ばした。
責任がどうのとわめく皇太子を、死んだら相手にその死を利用されるだけだ、と説得して共に脱出。
囮になるために残った王たちと共に爆散する王宮を尻目に脱出艇で遠ざかる皇太子たちを、シルフィードの上から見送る。
ルイズは一人、道化師に抱えられて眠っていた。
それは懐かしい夢、幼いころのワルドとの思い出。
だがそこにワルドはおらず、小舟の上では道化師が、ルイズの笑顔のためだけに踊っていた。
クックベリーパイで仲良くなったシエスタの故郷へ同行するルイズ。
自分の持つ『破壊の杖』のような変なものがあるらしいのと、暇つぶしに付き合ったキュルケの宝探しの目的とそれが一致したのとで、ルイズたちはタルブの村にいた。
そこにあったのは『竜の羽衣』、まるで道化師の服のような派手なデザインのそれは、しかし手のひらに乗るほど小さかった。
こんなもので空を飛べるはずがないと皆が言う中、ルイズの使い魔だけはそれを手にとってしげしげと観察している。
シエスタの話では墓の文字が読める人に渡してくれという遺言が残っているとのことなので、それを見に全員で墓地へ。
その墓に書かれていた文字を、あろうことかルイズの使い魔は読むことができた。
地球において英語と呼ばれていたその文字で、墓には名が彫りこまれていた。
タルブ村から戻ってずっと、暇があれば道化師はその手のひらサイズのおもちゃをいじくっていた。
なにやら部品が足りないとかでコルベールに紙に書いて説明をしている。
そんな中、タルブの村がレコン・キスタに襲われたという話が学園にまで入ってきた。
彼は子供たちの味方、彼はルイズの味方、ルイズが願えばあらゆるすべてをかなえる、ルイズだけの道化師。
「行くわよ、シエスタを助けに」
道化師は笑顔でコルベールが作ったという部品を、そのおもちゃに差し込んだ。
ねじに見えるそれをキリキリとまわすと、中で細長い金属板が引っ張られて動力になる。
事実それはおもちゃだった。ゼンマイ式の自走するおもちゃ。
だが彼は願いをかなえる精霊。
シエスタがこれが飛んだというのだから、ルイズが飛べたら良いなと願うのだから、彼はただそれを唱えるだけ。
いつもの『魔法の言葉』が響くと、それは五メイルというサイズまで大きくなった。
それは先端のプロペラを、なんだか不思議な動力で回転させ、なんだか不思議な揚力で浮き上がり、なんだか不思議な推力で進む。
物理法則など何のその、彼はただすべてを無視して願いをかなえるのだから。
タルブの村の青々とした森、シエスタが好きだといっていた草原、そのすべてが炎に包まれている。
村を焼くのは示威行為になるだろうが、草原はまるで関係ない。
メイジの戯れで焼かれた森を前に、ルイズの頭に血が上る。
近づいてきた騎竜兵に、道化師は光線を打ち込んだ。
杖を構えるルイズを制し、道化師は黙って足元を指差す。
そこには学園長に渡された始祖の祈祷書。
促されるままにそれを開くと、指輪の輝きと共に文字が浮かび上がる。
彼は願いをかなえる精霊、ルイズがそれを願ったら、何があろうとそれをかなえる。
その前書きも読めないセキュリティの高さに呆れながら、ルイズはそれを読んでいく。
ワルドっぽい声の人が何か言ってるけど気にしない。
彼女の放った虚無の魔法は、レキシントン号を吹き飛ばした。
彼らの行進は止まらない。
立ちふさがる障害は吹き飛ばし、子供の頭をなでりなでり。
タバサのお母さんも“なんとなく”治して子供の頭をなでりなでり。
貴族がどうのとわめくレコン・キスタも吹き飛ばして、子供の頭をなでりなでり。
ガリアの王様も何処かの教皇様も吹き飛ばして、子供の頭をなでりなでり。
ついでにコルベールのはげも“なんとなく”治して、子供の頭をなでりなでり。
後年、彼らはなんとなく不思議な動力で動く移動式のお店で子供に夢を配っていた。
ルイズが肉と野菜のサンドイッチを売り、その横で彼女の使い魔が子供たちに笑顔を配る。
邪魔するものをなぎ倒し、二人は笑顔のために行く。
今日もその素敵なステッキを振り、二人は笑顔で歩いていく。
さあ君も一緒に叫ぼう、『魔法の言葉』を!
「ドナルド・マジック!」
『ゼロと一緒にランランルー♪』
そのルイズが呼び出した道化師は、すべての理を粉々にした。
真っ白なメイク、大きく塗られた唇、そして真っ赤なアフロ。
黄色と赤と白の三色で彩られた服。
明らかに大きすぎる真っ赤な靴。
平民を呼んだ、道化師を呼んだ、さすがゼロのルイズ、とからかわれるルイズ。
一人部屋で泣きそうになるルイズを、その道化師は一生懸命笑わせようとしていた。
彼の芸を見て笑顔を浮かべるルイズ。
その笑顔に満足したのか、道化師も笑みを浮かべる。
しかしそれでも朝食に出ればからかわれ、授業で失敗すれば馬鹿にされる。
彼女を喜ばせようと必至に芸をする道化師、それに笑顔を浮かべるルイズ。
気がつけばルイズは己の使い魔の前でしか笑わないようになっていた。
ルイズのおかしさに回りが気づいたころ、彼らの処置はもう手遅れになっていた。
それがある日、フーケという名の盗賊の襲撃によって覆る。
遅い来るゴーレム、崩れる塔、フーケからの“破壊の杖”の奪還に志願したのはルイズであった。
そしてルイズとの関係を何とか修復したいと思っていたキュルケ、その友人のタバサが手を上げた。
馬車の中でもキュルケたちには生返事を返し、使い魔の芸で笑うルイズ。
使い魔が時折キュルケたちに投げるすまなそうな視線が、彼女たちの心を打った。
ゴーレムは強力で強靭だった。
キュルケとタバサの魔法はまるで歯が立たず、シルフィードに乗って逃げるしかない。
おとりを引き受けた道化師が、そのだぼっとした服装からは想像もつかない速さでゴーレムをひきつけている。
そんな中で一人、ルイズは“破壊の杖”を振る。しかし何も怒らない。
彼女は悔しかった。己の使い魔一人守ることもできない自分がにくかった。
事実その破壊の杖はマジックアイテムでもなんでもなく、ましてや原作のように近代兵器というわけでもない。
頑丈な金属でできた、特注のステッキに過ぎなかった。
そんなものをいくら振ったところで魔法が使えるようになるわけもなければ、杖から発射された何かがゴーレムを打ち倒すはずもない。
でも道化師は涙を流す彼女を後ろからそっと抱え、彼女の持つ杖に手を添えた。
できるはずがない? そんなことは関係ない。
不可能だ? そんなこと知ったこっちゃない。
無理に決まってる? だからそれがどうしたというのか?
彼は道化師なのだから。彼は笑顔を与えるものなのだから。
かつていた世界で子供たちに夢を与え続け、子供たちの想いで精霊として生み出された彼は、ただ一言となえる。
ルイズだけのための、それは『魔法の言葉』
ただのチタン製の杖を光が包み込み、無骨で真っ黒なステッキがクリスマスセットに出てくるような赤と白のストライプに染まる。
ゴーレムに向けられた杖の先端から放たれた光は、ゴーレムに小さな穴を穿ち爆散させた。
その日からルイズは、まさしく生まれ変わった。
フリッグの舞踏会では己の使い魔とタップダンスを踊り、使い魔の品評会では二人でラインダンスを披露する。
彼女は幸せの中にいた。
その晩たずねてきた王女の頼みにより、ルイズは己の使い魔と立ち聞きしていたギーシュ、加えて後から駆けつけたワルドと共にアルビオンまで向かう。
途中の襲撃者は盗賊も傭兵もフーケも仮面の男も『魔法の言葉』で吹き飛ばし、ルイズはアルビオンまでひた走る。
道化師は何も言わず、汗の一滴もかかずに彼女の後を追従する。
だが悲しいかな彼女は、人生で始めての深い裏切りを体験する。
目の前で血を流して倒れる己の使い魔。
ワルドの突き出した杖とウェールズの間に飛び込み楯になったのだ。
ピクリとも動かない道化師。
ルイズは泣いた、嫌だと、死なないでと。
ならば大丈夫、だって彼はかつての子供たちの味方、今はルイズの味方、彼はその願いを必ずかなえるのだから。
起き上がった彼は、傷も何も初めからなかったかのようにニコニコと微笑んでいた。
その笑顔のまま、指先からの光で空中に文字を描く。
その文字から打ち出された光線が、ワルドを壁ごと吹き飛ばした。
責任がどうのとわめく皇太子を、死んだら相手にその死を利用されるだけだ、と説得して共に脱出。
囮になるために残った王たちと共に爆散する王宮を尻目に脱出艇で遠ざかる皇太子たちを、シルフィードの上から見送る。
ルイズは一人、道化師に抱えられて眠っていた。
それは懐かしい夢、幼いころのワルドとの思い出。
だがそこにワルドはおらず、小舟の上では道化師が、ルイズの笑顔のためだけに踊っていた。
クックベリーパイで仲良くなったシエスタの故郷へ同行するルイズ。
自分の持つ『破壊の杖』のような変なものがあるらしいのと、暇つぶしに付き合ったキュルケの宝探しの目的とそれが一致したのとで、ルイズたちはタルブの村にいた。
そこにあったのは『竜の羽衣』、まるで道化師の服のような派手なデザインのそれは、しかし手のひらに乗るほど小さかった。
こんなもので空を飛べるはずがないと皆が言う中、ルイズの使い魔だけはそれを手にとってしげしげと観察している。
シエスタの話では墓の文字が読める人に渡してくれという遺言が残っているとのことなので、それを見に全員で墓地へ。
その墓に書かれていた文字を、あろうことかルイズの使い魔は読むことができた。
地球において英語と呼ばれていたその文字で、墓には名が彫りこまれていた。
タルブ村から戻ってずっと、暇があれば道化師はその手のひらサイズのおもちゃをいじくっていた。
なにやら部品が足りないとかでコルベールに紙に書いて説明をしている。
そんな中、タルブの村がレコン・キスタに襲われたという話が学園にまで入ってきた。
彼は子供たちの味方、彼はルイズの味方、ルイズが願えばあらゆるすべてをかなえる、ルイズだけの道化師。
「行くわよ、シエスタを助けに」
道化師は笑顔でコルベールが作ったという部品を、そのおもちゃに差し込んだ。
ねじに見えるそれをキリキリとまわすと、中で細長い金属板が引っ張られて動力になる。
事実それはおもちゃだった。ゼンマイ式の自走するおもちゃ。
だが彼は願いをかなえる精霊。
シエスタがこれが飛んだというのだから、ルイズが飛べたら良いなと願うのだから、彼はただそれを唱えるだけ。
いつもの『魔法の言葉』が響くと、それは五メイルというサイズまで大きくなった。
それは先端のプロペラを、なんだか不思議な動力で回転させ、なんだか不思議な揚力で浮き上がり、なんだか不思議な推力で進む。
物理法則など何のその、彼はただすべてを無視して願いをかなえるのだから。
タルブの村の青々とした森、シエスタが好きだといっていた草原、そのすべてが炎に包まれている。
村を焼くのは示威行為になるだろうが、草原はまるで関係ない。
メイジの戯れで焼かれた森を前に、ルイズの頭に血が上る。
近づいてきた騎竜兵に、道化師は光線を打ち込んだ。
杖を構えるルイズを制し、道化師は黙って足元を指差す。
そこには学園長に渡された始祖の祈祷書。
促されるままにそれを開くと、指輪の輝きと共に文字が浮かび上がる。
彼は願いをかなえる精霊、ルイズがそれを願ったら、何があろうとそれをかなえる。
その前書きも読めないセキュリティの高さに呆れながら、ルイズはそれを読んでいく。
ワルドっぽい声の人が何か言ってるけど気にしない。
彼女の放った虚無の魔法は、レキシントン号を吹き飛ばした。
彼らの行進は止まらない。
立ちふさがる障害は吹き飛ばし、子供の頭をなでりなでり。
タバサのお母さんも“なんとなく”治して子供の頭をなでりなでり。
貴族がどうのとわめくレコン・キスタも吹き飛ばして、子供の頭をなでりなでり。
ガリアの王様も何処かの教皇様も吹き飛ばして、子供の頭をなでりなでり。
ついでにコルベールのはげも“なんとなく”治して、子供の頭をなでりなでり。
後年、彼らはなんとなく不思議な動力で動く移動式のお店で子供に夢を配っていた。
ルイズが肉と野菜のサンドイッチを売り、その横で彼女の使い魔が子供たちに笑顔を配る。
邪魔するものをなぎ倒し、二人は笑顔のために行く。
今日もその素敵なステッキを振り、二人は笑顔で歩いていく。
さあ君も一緒に叫ぼう、『魔法の言葉』を!
「ドナルド・マジック!」
『ゼロと一緒にランランルー♪』
-ドナルド・マクドナルド
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