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#navi(ゼロと運命の剣)
&setpagename(1:物言う剣)
その少女の魔法は例外なく爆発する。例外がないということはつまり今回も、だ。
しかし少女の瞳はあきらめていない。今度こそ成功したと言う実感が(例えそれが数秒後に消えるものだとしても)あったし、それが気のせいだと思いたくはなかった。
そしてその声は、聞こえた。
『おいそこの女、我の声が聞こえるか』
「成功した!」
少女は煙の中を駆け出した。念願の使い魔だ。契約さえ済めば、これでゼロと馬鹿にされる事もなくなる。
しかし少女の希望は、一瞬の後に疑問に変わり、直後に落胆に変わる事になる。
「…………剣?」
そこにあったのは、確かに剣であった。大地に突き立っている。
やや刀身の長く、刃が広い長剣で、柄に奇妙な装飾がついていた。あまり実用的な剣とも思えないし、それにしては装飾が真新しいわけでもない、古びた剣に見えた。
「おい、見ろよアレ…生き物じゃなくて剣だぞ」
「ルイズの奴が召喚したのか?」
「失敗したんじゃねーの? 生き物じゃないなら使い魔になれないじゃん」
「でもさっき声がしなかったか?」
周囲の生徒達が口々に囃し立てる。
ルイズは落胆した。声が聞こえた気がしたが、それも幻聴だったようだ。剣では使い魔になれないし、自分が剣術に長けているわけでもない。
「何よ、ただの古い剣じゃない」
だがその剣には唯一の例外があった。
『古いのは確かだが、ただの剣とは心外だな』
「……しゃべった!?」
ルイズはぺたんとしりもちをつく。しかし驚いたのは何もルイズだけではなかった。
「おい、今あの剣がしゃべったのか?」
「確かにあの剣の声だぜ、今のは」
「ありゃインテリジェンスソードだ!」
蜂の巣をつついたような騒ぎであった。ゼロのルイズがインテリジェンスソードを召喚したというのはそれ程の驚きをもって迎えられたのである。
『参ったな、我の声が聞こえる者が多いと言うのは意外だが……だが我を呼んだのはお前だな女』
「そ、そうよ。私は、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
『ならばルイズ。我を手に取り、我が名を呼べ。我が名はディムロス。ソーディアン=ディムロスだ』
「でぃ……ディムロス。それが貴方の名前」
ルイズはいわれるままに剣を抜いて、そうつぶやいた。とはいえあまりの驚きに放心状態に近いものがあったわけだが。
次の言葉でルイズは我に返った。
『契約は完了した。これでお前は我の新しいマスターとなった』
「……って、完了してないわよ!」
ガシャーン。大地に投げつけられたしゃべる剣、ディムロス。
『な、何をする!?』
「使い魔の契約ってのはそういうのじゃなくて、ええと、その」
コントラクト・サーヴァント。使い魔との契約は口付けにより完了する。のだが。
「……どこに口付けりゃいいのよこれ」
『おい、ルイズ、この扱いはどういうことだ!』
その後大変な紆余曲折を経つつ、ルイズは剣にキスしたメイジと言う二つ名を頂戴することになるのだが、ルイズ、ディムロスともその件に関して詳しく語る事はなかったと言う。
つまるところ、この二者第一の共通点は、極めてテレ屋であったと言う事だ。
余談:
デルフ「俺の立場は? っってーか俺の使い手は?」
#navi(ゼロと運命の剣)
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その少女の魔法は例外なく爆発する。例外がないということはつまり今回も、だ。
しかし少女の瞳はあきらめていない。今度こそ成功したと言う実感が(例えそれが数秒後に消えるものだとしても)あったし、それが気のせいだと思いたくはなかった。
そしてその声は、聞こえた。
『おいそこの女、我の声が聞こえるか』
「成功した!」
少女は煙の中を駆け出した。念願の使い魔だ。契約さえ済めば、これでゼロと馬鹿にされる事もなくなる。
しかし少女の希望は、一瞬の後に疑問に変わり、直後に落胆に変わる事になる。
「…………剣?」
そこにあったのは、確かに剣であった。大地に突き立っている。
やや刀身の長く、刃が広い長剣で、柄に奇妙な装飾がついていた。あまり実用的な剣とも思えないし、それにしては装飾が真新しいわけでもない、古びた剣に見えた。
「おい、見ろよアレ…生き物じゃなくて剣だぞ」
「ルイズの奴が召喚したのか?」
「失敗したんじゃねーの? 生き物じゃないなら使い魔になれないじゃん」
「でもさっき声がしなかったか?」
周囲の生徒達が口々に囃し立てる。
ルイズは落胆した。声が聞こえた気がしたが、それも幻聴だったようだ。剣では使い魔になれないし、自分が剣術に長けているわけでもない。
「何よ、ただの古い剣じゃない」
だがその剣には唯一の例外があった。
『古いのは確かだが、ただの剣とは心外だな』
「……しゃべった!?」
ルイズはぺたんとしりもちをつく。しかし驚いたのは何もルイズだけではなかった。
「おい、今あの剣がしゃべったのか?」
「確かにあの剣の声だぜ、今のは」
「ありゃインテリジェンスソードだ!」
蜂の巣をつついたような騒ぎであった。ゼロのルイズがインテリジェンスソードを召喚したというのはそれ程の驚きをもって迎えられたのである。
『参ったな、我の声が聞こえる者が多いと言うのは意外だが……だが我を呼んだのはお前だな女』
「そ、そうよ。私は、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
『ならばルイズ。我を手に取り、我が名を呼べ。我が名はディムロス。ソーディアン=ディムロスだ』
「でぃ……ディムロス。それが貴方の名前」
ルイズはいわれるままに剣を抜いて、そうつぶやいた。とはいえあまりの驚きに放心状態に近いものがあったわけだが。
次の言葉でルイズは我に返った。
『契約は完了した。これでお前は我の新しいマスターとなった』
「……って、完了してないわよ!」
ガシャーン。大地に投げつけられたしゃべる剣、ディムロス。
『な、何をする!?』
「使い魔の契約ってのはそういうのじゃなくて、ええと、その」
コントラクト・サーヴァント。使い魔との契約は口付けにより完了する。のだが。
「……どこに口付けりゃいいのよこれ」
『おい、ルイズ、この扱いはどういうことだ!』
その後大変な紆余曲折を経つつ、ルイズは剣にキスしたメイジと言う二つ名を頂戴することになるのだが、ルイズ、ディムロスともその件に関して詳しく語る事はなかったと言う。
つまるところ、この二者第一の共通点は、極めてテレ屋であったと言う事だ。
余談:
デルフ「俺の立場は? っってーか俺の使い手は?」
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