「Zero ed una bambola ゼロと人形-09」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「Zero ed una bambola ゼロと人形-09」(2009/01/28 (水) 20:37:27) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
#navi(Zero ed una bambola ゼロと人形)
「シエスタちゃん遅いですね」
「遅いわね。何か用事でもあるんじゃないかしら?先に洗濯を済ませましょう」
その日、朝の日課となった洗濯をするために水汲み場へとやってきた二人だったがいつまで経ってもシエスタが来ない。仕方がないので先に洗濯を始めるのであった。
「アンジェ、朝ごはんだから先に厨房に行きなさい」
「はい」
「それでシエスタに会ったらね、何か用事があるんだったら先に言っておくように伝えて頂戴」
「わかりました」
そういってアンジェリカは厨房へ駈けていく。
「あれ?マルトーさん。シエスタちゃんはどこですか?」
「あ、ああ。そ、そういえばいないな」
アンジェリカの問いにマルトーは顔をそらし答える。
「マルトーさん。どうかしたんですか?」
「ど、どうもしねぇよ。ほら朝飯だ」
アンジェリカは食事を摂りながらもマルトーの顔をじっとみつめる。
「マルトーさん。お顔、どうしたんですか?」
「な、何でもないさ。ちっとばかし転んだだけだ」
そういうマルトーの顔には殴られたような痕があった。
食事を終え、メイド服に着替えたアンジェリカはシエスタを探しに行く。
「ねぇ、シルフィードちゃん。シエスタちゃん見なかった?」
きゅいきゅい
「そうなの?あなた達は?」
ゲコゲコ
てけり・り
きゅるきゅる
「知らないの?」
そんな事をしているうちにもう昼の時刻になってしまった。アンジェリカは仕方なくルイズの所に行くのであった。
「ルイズさん、シエスタちゃんがいません」
「いないって、どういうことかしら?」
アンジェリカは厨房でマルトーが顔に疵を負っていること、学院内にシエスタの姿が見当たらないと説明する。
「コック長のマルトーだったかしら?その人の所に行くわよ」
ルイズはアンジェリカの手をひいて厨房へ足を向けた。
「ちょっといいかしら?」
「マルトーさん。ルイズさんが聞きたいことがあるそうです」
突然やってきた二人に驚きを隠せないマルトー。
「ねぇ、シエスタが見当たらないんだけど・・・」
「そ、そういやー姿が見えませんね。あ、ははは」
あからさまに怪しい。
「その顔の疵、もしかしてシエスタがいないことと関係あるんじゃない?」
「そ、そんなこたぁなかと」
「嘘ね」
ルイズはマルトーに詰め寄る。
「何かあったんですか?」
アンジェリカもそうマルトーに尋ねる。
「ど、どうしようもなかったんだ。どうしようも」
マルトーはそういって崩れ落ちる。
「ちょ、どうしたのよ!」
ルイズはマルトーの胸倉を掴んだ。
「あんた達が街へ行っている間だ。そん時にモット伯とかいう貴族の野郎の使いがやって来てな」
マルトーはルイズ達から目をそらし答える。
「シエスタを連れていくっていってな、俺はふざけるなって言ったんだがこの有様だ」
「それでシエスタは?」
「朝一番でモット伯の屋敷行っちまった」
「っ!何でわたしたちに何も言わないのよ!」
「アンジェリカ達に迷惑はかけたくないって言ってな。このことは黙っていてくれと・・・」
「アンジェ!行くわよ!」
自分が抑えられなくなったルイズがアンジェリカの手をひいて厨房から出て行く。
「何なのよ!あの娘は!」
「ルイズさんシエスタちゃんはどうしちゃったんですか?」
「モット伯に連れて行かれたのよ!」
「その人悪い人なんですか」
「悪いって、そうね。悪い噂しか聞かないからね。それにいい噂も聞かないしね」
「じゃあ悪い人なんですね。私やっつけますよ?」
「え?じゃあお願いするわ。王子様がお姫様を助けに行く。まるで御伽噺ね。」
「御伽噺ですか?」
「そうよ。アンジェが王子様でお姫様がシエスタね」
アンジェリカのそれを彼女なりの冗談と受け止め、怒りを抑え優しく笑い返す。
「けどどうにかしないといけないわね。キュルケとかに相談してみようかしら、癪だけど」
ルイズは一人でブツブツと呟く。
「アンジェ。ちょっとわたし用事があるから好きにしていいわよ」
「はい、ルイズさん」
アンジェリカはパタパタと駈けて行った。
日が暮れ始めたころ学院の郊外にアンジェリカはいた。
「シルフィードちゃんこっちでいいの?」
きゅい!
「そうなんだ。じゃあ行こっか」
ゲコゲコ
てけり・り!
きゅるきゅる
もぐもぐ
手に持ったAUGに力が入る。
王子様は囚われの姫を救いに、悪のドラゴンの砦へと向かうのでした。
Episodio 9
La principessa della caduta in mani di nemico
囚われのお姫様
#navi(Zero ed una bambola ゼロと人形)
#navi(Zero ed una bambola ゼロと人形)
「シエスタちゃん遅いですね」
「遅いわね。何か用事でもあるんじゃないかしら?先に洗濯を済ませましょう」
その日、朝の日課となった洗濯をするために水汲み場へとやってきた二人だったがいつまで経ってもシエスタが来ない。仕方がないので先に洗濯を始めるのであった。
「アンジェ、朝ごはんだから先に厨房に行きなさい」
「はい」
「それでシエスタに会ったらね、何か用事があるんだったら先に言っておくように伝えて頂戴」
「わかりました」
そういってアンジェリカは厨房へ駈けていく。
「あれ?マルトーさん。シエスタちゃんはどこですか?」
「あ、ああ。そ、そういえばいないな」
アンジェリカの問いにマルトーは顔をそらし答える。
「マルトーさん。どうかしたんですか?」
「ど、どうもしねぇよ。ほら朝飯だ」
アンジェリカは食事を摂りながらもマルトーの顔をじっとみつめる。
「マルトーさん。お顔、どうしたんですか?」
「な、何でもないさ。ちっとばかし転んだだけだ」
そういうマルトーの顔には殴られたような痕があった。
食事を終え、メイド服に着替えたアンジェリカはシエスタを探しに行く。
「ねぇ、シルフィードちゃん。シエスタちゃん見なかった?」
きゅいきゅい
「そうなの?あなた達は?」
ゲコゲコ
てけり・り
きゅるきゅる
「知らないの?」
そんな事をしているうちにもう昼の時刻になってしまった。アンジェリカは仕方なくルイズの所に行くのであった。
「ルイズさん、シエスタちゃんがいません」
「いないって、どういうことかしら?」
アンジェリカは厨房でマルトーが顔に疵を負っていること、学院内にシエスタの姿が見当たらないと説明する。
「コック長のマルトーだったかしら?その人の所に行くわよ」
ルイズはアンジェリカの手をひいて厨房へ足を向けた。
「ちょっといいかしら?」
「マルトーさん。ルイズさんが聞きたいことがあるそうです」
突然やってきた二人に驚きを隠せないマルトー。
「ねぇ、シエスタが見当たらないんだけど・・・」
「そ、そういやー姿が見えませんね。あ、ははは」
あからさまに怪しい。
「その顔の疵、もしかしてシエスタがいないことと関係あるんじゃない?」
「そ、そんなこたぁなかと」
「嘘ね」
ルイズはマルトーに詰め寄る。
「何かあったんですか?」
アンジェリカもそうマルトーに尋ねる。
「ど、どうしようもなかったんだ。どうしようも」
マルトーはそういって崩れ落ちる。
「ちょ、どうしたのよ!」
ルイズはマルトーの胸倉を掴んだ。
「あんた達が街へ行っている間だ。そん時にモット伯とかいう貴族の野郎の使いがやって来てな」
マルトーはルイズ達から目をそらし答える。
「シエスタを連れていくっていってな、俺はふざけるなって言ったんだがこの有様だ」
「それでシエスタは?」
「朝一番でモット伯の屋敷行っちまった」
「っ!何でわたしたちに何も言わないのよ!」
「アンジェリカ達に迷惑はかけたくないって言ってな。このことは黙っていてくれと・・・」
「アンジェ!行くわよ!」
自分が抑えられなくなったルイズがアンジェリカの手をひいて厨房から出て行く。
「何なのよ!あの娘は!」
「ルイズさんシエスタちゃんはどうしちゃったんですか?」
「モット伯に連れて行かれたのよ!」
「その人悪い人なんですか」
「悪いって、そうね。悪い噂しか聞かないからね。それにいい噂も聞かないしね」
「じゃあ悪い人なんですね。私やっつけますよ?」
「え? じゃあお願いするわ。王子様がお姫様を助けに行く。まるで御伽噺ね。」
「御伽噺ですか?」
「そうよ。アンジェが王子様でお姫様がシエスタね」
アンジェリカのそれを彼女なりの冗談と受け止め、怒りを抑え優しく笑い返す。
「けどどうにかしないといけないわね。キュルケとかに相談してみようかしら、癪だけど」
ルイズは一人でブツブツと呟く。
「アンジェ。ちょっとわたし用事があるから好きにしていいわよ」
「はい、ルイズさん」
アンジェリカはパタパタと駈けて行った。
日が暮れ始めたころ学院の郊外にアンジェリカはいた。
「シルフィードちゃんこっちでいいの?」
きゅい!
「そうなんだ。じゃあ行こっか」
ゲコゲコ
てけり・り!
きゅるきゅる
もぐもぐ
手に持ったAUGに力が入る。
王子様は囚われの姫を救いに、悪のドラゴンの砦へと向かうのでした。
Episodio 9
La principessa della caduta in mani di nemico
囚われのお姫様
#navi(Zero ed una bambola ゼロと人形)
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: