「ゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~-02」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「ゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~-02」(2008/05/25 (日) 19:56:41) の最新版変更点
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これは何なのだろう。
ルイズの目の前で起きている異常な現象、通常の『サモン・サーヴァント』
では考えられないほどのエネルギーがそこに渦巻いていた。
爆砕する大気、吹き荒れる突風、昼を夜に変えるほどの暗雲。
空間が自分の目の前で歪んでいる。
グニャリ、グニャリと絶え間なく草原が波打っている。
七色の光、七色の闇、絶え間なく閃光が煌めいている。
捻れて直線で、曲線で猫で、球で釘で、円で針、四角は鳥。
「な、何をしたんだゼロのルイズ!?」
「わ、わかんない……」
「分からないじゃないぞヴァリエール! あんなわけの分からない失敗、何も
分からないで起こせるわけないだろう!!」
「本当に分からないのよ!」
悲鳴じみた声色で話しかけてくるクラスメイト、だがそう答えるしかない。
自分でも本当にただ『サモン・サーヴァント』の呪文を唱えただけでこんなことが
起きるとは思っていなかったのだから。
そうやっている間にも更に現象は規模を拡大している。
紫電が迸り、爆砕する空気が地面を抉り始める。
叫びながら生徒があたふたと逃げ惑う。
「み、みなさん今すぐここから逃げるのです、さあ!!」
流石に異常だと判断してか、コルベールが上ずった声で両手を振りクラスを離れた森の中へ
避難させようと誘導する。
一目散に駆け出す生徒達、ルイズもそれに従い避難しようとする。
しかし、
「ゼロのルイズ! 失敗もここまできたら才能だな!!」
逃げるクラスメイトからかけられた罵倒に足が止まった。
「ミス・ヴァリエール! 何をしているのかね!?」
教師が驚いた顔をして見ている。非難めいた表情、しかしルイズは動けなかった。
「わた、しは……」
胸が張り裂けるような痛みがルイズを襲う。
何故逃げる?
自分は失敗などしていないではないか。
見ろ、あの現象を。
自分の魔法は今度こそ成功したんだ。
だから、逃げる必要なんてないじゃないか。
振向くルイズの視界、吹き荒れる嵐、閃光、渦巻く突風が目に入る。
「私は……」
大きく深呼吸をする。
「ミス・ヴァリエール早くこちらへ!!」
教師の声を無視する。
瞳を閉じ、心を落ち着ける。
「早くッッ!」
駆け寄る教師の足音、引きずってでも自分を連れて行こうとする気なのだろう。
でも、そんなのは絶対嫌だ。
だって、
「だって……失敗なんてしてないんだからッ!」
「ミス・ヴァリエール!」
腕を掴もうとしたその瞬間、ルイズは駆けだした。コルベールの絶叫が後ろ髪を撫でるが
気にしない。
「私は失敗してない!」
その現象の只中へ、荒れ狂う嵐へ駆ける。
「くっ!ミス・ヴァリエール!!」
一瞬固まったコルベールだったが、気を取り戻すと杖を取り出した。
何も分からない今、あの現象へ飛び込む危険性は計り知れない。故にそれを行なおうと
するルイズを止めるために『レビテーション』をかけようとしたのだ。
だが、それは無意味だった。
「きゃぁぁぁぁっっっ!?」
「ぬぉぉぉっっ!?」
一際大きな閃光、それがその場にいた全員を襲った。
轟く大爆音、鳴り響く雷鳴、その眩さと音に全員がその瞳を閉じ耳を塞いだ。
そして全ての音が消え、静寂が訪れる。
「うぅ……」
次に瞳を開いた時、ルイズは目の前に立ち込めた土煙と影を見た。
丁度あの現象が存在していた中心、其処にそれは在る。
「ま、まさか……!」
『サモン・サーヴァント』が成功した! それだけが脳裏をよぎった。
高鳴る胸を押さえ、ルイズはその歩を進める。
そうだ、あれだけ凄かったんだ。
他の誰も見たことの無いことをやったんだ。
爆発なんて目じゃない、凄まじくとんでもないことを。
それも、今までゼロと呼ばれた自分が!
ゼロと呼ばれ続けた自分だけが!
本来ありえるはずのない現象を引き起こした事実がルイズに想像出来ない程の
高位の存在を召喚したという期待をもたらす。
龍!? それともそれよりもっと凄い、誰も見たことがない『何か』!?
まだ発見もされていないような凄い幻獣、竜、『何か』!
私はそれを召喚したんだ!
震える脚でゆっくりとその影に近づく。
胸が今にも爆発しそうなほどに高鳴っている。
呼吸が苦しくなるほどに興奮している。
逸る想いは止められない。
薄れる土煙、立ち込めるそれが取り払われる。
「これが私の―――ッ!」
そして、彼女は見た。
陥没した地面の中心、彼女の招喚したその『使い魔』を。
それは蒼銀色の髪
それは紅い外套
それは短身痩躯
胴から伸びる弐本の腕と脚
「え……?」
絶句するルイズ。
そう、それは紛うことなく――――『人』だった。
それも自分と余り変わらない年頃の少年で、杖を『所持』していない。
マントを羽織ってはいるが、だが意味するところ、つまり平民。
「うそ…………」
同年代と比べて余り発育の宜しくない矮躯が地面に力なく膝をつく。
「嘘よ……そんなの」
困惑と絶望と虚脱と放心が一緒くたになってルイズに襲い掛かる。脳は情報処理能力の限界を
超えてオーバーヒートする。全ての思考がストップする、四肢はピクリとも動かない。
期待が大きかった分だけにその衝撃は実に凄まじく、
「はは」
ただ空虚な笑いが漏れるのみ。
「人を召喚?そんなの在り得ないわよ……冗談でしょ?」
涙も流れない。
「ミス・ヴァリエール……?」
何も考えられないまま振向く先には恐る恐るといった感じで近づくコルベール、それに
続いてやってくるクラスメイト達。
「……ミスター・コルベール、もう一度やりなおさせてください」
感情の篭らない口調でルイズは平々淡々と告げる。
「え?」
「ないです……こんなのないです、在り得ないです」
幽鬼の如く呟くルイズに少し怯むがその先に倒れているものを見て彼は驚く。
「人間………かね?」
「人間です……ええ、人間です……人間、人間なんです!」
虚ろだった瞳に光が戻り、ルイズは立ち上がる。
しかし宿った光はただの光ではない、怒り、それも凄まじいまでに激しい怒りだ。
詰め寄るルイズの鬼気にコルベールも後ずさる。その貌には憤怒の焔が浮かんでいた。
「そうなんです! 人間です! ただの! 『平民』なんですッッ!」
その怒りの凄まじさは半端なく、嘲笑しようとしたクラスメイトさえも気圧され
黙ってしまう。
「お願いです! もう一度だけ! もう一度だけで召喚のやり直しを!」
「ミス・ヴァリエール……」
「ゼロじゃないって……ようやく……思えたのに……!」
誰にも聞こえないように呟く。
その瞳に涙が溢れ、悔しくて、堪える。
居た堪れなさを感じるコルベールだが、それでも彼は告げる。
「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール、例外は認められない」
「お願いです……」
「無理だ。彼がたとえ人間で――平民だとしても呼び出した以上は君の使い魔、君の属性を
固定し専門課程へ進む。それ以上は言わなくても……分かるね」
出来る限り優しく彼女の肩に手を乗せ、コルベールは促す。
もはやルイズは何も言わなかった。
ゆっくりと気絶している少年に近づき、土が付くのも構わずその横に膝をつく。
そして唱える。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン……」
消え入るように呟く。
「この者に祝福を与え、我の使い魔となせ…………」
そして額に置かれる杖、ゆっくりと近づける唇。
これから行なおうとするのがファーストキスだというのに恥ずかしさも何もない、
ただただ空虚な想いだけが胸をよぎる。
そして触れる唇。柔らかい感触が伝わり、離れる。
「…………終わりました」
「ああ、良くできたね」
ぼそぼそと小さな声で囁きあうクラスメイトはきっと自分を嘲笑しているのだろう。
『人間を召喚したゼロのルイズ』
『平民を召喚したゼロのルイズ』
『平民と契約したゼロのルイズ』
『嗚呼、さすがはゼロのルイズだ』
何でも思いつくが、もうどうでもいい。自嘲の笑みも浮かばなかった。
コルベールが珍しいルーンだと言っていたのもどうでも良かった。
『フライ』で去っていくクラスメイトもどうでも良かった。
ただ、
「グアアアアアァァァァァァァァァァァァ!」
目を見開き、ルーンを刻まれて叫んでいた少年を見て胸が痛かった。
魔法を使えない平民、それはつまり魔法を使えない自分で。
彼の叫びは、まるで自分が叫んでいるように聞こえた。
「静かよね」
誰ともなくルイズは呟く。
誰もいなくなった広場、双子の月が空に昇る。
月光に照らされ、ルイズは少年の横で脚を抱く。
顔を埋め、誰にも気づかれぬように彼女は宝石のような涙を流す。
零れた涙は地面に吸われ、消える。
今だけは誰も彼女を責めるものは無い
******
我という存在について
我 :大十字九朔
半身:大十字■朔
母 :●ル・アジ■
■ :大■字●朗
《警告。敵性情報体、外部から侵入》
尊●■る方は■道%$、●●-■。
■が拳の師は@&■フィー●ド。
魔●の師である■■リズ●%ィ$授。
その■■■、■ヅキ。
親友:%%%ュラ●ー。
■■書:●●ル■レー■。
●道●閥:●C●と闘い、●●教●と●う人類の●護機●
●銃士:ミ●カ●■ッ●%学図書#特●資●室に所属する、●ン●ー
●●ミティッ●を中心とした●士●。我の学●の師。
《記述侵入、保護機能を起動》
我は■■■で●る。
我は●■から■■■を■るために●う●である。
我は力無き人を守る。
我等●&は■■■■■■■■ッ■であり、彼奴からこの■■■■■する
ことである。
%%たる我が&%は今も戦っている。
我は半■半●である。
■■に生きる身なれど、■(●●●)は騎士●(■■●)に奉げたり。
我が●に宿る情●は■■■■■■■である。
我と半身は■●●同じ●で●●が別の者である。
かつて●●から●●●取●●●た■にその●●%&#■せたのだ。
故に●々が持つ●術は半分ずつ%%%%%。
今現在の我等■●当する●●は以下で&%。
我 :《消去》
●●:●●●ー&●ァー●、%%%%%=#●ャ、%ト●●■の●、
《ワクチン構築・・・・・・・・・消失(ロスト)》
■■■■■■について
■■■■■■は人のための●●●(&&&%%%)である。
■を●●刃であり、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■憎■■■■■空■■
■■■■■■■■■剣■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
《術式侵入レベル10、記述改竄》
《攻性防壁突破、壱番領域崩壊、弐番領域瓦解、参番領域分解》
我■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■に
■■■■■■味■■■■■■■■■■■■■■■■
侵■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■後■■■■■■■■■■■■■■入■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
《保存、上書き、雌鳥の卵午後午後おごごごごごごごごごごごごご》
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■る■■■■騎士■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■る■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
《初期化、完了》
■■
#navi(ゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~)
これは何なのだろう。
ルイズの目の前で起きている異常な現象、通常の『サモン・サーヴァント』
では考えられないほどのエネルギーがそこに渦巻いていた。
爆砕する大気、吹き荒れる突風、昼を夜に変えるほどの暗雲。
空間が自分の目の前で歪んでいる。
グニャリ、グニャリと絶え間なく草原が波打っている。
七色の光、七色の闇、絶え間なく閃光が煌めいている。
捻れて直線で、曲線で猫で、球で釘で、円で針、四角は鳥。
「な、何をしたんだゼロのルイズ!?」
「わ、わかんない……」
「分からないじゃないぞヴァリエール! あんなわけの分からない失敗、何も
分からないで起こせるわけないだろう!!」
「本当に分からないのよ!」
悲鳴じみた声色で話しかけてくるクラスメイト、だがそう答えるしかない。
自分でも本当にただ『サモン・サーヴァント』の呪文を唱えただけでこんなことが
起きるとは思っていなかったのだから。
そうやっている間にも更に現象は規模を拡大している。
紫電が迸り、爆砕する空気が地面を抉り始める。
叫びながら生徒があたふたと逃げ惑う。
「み、みなさん今すぐここから逃げるのです、さあ!!」
流石に異常だと判断してか、コルベールが上ずった声で両手を振りクラスを離れた森の中へ
避難させようと誘導する。
一目散に駆け出す生徒達、ルイズもそれに従い避難しようとする。
しかし、
「ゼロのルイズ! 失敗もここまできたら才能だな!!」
逃げるクラスメイトからかけられた罵倒に足が止まった。
「ミス・ヴァリエール! 何をしているのかね!?」
教師が驚いた顔をして見ている。非難めいた表情、しかしルイズは動けなかった。
「わた、しは……」
胸が張り裂けるような痛みがルイズを襲う。
何故逃げる?
自分は失敗などしていないではないか。
見ろ、あの現象を。
自分の魔法は今度こそ成功したんだ。
だから、逃げる必要なんてないじゃないか。
振向くルイズの視界、吹き荒れる嵐、閃光、渦巻く突風が目に入る。
「私は……」
大きく深呼吸をする。
「ミス・ヴァリエール早くこちらへ!!」
教師の声を無視する。
瞳を閉じ、心を落ち着ける。
「早くッッ!」
駆け寄る教師の足音、引きずってでも自分を連れて行こうとする気なのだろう。
でも、そんなのは絶対嫌だ。
だって、
「だって……失敗なんてしてないんだからッ!」
「ミス・ヴァリエール!」
腕を掴もうとしたその瞬間、ルイズは駆けだした。コルベールの絶叫が後ろ髪を撫でるが
気にしない。
「私は失敗してない!」
その現象の只中へ、荒れ狂う嵐へ駆ける。
「くっ!ミス・ヴァリエール!!」
一瞬固まったコルベールだったが、気を取り戻すと杖を取り出した。
何も分からない今、あの現象へ飛び込む危険性は計り知れない。故にそれを行なおうと
するルイズを止めるために『レビテーション』をかけようとしたのだ。
だが、それは無意味だった。
「きゃぁぁぁぁっっっ!?」
「ぬぉぉぉっっ!?」
一際大きな閃光、それがその場にいた全員を襲った。
轟く大爆音、鳴り響く雷鳴、その眩さと音に全員がその瞳を閉じ耳を塞いだ。
そして全ての音が消え、静寂が訪れる。
「うぅ……」
次に瞳を開いた時、ルイズは目の前に立ち込めた土煙と影を見た。
丁度あの現象が存在していた中心、其処にそれは在る。
「ま、まさか……!」
『サモン・サーヴァント』が成功した! それだけが脳裏をよぎった。
高鳴る胸を押さえ、ルイズはその歩を進める。
そうだ、あれだけ凄かったんだ。
他の誰も見たことの無いことをやったんだ。
爆発なんて目じゃない、凄まじくとんでもないことを。
それも、今までゼロと呼ばれた自分が!
ゼロと呼ばれ続けた自分だけが!
本来ありえるはずのない現象を引き起こした事実がルイズに想像出来ない程の
高位の存在を召喚したという期待をもたらす。
龍!? それともそれよりもっと凄い、誰も見たことがない『何か』!?
まだ発見もされていないような凄い幻獣、竜、『何か』!
私はそれを召喚したんだ!
震える脚でゆっくりとその影に近づく。
胸が今にも爆発しそうなほどに高鳴っている。
呼吸が苦しくなるほどに興奮している。
逸る想いは止められない。
薄れる土煙、立ち込めるそれが取り払われる。
「これが私の―――ッ!」
そして、彼女は見た。
陥没した地面の中心、彼女の招喚したその『使い魔』を。
それは蒼銀色の髪
それは紅い外套
それは短身痩躯
胴から伸びる弐本の腕と脚
「え……?」
絶句するルイズ。
そう、それは紛うことなく――――『人』だった。
それも自分と余り変わらない年頃の少年で、杖を『所持』していない。
マントを羽織ってはいるが、だが意味するところ、つまり平民。
「うそ…………」
同年代と比べて余り発育の宜しくない矮躯が地面に力なく膝をつく。
「嘘よ……そんなの」
困惑と絶望と虚脱と放心が一緒くたになってルイズに襲い掛かる。脳は情報処理能力の限界を
超えてオーバーヒートする。全ての思考がストップする、四肢はピクリとも動かない。
期待が大きかった分だけにその衝撃は実に凄まじく、
「はは」
ただ空虚な笑いが漏れるのみ。
「人を召喚?そんなの在り得ないわよ……冗談でしょ?」
涙も流れない。
「ミス・ヴァリエール……?」
何も考えられないまま振向く先には恐る恐るといった感じで近づくコルベール、それに
続いてやってくるクラスメイト達。
「……ミスター・コルベール、もう一度やりなおさせてください」
感情の篭らない口調でルイズは平々淡々と告げる。
「え?」
「ないです……こんなのないです、在り得ないです」
幽鬼の如く呟くルイズに少し怯むがその先に倒れているものを見て彼は驚く。
「人間………かね?」
「人間です……ええ、人間です……人間、人間なんです!」
虚ろだった瞳に光が戻り、ルイズは立ち上がる。
しかし宿った光はただの光ではない、怒り、それも凄まじいまでに激しい怒りだ。
詰め寄るルイズの鬼気にコルベールも後ずさる。その貌には憤怒の焔が浮かんでいた。
「そうなんです! 人間です! ただの! 『平民』なんですッッ!」
その怒りの凄まじさは半端なく、嘲笑しようとしたクラスメイトさえも気圧され
黙ってしまう。
「お願いです! もう一度だけ! もう一度だけで召喚のやり直しを!」
「ミス・ヴァリエール……」
「ゼロじゃないって……ようやく……思えたのに……!」
誰にも聞こえないように呟く。
その瞳に涙が溢れ、悔しくて、堪える。
居た堪れなさを感じるコルベールだが、それでも彼は告げる。
「これは伝統なんだ。ミス・ヴァリエール、例外は認められない」
「お願いです……」
「無理だ。彼がたとえ人間で――平民だとしても呼び出した以上は君の使い魔、君の属性を
固定し専門課程へ進む。それ以上は言わなくても……分かるね」
出来る限り優しく彼女の肩に手を乗せ、コルベールは促す。
もはやルイズは何も言わなかった。
ゆっくりと気絶している少年に近づき、土が付くのも構わずその横に膝をつく。
そして唱える。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン……」
消え入るように呟く。
「この者に祝福を与え、我の使い魔となせ…………」
そして額に置かれる杖、ゆっくりと近づける唇。
これから行なおうとするのがファーストキスだというのに恥ずかしさも何もない、
ただただ空虚な想いだけが胸をよぎる。
そして触れる唇。柔らかい感触が伝わり、離れる。
「…………終わりました」
「ああ、良くできたね」
ぼそぼそと小さな声で囁きあうクラスメイトはきっと自分を嘲笑しているのだろう。
『人間を召喚したゼロのルイズ』
『平民を召喚したゼロのルイズ』
『平民と契約したゼロのルイズ』
『嗚呼、さすがはゼロのルイズだ』
何でも思いつくが、もうどうでもいい。自嘲の笑みも浮かばなかった。
コルベールが珍しいルーンだと言っていたのもどうでも良かった。
『フライ』で去っていくクラスメイトもどうでも良かった。
ただ、
「グアアアアアァァァァァァァァァァァァ!」
目を見開き、ルーンを刻まれて叫んでいた少年を見て胸が痛かった。
魔法を使えない平民、それはつまり魔法を使えない自分で。
彼の叫びは、まるで自分が叫んでいるように聞こえた。
「静かよね」
誰ともなくルイズは呟く。
誰もいなくなった広場、双子の月が空に昇る。
月光に照らされ、ルイズは少年の横で脚を抱く。
顔を埋め、誰にも気づかれぬように彼女は宝石のような涙を流す。
零れた涙は地面に吸われ、消える。
今だけは誰も彼女を責めるものは無い
******
我という存在について
我 :大十字九朔
半身:大十字■朔
母 :●ル・アジ■
■ :大■字●朗
《警告。敵性情報体、外部から侵入》
尊●■る方は■道%$、●●-■。
■が拳の師は@&■フィー●ド。
魔●の師である■■リズ●%ィ$授。
その■■■、■ヅキ。
親友:%%%ュラ●ー。
■■書:●●ル■レー■。
●道●閥:●C●と闘い、●●教●と●う人類の●護機●
●銃士:ミ●カ●■ッ●%学図書#特●資●室に所属する、●ン●ー
●●ミティッ●を中心とした●士●。我の学●の師。
《記述侵入、保護機能を起動》
我は■■■で●る。
我は●■から■■■を■るために●う●である。
我は力無き人を守る。
我等●&は■■■■■■■■ッ■であり、彼奴からこの■■■■■する
ことである。
%%たる我が&%は今も戦っている。
我は半■半●である。
■■に生きる身なれど、■(●●●)は騎士●(■■●)に奉げたり。
我が●に宿る情●は■■■■■■■である。
我と半身は■●●同じ●で●●が別の者である。
かつて●●から●●●取●●●た■にその●●%&#■せたのだ。
故に●々が持つ●術は半分ずつ%%%%%。
今現在の我等■●当する●●は以下で&%。
我 :《消去》
●●:●●●ー&●ァー●、%%%%%=#●ャ、%ト●●■の●、
《ワクチン構築・・・・・・・・・消失(ロスト)》
■■■■■■について
■■■■■■は人のための●●●(&&&%%%)である。
■を●●刃であり、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■憎■■■■■空■■
■■■■■■■■■剣■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
《術式侵入レベル10、記述改竄》
《攻性防壁突破、壱番領域崩壊、弐番領域瓦解、参番領域分解》
我■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■に
■■■■■■味■■■■■■■■■■■■■■■■
侵■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■後■■■■■■■■■■■■■■入■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
《保存、上書き、雌鳥の卵午後午後おごごごごごごごごごごごごご》
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■る■■■■騎士■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■る■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
《初期化、完了》
■■
#navi(ゼロの使い魔~我は魔を断つ双剣なり~)
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