「ゼロの皇帝4」(2007/07/08 (日) 19:47:00) の最新版変更点
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所変わって、ルイズの部屋の前。
そこにいるのはルイズの友人(と周りからは見られている)、その人物の友人、彼女らの使い魔二体、
ボロ雑巾が一枚である。
コンコン。返事は無い。コンコン。もう一度ノックする。
「ルイズー、開けるわよー」
そういって彼女=キュルケが扉を開けると、明かりも点けずに部屋の隅で影と同化しているか
のごとく落ち込んでいるルイズがいた。
「……何の用?」
「何の用って、あなたの忘れ物を届けに来たのよ。感謝しなさいよね、私一人じゃ運ぶの無理だから
タバサとシルフィードに手伝ってもらったのよ」
「…いらない。焼却炉に棄ててくるか、あんたの魔法の実験台にでもしちゃって」
「せっかく召喚に成功したのにひどい言い草ね。まぁ確かにあんな事言われたらね…さすがの私も同情するわ」
「そうよ。初めて魔法が成功したと思ったら…出てきたのが平民で…しかも‥しかも…グロテスク!
なによ、グロテスクって!?貴族である私が!わざわざ平民のアイツに!(…初めての)キスをしてあげるって
言うのに!言うに事欠いてグロテスクですって!?イヤ!あんなのが私の使い魔なんて絶対に嫌!!」
ボロ雑巾、もといジェラールだって、契約の儀式でキスをすると分かっていればあそこまでの
暴言を吐くことは無かったのだろうが、間が悪いとしか言いようが無い。ジェラールよ、
草葉の陰で歴代皇帝が泣いているぞ。
「…気がついたみたい。シルフィード」
この会話に興味なさそうに、黙々と本を読んでいたタバサがシルフィードにそう言うと、シルフィードは
ジェラールを背中から振り落とした。シルファイドも女性の一員として、この男に好感を持っていないのは
当然と言える。使い魔に対する接し方といい、書き手の才覚といい、某SSとは雲泥の差であるorz
「うーん、ふぉこはとこだ‥わはひは一体はひを…」
「あら、気がついたの、怪我は大丈夫?」
「あなはふぁ?…はっ、まふぁかホッフフーケ!おのへ、よくもほんな罠ふぉ!」
「あれ?えーと、あなた何か勘違いをしてない?」
「ええいたまふぇ!見敵必殺!サーチアンフォフェストロイ!くらえ、ヒャラク」
「 や か ま し い ー ー ー ! ! 」
ルイズのその一声と、契約の力が相まって、ジェラールは見事に硬直した。今なら上に乗って
足場にもできそうである。あと数秒遅かったら、学院そのものが崩壊していたのは確実だ。
この時点でルイズはシュヴァリエ叙勲物の働きをしているのだが、それに気付いたのはこの学院でもごくわずか。
身近な所ではタバサとシルフィードである。
(なに、今の魔力は…スクウェアクラス…しかもかなり強力な…それに私達の魔法とはどこか違うし
杖も持っていない…もしかしてエルフ?………この人、面白そう)
タバサがそんなことを考えている間に、ルイズはジェラールの胸倉をつかみ熟練のバーテンダーのように
ジェラールをシェイクしながら説教をしていた。
「あんたねぇ!なにを寝ぼけているのよ!しかも何喋ってるか分からないし!大体まずは私に謝るのが先でしょ!?
それをちょっっと心配してくれたからってキュルケが最初ってどういうことよ!あんたの主人は私!この私!
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!分かった!?返事は!?ちゃんと聞いてんの!?」
「ルイズルイズ、首絞めちゃ返事できないわよ」
「使い魔なんだから、そのぐらい気にすること無いわよ!ジェラール!返事は!?」
「ふぁい…ふいまふぇんてふぃた…たから…手を…ふぁなして…」
そうしてようやくルイズが手を離すと、ジェラールは大いに咳き込み、記憶の糸を手繰り寄せてみる。
(そうだ、わたしはこの少女に…確かにこの年頃の女性にあんなことを言ったら怒られるのも無理は無いが、
かといってこの仕打ちはやりすぎじゃないのか?しかし抵抗しようとすると左手から力が抜けていくし、
これが呪印の力か。なんと強力な…とりあえず怪我を治そう、喋っても誤解されたらかなわないからな)
「あのルイフ、ちょっとこのけかふぉ」
「はぁ!?怪我!?そんなの自分でどうにかしなさいよ!」
「いや、そのつもりふぁか、一応聞いてみたふぁけふぇ…ふう、それふぇは。けっこう」
ジェラールが唯一使える回復術「月光」を唱えると、彼の周りを柔らかな光が包み、見る見るうちに
顔の腫れ、打ち身、捻挫、肩こり、腰痛、眼精疲労…ありもしない症状まで癒えていく。
(なんだ?月光にここまでの回復力は無かったはずだが。ほぼ倍に近いぞ、これ……ん?)
ふと周りを見渡すと、そこにはあっけにとられた二人と二体。タバサも表情こそ変わらないものの、
読んでいた本を地面に落としているのでかなり驚いているようである。
「…ちょっとジェラール、今のは?」
「ああ、私も驚いてる。月光にこれほどの回復力は無いはずなのに」
「いやそうじゃなくて」
「ん?ルイズは天術を使わないのかい?覚えておいたほうが良いよ、攻撃、回復、補助、
一通り揃ってるし合成術にも関係してくるからね」
「そーじゃなくて!」
「……タバサ。悪いけどあの二人の通訳してあげてくれない?あのままじゃまたさっきの
繰り返しよ、きっと。それにあなただってあの人が使った魔法が何なのか知りたいでしょ?お願い」
「…わかった」
と、いうわけでジェラールは三人(主にタバサ)から自分が連れてこられた世界がどのような物なのか
この世界と自分がいた世界との魔法、風習、階級などの違いや、使い魔はどのようなことをするのか
などをおおまかながら説明され、やっと状況が飲み込めたようである。ルイズたちも、この男が
エルフなどではなく、別世界から来た人間であることを認めたようだ。
「…なるほど、私がいた世界と似ているようで微妙に違う、これがすこしふしぎと言うやつか。
しかし魔法に関してはこちらのほうが進んでいるようだね」
「どの辺が?さっきあんたが使った、月光…って言ったっけ?あれだってかなりのものじゃない」
「威力では無いんだよルイズ。魔法の幅の広さの問題さ。その最たるのがコモン・マジック、
特にフライ!自在に空を飛べるなんて、ものすごく素晴らしい事じゃないか!」
ジェラールの中に嫌というほど足腰を鍛えて空を飛ぼうとしている何代か前の皇帝の記憶が蘇る。
ちなみにその皇帝は浮遊城に到着してすぐに伝承法のもくずと化した。
「そういった日常生活にまで関わる魔法があるということ、それ自体が世の中にどれほど
浸透しているかの証だろう?私のいた世界は物騒だったからね、日常よりも戦闘に特化した
ものばかりだったよ」
その物騒な世界の、最も物騒な国家の、歴代で最も物騒なトップだったのはどこのどいつだ。
「ふーん、そんなものなのかしらね。ところでジェラール、あんたは向こうで何をしていたの?」
「ああ、こ……ゲフンゲフン」
「こ?こってなによ。早く言いなさいよ」
(マズい。実にマズい。今更皇帝だったなんて名乗れるものか。言ったところで爆笑されるか
また折檻されるかのどちらかだ。何か良い手は…)
「ジェラール、「こ」何のよ?そんなに主人に対して言いたくないわけ?」
周りを見ればルイズはまたもや不機嫌になり始め、キュルケは二人の様子を演劇でも見る様に
眺め、使い魔二体は目をキラキラさせながら見つめている。タバサもこの時は本から目を
離しているので興味はあるようだ。
「こ…」
「こ?」
「こ……コサック兵さ!」
「コサック兵?何よそれ」
「えー、まー、傭兵のようなー、違うようなー、まあそんなところさ。だから武器も術、こちらでは魔法か。
どちらも「それなりに」使えるから、ルイズ、君の護衛は問題なくできるよ」
「コサック兵ね…聞いたこと無いけど、まあ使い魔として役目が果たせるなら別に良いわ。でも不思議ね
魔法が使えるのにわざわざ武器を使うなんて」
「言ったろう?物騒な世界から来たって。さあ、もう夜も更けてきた、今日はこのくらいでお開きにしても
いいんじゃないか?」
そう言われて二人と二体は部屋に戻っていき、ルイズは寝支度を始めた。ジェラールは椅子を
借りてそこにもたれ掛かって寝るつもりだ。先ほどの説明の中で床で寝ろ、とルイズが言ってきたが
粘り強い交渉の結果、椅子と膝掛けを勝ち取ったジェラールである。ちなみに洗濯に関しては
「綿や麻しか洗ったことが無いので、絹や毛織物を洗ったらボロボロにしてしまう」と大ウソをついたので
免除されている。
「ルイズ、まだ起きているかい?一つ重要なことを忘れていたよ」
「なによ?」
そう言うとジェラールがこちらに向かってきたのでルイズも体を起こす。
「昼はすまなかった。いくら知らなかったとはいえ、あんなことを言ってしまって…本当に
申し訳なかった」
「その事?…もう良いわよ。多少あんたに同情するところもあるしね」
「許してくれるのかい?…ありがとう。」
そういってジェラールが微笑むと、ルイズの顔がボッと赤くなる。考えてみれば最初見たときは貴族と
間違えそうになるほどの端整な顔立ちの男に、至近距離で微笑まれたら年頃の娘ならクラッと
きても不思議は無い。
「バババカッ!いいから早く寝なさいよ!明日も早いんだから!おやすみ!」
そう言ってベッドに潜ったものの、なかなか寝付けず、次の日に寝坊しそうになるのだが
それはまた、別の、お話。
所変わって、ルイズの部屋の前。
そこにいるのはルイズの友人(と周りからは見られている)、その人物の友人、彼女らの使い魔二体、
ボロ雑巾が一枚である。
コンコン。返事は無い。コンコン。もう一度ノックする。
「ルイズー、開けるわよー」
そういって彼女=キュルケが扉を開けると、明かりも点けずに部屋の隅で影と同化しているか
のごとく落ち込んでいるルイズがいた。
「……何の用?」
「何の用って、あなたの忘れ物を届けに来たのよ。感謝しなさいよね、私一人じゃ運ぶの無理だから
タバサとシルフィードに手伝ってもらったのよ」
「…いらない。焼却炉に棄ててくるか、あんたの魔法の実験台にでもしちゃって」
「せっかく召喚に成功したのにひどい言い草ね。まぁ確かにあんな事言われたらね…さすがの私も同情するわ」
「そうよ。初めて魔法が成功したと思ったら…出てきたのが平民で…しかも‥しかも…グロテスク!
なによ、グロテスクって!?貴族である私が!わざわざ平民のアイツに!(…初めての)キスをしてあげるって
言うのに!言うに事欠いてグロテスクですって!?イヤ!あんなのが私の使い魔なんて絶対に嫌!!」
ボロ雑巾、もといジェラールだって、契約の儀式でキスをすると分かっていればあそこまでの
暴言を吐くことは無かったのだろうが、間が悪いとしか言いようが無い。ジェラールよ、
草葉の陰で歴代皇帝が泣いているぞ。
「…気がついたみたい。シルフィード」
この会話に興味なさそうに、黙々と本を読んでいたタバサがシルフィードにそう言うと、シルフィードは
ジェラールを背中から振り落とした。シルフィードも女性の一員として、この男に好感を持っていないのは
当然と言える。使い魔に対する接し方といい、書き手の才覚といい、某SSとは雲泥の差であるorz
「うーん、ふぉこはとこだ‥わはひは一体はひを…」
「あら、気がついたの、怪我は大丈夫?」
「あなはふぁ?…はっ、まふぁかホッフフーケ!おのへ、よくもほんな罠ふぉ!」
「あれ?えーと、あなた何か勘違いをしてない?」
「ええいたまふぇ!見敵必殺!サーチアンフォフェストロイ!くらえ、ヒャラク」
「 や か ま し い ー ー ー ! ! 」
ルイズのその一声と、契約の力が相まって、ジェラールは見事に硬直した。今なら上に乗って
足場にもできそうである。あと数秒遅かったら、学院そのものが崩壊していたのは確実だ。
この時点でルイズはシュヴァリエ叙勲物の働きをしているのだが、それに気付いたのはこの学院でもごくわずか。
身近な所ではタバサとシルフィードである。
(なに、今の魔力は…スクウェアクラス…しかもかなり強力な…それに私達の魔法とはどこか違うし
杖も持っていない…もしかしてエルフ?………この人、面白そう)
タバサがそんなことを考えている間に、ルイズはジェラールの胸倉をつかみ熟練のバーテンダーのように
ジェラールをシェイクしながら説教をしていた。
「あんたねぇ!なにを寝ぼけているのよ!しかも何喋ってるか分からないし!大体まずは私に謝るのが先でしょ!?
それをちょっっと心配してくれたからってキュルケが最初ってどういうことよ!あんたの主人は私!この私!
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!分かった!?返事は!?ちゃんと聞いてんの!?」
「ルイズルイズ、首絞めちゃ返事できないわよ」
「使い魔なんだから、そのぐらい気にすること無いわよ!ジェラール!返事は!?」
「ふぁい…ふいまふぇんてふぃた…たから…手を…ふぁなして…」
そうしてようやくルイズが手を離すと、ジェラールは大いに咳き込み、記憶の糸を手繰り寄せてみる。
(そうだ、わたしはこの少女に…確かにこの年頃の女性にあんなことを言ったら怒られるのも無理は無いが、
かといってこの仕打ちはやりすぎじゃないのか?しかし抵抗しようとすると左手から力が抜けていくし、
これが呪印の力か。なんと強力な…とりあえず怪我を治そう、喋っても誤解されたらかなわないからな)
「あのルイフ、ちょっとこのけかふぉ」
「はぁ!?怪我!?そんなの自分でどうにかしなさいよ!」
「いや、そのつもりふぁか、一応聞いてみたふぁけふぇ…ふう、それふぇは。けっこう」
ジェラールが唯一使える回復術「月光」を唱えると、彼の周りを柔らかな光が包み、見る見るうちに
顔の腫れ、打ち身、捻挫、肩こり、腰痛、眼精疲労…ありもしない症状まで癒えていく。
(なんだ?月光にここまでの回復力は無かったはずだが。ほぼ倍に近いぞ、これ……ん?)
ふと周りを見渡すと、そこにはあっけにとられた二人と二体。タバサも表情こそ変わらないものの、
読んでいた本を地面に落としているのでかなり驚いているようである。
「…ちょっとジェラール、今のは?」
「ああ、私も驚いてる。月光にこれほどの回復力は無いはずなのに」
「いやそうじゃなくて」
「ん?ルイズは天術を使わないのかい?覚えておいたほうが良いよ、攻撃、回復、補助、
一通り揃ってるし合成術にも関係してくるからね」
「そーじゃなくて!」
「……タバサ。悪いけどあの二人の通訳してあげてくれない?あのままじゃまたさっきの
繰り返しよ、きっと。それにあなただってあの人が使った魔法が何なのか知りたいでしょ?お願い」
「…わかった」
と、いうわけでジェラールは三人(主にタバサ)から自分が連れてこられた世界がどのような物なのか
この世界と自分がいた世界との魔法、風習、階級などの違いや、使い魔はどのようなことをするのか
などをおおまかながら説明され、やっと状況が飲み込めたようである。ルイズたちも、この男が
エルフなどではなく、別世界から来た人間であることを認めたようだ。
「…なるほど、私がいた世界と似ているようで微妙に違う、これがすこしふしぎと言うやつか。
しかし魔法に関してはこちらのほうが進んでいるようだね」
「どの辺が?さっきあんたが使った、月光…って言ったっけ?あれだってかなりのものじゃない」
「威力では無いんだよルイズ。魔法の幅の広さの問題さ。その最たるのがコモン・マジック、
特にフライ!自在に空を飛べるなんて、ものすごく素晴らしい事じゃないか!」
ジェラールの中に嫌というほど足腰を鍛えて空を飛ぼうとしている何代か前の皇帝の記憶が蘇る。
ちなみにその皇帝は浮遊城に到着してすぐに伝承法のもくずと化した。
「そういった日常生活にまで関わる魔法があるということ、それ自体が世の中にどれほど
浸透しているかの証だろう?私のいた世界は物騒だったからね、日常よりも戦闘に特化した
ものばかりだったよ」
その物騒な世界の、最も物騒な国家の、歴代で最も物騒なトップだったのはどこのどいつだ。
「ふーん、そんなものなのかしらね。ところでジェラール、あんたは向こうで何をしていたの?」
「ああ、こ……ゲフンゲフン」
「こ?こってなによ。早く言いなさいよ」
(マズい。実にマズい。今更皇帝だったなんて名乗れるものか。言ったところで爆笑されるか
また折檻されるかのどちらかだ。何か良い手は…)
「ジェラール、「こ」何のよ?そんなに主人に対して言いたくないわけ?」
周りを見ればルイズはまたもや不機嫌になり始め、キュルケは二人の様子を演劇でも見る様に
眺め、使い魔二体は目をキラキラさせながら見つめている。タバサもこの時は本から目を
離しているので興味はあるようだ。
「こ…」
「こ?」
「こ……コサック兵さ!」
「コサック兵?何よそれ」
「えー、まー、傭兵のようなー、違うようなー、まあそんなところさ。だから武器も術、こちらでは魔法か。
どちらも「それなりに」使えるから、ルイズ、君の護衛は問題なくできるよ」
「コサック兵ね…聞いたこと無いけど、まあ使い魔として役目が果たせるなら別に良いわ。でも不思議ね
魔法が使えるのにわざわざ武器を使うなんて」
「言ったろう?物騒な世界から来たって。さあ、もう夜も更けてきた、今日はこのくらいでお開きにしても
いいんじゃないか?」
そう言われて二人と二体は部屋に戻っていき、ルイズは寝支度を始めた。ジェラールは椅子を
借りてそこにもたれ掛かって寝るつもりだ。先ほどの説明の中で床で寝ろ、とルイズが言ってきたが
粘り強い交渉の結果、椅子と膝掛けを勝ち取ったジェラールである。ちなみに洗濯に関しては
「綿や麻しか洗ったことが無いので、絹や毛織物を洗ったらボロボロにしてしまう」と大ウソをついたので
免除されている。
「ルイズ、まだ起きているかい?一つ重要なことを忘れていたよ」
「なによ?」
そう言うとジェラールがこちらに向かってきたのでルイズも体を起こす。
「昼はすまなかった。いくら知らなかったとはいえ、あんなことを言ってしまって…本当に
申し訳なかった」
「その事?…もう良いわよ。多少あんたに同情するところもあるしね」
「許してくれるのかい?…ありがとう。」
そういってジェラールが微笑むと、ルイズの顔がボッと赤くなる。考えてみれば最初見たときは貴族と
間違えそうになるほどの端整な顔立ちの男に、至近距離で微笑まれたら年頃の娘ならクラッと
きても不思議は無い。
「バババカッ!いいから早く寝なさいよ!明日も早いんだから!おやすみ!」
そう言ってベッドに潜ったものの、なかなか寝付けず、次の日に寝坊しそうになるのだが
それはまた、別の、お話。
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