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#navi(とある魔術の使い魔と主)
行間II
「それで……どうする気だ?」
「どうする気とはなんだね」
土御門は、アレイスターの一言一言に苛立ちを覚えた。質問を質問で返してくる口調、よくキレないなと、自分でもかなり驚いている。
「わかってんだろ、どうやってあいつを戻す気なんだ?」
「ああ、それならば心配はいらん。こちらとあそこを繋ぐ『渦』を作った」
まるで友達が普段会話を交わすようなくらい至って平凡に、怖いぐらい平凡に。
チッ、とその魔術師が行った行為に舌打ちをする。それがどれだけ異常な行為なのかわからないのだろうか?
例えば、伊能忠敬という人物がいる。
彼は、『大日本沿海輿地全図』という名の地図を江戸時代に作った。それは表の歴史でも有名なのだが、裏の歴史でもまた有名なのだ。
なぜ彼が有名なのかというと、『偶像の理論』という言葉を知る必要がある。簡単に説明すると、全ての教会にある十字架は、『神の子』の処刑に使われた十字架ではない。しかし、それがよく似たレプリカである為、本物の十字架が持つ聖なる力を分けて貰える事が出来るのだ。
この『偶像の理論』を逆手にとったのが伊能忠敬なのである。
つまり、本物が『偶像』に影響を及ぼすだけではなくて、『偶像』が本物に影響を及ぼすのだ。もっとも、これはあくまで仮説であるのだが……。
伊能忠敬は、本来あるはずのないモノ――――そう、空間を瞬時に移動するための出入り口を強引に、大日本沿海輿地全図に書き込んだのだ。
しかし、そこに魔術的な狂いが生じれば、偶像として機能しなくなる。元々の『日本』としての黄金比を少しも歪める事なく、それを作り上げたのは魔術史上彼だけと言われている。
それを目の前にいる『魔術師』が成し遂げたのだ。しかも、ここの世界とは違う、別の場所である。
「くそったれッ、てめえはどこまで人間離れした魔術を使い続ければいいんだ」
「褒め言葉として貰おうか。もっとも、向こうにこちらの物が存在したからできたものさ。まあ一カ所しか繋げる事しかできなかったがね」
「それもてめえの計画の一つか? 『時間矛盾』をしかけたのもこれが理由か?」
ほぉ、と関心する声に、土御門は返答の代わりを込めて吐き捨てるように説明した。
「てめえがあいつに何を期待してんのかわかんねえけど、少なくともんな日単位で希望の品が出来上がるわけじゃないんだろ? ったく、向こうの立地条件(魔術要素)はそんだけ素晴らしいのか?」
「まあ行けばわかる。それと、あそこへ行ってもらうのは君だ。なに、一人で淋しかろう。仲間を呼んでおいたぞ」
瞬間、再びこの空間と地上とを唯一の移動手段を持つ空間移動能力者の少女が現れた。まるでアレイスターが言い終わるタイミングを見計らっていたかのように。
その少女の隣にはもう一人、身長の低い女の子がいた。
空間移動能力者は、いつも通り何も喋らないまま会釈すると、再び虚空へ消える。
うっすらと光る部屋の灯が彼女を照らした。
その子は、腰まである銀の長い髪を持ち、色白の肌に緑色の瞳を備えていた。
どこぞの教会の者なのか、修道服を着ている。真っ白な布地に、金刺繍を施した豪奢な修道服。しかし、その所々になぜか安全ピンを使っている。それも一つではなく、無数に。
土御門はその人物を知っている。
魔法名Dedicatus545。
イギリス清教『必要悪の教会』の切り札。
魔導書十万三千冊をその頭に全て保管している完全記憶能力者。
そして、
とある少年の事を誰よりも一番想っている少女。
「あれ? トウマがいるって聞いたけどいないのかな?」
そう、少女の名前は――――
始まる。
男にも女にも、大人にも子供にも聖人にも囚人にも見える、学園都市統括理事長の思惑によって、
多角スパイと禁書目録が交わる時、
物語は始まる――!
#navi(とある魔術の使い魔と主)
#setpagename(とある魔術の使い魔と主-行間II)
#navi(とある魔術の使い魔と主)
行間II
「それで……どうする気だ?」
「どうする気とはなんだね」
土御門は、アレイスターの一言一言に苛立ちを覚えた。質問を質問で返してくる口調、よくキレないなと、自分でもかなり驚いている。
「わかってんだろ、どうやってあいつを戻す気なんだ?」
「ああ、それならば心配はいらん。こちらとあそこを繋ぐ『渦』を作った」
まるで友達が普段会話を交わすようなくらい至って平凡に、怖いぐらい平凡に。
チッ、とその魔術師が行った行為に舌打ちをする。それがどれだけ異常な行為なのかわからないのだろうか?
例えば、伊能忠敬という人物がいる。
彼は、『大日本沿海輿地全図』という名の地図を江戸時代に作った。それは表の歴史でも有名なのだが、裏の歴史でもまた有名なのだ。
なぜ彼が有名なのかというと、『偶像の理論』という言葉を知る必要がある。簡単に説明すると、全ての教会にある十字架は、『神の子』の処刑に使われた十字架ではない。しかし、それがよく似たレプリカである為、本物の十字架が持つ聖なる力を分けて貰える事が出来るのだ。
この『偶像の理論』を逆手にとったのが伊能忠敬なのである。
つまり、本物が『偶像』に影響を及ぼすだけではなくて、『偶像』が本物に影響を及ぼすのだ。もっとも、これはあくまで仮説であるのだが……。
伊能忠敬は、本来あるはずのないモノ――――そう、空間を瞬時に移動するための出入り口を強引に、大日本沿海輿地全図に書き込んだのだ。
しかし、そこに魔術的な狂いが生じれば、偶像として機能しなくなる。元々の『日本』としての黄金比を少しも歪める事なく、それを作り上げたのは魔術史上彼だけと言われている。
それを目の前にいる『魔術師』が成し遂げたのだ。しかも、ここの世界とは違う、別の場所である。
「くそったれッ、てめえはどこまで人間離れした魔術を使い続ければいいんだ」
「褒め言葉として貰おうか。もっとも、向こうにこちらの物が存在したからできたものさ。まあ一カ所しか繋げる事しかできなかったがね」
「それもてめえの計画の一つか? 『時間矛盾』をしかけたのもこれが理由か?」
ほぉ、と関心する声に、土御門は返答の代わりを込めて吐き捨てるように説明した。
「てめえがあいつに何を期待してんのかわかんねえけど、少なくともんな日単位で希望の品が出来上がるわけじゃないんだろ? ったく、向こうの立地条件(魔術要素)はそんだけ素晴らしいのか?」
「まあ行けばわかる。それと、あそこへ行ってもらうのは君だ。なに、一人で淋しかろう。仲間を呼んでおいたぞ」
瞬間、再びこの空間と地上とを唯一の移動手段を持つ空間移動能力者の少女が現れた。まるでアレイスターが言い終わるタイミングを見計らっていたかのように。
その少女の隣にはもう一人、身長の低い女の子がいた。
空間移動能力者は、いつも通り何も喋らないまま会釈すると、再び虚空へ消える。
うっすらと光る部屋の灯が彼女を照らした。
その子は、腰まである銀の長い髪を持ち、色白の肌に緑色の瞳を備えていた。
どこぞの教会の者なのか、修道服を着ている。真っ白な布地に、金刺繍を施した豪奢な修道服。しかし、その所々になぜか安全ピンを使っている。それも一つではなく、無数に。
土御門はその人物を知っている。
魔法名Dedicatus545。
イギリス清教『必要悪の教会』の切り札。
魔導書十万三千冊をその頭に全て保管している完全記憶能力者。
そして、
とある少年の事を誰よりも一番想っている少女。
「あれ? トウマがいるって聞いたけどいないのかな?」
そう、少女の名前は――――
始まる。
男にも女にも、大人にも子供にも聖人にも囚人にも見える、学園都市統括理事長の思惑によって、
多角スパイと禁書目録が交わる時、
物語は始まる――!
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