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「ゼロの使い魔・ブルー編-14」(2011/12/23 (金) 00:51:44) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
魔法学院の正門を通り、王女達の一行が入ってきた。
生徒達はそれに合わせて、杖を掲げる。
馬車が止まると、召使い達が駆けより、絨毯を降りてくる人物が進むべき道に敷く。
「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下のおなーりぃーっ!」
その声に対し、馬車の扉を開いて出てきたのは――
花にたとえれるような美しい少女ではなく、
灰色のローブに身を包んだやせっぽちの初老の男である。
これには流石の生徒達も失望。あからさまに侮蔑の目をしている。
だが、次に出てきた人物を見て歓声を上げる。
先に衛士が述べたように、彼女がトリステイン王国王女、アンリエッタである。
ブルーはその様子を眺めていた。他の生徒のように熱中して見ているのではなく。
「あれがトリステインの王女か」
隣にいるルイズに一応確認の意で問いかけるが、反応はない。
ルイズは顔を赤くして、何かを見つめていた。
気になり自らもその先へ視線を傾けると、そこには羽帽子を被った貴族の姿があった。
グリフォンにまたがっていた。余り見掛けたことはないが、此方では一般的なのだろうか?
その後特におかしい事などは起こらず、夜になった。
「ルイズ、どうかしましたか?」
返事はない。ルイズはあれからずっと変な調子だった。
ベッドに座り込むと俯いたまま出会ったかと思うと、
次には何も言わずに外に出て行き、
帰ってきたら「愛がアップ!」と叫んだり、
そのまま赤い顔をしてベッドに飛び込んだりと、
もはや変というか精神の病を疑うレベルの行動をしていた。
その妙な様子のルイズを眺めていると、ドアがノックされた。
ルージュの声を聞くと、そのドアをノックした人物は
涼しげな感じのする声で言った。
「あ、あれ……?すいません、間違えました」
ドアのまえにいた人物は詫びると、そのまま去ったらしい。
音がなかったので解らなかったが。
そのまま、暫く時間がたつと、再びドアがノックされる。
「開いてますよ」
「すいません、ここはルイズ・フランソワーズの部屋ですよね?」
さっきの人物だったようだ。
中にいる人物も知らずに尋ねてきたのだろうか。
ルイズの方を見ると、なにやらはっとした顔をしていた。
妙な様子はもう無く、立ち上がるとドアに駆けより、開けた。
そこにいたのは頭巾を被った少女だった。
「あなたは」
その少女は大声を上げかけたルイズを、
人差し指を口に当てることで制止し、
マントの内側から杖を取り出すと、それを振った。
光の粉が周囲に舞う。
ルイズはその様子を見て呟いた。
「……ディティクト・マジック?」
「何処に耳が、目があるか解りませんからね」
その少女はそういって、頭巾を下ろす。
そこにあったのは、アンリエッタ王女であった。
「姫殿下!」
ルイズは慌てて膝をつく。
「久しぶりですね、ルイズ・フランソワーズ」
その後の話はよく聞いてなかった。
他人の思い出話など、大抵の場合は他人が聞いてもさして面白くない物である。
さらになにやら友情を深めているのかよくわからない二人の様子を見ていると、
なにやら心が冷静になっていく。
突然、アンリエッタに自分のことが言及されるまで、呆然としていた。
「そこの彼、あなたの恋人なのでしょう?
私ったら懐かしくて、つい粗相をしてしまったみたいね」
「違います、彼は私の使い魔です」
「……使い魔?」
アンリエッタは、此方をじっくりと見てから再び言う。
「人にしか見えませんが」
「人ですから」
ルージュは返す。
そう返すと、アンリエッタはルイズの方を見て笑った。
「ルイズ・フランソワーズ。あなたは昔から少し変わってましたけど、
今もそうみたいね」
それを言うまでは笑っていたが、
ため息をつくとだんだんと表情に影を落とす。
「姫様、どうかなされたんですか?」
「いえ、何でもないわ、嫌だわ、わたくしってば――」
また友情の確かめ合いでも始まるのかと思って、
ルージュは考えることを取り敢えず止めた。
だが、暫くたって妙な流れになってきたので思考を再開した。
どうも、彼女はゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったらしい。
それはアルビオンの反逆勢力たる貴族派、レコンキスタに対抗するための同盟、
それを強固かつ確実な物にするためだという。
だが、その結婚を台無しにしてしまいうる一つの手紙が、
レコンキスタに滅亡寸前まで追いやられている王党派の元にあるらしい。
取り敢えずブルーは言った。
「それを取り返して来いと」
「恥ずかしいことですが、そう言うことになるのでしょう」
「……えーと……ブルー、姫様に失礼な口をきかないで頂戴」
そう言ってから、ルイズは真剣な表情をしてアンリエッタの方に向き直る。
「早速明日の朝にでもここを出発します」
「申し訳ありません。ルイズ・フランソワーズ。この恩には答えなくてはなりませんね」
「姫様、気にしなくて良いと言われたのは姫様でしょう?」
「……そうでしたね。少々お待ちいただけますか?」
というと、ルイズの机の上にあった羊皮紙とペンを使い、
手紙を書き始める。途中、何かを戸惑ったようだった。
ルイズがその様子をじっと見ていた。
手紙を書き終えると彼女はそれをルイズにそれを渡した。
「この手紙を、ウェールズ皇太子に渡してください。
件の手紙を必ずや返していただけるはずです。
そして、これもお持ち下さい」
彼女は自身の右手の薬指から、指輪を外すとそれもルイズに手渡した。
「母君から頂いた『水のルビー』です。
旅の資金が心配ならば、これを路銀に換えてください」
ルイズが頭を下げる。
「この任務にはトリステインの未来がかかっています。
あなた方の行く先に、始祖の祝福があらんことを祈ります」
薄暗い部屋に小さな音が聞こえる。
締め切られたその部屋は、どこか蒸し暑い。
その部屋のベッドの上に、二人の少女がいた。
少女の片方……緑色の髪をした彼女は、どこか人間離れした色気を放っている。
もしかしたら、この部屋の蒸し暑さには、
彼女のそれが混じっているのかも知れない。
彼女は、もう一人の少女に覆い被さるようにしていた。
そのもう一人の少女はと言えば、
少女と言うには少々幼すぎるかも知れない顔立ちと外見であった。
今は、その頬を朱く染めている。
緑色の髪の彼女――アセルスの手が、
青い髪の少女――タバサの朱くなっている頬に触れる。
タバサの口から言葉にならない声が漏れる。
アセルスはその様子をじっくりと見てから、タバサの頭を愛おしそうに撫でる。
タバサが潤んだ目でアセルスを見つめ返す。
それを妖しい微笑みで返してから、アセルスはタバサの濡
(省略されました。続きが読みたければ人数分ブリューナクください)
お解り頂いているとは思うが、全て半妖様の妄想である。
なお、この妄想はキュルケの三角蹴りによって中断される。
本能的にやばいと思ったらしい。
キュルケ、それで正解だ。君は正しいことをした。
「だめね……タバサをあれと一緒の場所に置いておくことは出来ないわ」
しかし、タバサを連れ出そうとしても理由無しに動いてはくれないだろう。
無理矢理連れ出すのも気が引ける。
どうしたものか――そう考えているキュルケの目に、
馬に乗り出掛けようとしている二人組の姿が映った。
「あれはダーリン?……どこかに行くのかしら……そうだわ!」
朝から、ギーシュは剣を振っていた。昨日とは剣を変えてみていた。
冷静に考えたら、ただ振るだけで剣の腕が身につくわけ無いではないか。
トレーニングにはなるかも知れないが。
と言うわけで、ギーシュは図書館で一通り調べ物をしたのだった。
何せ魔法学院の図書館だからそう言う物を探すのは少々骨が折れたが、
探せばある物だ。ついでに、『土』の魔法に関するいくつかの書物も調べた。
その結果として、ある程度の技と、『土』の魔法の応用を身につける事が出来た。
が、そこで止まる。
「ふむ。せっかく身につけたのだから試してみたいが。
まさか決闘をするわけには行くまいしね……ん?あれはルイズとブルーじゃないか」
ルイズとブルーが、馬小屋から馬を連れ出し、なにやら準備をしていた。
どうも遠くに行くようだったが、ふむ、フーケの討伐に行った二人だ。
また学院長から秘密の任務でも請け負ったのだろうか?
ギーシュはある一つのことを思いつき、彼女たちに近づいていった。
「ルイズ、アルビオンまではどのぐらいかかるんだ?」
「馬で二日って所ね」
「遠いな」
そんな他愛もない話をしていたら、後ろから声がかかった。
「やあルイズ、またどっかにいくのかね?」
二人が振り返ると、そこには細身の剣を腰にぶら下げたギーシュが居た。
「ギーシュ、何してるのよ」
「いや、どこかに行くのなら、僕も連れて行って欲しいんだ」
「何でよ」
「また秘密の任務でも請け負ったのかと思ってね」
ギーシュがそう言うと、ルイズは慌てて返す
「……そ、そんなわけ無いじゃない。何を言っているのかしら?」
「ふむ。秘密の任務でないなら僕がついて行っても大丈夫な筈だね?」
「だ、だめよ!」
「だが途中まで同行するぐらいなら構わないだろう?
一人では心細いからね」
食い下がるギーシュに、ルイズが言う。
「か、勝手についてくるなら好きにしなさいよ!」
それを聞いて、ギーシュが笑みを浮かべ返す。
「そうかい、ルイズ。
所で、何処まで行くんだい?」
「アルビオンよ」
「へぇ?そんなところまで、準備は出来てるのかい?」
「見て解らない?」
「しかし、アルビオンは今危険なはずだ。
大丈夫なのかね?」
「平気よ」
次に、ギーシュは変わらず自然な口調で聞いた。
「ところで、そんなところまで何をしにいくのかね?」
「手紙を取り返しに……あ」
「ふむ。やはり秘密の任務だったようだね」
ルイズは顔を赤くし、ギーシュは顔をほころばせる。
ブルーの顔には特に変化はなかった。
#navi(ゼロの使い魔・ブルー編)
魔法学院の正門を通り、王女達の一行が入ってきた。
生徒達はそれに合わせて、杖を掲げる。
馬車が止まると、召使い達が駆けより、絨毯を降りてくる人物が進むべき道に敷く。
「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下のおなーりぃーっ!」
その声に対し、馬車の扉を開いて出てきたのは――
花にたとえれるような美しい少女ではなく、
灰色のローブに身を包んだやせっぽちの初老の男である。
これには流石の生徒達も失望。あからさまに侮蔑の目をしている。
だが、次に出てきた人物を見て歓声を上げる。
先に衛士が述べたように、彼女がトリステイン王国王女、アンリエッタである。
ブルーはその様子を眺めていた。他の生徒のように熱中して見ているのではなく。
「あれがトリステインの王女か」
隣にいるルイズに一応確認の意で問いかけるが、反応はない。
ルイズは顔を赤くして、何かを見つめていた。
気になり自らもその先へ視線を傾けると、そこには羽帽子を被った貴族の姿があった。
グリフォンにまたがっていた。余り見掛けたことはないが、此方では一般的なのだろうか?
その後特におかしい事などは起こらず、夜になった。
「ルイズ、どうかしましたか?」
返事はない。ルイズはあれからずっと変な調子だった。
ベッドに座り込むと俯いたまま出会ったかと思うと、
次には何も言わずに外に出て行き、
帰ってきたら「愛がアップ!」と叫んだり、
そのまま赤い顔をしてベッドに飛び込んだりと、
もはや変というか精神の病を疑うレベルの行動をしていた。
その妙な様子のルイズを眺めていると、ドアがノックされた。
ルージュの声を聞くと、そのドアをノックした人物は
涼しげな感じのする声で言った。
「あ、あれ……?すいません、間違えました」
ドアのまえにいた人物は詫びると、そのまま去ったらしい。
音がなかったので解らなかったが。
そのまま、暫く時間がたつと、再びドアがノックされる。
「開いてますよ」
「すいません、ここはルイズ・フランソワーズの部屋ですよね?」
さっきの人物だったようだ。
中にいる人物も知らずに尋ねてきたのだろうか。
ルイズの方を見ると、なにやらはっとした顔をしていた。
妙な様子はもう無く、立ち上がるとドアに駆けより、開けた。
そこにいたのは頭巾を被った少女だった。
「あなたは」
その少女は大声を上げかけたルイズを、
人差し指を口に当てることで制止し、
マントの内側から杖を取り出すと、それを振った。
光の粉が周囲に舞う。
ルイズはその様子を見て呟いた。
「……ディティクト・マジック?」
「何処に耳が、目があるか解りませんからね」
その少女はそういって、頭巾を下ろす。
そこにあったのは、アンリエッタ王女であった。
「姫殿下!」
ルイズは慌てて膝をつく。
「久しぶりですね、ルイズ・フランソワーズ」
その後の話はよく聞いてなかった。
他人の思い出話など、大抵の場合は他人が聞いてもさして面白くない物である。
さらになにやら友情を深めているのかよくわからない二人の様子を見ていると、
なにやら心が冷静になっていく。
突然、アンリエッタに自分のことが言及されるまで、呆然としていた。
「そこの彼、あなたの恋人なのでしょう?
私ったら懐かしくて、つい粗相をしてしまったみたいね」
「違います、彼は私の使い魔です」
「……使い魔?」
アンリエッタは、此方をじっくりと見てから再び言う。
「人にしか見えませんが」
「人ですから」
ルージュは返す。
そう返すと、アンリエッタはルイズの方を見て笑った。
「ルイズ・フランソワーズ。あなたは昔から少し変わってましたけど、
今もそうみたいね」
それを言うまでは笑っていたが、
ため息をつくとだんだんと表情に影を落とす。
「姫様、どうかなされたんですか?」
「いえ、何でもないわ、嫌だわ、わたくしってば――」
また友情の確かめ合いでも始まるのかと思って、
ルージュは考えることを取り敢えず止めた。
だが、暫くたって妙な流れになってきたので思考を再開した。
どうも、彼女はゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったらしい。
それはアルビオンの反逆勢力たる貴族派、レコンキスタに対抗するための同盟、
それを強固かつ確実な物にするためだという。
だが、その結婚を台無しにしてしまいうる一つの手紙が、
レコンキスタに滅亡寸前まで追いやられている王党派の元にあるらしい。
取り敢えずブルーは言った。
「それを取り返して来いと」
「恥ずかしいことですが、そう言うことになるのでしょう」
「……えーと……ブルー、姫様に失礼な口をきかないで頂戴」
そう言ってから、ルイズは真剣な表情をしてアンリエッタの方に向き直る。
「早速明日の朝にでもここを出発します」
「申し訳ありません。ルイズ・フランソワーズ。この恩には答えなくてはなりませんね」
「姫様、気にしなくて良いと言われたのは姫様でしょう?」
「……そうでしたね。少々お待ちいただけますか?」
というと、ルイズの机の上にあった羊皮紙とペンを使い、
手紙を書き始める。途中、何かを戸惑ったようだった。
ルイズがその様子をじっと見ていた。
手紙を書き終えると彼女はそれをルイズにそれを渡した。
「この手紙を、ウェールズ皇太子に渡してください。
件の手紙を必ずや返していただけるはずです。
そして、これもお持ち下さい」
彼女は自身の右手の薬指から、指輪を外すとそれもルイズに手渡した。
「母君から頂いた『水のルビー』です。
旅の資金が心配ならば、これを路銀に換えてください」
ルイズが頭を下げる。
「この任務にはトリステインの未来がかかっています。
あなた方の行く先に、始祖の祝福があらんことを祈ります」
薄暗い部屋に小さな音が聞こえる。
締め切られたその部屋は、どこか蒸し暑い。
その部屋のベッドの上に、二人の少女がいた。
少女の片方……緑色の髪をした彼女は、どこか人間離れした色気を放っている。
もしかしたら、この部屋の蒸し暑さには、
彼女のそれが混じっているのかも知れない。
彼女は、もう一人の少女に覆い被さるようにしていた。
そのもう一人の少女はと言えば、
少女と言うには少々幼すぎるかも知れない顔立ちと外見であった。
今は、その頬を朱く染めている。
緑色の髪の彼女――アセルスの手が、
青い髪の少女――タバサの朱くなっている頬に触れる。
タバサの口から言葉にならない声が漏れる。
アセルスはその様子をじっくりと見てから、タバサの頭を愛おしそうに撫でる。
タバサが潤んだ目でアセルスを見つめ返す。
それを妖しい微笑みで返してから、アセルスはタバサの濡
(省略されました。続きが読みたければ人数分ブリューナクください)
お解り頂いているとは思うが、全て半妖様の妄想である。
なお、この妄想はキュルケの三角蹴りによって中断される。
本能的にやばいと思ったらしい。
キュルケ、それで正解だ。君は正しいことをした。
「だめね……タバサをあれと一緒の場所に置いておくことは出来ないわ」
しかし、タバサを連れ出そうとしても理由無しに動いてはくれないだろう。
無理矢理連れ出すのも気が引ける。
どうしたものか――そう考えているキュルケの目に、
馬に乗り出掛けようとしている二人組の姿が映った。
「あれはダーリン?……どこかに行くのかしら……そうだわ!」
朝から、ギーシュは剣を振っていた。昨日とは剣を変えてみていた。
冷静に考えたら、ただ振るだけで剣の腕が身につくわけ無いではないか。
トレーニングにはなるかも知れないが。
と言うわけで、ギーシュは図書館で一通り調べ物をしたのだった。
何せ魔法学院の図書館だからそう言う物を探すのは少々骨が折れたが、
探せばある物だ。ついでに、『土』の魔法に関するいくつかの書物も調べた。
その結果として、ある程度の技と、『土』の魔法の応用を身につける事が出来た。
が、そこで止まる。
「ふむ。せっかく身につけたのだから試してみたいが。
まさか決闘をするわけには行くまいしね……ん?あれはルイズとブルーじゃないか」
ルイズとブルーが、馬小屋から馬を連れ出し、なにやら準備をしていた。
どうも遠くに行くようだったが、ふむ、フーケの討伐に行った二人だ。
また学院長から秘密の任務でも請け負ったのだろうか?
ギーシュはある一つのことを思いつき、彼女たちに近づいていった。
「ルイズ、アルビオンまではどのぐらいかかるんだ?」
「馬で二日って所ね」
「遠いな」
そんな他愛もない話をしていたら、後ろから声がかかった。
「やあルイズ、またどっかにいくのかね?」
二人が振り返ると、そこには細身の剣を腰にぶら下げたギーシュが居た。
「ギーシュ、何してるのよ」
「いや、どこかに行くのなら、僕も連れて行って欲しいんだ」
「何でよ」
「また秘密の任務でも請け負ったのかと思ってね」
ギーシュがそう言うと、ルイズは慌てて返す
「……そ、そんなわけ無いじゃない。何を言っているのかしら?」
「ふむ。秘密の任務でないなら僕がついて行っても大丈夫な筈だね?」
「だ、だめよ!」
「だが途中まで同行するぐらいなら構わないだろう?
一人では心細いからね」
食い下がるギーシュに、ルイズが言う。
「か、勝手についてくるなら好きにしなさいよ!」
それを聞いて、ギーシュが笑みを浮かべ返す。
「そうかい、ルイズ。
所で、何処まで行くんだい?」
「アルビオンよ」
「へぇ?そんなところまで、準備は出来てるのかい?」
「見て解らない?」
「しかし、アルビオンは今危険なはずだ。
大丈夫なのかね?」
「平気よ」
次に、ギーシュは変わらず自然な口調で聞いた。
「ところで、そんなところまで何をしにいくのかね?」
「手紙を取り返しに……あ」
「ふむ。やはり秘密の任務だったようだね」
ルイズは顔を赤くし、ギーシュは顔をほころばせる。
ブルーの顔には特に変化はなかった。
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