「三人03」(2009/04/08 (水) 08:12:07) の最新版変更点
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コルベール先生が大張り切りで自分の研究を説明するが、生徒の誰も興味を示さず、
教室がささやかにざわめいてる、そんないつもの授業風景の中。
「あかん…」
静かに授業を受けていたタバサの脇で、大阪が急に蒼ざめ、震えだした。
「何」
タバサが問うと、大阪はかたかたと全身を震わせながら答える。
「こびとさんが見える」
ははあ。なるほど、こびとさんが。
「はやてちゃんが、こびとさんとお話しとるのが見える」
タバサは大阪の額に手を当て、続いて自分の額に手を当てる。熱はないようだ。
当のはやての方向を見てみるが、とくに変わった様子はない。
「気のせい」
タバサはそれだけ言うと、コルベール先生の新発明とやらの解説に耳を傾ける。
(…連絡は…しゃあないなあ…)
(…ですぅ)
(…ちゃんとなのは…)
(…そうだと…)
「タバサちゃん!タバサちゃん!」
「何」
「今見えた!なんか本の上に立っとった!」
もう一度見るが、はやては何やら分厚い本を読んでいるだけのように見える。
「見間違い」
自分の使い魔の心の問題を本気で懸念材料として心配しつつ、授業に戻るタバサ。
大阪もしばらくは視線を宙にさ迷わせていたが、何かを見つけたのか教室の中をゆっくりと見回し始めた。
(じゃあ…ちょっと行って…)
(…世界…気いつけてな…)
「飛んだ!」
「授業中」
いいかげん静かにするべきだと、タバサは大阪の頭をぺしっとはたいた。
一応教室を見回してみたが、大阪の言うこびとさんとやらはどこにもいない。
「誰もいない」
「窓の外に飛んでったから、今はおらんけどすぐに戻ってくると思う」
「…戻って来たら話を聞く。今は静かに」
大阪は友達なので、タバサはとりあえず妥協しておく事にした。
そして結局大阪は授業中、それ以上騒ぐ事はなかった。
本日の授業が終わり、することがなくなったはやては広場の隅で何かを待っているようだ。
「絶対おると思うねん」
「何がおるん?」
「ちょっと、はやてがどうしたってのよ」
物陰からはやての様子を伺うのは、大阪と木乃香とルイズ。
「はやてちゃんは、こびとさんと秘密のお話をしている」
大阪の発言は、空気を固まらせるのに十分な威力を持っていた。
「あゆむちゃん…とうとうあっち側に行ってしもうたんやなあ…」
「ちょっとアレだとは思ってたけど…まさか本物だったとはね…」
「ちゃうねん」
あまりの反応に、さすがの大阪も少しへこんで何やらいいわけを始めた。
「あんな、それは…ちゃうねん。ちょっとな、他の人が見とらんだけやねん」
弁解する大阪の肩に、木乃香は優しく、本当に優しく手を置いて諭すように語る。
「あゆむちゃん…ウチも精神的なやまいを治したことはないけど…一緒に頑張ろうな?」
「ちゃうねん」
「何が違うのよ。大体、こびとさんが見えるのはあなただけなんだから…」
ルイズがそう話していたちょうどその時、ルイズの視界にとんでもないものが飛び込んできた。
こびとさんが、はやてに向かって一直線に飛んできたのだ。
「あーーーっ!!」
思わず声を上げるルイズを、大阪と木乃香は怪訝な顔で覗き込む。
「どうしたん?」
「あ…あ…」
ルイズの指差す先に、二人が思わず顔を向けた瞬間…
こびとさんは、いつのまにかこちらの目前にまで迫っていた!
「「「あーーーーーーーーっ!!」」」
「はじめまして!わたしは、リインフォース・ツヴァイって言います!リインちゃんとお呼びください!」
「「「喋ったーーーーーーーーーーーーーー!!」」」
その後、はやては事態の収拾に数時間を要した…
魔法学院は、今日も平和だった。
#navi(三人)
コルベール先生が大張り切りで自分の研究を説明するが、生徒の誰も興味を示さず、
教室がささやかにざわめいてる、そんないつもの授業風景の中。
「あかん…」
静かに授業を受けていたタバサの脇で、大阪が急に蒼ざめ、震えだした。
「何」
タバサが問うと、大阪はかたかたと全身を震わせながら答える。
「こびとさんが見える」
ははあ。なるほど、こびとさんが。
「はやてちゃんが、こびとさんとお話しとるのが見える」
タバサは大阪の額に手を当て、続いて自分の額に手を当てる。熱はないようだ。
当のはやての方向を見てみるが、とくに変わった様子はない。
「気のせい」
タバサはそれだけ言うと、コルベール先生の新発明とやらの解説に耳を傾ける。
(…連絡は…しゃあないなあ…)
(…ですぅ)
(…ちゃんとなのは…)
(…そうだと…)
「タバサちゃん!タバサちゃん!」
「何」
「今見えた!なんか本の上に立っとった!」
もう一度見るが、はやては何やら分厚い本を読んでいるだけのように見える。
「見間違い」
自分の使い魔の心の問題を本気で懸念材料として心配しつつ、授業に戻るタバサ。
大阪もしばらくは視線を宙にさ迷わせていたが、何かを見つけたのか教室の中をゆっくりと見回し始めた。
(じゃあ…ちょっと行って…)
(…世界…気いつけてな…)
「飛んだ!」
「授業中」
いいかげん静かにするべきだと、タバサは大阪の頭をぺしっとはたいた。
一応教室を見回してみたが、大阪の言うこびとさんとやらはどこにもいない。
「誰もいない」
「窓の外に飛んでったから、今はおらんけどすぐに戻ってくると思う」
「…戻って来たら話を聞く。今は静かに」
大阪は友達なので、タバサはとりあえず妥協しておく事にした。
そして結局大阪は授業中、それ以上騒ぐ事はなかった。
本日の授業が終わり、することがなくなったはやては広場の隅で何かを待っているようだ。
「絶対おると思うねん」
「何がおるん?」
「ちょっと、はやてがどうしたってのよ」
物陰からはやての様子を伺うのは、大阪と木乃香とルイズ。
「はやてちゃんは、こびとさんと秘密のお話をしている」
大阪の発言は、空気を固まらせるのに十分な威力を持っていた。
「あゆむちゃん…とうとうあっち側に行ってしもうたんやなあ…」
「ちょっとアレだとは思ってたけど…まさか本物だったとはね…」
「ちゃうねん」
あまりの反応に、さすがの大阪も少しへこんで何やらいいわけを始めた。
「あんな、それは…ちゃうねん。ちょっとな、他の人が見とらんだけやねん」
弁解する大阪の肩に、木乃香は優しく、本当に優しく手を置いて諭すように語る。
「あゆむちゃん…ウチも精神的なやまいを治したことはないけど…一緒に頑張ろうな?」
「ちゃうねん」
「何が違うのよ。大体、こびとさんが見えるのはあなただけなんだから…」
ルイズがそう話していたちょうどその時、ルイズの視界にとんでもないものが飛び込んできた。
こびとさんが、はやてに向かって一直線に飛んできたのだ。
「あーーーっ!!」
思わず声を上げるルイズを、大阪と木乃香は怪訝な顔で覗き込む。
「どうしたん?」
「あ…あ…」
ルイズの指差す先に、二人が思わず顔を向けた瞬間…
こびとさんは、いつのまにかこちらの目前にまで迫っていた!
「「「あーーーーーーーーっ!!」」」
「はじめまして!わたしは、リインフォース・ツヴァイって言います!リインちゃんとお呼びください!」
「「「喋ったーーーーーーーーーーーーーー!!」」」
その後、はやては事態の収拾に数時間を要した…
魔法学院は、今日も平和だった。
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