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『アーノルド・ラスキンwithクスィ・アンバー VS フーケwithゴーレム』
(前略)
ラスキンはルイズの隣りに立つと、頭を撫でてやりながら告げる。
「言ったはずだ。私は難儀している女性を捨て置くほど、浅ましくは無いと」
「ラスキン――?」
「下がっていたまえ。使い魔を信用する事も、主には必要な素質だ」
「わ、解ったけど――どうするのよ。あんなでかいの、幾ら貴方の剣でも――」
「心配ない。キュルケ君、タバサ君。頼んだぞ」
「え、えぇ――」「解った」
キュルケとタバサがルイズの手を引いて下がらせる。
流石に二人とも不安げな視線をラスキンに向けるが――
「Omnipotens Aeterne Deus,
Oui totam Creaturum condisdisti in landom et honorom tuum ....」
彼の口から聞いた事の無い呪文が流れ出す。
「うそ、魔法!?」「なによアレ!」「ご、ゴーレム――?」
ラスキンを凄腕の老剣士だと思っていた三人が、そしてフーケが驚愕に表情を変える。
だがそれは彼の唱える魔法以上に、彼の背後に現れた魔法陣からゆっくりと競り上がって来る巨大な人形に向けられていた。
甲冑を着込んだ女性型。
通常の腕に加えて、更に後光を模したかのような背面ユニットに三対の腕を持つ姿はどこか神性を感じさせる。
ラスキンは一息に肩に飛び乗りってフーケに告げる。
「さあ来い、土くれよ。我が主の勇気に敬意を払い、全力で相手をしてやろう」
予想外の戦力に唇を噛むフーケ。
だが、フーケのゴーレムとは異なり、クスィ・アンバーは芸術品のような完成度でこそあるが、
細腕で破壊力があるようには見えない。
「ちッ――だがそんな玩具のような細腕で何が出来るッ!」
「偶神クスィ・アンバー。我が信念のかたちだ――見縊るな」
「くたばりぞこないの爺がッ」
フーケはゴーレムをクスィ・アンバーへと向けて走らせる。
「ふん。力とはこれ見よがしに振るうものではないわ――教育してやろう」
――貴方がそれを言うの?――
その場に居た誰もが思ったが、ラスキンの勢いに飲まれて口に出すものは居ない。
地響きを立てて突っ込んでくるゴーレム。
振り上げた腕が鋼鉄に変わる!
しかしラスキンはそれを見るとニヤリと老獪な笑みを浮かべて、呪文を唱えた。
――まだ何か出すのか!?――
それに気付いたフーケは、ゴーレムの動きを加速させる。
しかし、《アポート》によって巨大ロボサイズの刀が呼び出されると、
四対の腕がそれぞれ掴み、構える。
「動きが鈍い。所詮は土くれか――抜刀四連!」
斬ッ――!!!
「なんだって!?」
フーケの表情が驚愕に変わる。
ゴーレムに比肩しうるほどの巨大な身体が、高速の抜刀術を見せたのだ。
四振りの刀のうち三振りを砕きながらも、クスィ・アンバーには傷一つ無く――
「成敗!!」
ラスキンの宣言と共に、クスィ・アンバーが残った一振りの刀を納める。
チンッ――
鯉口が音を立てると同時に、ゴーレムに正中線が走り――真っ二つに崩れ落ちた。
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