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凄絶な使い魔‐08 - (2009/07/06 (月) 12:59:09) のソース
#navi(凄絶な使い魔) 昨日の晩は、部屋に夕食を運んでもらった。 その時はミートパイと、チーズとワインといった軽いものだったので、元親と一緒に食べる、ちゃんとした食事というものは、 この昼食が初めてだった。 二人がアルヴィーズの食堂へ入ると、教室と同様、生徒と教師の視線が元親へと向けられる。 例によって、注がれるメイジ達の視線を全く気にした様子のない元親の振る舞いは、使用人たちからも異質に映り、 とても同じ平民とは思えなかった。 途中、二人の姿を見たメイド達が好奇の視線を向けていたが、原因についてなど元親は知る由もない。 彼愛用の三味線をそばに立て掛けると、ルイズの隣の席に座る。 席に着くと、ルイズはモンモランシーと目が会った。 「モンモランシー、……今朝はごめん、ギーシュの事からかうつもりは無かったの、ただ……」 「……別にいいわよ、事実だし」 そう言うと、モンモランシーは隣の元親へと視線を移した。 「……それにしても、今朝、使い魔にここで食事を取らせるわけにはいかないとか言ってた人がいた気がするけど……、誰だったかしら?」 ぐっ……どうやら、まだ根に持ってるみたいね、しかも、元親の目の前でそんな事を暴露するなんて。 「そういや、そんな事言ってたよなルイズ」 元親の隣に座っているマリコルヌがすかさず口をはさむ。 ちなみに今、元親が座っている席は本来、マリコルヌの席である、来てみたら先に元親が座っていたので、 マリコルヌは異国の軍人であるという彼に、一応敬意を表し、一つ隣に座っていた。 「あ、あの時は事情があったのよ」 「へー、何よ、その事情って」 「俺の服が無かった、それだけだ……」 無表情にそう言いきると元親は腕を組み、使用人が並べる料理を見つめている。 「そう、彼の服がなくて、部屋にいてもらったのよ」 「じゃあ、そう言えばいいじゃない」 「……ハハ、そうよね、でもね、あの時はそうでも言っておきたい気分だったのよ」 裸で女子寮を歩き回った使い魔の噂が聞こえ、動揺していたルイズには、あの時それを言う事は出来なかったわけだが、 その心境はモンモランシーには分からない。 そうこうしている内に、食事の前の祈りが捧げられ、昼食がはじまる。 元親は貴族のマナーを知らないから、スープは音を立てて皿から直接飲むし、面倒だと判断したら、手掴みで食べる。 周りの目が集中したけど、本人は一向に構わん、と素知らぬ顔で食事を進めていた。 彼の様なマナー無視を、見ている者がそれほど不快に思わなかったのは、彼の食事のスピードが異常に速かった事による。 日本でいくさ場をかけている時も、握り飯や飯桶などを一瞬で平らげていたが、その速度で元親は、 学院コック長マルトーが作ったフルコースを平らげて言った。 運ばれてきたスープは「ズバッ」っと、1秒で完飲。 前菜はまとめてフォークに刺して、一口。 サラダはかき込み、2秒。 若鳥の香草焼きはどうやって食べたか不明、一瞬で骨に。 デザートのパイも手づかみで一口。 ゆっくりと、味わっているのは、今飲んでいるワインぐらいだ。 ルイズ、モンモランシー、マリコルヌ、その他の生徒、教師、使用人たちは、 彼の食事の凄まじさと外見のギャップに、ただ驚いていた。 元親の目の前の料理が、彼が何か動作する度に、突然、皿の上からそれは消えて、それほど、 大きくもない口が咀嚼しているといった感じだ。 「そう言えば、昨日の晩のパイやチーズも口にほおり込んだっけ……」 最初、注意しようと思ったルイズだったが、既に食事を終えている者に言っても意味がない。 あっという間に無くなるのだから、マナーも何もない。 「ルイズ……、ここの食事は毎日、こういった感じなのか?」 タルブ産の赤ワインを味わいながら、元親がルイズに尋ねる。 「え、どうかしたの?」 ルイズが元親の表情が若干曇っているように感じた、あれだけ勢いよく食べておいて、口に合わなかったのだろうか? そうルイズが元親に尋ねると、彼は頭を振った。 「いや、美味い……、そのうえ、量も多い……、それが困る」 要するに、美味いから食いすぎてしまうって事? 呆れた顔のルイズに、元親はいたって真面目だ。 「人間、腹八分だ」 そんな元親はワインがいたく気に入ったようだった。 戦国時代を生きてきた元親が飲んでいた酒と言えば、濁り酒のみである。 清酒もある事はあるが、一部の寺院の独占販売品で、品自体も高価である。 ワインも宣教師の手によって、日本に入っては来ていたのだが、それは彼らが取り入ろうとする、 有力な大大名か、一部の豪商のみが手にする事ができる品だった。 元親は今飲んでいるタルブ産の赤をグラス越しに透かして見る。 若飲みワインの新鮮な果実香と甘み、薄く透き通るそれは、元親にとっては正に甘露の滴である。 「よほど、そのワインが気に入ったのね、確かにタルブ産は質がいいから無理ないけど」 「これも魔法で作った酒か?」 「違うわよ、生産管理は貴族が行っているけど……、細かな味の再現は魔法じゃ難しいしね、 第一、世の中に流通してるワインまで貴族が作ってたら、メイジがいくらいても足りないわよ」 そういうと、ルイズもワインググラスを空にした。 そうか、魔法といえども、向き不向きや、限界もあると言う事か……、そんな事を考えながらグラスのワインを一気に飲み干した。 食事が終わり、ルイズはちょっと用があると小走りに駆けて行った。 ここにいなさいよ、と言われたので壁に背を預けて彼女を待つ。 おそらく用足しだろう、昼まで元親と半壊した教室の片づけをしていたので、彼女は長時間トイレに行っていなかった。 待つ間、ふと視線を下に向けると何やら、小瓶が落ちているのに気が付いた。 拾い上げ、明りに透かして見ると、何やら紫の液体のようなものが入っているのが見える。 「どうかしましたか?」 後ろを歩いていたメイドに声をかけられた、振り返ると見覚えのある黒髪の少女がこちらに近づいてくる。 「また会ったな、……シエ」 「シエスタです……、ええっと」 「名乗って無かったな……、長曾我部だ」 名乗りあうと、シエスタは元親が持つ瓶を覗き見る。 「きれいな瓶ですね、どなたかが落とされたのでしょうね」 「そのようだ、……中身は、……とんでもない匂いだ」 栓を開け、直接匂いをかいだ元親は眉間に皺を寄せる。 その様子が可笑しくて、シエスタは笑った。 香水は微量に付けるだけでいいのだ、瓶から直接嗅ぐものではないし、元親の嗅覚にはそれは強烈過ぎたようだ。 「ちょっと待ちたまえ、君」 突然、声を掛けられて、元親とシエスタが振り返ると、そこにはギーシュ・グラモンが立っていた。 「今、君が言った言葉を取り消してもらおう」 強い怒りの込めた眼で元親を睨みつけると、バラの花をかたどった杖を抜く。 それを見てシエスタが顔色を真っ青に変えて、ガタガタ震えだした。 「も、申し訳ありません、ミスタ・グラモン」 額が膝に付かんばかりの勢いで頭を下げ、シエスタは目の前の貴族に誠心誠意謝罪した。 彼女は、怒れる貴族の少年が、今の元親の言葉を聞いてしまったと察した。 つまり、あの小瓶の持ち主はこのギーシュ・グラモンで、因りによってその人の前で変な匂いだなんて言ってしまったのだ。 事態に野次馬が集まりはじめ、三人を中心に周囲を囲んだ状態になる。 「ミスタ・グラモン、お怒りはごもっともで御座います、ですが、この方も悪意があって言ったわけではありません、どうか……」 元親を弁護するシエスタにギーシュは、スッとバラの杖を向ける。 それだけで、貴族の恐ろしさを知っている彼女はヒッっと声を詰まらせて、何も言えなくなってしまうのだった。 その様子を薄く笑うと、ギーシュ・グラモンはバラの杖を指で弄んだ。 「……その香水は愛しのモンモランシーが僕にくれたものでね、つまり、悪意が有ろうと無かろうと、 彼の言葉は僕とモンモランシーとの愛の侮辱に他ならない」 芝居じみた仕草で、ギーシュはそう言うと、怒りの視線を元親に向ける。 「さあ、どうした平民、さっさと頭を……さげ」 バラの杖の先端を元親へ付きつけようとした瞬間、ギーシュの横面を強力な平手が襲い、その衝撃でギーシュの体が反回転する。 その平手を放った主は、うるると目を潤ませる少女だった。 「ギーシュ様、やはり貴方はモンモランシー様と……」 「け、ケイティ、いや、これは違うんだ、話を聞いてくれないか」 「話すこと何て……、有りません、……あの香水の瓶が、愛の証なんでしょ!」 ケイティと呼ばれた少女はハンカチで涙を覆いながら、走り去っていく。 「ケイティーッ………」 少女の方へ手を伸ばした仕草のまま、しばらく固まっていたギーシュが、ギギギとゆっくりと元親とシエスタの方へと向き直った。 「君たち……、どうしてくれるんだね」 シエスタは恐怖で体が固まった様に硬直している、その彼女の様子を見て、背後へと庇うように元親は少年と正対した。 「……何がだ?」 「わからないのかね?君がもっているその瓶を変なにおいだなんて言ったせいだよ」 元親は手に持った瓶を眺め、ギーシュへと目を向けた。 「それと今の娘がどうかかわる?」 わかってないなこの平民は、そう言うとギーシュは大仰に顔に手を当てる。 「バラが何故美しく咲くか知っているかね?」 「知らんな」 元々美しいからか?と思ったが口に出さなかった。 「バラの美しさは見る者すべての人に愛でてもらうために、美しく咲くのさ、 特定の誰かのために咲くわけじゃないから、その美しさは見る者すべての者にとって美しく感じる」 「……話が見えん」 「だから、僕はモンモランシーを愛しく思っている、そして、ケイティの愛も僕は等しく受け入れていたかったのだよ、 バラの花の様に!」 バラをかざしながら気障にな仕草でポーズをとるとギーシュはそう言い放った、自分をバラの花にたとえての二股宣言に、 周囲の人間も、駄目だ、駄目すぎる、と心の中で思ったが、ギーシュは大真面目だった。 「さあ、とりあえず、謝罪したまえ、話はそれからだ平民」 芝居かかった仕草から、真面目な表情へとギーシュの顔が変わり、杖を元親へと向ける。 なにわともあれ、周囲の人間もこれからの展開に勝手に盛り上がり始めた。 生意気な平民を懲らしめる貴族の図式は退屈な学院生活を送る貴族の子供達にとって、ある意味共通の娯楽でもあった。 その渦中で、元親はつまらない物を見るような眼でギーシュを眺めていた。 「ちょっと、ギーシュ!」人ごみをかき分けて、ルイズが押し入ってきた。 「やあ、ルイズ、君が召喚した平民に少し礼儀を教えさせてもらうよ」 ルイズの顔を見ると、ギーシュはそう冷ややかに言った。 「何言ってるの、チョーソカベは私の使い魔よ、勝手な真似は許さないわ!」 ルイズは厳しい口調で詰め寄ると、ギーシュはおどけた様に肩をすくめて見せた。 「だいたい話は聞こえていたわ、さっきの下級生に振られた事の腹いせでしょ、それがトリスティン貴族のする事! チョーソカベに私たち貴族の恥を見せないでよ!」 ギーシュの態度に、一気に火がつたルイズの猛攻を一瞬タジタジといった様子で聞いていたギーシュだったが、 フンと落ち着きを取り戻すと、せせら笑った。 「貴族たる証の魔法が使えない君が、貴族のなんたるかを語るとはお笑いだね、貴族の恥だって? さっき教室での爆発こそが恥だろ、ゼロのルイズ」 「っ!」 ルイズの顔がゆがむのをギーシュは見逃さなかった。 「おや、自覚はあるようだね、まぁ当然だね、毎回僕らに迷惑を掛け続けてきたんだから、 ヴァリエールの人間じゃなかったら、とっくに学院を退学させられていただろうからね」 小馬鹿した態度でギーシュはとうとうと語る、それについて周囲の人間も反応は様々だが、ヴァリエール家の威光と反して、 魔法が使えないルイズを馬鹿にする者は少なくない。 特に、彼女の爆発に実際巻き込まれたことのある同級生などは、良い印象を持っていないのだから、 ギーシュに言い込められているルイズは彼らの日頃の溜飲を下げている状態だ。 「貴族の真髄は心にあるのよ、魔法も大事だけどそれを使う者が歪んでいたら、なんの意味もないもの!」 「フフフッ、君の言い分はいつもそれさ、言葉と実がかみ合わないから説得力がない、 聞いている者にとってはねルイズ、ヴァリエールの名前を笠にきるゼロが偉そうにとしか聞こえないよ?」 ギーシュの勝ち誇ったようなセリフに、ルイズ顔をしかめ、再び、閉口した。 「あらら、ルイズもちょっとは、まともに言い返せばいいのに、ギーシュの話のすり替えに気が付かないのかしら」 褐色の肌を持つ美女キュルケは、ロフトに続く階段の手すりに腰かけ、騒動を眺めていた。 ルイズは彼女を目の敵にしているが、キュルケ本人は一族のしがらみなど、ほとんど気にしていない。 彼女にとってルイズは、面白い玩具の様な感覚と言った方が正しい、からかうと色んな反応があって面白いのだ。 キュルケが階段の数段上に立つ青い髪の少女の方を見る。 彼女の数少ない同性の友人の一人であるタバサである。 いつもならこう言った事には関心を持たない青い髪の少女は、無表情に事態を眺めている。 「珍しいわよね、タバサがこんな騒動に興味を示すなんて」 「……気になる」 タバサの返事はいつも短い、それを聞いてキュルケは顔を輝かせた。 「ルイズが?ギーシュが?……それとも元親かしら?」 キュルケの言葉に、タバサの目が彼女の方へ向く。 「……名前、モトチカ?」 「そうよ、知らなかった?」 コクンと頷くと、タバサは再び、人垣の方へと視線を戻した。 その様子を見て、キュルケは、この友人が異性に対して興味を示す事自体がうれしかった。 元親は美形で、どことなくタバサと雰囲気が似ている、そこに惹かれたのねと勝手に解釈したようだ。 「まかせてタバサ、私が恋についてはいろいろ教えてあげるから」 「……?」 うんうんと、頷くキュルケに、タバサは怪訝な表情(無表情だが)を一瞬向けて、再び視線を戻した。 ギーシュが勝ち誇ったように、ルイズを見ていると、べべん!と弦をはじく音がアルヴィーズの食堂に響いた。 楽器を構え、悠然とギーシュを見つめる元親がいた。 その場にいた全員の視線が元親に集まる。 貴族同士の会話に平民が割って入ったような形だが、異様な迫力を漂わせる男に、その場にいたメイジ全員が口を閉じた。 彼はゆっくりとギーシュに向って歩きはじめる。 「……俺は運がいい」 元親の静かだが、誰も無視できない迫力を持った声色が響く。 「……類まれなる力と、清廉かつ不屈の魂を持つ主に仕える事が出来たのはまさに僥倖……」 元親はギーシュの前までくると、小瓶をギーシュに向って放った。 「お前のような小僧に呼び出されなんだ事を、神仏に祈らずにはおれん」 そう言うと踵を返し、何か言いたそうなルイズを伴って歩きはじめた。 人垣が割れてできた道を悠然と歩きながら、まだ震えているシエスタを他のメイドに預ける。 「待ちたまえ!、勝手にどこへ行くつもりだ、話は終わっていないぞ!」 元親の迫力に押されて暫し、呆然としていたギーシュが、我に帰ったように二人を呼びとめる。 「君の謝罪をまだ聞いていない」 ルイズが振り返って、ギーシュを睨みつける。 「あんた命拾いしたのよ、チョーソカベが主人を侮辱した相手を、いつまでも黙って見ている使い魔と思わないことね」 その言葉を聞いて、ギーシュも黙ってはいられない。 「……面白い、ではその使い魔に決闘を申し込もうじゃないか……、平民の貴族に対しての礼儀を骨の髄までたたき込んでやろう」 ギーシュがそう宣言すると、杖を元親へと向ける。 その言葉に周囲の者もオオ!と歓声を上げる。 「ヴェストリの広場だ、ルイズ、その使い魔を連れて来いよ」 ギーシュはそう言うとギャラリーを引き連れて、先にアルヴィーズの食堂を出て行った。 憤然とギーシュを睨んだまま、ルイズは決闘を拒否する事はしなかった。 「ちょっと、ルイズ、あんた何やってんのよ」 キュルケがタバサを連れて、二人に近づいてきた。 「何ってあんたに関係ないじゃない」 そっぽを向いてつっけんどんな返事を返すルイズにキュルケは猛反発する。 「大アリよ、元親はアンタだけの物じゃないんだからね!、……あんたギーシュはああ見えても結構やるわよ ドットクラスで7体のゴーレムを操る奴なんて普通いないんだから!」 確かにキュルケに言われて、ルイズは不安になる。 青銅色のゴーレムは一体で平民の傭兵5人に相当するとも言われる。 つまり元親はひとりで35人の傭兵を相手にするのと同じ戦いを強いられるのだ。 「チョーソカベ……あたし、なんて事を」、青ざめたルイズに元親は言った。 「聞いておくが……、結果、あの小僧が死んだ場合はどうなる?」 「え、……いや、それは不味いんじゃない流石に」 軽く面食らったように答えたのはキュルケだった。 学生同士の決闘は、お互いの貴族の家の問題にまで発展していくので、生死に至るまで行われる事はないという事を説明する。 降参するか、相手の杖を落としたら、そこで勝敗が決まると元親に伝える。 それを聞くと元親は、名ばかりの決闘に嘆息した。 「所詮遊戯……、殺せば、ルイズにまで類が及ぶという事か……、ならば生かしておくとしよう」 あっさりと、そう言いきると元親はルイズに場所までの案内を頼む。 「大丈夫なのチョーソカベ?」 「ああ……、逆に殺してしまわないか心配だ」 そう言って、手にした蝙蝠髑髏を眺める、殺傷能力の高いそれは一撃で人の命を奪う事もある。 そんな元親にルイズも安心してきた。 「わかったわ、いざとなったら私が助けるからね!」 「フッ、上等」 元親はルイズに連れられてヴェストリの広場へと向かっていった。 その様子を呆気にとられて見ていたキュルケ。 ふと気がつくと、タバサが自分を置いてさっさと広場に向かっていくのを、文句を言いながら追いかけた。 #navi(凄絶な使い魔)