PeerCastとは、インターネット上に配信されている音声または動画をリアルタイム受信するためのソフトウェアの名称です。
もう少しぶっちゃけていうと、ネット上に誰かが流している個人運営のラジオを聞いたり、個人運営のテレビを見るツールです。
番組は無数にあるので、あなたはその中から好きな番組を選び見ることができます。もちろん無料です。
どういった内容のテレビやラジオが流れているかは、流している人次第ですが、有名な配信者(流している人)はいつも決まった時間に配信してくれることが多いので、有名人には数百人規模の固定ファンがついて毎回視聴しています。
また、一般的な家庭用TVでは視聴者は配信者の一方的な放送を見ることになりますが、PeerCast
では掲示板やチャットツールを駆使することで、配信者と視聴者の間で会話をすることも可能です。
※配信者も視聴者もある程度ツール類を揃えてれば、という条件がつきます。
さすがに配信されている番組は、ほとんどが個人一人による運営ですので品質では家庭用TVにはかないませんがその分、配信者とチャットで会話ができて親しみが持てる点が受けている理由だと思います。
一昔前ですと、音声のみ=ラジオ配信が主流でしたが、高品質なインターネット回線の一般家庭への普及も進み、現在では動画の配信が主流です。
PeerCastのPeerとはPeer to Peer (P2P)のことで、P2P通信技術を使ってサーバーを使わず、個人と個人のパソコンを繋ぐ技術を使っていることを意味しています。
P2Pと言えば、ファイル共有ソフトWinnyやWinMXもこの技術を使っています。P2Pに悪いイメージがついてしまっている人もいるかもしれませんが、きちんとしたゲームやアプリケーションソフトでもよく使われている技術でそれほど毛嫌いする必要は無いでしょう。
このP2Pの最大の利点はサーバーを持たない形式なので、サーバーを用意する必要が無く、またサーバーに自分を登録してもらうという手間もありません。
環境さえ整っていれば、いつでも誰もが気軽に参加できるのです。
ただしP2P通信は、あくまで「環境が整っていれば」ですので、環境が整っていない初心者がつまづきやすい傾向にあります。
PCBCではこういった参加したいがうまくできない人のためのサイトになることが目標の一つでもあります。
音声や動画を配信&受信するソフトウェア(ツール)は多数存在しますが、この中でPeerCastが選ばれている最大の理由は「接続者数に制限が無いこと」です。
既存の配信ツールでは、配信者一人にたくさんの視聴者が接続したいと思っても、回線やスペックの問題で同時接続者数に限界がありました。光回線であっても個人のパソコンに一度に100人が同時に接続するというのはあまりにも厳しく、配信者がどんなにすばらしい番組を配信していたとしてもせいぜい数十人規模の視聴者しか集まらず、流行するという所までは至りませんでした。
ところがPeerCastはこの問題を解決するために、接続方法にリレー方式を採用しました。
イメージにすると下図のようになります。
同じ番組を見ている視聴者が、あとから来た視聴者にさらに配信という受け渡し(リレー)をする仕組みを各視聴者に負担してもらうことで、理論上は無限に視聴者を受け入れることができるようになります。
この方法であれば、ツリーの開始位置である配信者は、直接接続する数人に番組を配信すれば良く、配信者のパソコンや回線にかかる負担は驚くほど減るのです。
PeerCastでは実際に1000人規模の同時視聴は、何度も行われていますし、数百人規模であれば日常的に行われています。
頭の切れる方ならここで、「自分の上にいる人が終了/切断したら終わりじゃね?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、PeerCastはそのこともすでに考えられていて、自分の上流が切断したら別のリレー傘下に自動で繋ぎ直す機能がついてますので、視聴者は何も気にすることなく番組を見続けることが可能なのです。
(繋ぎ直している数秒間は画像が止まったりしますが)
こんな点がPeerCastが選ばれている理由です。