更新日時 2012-09-18 14:52:11 (Tue)
問題107
106回の必修問題を見たらアルコールの問題が出ていた。正答率が悪い(正答率:79.5%)
必修問題でアルコールと書いてあったら、まずはアルコール依存症と思って選択肢を選ぶと良い。
106F16 63歳の男性。咳と発熱とを主訴に来院した。黄色の痰も伴っている。
5年前にアルコール性肝硬変とアルコール依存症との診断を受け、3回の入院歴がある。
1人暮しである。体温38.2℃。Spo293%(room air)。
左の前胸部と背部下方とにcoarse crecklesを聴取する。
胸部エックス線写真で左肺野に浸潤影を認める。肺炎と診断し、入院することになった。
これから収集する情報のうち、安全管理の観点から最も重要性が高いのはどれか。
a職業歴 b喫煙歴 c家族歴 d海外渡航歴 e最終飲酒日時
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解答
正解:e
解説
診断:肺炎、およびアルコール離脱症候群のリスク
○e最終飲酒日時を聞くことで最終飲酒が直前かそうでないかでアルコール離脱症候群の出現が予測できて、
安全管理上の対応が大きく異なる。
していると思うが、もしアルコール飲酒が続いていた場合は、アルコール離脱症候群を予防するために、
ベンゾジアゼピン系薬物(ホリゾン)の筋注を行う。
今はできるんだよ、今は
当日になると途端にできなくなるんよね
当日に頭が白紙になるとこわいね。
ぱんりんでは、解答欄に輸液があれば輸液を選ぶ。
必修問題はアルコールと書いてあったら→アルコール依存症とか暗記しておく。
これだけで合否を分けることがある。
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問題108
アルコール依存症で連続飲酒になり入院した。初期治療として正しいものはどれか?1つ選べ。
①ベンゾジアゼピン系薬物 ②抗精神病薬 ③抗てんかん薬 ④抗うつ薬 ⑤利尿薬
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解答
正解:①
解説
○①アルコール依存症は、主に身体合併症と離脱症状の治療からなる.身体合併症については対症的に治療する.
離脱症状は最終飲酒から数時間,まだ酒臭のする状態から出現する.
離脱2-3日後から,トンチンカンな言動(意識障害)と活発な幻視(小動物が多い)からなる
振戦せん妄を呈することがある.
離脱症状治療の原則は,まず交差耐性のあるベンゾジアゼピン系薬物でアルコールの肩代わりをさせ,
漸減することである.
この処置を行わずに,点滴静注などでアルコールの排泄を促進すると,離脱症状を悪化させることがある。
離脱症状が重症の場合には悪心・嘔吐が激しく,内服が困難なことが多い.
ホリゾンの筋注を 1回10mg(1アンプル) 2-3時間おきに1日2-4回 筋注
重症の離脱症状に対するこのような処置は,振戦せん妄への移行を予防する.
症状の軽減とともに速やかに投与量を減らし,同薬剤の経口投与に切り替える.
抗精神病薬(向精神薬)と勘違いしないよう気をつける。
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問題109
106F10 身体診察所見と病態・疾患の組合せでただしいのはどれか(正答率93.3%)
a 音声振盪の増強……………………………………………反回神経麻痺
b 踵下ろし試験<heel-drop jarring test>陽性…………胸水貯溜
c Barre徴候陽性……………………………………………片麻痺
d Romberg試験陽性…………………………………………感音性難聴
e Weber試験陽性……………………………………………腹膜炎
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解答
正解:c
解説
×a音声振盪
★(診察)手掌基部又は手拳の尺骨側の両手同時または片手を背部の肺野にあてて低音で発声させ、音の振動を手で感じる診察法。
↑ 肺炎、肺結核
↓ 胸水、気胸、無気肺、肺気腫
反回神経麻痺は評価できない。
×b踵下ろし試験は、つま先立ちから踵をドスンと落とすと腹部に痛みが生じるかをみる検査。
腹膜刺激症状のスクリーニングできる。虫垂炎では右側腹部や背部に痛みが響く。
○C Barre徴候は、上肢と下肢のBarre徴候があり、どちらも軽度の片麻痺がある場合に患側で陽性となる。
×d Romberg試験は、下肢の深部感覚障害を調べる検査。開眼させ両足をぴったりつけた状態で安定して起立できるかをみる。
次に閉眼させると体幹が動揺して倒れてしまう場合をRomberg試験陽性とする。
脊髄後索病変で陽性となる。
×e Weber試験とは、一側の難聴が伝音難聴なのか感音難聴なのかを鑑別する方法である。
振動した音叉を前額部の真ん中に当て、振動が左右のどちらで強く響くかを尋ねる。
伝音難聴では患側に強く響き、感音難聴では健側で強く響く。
片麻痺の診察
Barre徴候(バレー徴候)←106回必修問題で出題
バレーと言えば、ギラン・バレー症候群で有名なフランス人。
軽微な片麻痺を見出す手技として頻用される。
患者を腹臥位にし両膝で下腿を90°に曲げさせ,そのままの位置を保持するように命ずると
麻痺側での下降がみられ,錐体路障害を証明する重要な徴候である。
バレー(Barre JA)の原著は下肢での手技に関してのみ記載している。
上肢ではわずかな筋力低下もみつけだす錐体路徴候の鋭敏な検査法がある。
上肢でもまず両腕を手のひらを上にして前方に水平に挙上させ、閉眼させて、 そのままの位置に保つように命ずる。
錐体路徴候があれば麻痺側の上肢がだんだん手指が開き( 小指から),回内を始め,
さらに腕がさがってくることを、わが国ではバレー上肢徴候として使用している。
しかしこの上肢での手技は,バレー自身がミンガッツィーニ(Mingazzini)の手技として紹介しており,
ミンガッツィーニ試験と呼ぶのが正しい。
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問題
出典:
最終更新:2012年09月18日 14:52