泌尿器科

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問題1
前立腺針生検の方法について正しいのはどれか?1つ選べ。

①鼠径部からの経皮的生検
②恥骨上部からの経皮的生検
③経尿道的生検
④経直腸的生検
⑤開腹直視下生検
+ ...
解答
4(正答率55%)
解説
×①解剖学的にも不可
×②超音波を用いても同部位から前立腺は描出できない
×③経尿道的生検は膀胱腫瘍(特に上皮内癌)の診断に利用されることが多い
○④前立腺針生検は経直腸的か経会陰的に行われる。
  多くは超音波ガイド下に生検部位を特定しながら行われる。
通常は6カ所以上生検する。
×⑤開腹直視下に前立腺針生検を行うことはない。


ごく細い針を、直腸からと、会陰部(陰嚢と肛門の間)から刺して
前立腺の組織をとります。
超音波の器具を肛門から挿入して前立腺を観察しながら行います。
採取した標本を顕微鏡で調べます。
採取する本数は、患者様の状態により調節いたします。
麻酔は、基本的には局所麻酔で行いますが、
腰から下の麻酔(サドルブロック)あるいは静脈麻酔(簡単な全身麻酔)で行うこともあります。
通常15分程度で終わります。


問題2
日本人の尿路結石で最も多いのはどれか。1つ選べ。(正答率:54.1%)
①尿酸結石 ②シスチン結石 ③リン酸カルシウム結石 ④シュウ酸カルシウム結石 ⑤リン酸マグネシウムアンモニウム結石

出典:101F47
+ ...
解答
④シュウ酸カルシウム結石
解説
×①尿酸結石は、5%。
×②シスチン結石は、1%。
×③リン酸カルシウム結石は、4~5%。
○④シュウ酸カルシウム結石は単一成分では30~35%、リン酸カルシウム結石との混合結石も含めると80%。
×⑤リン酸マグネシウムアンモニウム結石は、単一成分としては2~3%。


問題3
X線透過性が最も高い尿路結石はどれか?1つ選べ。
①シスチン ②リン酸マグネシウムアンモニウム ③シュウ酸カルシウム ④リン酸カルシウム ⑤尿酸
+ ...
解答
⑤尿酸
解説
×①シスチン結石は淡く写し出される。
×②③④ 基本的に無機質からなる結石はX線透過性が低い。
○⑤尿酸結石は、最もエックス線透過性が高く、X線では写らない。

結石成分とX線透過性
結石      X線透過性     結石密度比
………………………………………………………………………………
リン酸カルシウム結石 非透過性(非常に濃く描出) 20
シュウ酸カルシウム結石 非透過性(濃く描出)   10
リン酸マグネシウムアンモニウム結石 非透過性(少し薄く描出) 4
シスチン結石 非透過性(淡く描出) 3
尿酸結石 透過性あり(写らない) 1
キサンチン結石 透過性あり(写らない) 1

問題4
尿路結石を生じやすいのはどれか?該当するものを全て選べ。
①Cushing症候群 ②高シュウ酸尿症 ③腎尿細管性アシドーシス ④原発性副甲状腺機能亢進症 ⑤痛風

出典:96H43、98H47合作
+ ...
解答
①②③④⑤
解説
①Cushing症候群では、グルココルチコイドが腎尿細管でのCa、リンの再吸収を抑制し、尿中排泄量を増加させるため、リン酸カルシウム結石を形成することが多い。
②高シュウ酸尿症では、カルシウムの排泄増加と相まって、シュウ酸カルシウム結石を形成しやすい。
③遠位尿細菅型(RTAⅠ型)で、水素イオン排泄障害の代償としてCaの排泄が増加し、リン酸カルシウム結石を生じやすい。
④原発性副甲状腺機能亢進症では、Ca排泄亢進により、シュウ酸カルシウム結石をきたす。
⑤痛風では、尿酸の排泄亢進により、尿酸結石をきたす。尿酸結石はX線にはうつらない。

尿路結石を生じやすい疾患、誘因
(1)内分泌・代謝異常
①Ca代謝異常:原発性副甲状腺機能亢進症、RTA、Cushing症候群、ミルク・アルカリ症候群、ビタミンD中毒
②シュウ酸代謝異常
③尿酸代謝異常:痛風
④シスチン代謝異常:シスチン尿症
(2)尿路感染:ウレアーゼ産生菌感染→リン酸マグネシウムアンモニウム結石
(3)尿流停滞 (4)長期臥床 (5)食事・薬剤:アセタゾラミド(ダイアモックス商品名)
※アセタゾラミド(緑内障治療薬)の5~10%に尿路結石:リン酸カルシウム結石。

問題5
常染色体優性遺伝多発性嚢胞腎症に合併するのはどれか?当てはまるものを全て選べ。
①高血圧 ②肝嚢胞 ③大腸憩室 ④僧帽弁逸脱症 ⑤脳動脈瘤

出典:102I12改題 スレ8 436氏
+ ...
解答
①②③④⑤
解説
○①高血圧は約60%に認められる。加齢と共に増加する。
○②肝嚢胞は約60%に認められる。肝硬変などの肝機能障害を来すことはほとんどない。
○③大腸憩室は約60%に認められる。
○④僧帽弁逸脱症は約25%に認められる。
○⑤脳動脈瘤は約10%に認められる。

多発性嚢胞腎症の合併症として頭蓋内出血の頻度は約10%。その危険因子として脳動脈瘤と高血圧がある。
僧帽弁逸脱症は約25%にみられ、高血圧とともに心不全の危険因子になる。
上部尿路感染症によって腎機能の悪化を来すので、その治療をすみやかに行うことが大切である。
また大動脈弁閉鎖不全症は約10%に認められる。
腎結石の合併頻度も10~20%と高い。

問題6
尿路結石ができやすくなるのはどれ?多肢選択
1クッシング病
2原発性アルドステロン症
3褐色細胞腫
4炭酸脱水素酵素阻害薬内服
5ループ利尿薬内服
+ ...
解答
1,4
解説
副腎の疾患で石ができるのはクッシングだけなんだって。
骨吸収が亢進して高Ca血症になってシュウ酸カルシウム結石が出来るらしい。

骨吸収が亢進→謎の機序→シュウ酸カルシウム結石
は正しいんだけど、

高Ca血症
は起こらないそうですよ。
血中Caは正常なんだとさ。
問題7
尿閉と無尿の鑑別に有用なものはどれか。全て選べ。
a,腹部に波動を認める
b,下腹部を触診する
c,尿失禁が見られる
d,導尿での尿量を確認する
e,BUN,Cr値を参考にする

+ ...
解答
正解:acd
解説
×b,下腹部に腫瘤を認めることはあるが、波動を認めることはない
×e,尿閉、無尿とも水腎症から腎後性ARFになればBUN,Crがあがり鑑別に有用ではない
問題8
92A64 生検が禁忌なのはどれか.1つ選べ.
a 副腎癌
b 腎細胞癌
c 腎盂癌
d 前立腺癌
e 精巣腫瘍

出典106スレ11 255氏
+ ...
解答
正解 e
解説
△a 生検自体は可能だが、実際に施行されることは稀
×~△b 播種のおそれがあるため原則的には避けられるが、近年ではエコー下に針生検を行う施設も少なくない
○c 内視鏡的に行う
○d Gleason分類は有名
×e ほぼ全例に血行性転移を伴うため絶対的禁忌である.

他に生検禁忌な癌てなにがあったかな?

メラノーマ
あとニードルバイオプシー禁忌なのは卵巣ガン
問題9
結局精細管と精巣上体どっちで精子になるんだろう・・・?

出典106スレ12 946氏
+ ...
解答
正解:
解説
QB2011の泌尿器総論で、問5と問10の選択肢わけわからない・・・
問5では「精子は精細管内で成熟する」が×で、精子は精巣上体を通過している間に成熟する
って解説書いてあるけど、
問10では「精子細胞から精子への分化は精巣上体内で起こる」が×で、
精子細胞から精子への分化は精細管で行われるって解説されてる。

精細管で 精子細胞→精子
精巣上体で 精子の成熟  だったと思うけどこれじゃ矛盾する?
問題10
血清ハプトグロビンが高値となるのはどれか.
a 血栓性血小板減少性紫斑病
b 全身性エリテマトーデス
c 肝硬変
d 腎細胞癌
e ペニシリン

出典106スレ13 114氏
+ ...
解答
正解:d
解説
腎細胞癌→腎外三徴→貧血・発熱・高Hp(ハプトグロブリン)

ハプトグロビン低下 → 溶血(Hbの流出)の指標
ハプログロビン高値 → 慢性消耗性疾患

×ab 溶血性貧血を合併することが多いため
×c ハプトグロビンの肝合成能が低下するため
○d ハプトグロビンは上昇する(yearnoteにも載ってるので要check)
×e 薬剤性溶血の原因として最多。その他にはINH、キニジン、α-メチルドパなど
問題11
86B93 精索静脈瘤の原因となるのはどれか.
a 鼠径ヘルニア
b 停留精巣(睾丸)
c 精巣(睾丸)腫瘍
d 腎細胞癌
e 前立腺癌

出典106スレ13 118氏
+ ...
解答
正解:d
解説
dかな。梃子2にも出て気がする。

精索静脈は左腎静脈に灌ぐからdだね
問題12
正しいものを2つ選べ
a.コレステロール結石は多発性のものが多い。
b.黒色石は胆嚢にできることが多い。
c.コレステロール結石は、X線で高吸収域として描出される。
d.混合石は内層がコレステロール、外層がビリルビンである。
e.ビリルビンカルシウム石は腸管からの上行性感染が原因となる。

出典106スレ19 ??氏
+ ...
解答
正解:be
解説
×a.コレステロール結石は単発性が多い。
○b.黒色石は胆嚢にできることが多い。
×c.コレステロール結石は、石灰を含まずX線で描出できないものが多い。
×d.混合石は、混ざっている。
混成石は、内層がコレステロール、外層がビリルビンである。
○e.ビリルビンカルシウム石は腸管からの上行性感染が原因となる。
また遺伝性球状赤血球症で見られる胆石はビリルビンカルシウム結石のことが多く,
ウルソデオキシコール酸(ウルソ(R))による溶解効果は期待できない。

重要
コレステロール結石は、石灰を含まずX線で描出できないものが多い。
問題13
胆石症について正しいもの2つ
a 混成石の割面は放射・層状割面である
b ビリルビンカルシウム結石は溶血性貧血によって生じる
c コレステロール結石には経口胆石溶解薬が有効である
d コレステロール結石の割面は中心から放射状である
e 無症状胆石は8割を超える

出典106スレ20 ??氏
+ ...
解答
正解:cd
解説
×a 混成石の割面は放射状の内層と、層状の外層からなる。
内層はコレステロールを主成分とする。外層はビリルビンCaを主成分とする。
×b ビリルビンカルシウム結石は腸管からの上行性感染が原因となる。
また遺伝性球状赤血球症でも見られる。
溶血によってできるのは黒色ビリルビンカルシウム結石
○c コレステロール結石には経口胆石溶解薬が有効である
○d コレステロール結石の割面は中心から放射状である 
×e 無症状胆石は約半数。

コレステロール結石:胆石の成分上70%以上をコレステロールが占める胆石。
脂肪食が多くなったため,わが国の胆石の70%はコレステロール胆石である。

混成石:10%を占める。コレステロールを主成分とする内層と他の成分,特にビリルビンカルシウムを主成分とする外層からなる石

混合石:50%を占める。
中心のコレステロール石を核石として,周囲に層状のビリルリンカルシウムが殻石を形成する。
問題14
85A37 初期に血尿を認めるのはどれか。2つ
a 腎芽細胞腫
b 腎細胞癌
c 膀胱癌
d 前立腺癌
e 陰茎癌

出典106スレ20 ??氏
+ ...
解答
正解:bc
解説
初期に血尿を認めるのはどれか。2つ
×a 腎芽細胞腫   血尿はさほど多くない らしい
○b 腎細胞癌   腹部腫瘤、血尿、疼痛が三徴
○c 膀胱癌    必発
×d 前立腺癌   外腺から発生で血尿なし、浸潤すればあり
×e 陰茎癌    ちなみに包茎に多いらしい

腎細胞癌は名称と異なり、近位尿細管由来の悪性腫瘍だから、血尿が多いようだ。

腎細胞癌
近位尿細管由来の上皮性悪性腫瘍。腺癌が多い。
比較的高齢者に多く、男女比2~3:1、腎癌全体の75~80%を占める。
血行性転移が主で、肺・骨・肝に転移し、5年生存率は約50%弱である。
症状
①反復性無症候性血尿、腰背部痛、腹部腫瘤をtriasとして認めるほか、体重減少、貧血、発熱などが見られる。
②エリスロポエチンやPTH様物質を産生し、多血症や高カルシウム血症をきたすこともある。

→腎細胞癌と書いてあったら、「腎尿細管癌」と思って考える。


問題

+ ...
解答


解説

最終更新:2012年02月03日 14:29
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