総合科目A 学校を考える1 2007年度1学期期末試験

教員:謎


以下の設問【1】〜【3】らら2つ選んで答えなさい。



【1】高校教育のあり方に関する森嶋通夫氏の以下の主張を論評しなさい。

「教育の実が最もあがるのは十歳代後半の若い時代(高校2、3年生と大学1、2年)である。この
時代に、彼らに深く考えさせないで、知識を詰め込み、小型エンサイクロピーディストのようにしてし
まうのは全く間違った教育法である。
 その年頃の青少年教育の目的は、彼らの素質を全快させることであり、彼ら自身が興味を持つ問題に
集中させることである。教え過ぎは決して彼らのためにならないし、ましてや習ったことをどのように
して記憶するかの技術の伝達などは教育の邪道である。日本がいま必要としているのは記憶力に優れた
知識量の多い、いわゆる博学の人ではなく、自分で問題を作り、それを解きほぐすための論理を考え出
す能力を持った人である。
 要するに日本の高等学校は、新制でも旧制でも教え過ぎで、出来るだけ多くの科目を広く浅く学ばせ
ようとする。その結果、日本人は考えることを甘く見る。‘なぜか’と尋ねることは、学校でも家庭でも
あまり歓迎されない。
 選別は重要である。出来る人を集めて、こういう人も自分の同年代にいるということを知るのは大切
なことである。平等の名において選別をなくすのは、子どもに対する愚民化政策である。スポーツで選
別をなくせば、優秀なスポーツ選手は生まれない。同様に、思考力の異なる者を一つの教室に入れてお
けば、思考力の在る者が怠けて考えなくなるだけである。」

(森嶋通夫『なぜ日本は没落するか』岩波書店・1999)



【2】今日、『生涯にわたって学び続ける力』の育成の重要性が叫ばれています。学校はこのことについて
どのような貢献をすべきか、またそのために現在の問題状況をどのように改善すべきかについて述べよ。
その際、授業改善に関わる視点(あるいはキーワード)を一つ挙げ、それに関連づけて学校が貢献すべきこ
と、学校が現在かかえている問題状況をそれぞれ指摘し、指摘した問題状況を改善する為の提案を簡潔に
述べよ。


【3】次の《1》と《2》の2つの質問に、それぞれ答えなさい。

《1》次の不登校といじめに関するそれぞれの質問に答えよ。
  1)不登校について
    a.あなたが学んだことについて述べよ。
    b.児童・生徒が「学校に通う」あるいは「学校に通わない」ということについて、あなたは
     どう考えるか、述べよ。
  2)いじめについて
    a.現代のいじめの特徴について述べよ。
    b.いじめが起こった時、個人への対応、集団への対応としてどのようなことが必要か、述べよ。

《2》不登校やいじめの問題を通した「子ども達の姿」から、今、学校教育はどのような問題を抱えている
   と考えるか。その中で教育が果たす役割について、「教育臨床学」の視点から考察せよ。


60分程度/途中退室可



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最終更新:2007年07月02日 16:17