Rs『ピョコピョコ ウルトラ』2 side D-Yoshizawa



g923の一件から、構成員と共に現場で活動する事になったあたし=傀儡師
今日も能力者の調査に出た訳だが

「イテテテテテ! かっ、勘弁してくれ!」

今は厄介事を起こしたフリーの能力者の相手をしている最中

「俺達が悪かったから!」
「お前達と違い、差別を恐れて隠れて生きる能力者は少なくない」
「許してくれ!」
「つまらない喧嘩に能力を使って騒ぎを起こさないでもらいたい」
「わかった! これからはあんたの言う通りにイテテテ!」
「まあ、既に〝無かった事〟になっているが」
「……え?」
「あたしの能力は〝精神干渉〟だ。関係者の記憶を操作するくらいなんでもない」
「そ、そうか……じゃあ良かったじゃないかイテッ!」
「反省しな」

ゴン!
ドサ!

こいつで最後だな


「お見事です!」
「一度も能力を使わず倒してしまうとは!」
「流石は〝鋼脚〟様です!」
「何度言ったらわかるんだよ。今のあたしは〝傀儡師〟だって」
「し、失礼しました!」

この二つ名、まだ浸透していないか
まあ、仕方ない

「ところで、なぜ二つ名を変えられたのですか?」
「〝鋼脚〟なんてカッコいいじゃないですか!」
「そうですよ! 特に今の戦いっぷりを見たら尚更」
「色々あるんだよ」
「「「はあ」」」

そう、色々とな



──




『そっちはどう?』
「やはり隠れて暮らしている能力者ばかりだ」
『そうだろうね。美貴も昔はそうだったし。地味に暗く生きてくもんだよねー』
「だが、野蛮な能力者が居るのも確かだ」
『あー。でも、よっちゃんさんの脚でイチコロでしょ?』
「まあな」
『そいつも相手が悪かったねー。それで〝スカウト〟の方は? わざわざ寒い時期に東北まで行って成果なし、なんて事はないでしょ? チーン!』

電話中に鼻をかむなよ
寒いのはこっちの方だ

「エッグに入る者が数名いる」
『良かったじゃん。いつかは幹部になったりするかなー』
「それは本人達次第だろう」
『今後に期待って事か。たくさん集まるといいね』
「まあな」
『今日は終わり?』
「ああ。今はホテルで休んでいる所だ。明日は移動して情報収集の予定なんだ。朝早いから切るぞ」
『へー、現場は大変そうだね。あ、お土産よろしく』

ツー ツー ツー

「観光で来てる訳じゃないっての」

g923とi914の件で、あたしは構成員と共に現場に出る事になった訳だが
未確認能力者の調査
構成員の教育
この2つは順調だ
しかし、あたしの本当の目的が未だに……

コンコン


「誰だ?」
『夜分にすみません。今よろしいでしょうか?』

ガチャ

「どうした?」
「以前に接触した能力者から連絡が入りましてね、面白い情報を聞けましたよ」
「面白い情報?」
「明日入る宮城県に、能力者を集めている組織があるそうです」

一度に複数の能力者と接触が出来る事になるな

「詳細は?」
「これからかき集めます。俺達も使えるって所をみせますよ!」
「そいつは頼もしい。だが、夜も遅い。無理するなよ」
「ありがとうございます! では明日をお楽しみに!」

バタン

「そろそろ〝当たり〟が欲しい所だが……」

果たして──




投稿日:2014/01/16(木) 23:11:42.62 0





















最終更新:2014年01月18日 13:41