鈴木香音 15歳記念『──笑顔を明日も──』



カランコロン

「あー! みついさーん!」

ドン!

「おおう! 急にぶつかってくんなや」
「えへへ、ごめんなさーい」
「「光井さ~ん!!」」
「生田、鈴木。久しぶりやな」
「お久しぶりでーす、元気でした?」
「ぼちぼちな」
「今日はどうしたんですか?」
「たまには顔出しとこうと思ってな。あれ、生田と鈴木と佐藤の3人か。道重さんたちは?」
「リゾナントの夏メニューの食材を買いに行きました」
「って事は、あんたら留守番か」
「「「そうでーす!」」」
「あ、あたしお茶入れてきますね。たくさん話しましょうね!」

トタトタトタ

「優樹ちゃん、衣梨奈と地下に行こっか」
「えー!? みついさんとお話ししたいですー」
「まあまあ、鬼ごっこでもして遊んであげるけん」
「イエーイ! 生田さんが鬼ですYO!」
「えー! そこはジャンケンやろ!?」

タッタッタッタ──

「衣梨ちゃんが空気を読んだ……台風が来るんじゃないだろうか」
「生田なりに少しは成長したんやな。で、最近どうなん?」
「田中さんが居なくなって……寂しいですけど、みんなで田中さんの分まで頑張ろうって決めて、それぞれで何か出来る事を考えてますよ」
「そうか。頑張ってるんやな」
「はい……」
「どうしたん? 浮かん顔して、何か悩みか?」
「衣梨奈ちゃんも優樹ちゃんも、新しい能力で活躍してるのに、あたしはカマキリになるだけで……全然強くなれないんです」
「そう言う事か。昔おったジュンジュンかて、パンダになるだけやで。まあな、確かに強かったわ。でもな、それだけやないんやで。めっちゃ優しかったんや。
怪我した仲間を心配したり、怪我させた相手にめっちゃ怒ったりしてな。そういうの、鈴木にもあるやろ? 能力以外の何か」
「あたしにある、能力以外の何か……」
「鈴木がしたい事はなんや?」
「したい事、ですか?」
「出来る事やなく、したい事や」
「……みんなを笑顔にしたいです」
「みんなって、誰なん?」
「リゾナントのみんなもそうですし、リゾナントに来てくれてるお客さんも、これからリゾナントに来てくれる人達も、世界中の人達もみんなです。みんなが笑って過ごせる世界になったら素敵じゃないですか?」
「そうやな」
「でも、無理ですよね……あたし1人じゃ」
「まあ大変やろうな。でも愛佳な、鈴木の笑顔に救われた事もあるんやで」
「本当ですか?」
「疲れてたり落ち込んでたりしてても、あんたの笑顔を見ると元気になって愛佳も笑顔になれた。せやから愛佳は、あんたの笑顔が世界に届けばきっと世界中の人を笑顔に出来る。そう思うで」
「……ありがとうございます!」



──

「みついさん帰っちゃうんですかー?」
「帰ってする事もあるしな。また会いに来るわ」
「かなてくだせーん!」
「優樹ちゃん、何て言ったと?」
「アハハハ! 流石は佐藤や」
「光井さんに困ったことがあったら呼んでください! あたし、すぐに飛んで行きますから!」
「飛んでくって……ま、ええか。今日は良い日やったわ、ありがとな。がんばりや」
「はい。鈴木香音、頑張ります!」
「その笑顔、忘れんなよー? また来るわ」

カランコロン

「明日も光井さんにとって素敵な1日になりますように」

──

「あんたにとってもな」






投稿日:2013/12/06(金) 21:37:11.08 0




















最終更新:2013年12月09日 12:50