「お、俺が悪かった!もう2度としないから許してくれ……この通りだ…!頼む…頼みます……!」
惨めに這いつくばって許しを請う男からは、先ほどまでの威圧的で傲慢な態度は微塵も感じられない。
「うん、“嘘の音”はしない。ほんとに反省してるみたいだよ」
「そっか」
香音の言葉に頷きを返し、里保は地面に張り付く男に向かって冷たい言葉を投げ下ろした。
「次はありませんからね」
「わ、わかった」
卑屈な笑みを浮かべて頷く男を一瞥した後、里保と香音は背を向ける。
「甘いですよ、お二方」
その背中に、それまで黙っていた春菜の声が響いた。
「鞘師さん鈴木さん!甘ちゃんのあんたらが好きだからひとつ教えてやるぜ!おれぁ生まれてからずっと暗黒街で生きいろんな悪党を見て来た。だから悪い人間といい人間の区別は「におい」で分かる!」
そう言うと、春菜は足元の石を男の方へと思い切り蹴り飛ばす。
「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッ――――ッ!!こんな悪には出会ったことがねえほどなァ―――ッ」
そして男をビシッと指差しながらそう吐き捨てた。
「…というわけで、反省なんてしてませんよこの人。さっきの謝罪も全部嘘です」
「え?だけど…“嘘の音”はしなかったって香音ちゃんが」
「鞘師さん。世の中には、呼吸一つ…脈拍一つ乱さずに平気で嘘を吐ける人間がいるんですよ」
「う、嘘じゃないって!ほんとのほんとに反省してるんだよ!信じてくれって…!」
「はるなん、やっぱり“嘘の音”はしな―――」
「お腹のあたりに異物感があります。この形状は……拳銃ですね」
男と香音の言葉を無視するように、春菜は静かな言葉を突きつけた。
里保と香音、そして男の表情が一瞬にして強張る。
「さらに、右腕の筋肉が動作の準備をしています。地面に這いつくばったときから今まで……ずっと」
男の“触覚”に“共鳴―リゾナント―”した春菜には明白だった。
すなわち、背中を向けた途端に隠し持った拳銃で攻撃する気でいることは。
「クソがあぁぁぁぁ!!!」
企みを看破された男は、逆上して腹部に差し込んでいた拳銃を取り出し春菜へと向けた。
「はるなん!」
「危ない!」
里保と香音の叫び声の後、続けざまに破裂音が響く。
誰もが鉛の弾に貫かれた春菜の姿を想像した。
しかし、硝煙の立ち込める中、春菜は微かに体を傾けた美しいポーズを保ったまま、無傷で立っていた。
「な、何でだ…何で弾が当たらない…!」
弾切れを起こしたリボルバーの引き金を呆けたように引き続けながら、男は震える声で言う。
「あなたの視線、引き金を引く瞬間―――“視覚”と“触覚”に“共鳴―リゾナント―”してそれらさえ分かれば、拳銃の弾を避けるぐらい簡単なことです。…さあ、覚悟はいいですか?」
「わ、悪かった!今度はほんとに反省してる!」
「なら、これで許してあげましょう」
そう言いながら、春菜は拳を掲げる。
「せ、せめて左で……」
「許されると思いますか?」
「わ、分かった。ならひと思いに右で……」
「許されると思いますか?」
「りょ、りょうほーですか?……も、もしかしてオラオラですかーッ!?」
「それは鈴木さんに聞いてみてください」
春菜の言葉に、男は香音へと視線を向ける。
「YES! YES! YES!」
春菜の“音”を聞いた香音がそう告げる。
「“OH MY GOD”」
里保が小さく呟いた。
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
ノハ*゚ ゥ ゚)<…って話を書いてみたんですけどどうですか?
从*´◇`)<めっちゃ自分だけ活躍させてるじゃん… そして何?途中途中のよくわかんない台詞
ノリ*´ー´リ<っていうか避けられるわけなくない?弾
・・・ハルナント
投稿日:2013/09/18(水) 11:28:29.92 0
最終更新:2013年09月20日 04:51