(101)648 名無し保全中。。。(尾形vs藤本)



氷の魔女が放った氷の粒は、春水を襲うことなく消滅した。
「ちっ、こいつ能力阻害かよ」
「いひひ、ほんなんとちゃいまふぅー」
春水はにぃと笑った。何かを詰め込んだその口が、ぼりぼり音を立てる。
「はぁ!?あんたまさか…あたしの氷を食べたわけ!?」
氷を飲み込んだ春水は、余裕の表情でミティを見上げた。
「ふはは、なんべんでもかかってこんかい、おかわりしたるで!」
「ちっ、ナメやがって…!」
ミティは地面に手を触れた。途端、あたりがみるみる凍り出す。
「氷漬けにしてやるよ!」
春水は少しも慌てない。氷が足元に到達した瞬間、ぴょんと跳び上がる。
空中で一回転した春水は、氷の上に悠然と着地した。
「かわした!?」
「さぁさぁ、久々に腕見せるでぇ!」
春水の履いていたスニーカーは、いつの間にかスケート靴に変わっていた。
春水は氷を滑ってミティとの距離を縮めていく。その足に、蒼い炎が宿った。
「今度は火!?なんだよ、なんなんだよ!」
ミティはすっかり取り乱している。
「教えたるわ…ほのおタイプの技はこおりタイプに効果ばつぐんなんやで!くらえ、ダブルアクセルファイヤー!!」
「どこのポケモンだよ!っていうか技名ダッサ!ちっくしょ、覚えてろ!」
春水の攻撃をかろうじてかわし、ミティは姿を消した。

「は、春水ちゃん、すごい…」
駆けつけた聖は、呆然と立ち尽くしている。まさか新人である春水が、氷の魔女、ミティを圧倒するとは…
「でも…」
聖には少し気にかかる点がある。
「技名がちょっと亜佑美ちゃんチックだなぁ…」
炎を操る少女の寒い一面に、聖は思わず苦笑いをこぼした。





投稿日:2015/01/03(土) 21:33:20.50 0





















最終更新:2015年01月06日 00:25