ドイツのTV局ZDF「フロンタール21」シリーズ が 8 > 26 放送した番組  Die Folgen von Fukushima ~書き起こし

ドイツのテレビの文字おこしです。

ドイツのTV局ZDF「フロンタール21」シリーズ
が 8/26 放送した番組 
Die Folgen von Fukushima

福島第一原発から80キロ離れた本宮の農家大沢さんは、
自分の栽培する野菜の検査を市民放射能測定所に依頼した。
県の食品衛生検査所では受け付けても--らえなかったからだ。結果大量のセシウムが発見される。
「これはもはや食べ物ではなく放射性廃棄物です」
なぜ行政はこうした検査を受け付けないのか、ドイツの記者が原-発-担当大臣を問い詰める。

この美しい風景が悪夢の舞台です

日本屈指の豊かな農地福島県

都会の人の観光地としても人気だ

原発事故でその広域が汚染されてしまったのだ

大沢さん(61)は本宮の農家、原発からは80キロ離れている

畑で採れたジャガイモ・ナス・ネギを、隣町の市民放射能測定所に持ち込んだ

原発事故以来、自分で栽培した野菜は食べていない

放射能汚染を恐れたからだ。

「政府の発表は、もはや信用できない。最初から自体を小さく見せようとばかりしている。

『直ちに健康に害がない』の繰り返し。正確な数値も出さないしまともな測定もしない。

汚染問題の中にみんなを放置した。」

事故後大沢さんはすぐ作物の検査を行政に依頼したが

「畑は20・30K圏から遠く離れている。検査の必要はない」

と、断られた。

市民放射能測定所の意見は正反対である

汚染の無い作物はない

特にセシウム137がひどいからだ

「こんな汚染数値の場所は本当は絶対避難するべきです」

大沢さんのジャガイモも例外ではなかった

原発から60キロ離れた伊達市のシイタケからは、

1K当たり7000ベクレル
の汚染が測定された

基準値は500ベクレルだ

「もはや食べ物ではなくて放射性廃棄物
です」

汚染調査は本来県の食品衛生検査所の管轄だが、殆どパンク状態である。

コンセプトもない、人手も計測器の数も追いつかない

「一般の方の検査はお断りせざるうを得ません。

我々が選んだサンプルを検査し判断を出しておりますが、それだけで手一杯の状況です。

市民の検査も引き受けたら、役所の仕事に手が回りません」

我慢強い日本人もだんだん食品の汚染問題に気付き始めている

野菜、緑茶に続いて牛肉

原発を所有する東電の反応は?

今までと同様、ノーコメント、管轄外の1点張りだ

「私達の仕事は原発の中です。測定は国と地方行政の管轄で、私達はお手伝いするだけ。

ですからコメントできません」(東電社員)

記者会見場で、

大沢さんの農作物検査結果について我々が質問すると

原発担当大臣はうろたえるばかりだった

危機管理担当の役人たちは長々と書類をチェックした揚句

大臣はついに不備を認めた

「万全の監視体制のつもりでした。牛肉問題で検査の強化の必要が認められました。

今後汚染職員が出回ることを防止しなければなりません」     

一方グリーンピースは独自の調査結果を発表。魚も汚染されていた。

「魚は相変わらず高濃度のセシウムに汚染されています。

原発から55キロ離れたところまで調査した魚の半分が、基準の500ベクレル/kgを大きく上回っていました


汚染が広範囲であることを物語っています」

日本人の主食、米も同じ運命のようだ

大沢さんの田んぼの土は二度検査所に提出された

最初の検査は合格下が二度目の結果は公表されない

「今年も作付けを出来るか知りたかったので、自費で独立の研究所に検査をしてもらった

3万5千ベクレル/kgのセシウム137が検出された。基準値の7倍だ。米作りは諦めた。」(大沢)

福島市の殆どの住民は、こうした汚染数値を知らされていない。

おりしも夏祭り、売られている物は何でも食べる

「空中線量が下がって以来、人々は日常生活に戻った。

子どもの被曝許容量が20ミリシーベルト/時に引き上げられたことへの怒りも

忘れ去られたようだ」

英国クリストファー・バズビーのような専門家は、まさにその事に警鐘を鳴らす

「日本政府の無責任ぶりは犯罪的だと思う。

子どもに平気で高い被ばくをさせている。

都合が良いと言うだけで短期間でこれほど基準を変えてしまうとは

この判断は間違いなく多くの子どもを死に至らせるだろう。

文明国のやる事とは思えない」

だがここはまさに原子力ムラの国なのだ

権力を握る電力会社、政治家、官僚が、原発のあらゆるスキャンダルを隠蔽し

大したことがないように見せてきた

何兆円ものビジネスを守るために今回も同じ手段を使おうとしている

大沢さんはまさに文字通り、それを身をもって体験した

「自分の体がどれだけ被曝しているか検査したかった。

だが、福島県立医科大学には拒否された。市民の検査はしないと。

友人は隣の県の病院に問い合わせた。

ところが、福島県知事から福島県民の診察を受け入れないよう指示されているそうだ」

そのような指示の出された事実はないと当局はいう

しかし大沢さんは農家を捨てなければならない

自宅で毎時9μシーベルトを測定したのだ

9日間でドイツ原発作業員の年間許容量に達する数値だ

原発から80キロも離れた場所なのに

「これは人間の想像力を超える惨事です。

制御不能の状況である事は当初から明らかだった。

どうしたらいいのか誰にも分からないし、簡単な答えも出ない

これは人類史上最悪の惨事だと思う」(バズビー)

福島のいたるところに人々はヒマワリを植えた。

土の中の放射能を吸収すると言われている

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最終更新:2011年09月01日 10:59
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