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    <title>あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ</title>
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    <description>あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ</description>

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    <dc:date>2012-02-14T23:57:51+09:00</dc:date>

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    <title>ルイズと無重力巫女さん-42</title>
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    <description>
      #navi(ルイズと無重力巫女さん)



トリステイン魔法学院。 
朝の始まりとも言える一限目の授業が始まってまだ数十分しか経っていない程度の時間帯… 
教室から少し離れた階段の踊り場に、痛い目にあっている白黒の魔法使いと不機嫌な桃色ブロンドのメイジがやってきた。 

｢全く、どうしてこう…アンタってヤツはすぐ目立とうとするのよ｣ 
｢そ…その前にまず私の耳を引っ張ってる手を離してくれよ。変な病気にでもなったらどうする｣ 
耳を引っ張られて教室の外に連れ出された魔理沙に、ルイズは開口一番にそう言った。 
しかしそんな事を言われた魔理沙はというと、ルイズの言葉を聞くよりも先に耳の痛みに気が向いていた。 
ルイズはその言葉に従い、耳を掴んでいた手を放す。 
ようやく耳を解放された魔理沙はヒリヒリと痛む耳をさすりながら苦々しい表情を浮かべた。 
｢イタタ…何だよたくっ、一体私が何をしたっていうんだ？｣ 
｢何をしたですって…？アンタがあの装置を゛魔法゛で動かそうとしたから止めただけよ｣ 
苦言を漏らす魔理沙に、ツンとした表情でルイズはハッキリと言った。 
その言葉の意味が良くわからないのか、魔理沙の顔には怪訝な表情が浮かんだ。 

｢だってあの装置は、コルベールが言うところには魔法でしか動かないんだろう…？だったら魔法を使うしかないぜ｣ 
｢―――じゃあ一つ聞くけど。貴方は魔法を使うときに゛杖゛を使うのかしら｣ 
｢杖だって？残念ながら幻想郷じゃあ杖を媒介にして魔法を使う魔法使いの知り合いはいないな｣ 
ルイズにとってはある程度予想していた魔理沙の言葉に、｢やっぱり｣と呟いて溜め息をついた。 
｢マリサ。この前オールド・オスマンと話したときに彼がなんて言っていたのか忘れてない？｣ 
｢オスマン？…あぁそういや異様に長い白髯の爺さんと話したっけなー……で、それが何なんだ？｣ 
｢オールド・オスマンはこう言ってたわ―――｣ 

―――良いか皆の者よ？今日の話は他言無用で頼むぞ。 
　　　　　迂闊にも誰かに話せばたちどころに広がるからのぅ。そこらへんには気をつけるのじゃ―― 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 
｢――…無論。ミス・ヴァリエールの後ろにいる二人もな｣…って言ってたでしょう？その言葉の意味、わかるかしら？｣ 
｢おぉ！中々そっくりじゃないか。声真似大会に出たらベスト10間違い無しだぜ｣ 
｢そ、そう…私ってそんなに似てるかしら？……ってそういう事じゃない！！｣ 
老人独特の、しわがれた声を瑞々しい少女の声で真似ながらもルイズは言った。 
しかし魔理沙は、オスマンの言っていた言葉を思い出したことよりも、ルイズの声真似に感心していた。 
そんなルイズに怒鳴られつつも、魔理沙は悪戯がばれた子供が浮かべるような笑顔を浮かべる。 
｢悪い悪い…つまりアレだろ？つまり「自分の事を話すな」って事だろう？それなら私の魔法を見せても…―――｣ 
「わかってない…わかってないわマリサ…」 
目の前に出された答案用紙の答えを全て知っているかのような感じで、魔理沙は自信を持って答えた。 
だが、その回答は桃色ブロンドの小さな教師が想定していた回答ではない。 
「良い？レイムはともかく、貴方はここでは゛幻想郷出身゛のマリサじゃなく、゛ハルケギニア出身゛のマリサなのよ…つまり――」 
「…つまり？」 
そこで一息入れると、ズイッと自身の顔を魔理沙の顔に近づけると、口を開いた。 

「ここで゛ハルケギニア出身゛である筈の貴方が、ここで゛ハルケギニアにある魔法゛ではなく… 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　゛ハルケギニアにない魔法゛を見せたら、否が応でも目立ってしまうということよ」 

目の前にいる白黒にハッキリと認識させるために、ルイズは強い口調でそう言った。 
まだ魔理沙の魔法を見てはいないルイズであったが先程の「杖を使わない」という言葉を聞き、連れ出して良かったと内心思った。 

ハルケギニアにおいて魔法というのは、一般的に゛杖゛を用いて発動させるものである。 
それ以外の魔法と言えば先住魔法があるのだが、これは自分たち人間の敵であるエルフや亜人達の力だ。 
もしもあのような広い教室で、魔理沙が゛杖を使わず魔法を発動゛すれば…たちどころにその話は学院中に伝わる。 
下手すれば吸血鬼か何かだと勘違いされ、魔理沙どころかルイズや霊夢にも危害が及ぶかも知れないのだ。 
そうなればルイズの家にも迷惑が掛かるし最悪お家潰しにもなりかねない。 

ルイズは同学年の子達と比べれば頭の良い部類に入る。 
だからこそそこまでの事を見越して、魔理沙の゛魔法゛を皆に見せまいと教室から出てきたのだ。 

「――なら、そこは言いようだな」 
「…へ？言いよう？」 

しかし、そんな彼女の傍にいる白黒の魔法使いは、頭の回転が速かった。 
そして他人の言葉を、自分に都合良く解釈してしまうほどの機転の早さも持ち合わせている。 
最も、それは霊夢を含めた幻想郷の住人達の大半がそうなのであるが。 

「あぁ、もしも私の魔法を見て、アイツ等が何か言ってきたら…こう言ってやるさ」 
魔理沙はそう言うと頭に被っていた帽子を外し、クルリと裏返すと帽子の内側に入っていた゛八角形の置物゛を取り出した。 
表面にはルイズの見たことがない文字が幾つも刻まれており、真ん中には小さな穴が開いていた。 
それは霧雨魔理沙という人物を語るには必要不可欠な道具であり、また彼女を象徴する物である。 

「…これは貴方達がかつて見たことのない。新しい魔法です―――ってね？」 
魔理沙はそう言って、手に持った「ミニ八卦炉」を両手に持ち、ルイズの方へ向けた。 
そして全く予想していなかった言葉に唖然とした表情を浮かべている彼女に対して、「バン！」と大きな声で叫んだ。 

数秒後、ルイズの拳が｢ドガッ！｣という大きな音を立てて魔理沙の額に直撃した。 



それから数十分後… 
授業を再開して暫く経ったとき、ルイズだけが教室に戻ってきた。ハンカチで右手を拭きながら。 
｢み、ミス・ヴァリエール…｣ 
｢授業中の退室、申し訳ございませんでしたミスタ・コルベール｣ 
落ち着いた様子で授業の最中に退室してしまった事を謝ると、そさくさと自分の席に座った。 
彼女の顔には何処か憑きものが落ちたかのような、嬉しそうでスッキリとした表情を浮かんでいる。 
近くにいた生徒達は、彼女の様子を見て何かを感じ取ったのか冷や汗を流していた。 
もう気づいているのだろう、今のルイズに漂うひとつの゛疑問゛… 
　゛本当なら、ルイズと一緒に教室に戻ってきている人間がいない゛という疑問に。 

だが、人としてはまだまだ幼い生徒達はその疑問に触れることを避けた。 

何でか知らないが、今のルイズにはその事を聞かないでおこう――― 

生徒達は言葉を交えずとも、それぞれの意見は驚くほど一致した。 
しかし悲しきかな、世の中にはその場の雰囲気的にやってはいけない事をついついやってしまう人がいる。 
誰が望まずとも、所謂゛空気の読めない人゛というのはいるものだ。 

ルイズが落ち着いた様子で席に座ったところで、ふとコルベールが口を開いた。 
｢あの、ミス・ヴァリエール。…ミス・マリサは…？｣ 
空気が読めなかったコルベールの言葉に、ルイズは笑顔で応えた。 

｢彼女は居候の身分で失礼な事を口にしたので鉄拳制裁の後、今は私の部屋で頭を冷やしていますわ｣ 

◆ 

平日は授業がある為か、生徒達の暮らす寮塔は恐ろしいくらいの静寂に包まれる。 
時折モップとバケツを持った給士達が床の掃除をしにくるだけで、後は授業が終わるまで誰も来ない。 
窓から日差しが入るお陰で廊下はそれなりに明るいのだが、逆にその明るさは不気味さを醸し出していた。 
まるで住む者達がいなくなった廃墟のような、朧気な切なさと儚さが立ちこめていた。 

そんな場所と化していた女子寮塔の廊下に、景気よい靴音を響かせて歩いている霊夢がいた。 
彼女は何処か暇そうな表情を浮かべながらこの世界の住処であるルイズの部屋へと向かっている。 
ついさっきまでは最近手元に戻ってきたデルフリンガーという喧しい剣がいるので部屋に戻ろうという考えは浮かばなかった。 
しかしいざ外へ出てみると今日に限って自分の暇をつぶせるものがなく、それならばあの剣とお喋りしていた方がマシだと思ったのである。 
「ホント、廊下っていうのは誰もいない時に限って酷く殺風景よね」 
ひとり呟きつつも、霊夢は窓から入ってくる陽の光に目を細めた。 
どの塔もそうであるが、廊下には控えめであるものの装飾はされているが、何処か殺風景な雰囲気を漂わせていた。 
その原因が薄暗いせいか、はたまた大理石の床が冷たい所為なのか、そこら辺の所は良くわかっていない。 
だが廊下というのはどこもそうなのではないか?霊夢はそんな事を考えつつルイズの部屋の前にまで来ていた。 

恐らくもう百回近くは回したであろうドアノブを捻り、霊夢はドアを開けた。 
ドアはキィー…という音も立てずすんなりと開き、なんとか三人くらいは暮らせそうな部屋へと続いていた。 
服を入れる大きなクローゼットや箪笥に鏡台、来客用の大きなソファーと丸テーブルと椅子もある。 
暖炉には火が灯っていないものの、開けっ放しにされた窓から入ってくる日差しが暖かいのでどうということはない。 
その窓の近くにはこの部屋の主には大きすぎるベッドが置かれており、寄り添うように大きめの旅行鞄が二つ放置されていた。 
更にその鞄の傍には多数の本が小さな塔を三つほど築いている。 

そこは正に、霊夢にとって見慣れた部屋であった。たった一つを覗いて――― 

「ただいま～……ってアレ？」 
ドアを開けて部屋の中に入って霊夢は、この部屋よりもずっと見慣れている人物がベッドの上で寝ている事に気が付く。 
よく神社に足を運んでは頼んでもいないのにやたらと話し掛けてきてお茶をタダのみする自称普通の魔法使い。 
時折スペルカード対決を挑まれては返り討ちにしたり、逆に自分を倒してしまうほどの白黒魔法使い。 
たまに鬱陶しいと感じてしまうが、それでもまぁ一緒にいるのも悪くないと思ってしまう魔法使いの霧雨魔理沙。 

そんな彼女は、ベッドの柔らかいシーツに体を沈み込ませるかのようにうつ伏せになって倒れていた。 
どんな表情を浮かべているのかわからないが、少なくとも息はしているのか体が上下に動いている。 
いつも頭に被っている黒いトンガリ帽子は箪笥の上に置かれており、窓越しの直射日光を浴びていた。 
「なんで魔理沙がここで寝てるのかしら？」 
予想だににしていなかった人物の思わぬ予想外の登場に、さしもの霊夢も目を丸くしていた。 
しかし霊夢の言葉はもっともであった。何せ今の時間帯なら魔理沙はこの部屋にいない。 
この世界に来てからはルイズについていって授業を見ているし、今日も同じ筈だ。 
だから霊夢は二つある喧しい要因の内一つがいないこの部屋に戻ったのだが…これはどういうことか？ 
これを考察するために、霊夢が考え始めようとしたとき、あの゛剣゛が声を掛けてきた。 

『おぉっ！戻ったかレイム！今まで何処にいたんだよ？オレっち寂しかったぜ！』 
ベッドで倒れている魔理沙の腹の方から、あのだみ声がくぐもって聞こえてきた。 
早速気づいたか…溜め息をつきつつ内心呟いた霊夢は魔理沙の方へと近寄る。 
そしてフカフカのベッドで寝ている彼女の体を遠慮せず、思いっきり両手でひっくり返した。 
うつ伏せから仰向けになった魔理沙はその顔に若干の苦痛を浮かべている。 
恐らくルイズ辺りに思いっきり殴られたかして気絶したのであろう。額に大きなタンコブが出来ていた。 
しかし今の霊夢にはそんな魔理沙より、その魔理沙の体の下にあった剣に話があった。 

「ねぇデルフ、早速アンタに聞きたいことがあるんだけど」 
帰ってきた霊夢の第一声に、デルフは詳しく聞くまでも無く、こう言った。 
『マリサの事だろ？お前さんが帰ってくるずいぶん前に二人のメイドさんが運んできたんだよ』 
「ふぅん…で、この白黒がなんでこうなったのかそのメイドは言ってなかったの？」 
霊夢の問いに、デルフは鞘に収まった刀身をカチャカチャと音を立てて左右に揺らした。 
『いんや別に…けど二人いた内の金髪メイド、首に聖具をぶら下げてたな…ったく』 
そのデルフの言葉の最後には、何処か忌々しい雰囲気があるのを霊夢は僅かに感じ取った。 
まるで親の仇を目にしたかのような、一見すれば他人には良くわからない小さな憎しみ… 

「あんた、宗教ってのが嫌いなのかしら？人間じゃない癖して」 
直球過ぎる霊夢の言葉に、デルフはその刀身を激しく揺らしながら応えた。 
『あたぼぅよ！何せ連中ときたら、録にブリミルの事も知らないでアイツを崇拝してるのさ！それがもぉイラっとくるんでぃ！』 
何処か江戸っ子ぽい口調のデルフに、霊夢はすかさず言葉を入れる。 
「そのブリミルってのは数千年前の人間でしょうに？そんなに固執しなくてもいいんじゃないの？」 
『お前さんは知らないんだよレイム！ブリミル教の連中はアイツの名を看板にして今までヒデェ事を沢山してきたんだよ！』 
熱を多量に吹くんだデルフの言葉に、霊夢は軽い溜め息をつきつつも口を開いた。 

「そんなにお喋り好きなら、物忘れが激しいのも納得だよ」 
『あぁん！？なんでだよっ！』 
｢我を忘れて喋りまくれば…文字通り自分のことすら忘れちゃうんだよ｣ 

アンタが紫に持って行かれた後の事を忘れちゃった風にね。 

最後にそう言って、霊夢は大きな溜め息をついた。 


◆ 
一方、トリステイン王宮にあるアンリエッタの居室。 
そこでは今、女官や召使い達が、式で花嫁が纏うドレスの仮縫いを行っていた。 
アンリエッタ勿論、そこには彼女の母である太后マリアンヌの姿もある。 
彼女は人生に一度あるかないかの大事な儀式にしか着られないドレスに身を包んでいる娘を見て、目を細める。 
その瞳の奥では、麗しかった頃の自分を思い出しているのであろうか。 
色んな物に興味を持ち、小さくも勇敢で頼りがいのあった若騎士を連れて、街へと出かけていた頃の自分を―― 

だが、それと対を成すかのようにアンリエッタの表情には陰りが見えていた。 
まるで医師に余命を宣告されたかのような、何処か諦めているかのような、それでいて告げられた事実に抗うかのような表情。 
縫い子達が、袖の具合や腰の位置などを尋ねても意識が混濁している人間のように、曖昧に頷くだけ。 
そんな彼女の様子に気づいたかの、何人かの侍女や女官達がその顔に不安の色を浮かべている。 

マリアンヌが、そんな娘の様子を見かねたのか、一時縫い子達を下がらせることにした。 
｢どうやら私の娘は長い仮縫いで緊張してしまったようです。少し休むことに致しましょう｣ 
太后直々の言葉に縫い子達は素直に従うとそさくさと退室していった。 
次に彼女は後ろに控えている女官達に向き直り、彼女らにも退室を促す。 
｢貴方達も立ちっぱなしで疲れたでしょうに。すこし下に行ってお茶でも飲んできなさい｣ 
縫い子達と同じく太后直々の言葉に彼女らは素直に従い、部屋を出て行った。 

こうしてマリアンヌとアンリエッタ、母と娘だけになったところでマリアンヌは自身の娘に話し掛けた。 
｢愛しい娘や。元気がないようね｣ 
｢母さま…｣ 
沈んだ表情を浮かべたアンリエッタは、母の膝に頬をうずめた。 
子供の頃のように、まだ夢と希望を小さな体に抱いて生きていた頃の事を思い出すかのように。 
｢望まぬ結婚だというのは、わかっていますよ｣ 
その言葉に、アンリエッタ顔をうずめたまま首を横にある。 
｢そのような事はありません。私は幸せ者ですわ。生きて、結婚することが出来ます…それに｣ 
アンリエッタそこまで言うと一息入れるとすっと立ち上がり、後ろへと振りむいた。 
大きな観音開きの窓から空から降り注ぐ太陽の光が入り、二人の体を優しく包んでいる。 
アンリエッタはその光に目を細めながら、再び喋り始めた。 

｢結婚は、女の幸せだと…母様は教えてくれたではありませんか｣ 
もう一度振りむいて再び自らの母親と向き合ったアンリエッタは、泣いていた。 
明るい調子であった言葉とは裏腹にその顔は曇っており、目にはうっすらと涙が溜まっていた。 
そんな娘を見たマリアンヌは、泣き笑いのような表情を浮かべてアンリエッタの頭を撫でた。 
｢恋人が、いるのですね｣ 
母の言葉に娘は首を横に振ることはなく、かといって頷くこともせず、静かに喋り始めた。 
｢『いた』と申すべきですわ。今の私は速い、速い川に流されているようなものです…。 
　全てが私の手に納まることなく、通り過ぎていく…愛も、優しい言葉も、何も残らない｣ 
今までずっと我慢してきていたモノを今ここで解放しているのか、アンリエッタの声は涙ぐんだものへと変わっていた。 
マリアンヌはそんな娘の頭を撫でつつも、口を開く。 
「恋ははしかのようなもの。熱が冷めれば、すぐに忘れますよ」 
「忘れることなど…できましょうか？」 
不安を隠すことすらしないアンリエッタの言葉に、マリアンヌの表情が若干厳しいものへと変わった。 

「おなたは王女なのです。忘れねばならぬことは忘れなければいけないのです。 
　あなたがそんな顔をしていては、貴女の後ろにいる家臣達が離れていくことになります。」 
母の口から出たその言葉に、アンリエッタはハッとした表情を浮かべた。 
「先々日の…内通者の事ですね」 
「えぇ、枢機卿と幾人かの者達はこの事をなるべく穏便に済ませたいと考えてはるいようですが… 
　此度の内通者は、間違いなくアルビオンの手先。奴等とは不可侵条約を結びましたが…それは偽りの契りだったのです」 
マリアンヌの言葉を聞き、アンリエッタは何処かやるせない気持ちになった。 

※ 

時間はルイズと霊夢がアルビオンから帰ってきた翌日の事―― 

ゲルマニア皇帝とアンリエッタの婚姻が正式に発表と、それに先立ち軍事同盟が締結された。 
それから程なくしてアルビオンの新政府樹立の公布が為され、トリステインとゲルマニア両国に緊張が走った。 
しかし王国から帝国に変わったアルビオンの新皇帝クロムウェルは、すぐさま両国に不可侵条約の締結を打診してきた。 
両国は長い協議の結果、この締結を受け入れる事にした。 
ゲルマニア、トリステイン両国の空軍ではアルビオンの誇る空軍に太刀打ちすることは出来ないからだ。 
のど元に短剣を突きつけられている状態で、納得のいかない不可侵条約であったが…。 
それでも未だ軍備が整えきれていない両国にとって、この申し出は願ったり適ったりであった。 

トリステインで、アルビオンの内通者が見つかるまでは…。 

※ 

「ひとまず今回のことは被害が出る前に食い止められましたが、これっきりという事はないでしょう」 
「…つまり、不可侵条約はアルビオンが私たちの前に差し出した釣り餌だと…いうのですね」 
アンリエッタの苦々しい言葉に、マリアンヌは頷いた。 
広い部屋にアンリエッタの思い溜め息が聞こえ、その表情も暗くなっていく。 
冷たい沈黙が部屋に漂い始めた時、アンリエッタが喋り始める。 

「母様、私は時々疑問に思うのです。…何故人はこうも、他人を騙す事が出来るのでしょうか？ 
　言葉を巧みに操って人を騙し、騙された人の事をなんとも思わぬ奴等は…どんな事を考えているのか… 
　　私には全く理解できません。何で助け合うという事ができないのでしょうか？」 

アンリエッタの言葉に、マリアンヌはすぐさま答える事が出来なかった。 
ただその瞳には、いいようのない哀しみと共に渇望の色も垣間見えていた。 
若い頃の自分もこんな風に純粋であった――マリアンヌは心の中でそう呟く。 
好きなモノには好きと言い、嫌いなモノには嫌いと言っていたあの頃の自分を、思い出していた。 



#navi(ルイズと無重力巫女さん)    </description>
    <dc:date>2012-02-14T23:57:51+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8469.html">
    <title>ルイズと無重力巫女さん-43-b</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8469.html</link>
    <description>
      #navi(ルイズと無重力巫女さん)



ドアを開けて部屋に入ってきたのは、この部屋の主であるルイズであった。
彼女は手に先程の授業で使用した教科書を出入り口の側に置いてある小さな台に置き、二人の方へ近づいていく。
「あらマリサ、あんたレイムと一緒にお茶を飲んで……た…」
ルイズの口から出た言葉、魔理沙と霊夢の間にあるテーブルの上に置かれたクッキーを見て、言葉が止まる。
既に何枚かが開かれた箱の中から取り出され、うち一枚の片割れが魔理沙の手の中にあったのも、見逃さなかった。
勘が鋭い霊夢はルイズの様子が豹変したことに怪訝な表情を浮かべたが、魔理沙はそれに気づかないでいる。
「おぉルイズ！もう次の授業か？次は耳を引っ張ったり殴ったりしないでくれよな」
ペチャクチャと喋りながら体が止まったルイズの側へと近づき、新たに箱から取り出したクッキーを一枚差し出す。
ルイズはというと、差し出されたクッキーに視線を向きながら抑揚のない声で、魔理沙に質問してみた。

「ねぇ魔理沙…このクッキー入りの箱は…何処で―――誰が―――見つけて――勝手に開けたのかしら？」
ルイズの質問に、魔理沙はすぐに応えた
「ん？あぁさっきそこの戸棚を開けた霊夢が見つけたんだよ。それで丁度いいお茶菓子だって…」
「私、ちょっと外でも飛んでくるわ」
良くも悪くも口の軽すぎる魔理沙の喋っている最中、霊夢は席を立った。
ここにいては危険だ―――長年の戦闘経験から、ここにいては面倒くさいことになると感じ取ったのである。
席を立った彼女はそのまま早足で歩いて窓から飛び立とうとしたが、ルイズの方が速かった。

霊夢が逃げようとしたのを感知したルイズは、すぐさま近くにあった箪笥の中から、乗馬用の『特殊な』縄を取りだした。
小さく、可憐なルイズには全く似合わないその縄を、彼女は勢いよく振り回し始めた。
数秒も経たずに縄はフュンフュンと空気を切り裂くような音を部屋中に響かせる。
一方の霊夢は窓の方にたどり着いたが鍵が掛かっており。その時点でもう霊夢の敗北は確定していた。

一秒―

「とりゃ！」
勢いのあるルイズの声と共に、振り回していた投げ縄を霊夢の方に向けて飛ばした。

二秒――

窓の鍵を開けて逃げようとした霊夢の背中に―に、縄の先端が当たった。

三秒―――

瞬間、縄がボゥッ…黄色く光り輝くと、まるで大蛇の如く縄が霊夢の体に巻き付いた。

四秒――――

「クッ…！」
魔力の篭もった縄に体を拘束された霊夢は、自分の霊力を使って縄を解こうとしたが、時既に遅かった。

五秒―――――

霊夢の体が縄に巻かれたのを瞬時に確認したルイズは懐に手を忍ばせ、ある物を取り出した。
「あぁ…っ！？それ私の…！」
ルイズが何を取り出しのか見ていた魔理沙が目を見開いた瞬間、ルイズはそれを投げた。

六秒――――――

「でッ…！！？」
投げられた゛物゛は、一寸も狂うことなく、隙を見せていた、霊夢の――額に命中した。

七秒―――――――

ゴ　チ　ン　！　！

金属から造られたそれは、霊夢の気を失わせるのには丁度良かった。
コン！カラカラ…と投げた物が床に落ちてコロコロと何処かへ転がっていく中、ドサッと倒れる音も聞こえてきた。
流石の博麗の巫女もあれにはたまらなかったのか、情けない表情を浮かべて気絶していた。

ここまで、七秒。僅か七秒である。


「うぉっ…あの霊夢がいともカンタンに…っていうかルイズ、いつ私の八卦炉を盗んだんだよ？」
倒すべき存在を倒し、一息つこうとしたルイズの耳に魔理沙の質問が飛び込んできた。
そちらの方へ顔を向けると、いつも笑顔を浮かべているような彼女が驚きの表情を浮かべている。
だが無理もない、何せあの博麗霊夢がたった一瞬の隙だけで、この様な目にあってしまったのだから。
「盗んだですって…？人聞きの悪い。私はアンタが殴られた時に手から落としたコレを、拾っただけよ」
いつの間にか自分の足下に転がってきたミニ八卦炉を手に取りながら、ルイズはそう言った。
ルイズの言葉に、魔理沙はその時の事を思い出した。
(そういや確か…気を失う直前に八卦炉が手からポロリと滑り落ちたような気が…)
心の中で魔理沙が思い出した時、ルイズは一息ついてこう言った。


「それに…゛盗んだ゛のは貴女と霊夢の方じゃないかしら、マリサ？」

「は？どういう事だよルイズ。私は盗みなんかしないぜ」
ただ借りてるだけさ。と最後に一言付け加えるが、ルイズはそれを気にせず話を続ける。
「私ね、部屋のあちこちに特別な日に食べたいお菓子を幾つも部屋に置いてるのよ」
ニコニコと爽やかではあるが、何処か不気味な雰囲気漂う笑顔を浮かべつつ、ルイズは喋る。
「しかもそのクッキーはね…私が一番特別だと思う日に食べたいと…と、取っておいたやつなの」
段々とルイズの笑顔が邪悪な雰囲気を帯びていくのを感じた魔理沙は思わず後退ってしまう。
その邪悪さは、以前紅魔館で見たレミリアの笑顔と比べれば可愛いモノだが、それでも十分に怖いものであった。
「あ、あ～…な、なんだ？私はその…食べただけだぜ」
魔理沙は言い訳でも言おうとしたのだろうが、それが火に油を注ぐ事となった。
「へ、へ、へ～…あ、あ、アンタは食べたたただけなのねね…わ、私のたたた大切なおおか菓子を、を…！」
先程よりも邪悪さが増していくルイズの雰囲気に、魔理沙は悟った。

（あ～、駄目だコリャ。背中を見せたら確実に酷い目に遭うな…）
丁度自分の背後に愛用の箒があるのに気が付いている魔理沙ではあったが、逃げる気は失せていた。
いま箒を手にとっても跨る前に捕まってしまう。そして今窓の傍で気絶している霊夢の二の舞になる。
ましてやミニ八卦炉も奪われている手前、退路は完全に断たれたも同然である。もう自分に逃げ場は無い。

たった一つの道は、目の前にいるこの少女を倒してドアから逃げるしかない。
（そうと決まれば…善は急げだぜ！）
覚悟を決めた魔理沙は、キッと鋭い笑みを浮かべ―――ルイズに突撃した。
勝率などわからない、わからないから魔理沙は突撃の道を選んだ。
霊夢もそうしていたであろうし、魔理沙の知っている幻想郷の好戦的な奴等も同じ答えを出していたに違いない。
自分が勝つと信じてやまない者達は、どんな危機的状況に陥っても僅かな希望があればそれに縋り、必勝の策を編み出す。
勝つか負けるかわからない――だからこそ戦うのだ、自分の勝利を信じて。


ピ　チ　ュ　ー　ン　！　

――しかし、だからといってやる気満々の敵に突っ込んで勝てるとは限らない。
『自分のパンチより、ルイズのアッパーの方が速かった』という事が読めなかった魔理沙は、呆気なく撃沈した。


◆

その頃、トリスタニアのチクトンネ街は――――

いつもは夜型の人々で賑わうここは、朝方と昼は大分落ち着いている。
それでも人の入りはあり、ブルドンネ街と同じく露天商達が道ばたで商売を始めていた。
仕事帰りの人々を誘惑する夜中のお店は朝方にはその看板を下げ、グッスリと眠っている。
彼ら、彼女らは朝に寝て午後から仕込みと掃除を始めて夕方頃の開店に備えての準備に入るのだ。
そんな店はここチクトンネ街に星の数ほどあるが、その中でもかなり異色な店が存在していた。
ウエイターは女の子達ばかりなうえ、とても魅力的な服を着ており、貴族からも賞賛の声を度々聞く。
「女の子達がステキだった」とか「チップを出すのに夢中で財布の中身が無くなった」等々…色々と評価してくれている。

『魅惑の妖精亭』。それがこの店の名前であった。

※

シャコシャコシャコ…
「あしゃ～はやっぴゃり～ねみゅい～もよ～…♪」
店長スカロンの娘であるジェシカは、店の裏口で歯を磨きながら何処か現実味のある歌を口ずさんでいた。
裏口のある通りは閑散としており、目立つモノといえばご近所の店が裏口に出しているゴミを漁る野犬と野良猫、それにカラスだけだ。
主に人間の食べ残しを狙う彼らはこの時に限って争うことなどせず、お互いのルールを守っている。
この場面だけを見れば、人間と比べて大分秩序を保てているのは間違いない。
ハルケギニアの各所にある第三諸国などでは、畑の作物や家畜の奪い合いが原因で戦争になっているところもある。
それを考えれば、動物の方が第三諸国を治める王達よりかは大分利口だ。

だが、ジェシカはそんな光景に目もくれず、歯ブラシを口に入れたままボーッと空を見上げていた。
隣接する建物と建物の間から見える空はかなり太い一本の線として見えている。
陽が当たらない薄暗い通りとは対照的に白い雲が右から左へと流れ、サラサラと緩やかな初夏の風が肌を撫でる。

この時間帯、朝食を食べ終えた人々が仕事の為に各々の勤務場所へと足を運ぶ。
飲食店や雑貨屋、ブティックに本屋、石切場に魚の養殖場(食用、観賞用の淡水魚だけだが)等、様々である。
しかしジェシカやスカロン、そして店の女の子達を含めた夜中のお店で働く人々は、ゆっくりとベッドで疲れを癒す。
ジェシカ自身も、今は寝る前の歯磨きをしており、決して仕事へ行く前の慌ただしい歯磨きではない。
故にこうして途中で手を止め、雲の流れる爽やかな朝の青空を眺めているのであった。


しかし、その時間は表の通りからやってきた女性の声で台無しとなった。
「やぁジェシカ。寝る前の歯磨きをしてるのか？」
「…うっ！…ムグ…ムグ……ぷはっ！」
いきなり声を掛けられたジェシカ聞き覚えのある声を耳にし、思わず口にくわえた歯ブラシを吐き出しそうになった。
しかしそれをなんとか堪えて数秒間無呼吸に悶えた後、口から歯ブラシを取り出すという選択を選ぶ。
歯ブラシを持っていた右手で持ち手を掴み、そのまま一気に口から出したところで、止まり掛けた呼吸を再開する事が出来た。
「はぁ…はぁ…アンタねぇ、前もそうやってアタシを驚かそうとしたわよね？」
もう少しであの世の花畑と河岸が見えるところだったジェシカは、目の前で穏やかな笑みを浮かべる女性に苦々しく呟く。
「そうかな？あの時は私に気づいているものだと思って声を掛けたんだがな…ちゃんと料理の載ったトレイも受け止めただろ？」
しかし女性はそんな苦言など何処吹く風で、まるで旧友と若い頃の思い出を語っているかのような感じで言った。

女性の服装は足首まで隠した長い黒のズボンに白いブラウスと変わっており、その上に若草色のローブを羽織っている。
一昔前の女性ならわかるものの、この時代では女性のような服装は時代遅れもいいところだ。
しかし女性の肌は珠のように白く顔もジェシカや店の女の子達に負けず劣らず…いや勝っていると言って良い。
陽の光に当たって輝いている麦の如き金髪をボブカットにしており、遠くから見ればただの好青年として見えてしまう。
だが一歩近づいてそれが女だとわかれば、何処か不思議な魅力を感じてしまう。
それは男性だけではなく、女性もまたその魅力に惹かれるのである。

「はぁ…それで、今回は五日もあの子だけ置いて何処に行ってたっての？」
あまり悪いようには見えない笑みを見せられたジェシカは、呆れた様子でそう言った。
「まぁそう言うなよ。あの子だってちゃんと客室の掃除をしてくれてるだろ。…それに土産も買ってきたし」
それに対し女性は冷静に返しつつ、背負ったバッグを地面に下ろし、中を漁り始める。
ジェシカはその言葉にムッとなってしまうが、まぁいつもの彼女だと思って軽い溜め息をついた。

二人の言う『あの子』とは金髪の女性と共にいた、まだ十代にもなっていない栗色の髪が眩しい女の子のことである。

※

数週間前、ここの店長でありジェシカの父であるスカロンが二人を連れてきた。
聞くところによると女性はかの東方の生まれで、今はハルケギニアの各地を旅しているらしい。
様々な大国や小国、山々や平原を歩き渡り、しばらくはこのトリステインに身を置くことにしたのだという。
まぁ治安が比較的良く、戦争や領地をめぐっての小競り合いも滅多に無いこの国は、体を休めるのには丁度良いところだ。
しかし、いざ宿を探してみると間が悪かったのか、何処も空き部屋が無いという時にスカロンと知り合ったそうだ。
ちょっとばかしその場で話し合い、店の仕事を手伝って貰う代わりにお店の上の階にある部屋に泊まらせる事となった。

「初めまして、―――と申します。以後迷惑にならないようこのお店の仕事を手伝って行きたいと思います」
東方の国の生まれ故かハルケギニアでは聞かない奇妙な名前と律儀な物腰に、ジェシカを含めた店の者達は彼女に拍手を送った。
その拍手に女性は嬉しそうな笑みを浮かべると、後ろにいた少女を自身の前に出し、自己紹介を促した。
「は、はじめまして…――と申します。よろしくおねがいします…」
女性と同じく、東方の生まれと思われる奇妙な名前とその暗い雰囲気が漂う自己紹介の後、ジェシカがその子に質問した。
「よろしくね――ちゃん。ところで、ここは店の中だけど…帽子は外さないの？」
何処か空気の読めてないジェシカの発言に、素早く金髪の女性がフォローを入れた。

「すいません。この子はちょっと皮膚が弱くて室内でも帽子を被っているよう、祖国の医者から言われているもので…」
どこか胡散臭いものが漂ってはいるが、ジェシカやスカロン達は彼女の言葉をとりあえずは信じることにした。
この様な場所で店を開けば、自分の過去を酷く忌み嫌う者達がふらりと寄ってくるものだ。
ある者は過去を一時の間忘れるために飲んだくれ、またある者は新しい人生を探しに足を運ぶ…。
きっと彼女らは後者なのだろうと思い、とりあえずは『魅惑の妖精亭』に新しく入ってきた二人を手厚く歓迎した。

※

「それじゃあ、私は部屋に戻るとするよ」
「はいはーい！今日も早いんだからさっさと寝なさいよね～…ふぁ～」
一階の酒場でジェシカと別れた後、金髪の女性は二階へと昇り、一番奥にある客室へと足を運んだ。
ここ『魅惑の妖精亭』は一階部分がお店で、二階の方は家のない従業員達の部屋と幾つかの客室がある。
客室の方は、酔いすぎて家に帰れなくなった客を入れるところで、店の人気もあって使用頻度は高い。
そして当然の如く賃貸料があるので、店的には儲かっているらしい。

想像して欲しい。気持ちよく飲んでベロンベロンになって意識を失い、気づいたら見知らぬ部屋のベッドで寝ていた。
慌てて外に出てみるとその顔に笑顔を貼り付けた店の女の子が、一枚の紙をもって口を開く。
「おはようございます。お部屋の賃貸料をいただきに来ました」

自業自得であろうが、冷たい夜の路上に放り出されるより大分マシだろう。
そんな事を思っていると、気づけばもう二階の一番奥にまでたどり着いていた。
すぐ横には客室に繋がるドアがあり、それを開ける前に女性はポツリと呟く。

「五日か…まぁちゃんとお金も置いておいたし払ってくれてるだろう」
あの娘はネコだが、ネコババするような娘ではない。と心の中で付け加え、ドアを開けた。
すんなりと開いたドアの先にいたのは、彼女を主と慕う可愛い少女が待ってくれていた。


「お帰りなさい！藍さま！」
年相応の元気な声に、彼女は柔らかい微笑みを浮かべた。



#navi(ルイズと無重力巫女さん)    </description>
    <dc:date>2012-02-14T23:49:56+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8675.html">
    <title>ルイズと無重力巫女さん-50</title>
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      #navi(ルイズと無重力巫女さん)



夕闇にそまりつつあるトリステイン王国のとある山中―――――
太陽が真っ赤な夕日となり人気のない森の中を照らしている。
木々の間から漏れる赤い木漏れ日は幻想的で、この世の光景とは思えない程綺麗であった。
もしその場に画家か旅の絵描きでもいれば、その光景を写そうと鞄の中から急いで画材を取り出すに違いない。

人の手が一切加えられていないその森は、悠久の時を経て自然が生み出した一つの芸術。
とある世界の人々が、自らの手で破壊の限りを尽くした原生林そのものであった。

だが――今日に限って、その森の中で戦いのゴングを鳴らした者達がいた。
ある者達は自然の摂理から外れた異形から受けた突然の奇襲により危機に立たされ、またある者は正体の掴めない者から攻撃を受けた。
血肉に飢えた獣たちと、人の常識では計り知れないモノ達が集い来る゛夜゛がすぐそこまで迫りつつあるその場所で―――


我ながら油断した―――。
左肩に受けた傷を手で押さえつつ、魔理沙とルイズの上に乗っている霊夢は悔しさのあまり歯ぎしりをしそうになる。
しかしそれをすると傷口から流れ出る血の量が増えそうな気がしたので、することはしなかった。
それにそんな事をしている暇があるなら、すぐにでも体勢を整えた方が有意義だと考えた。
霊夢はすぐにも行動を移そうとしたが、思いのほか自分の体が言うことを聞かないのである。
｢くっ…う…！｣
体を動かそうとするたびに間接の節々が痺れるように痛み出し、ビクリと止まってしまうのだ。
一体どうしたのかと疑問に思ったとき、咄嗟に左肩の傷口が目に入った。
傷口自体は大して深くもないのに血は一向に止まらず、痛みも最初の時より強くなってきている。
出血が止まらない傷口と関節の痛み。―――その二つから見つかる仮説が、霊夢の脳裏をよぎった。

（まさか、アイツの爪に毒が仕込まれてるっていうの？）

そこまで考えて、今の自分はかなり最悪な状況に陥ってるかもしれないと霊夢は改めて実感した。

一方、心中で冷や汗をかいた霊夢の事などつゆ知らず、下にいるルイズと魔理沙が声を掛けてくる。
｢お、おい…そろそろどいてくれよ霊夢…いい加減苦しくなってきたぜ…｣
リアルタイムで体力を削られている魔理沙に続き、その上にいるルイズも思わず苦言を漏らす。
｢このまま倒れてたら…上にいるアイツに…｣

「ヴヴヴゥ…！」

ルイズが言い終える前に頭上から二度目の呻き声を耳にした三人は、思わずそちらの方へと視線を向ける。
彼女らの視線の先、この世の生物とは思えない気配を放つ怪物が斜面の上から見下ろしていた。
先程悲鳴を上げたルイズはもう一度悲鳴を上げそうになるのを堪え、腰に差している杖に手を伸ばす。
しかし杖を取ろうとした右手はスカッと空気を掴んだだけで何も取れず、ルイズはハッとした表情を浮かべた。
（まさか斜面に転がり落ちたときに…）
瞬間、彼女の脳裏につい一、二分ほど前の光景が蘇る。
なんとか頭だけは満足に動かせるルイズはすぐに辺りを見回すが、自分の杖は見つからない。
今必要な物が一向に見つからず、ただ無駄な時間と焦燥だけが貯まっていく。

フーケのゴーレムと対峙したときや、霊夢がかつて自分の想い人だった男に刺されたときの様に――

(もう！どうしてこういう時だけ運が悪くなるのよ私は！？)
ここぞという時で全く活躍できない自分自身に怒鳴りたくなったルイズの視界に、ある物が目に入った。
それはルイズの捜している物ではなかったが、すぐ傍にいる少女の持ち物である。
小さくもズッシリとした重量感のある六角形の｢ソレ｣は、日が暮れてゆく森の中で異様な存在感を放っていた。

あれは…と呟きかけた瞬間。頭上から足音が聞こえてきた。
何かと思い目を動かすと、斜面の上にいた怪物がこちらに向かって斜面をゆっくりと降りてくるのが見えた。
ズシャリ…ズシャリ…と柔らかい土と小さな石が混ざった斜面を一歩、一歩としっかり踏みしめて降りてくる。

◆

｢マジかよ…あれを零距離で喰らって片腕だけで済むなんて、とんでもないヤツだぜ｣
魔理沙はこちらに向かってくる怪物を見て、魔理沙は軽いショックを受けていた。
彼女の言葉通り、怪物の右腕は丁度方の所から吹き飛んでしまったかのように無くなっている。
しかし不思議なことに血は一切出ておらず、赤く生々しい傷口は空からの夕日で艶めかしく光っている。
怪物は唯一残った左腕を空高く掲げ、指先から生えている鋭い爪をこれでもかと三人にアピールしていた。
未完成ながらも威力に自信のあった魔法を受けて倒れるどころかピンピンと立っているのだ。
魔理沙でなくとも、人形遣いや魔女でも同じような反応をしたかもしれない。多分。

一方、二人の上にいる霊夢は身体を蝕む毒に堪えつつこちらに向かってくる怪物を睨んでいた。
（参ったわね…まさかこんな状況に陥るなんて…）
未だ出血が止まらぬ左肩の傷口を押さえながら、霊夢は心の中で思考を始めた。
怪物は魔理沙の話や自分の目で見た感じ、恐らく背後からの不意打ちと接近戦を得意とするヤツだろう。
以前戦った虫の怪物と似通ったところはあるが、アレと比べれば外見はまだマシな方であった。
正面切って戦えば大して驚異にならない敵であるが、今の状況では正に強敵と言えた。
（どうやったか知らないけど…ギリギリまで気配を消すってのは卑怯じゃないの？）
背後からほぼ零距離で襲われた時、霊夢は怪物の気配を感じ取ることが出来なかった。

※

気配を消す…という事自体は思った以上に難しいが、訓練と経験を積めれば人間にも出来る。
だが霊夢が相手だと、普通に気配を消してもすぐに見つかってしまうだろう。
生まれつき勘が良いせいか、ある程度相手の気配を察知するといった事に長けてしまったのである。
その力は妖怪退治や異変解決の際に役立っているので、霊夢自身も便利だとは思っていた。

だが目の前にいる怪物は彼女の背後をとり、完全なる不意打ちを与えた。
まだ何処かにいないかルイズと話していた時にも密かに周囲の気配を探っていたのにもかかわらずだ。

魔理沙から話を聞いていた事もあって小屋の中にも入って調べていたのだが、塔の上で感じた気配の主は見つからなかった。
時間が経ち、突如やってきたルイズとの喧嘩もとりあえずの和解で収まった時――突然後ろから気配を感じたのである。
それはまるで、足下にあった石ころが突然爆発した時のような…霊夢にとって予想外どころか考えもしていなかった事であった。

いくら博麗の巫女と言えども、足下で爆発されては避ける暇も結界を張る暇も無いのだ。

※

(そして結果がこのザマとは…ホント参ったわね)
時間にすればわずか数十秒の思考が終わった瞬間、直ぐ傍にまで近づいてきた怪物が予想外の行動に出た。

「　エ゛　エ゛　エ゛　エ゛　ェ゛　イ　ｨ　！　！　！　」

耳元まで裂けていそうな口からおぞましい叫び声を上げて、いきなりその場で跳躍したのである。
突然の事に驚いた霊夢達は、飛び上がった怪物をその目で追い、そして驚いた。
異常な脚力で地上から五メイルほどジャンプした怪物は空中でくるりと一回転した後、なんと左手の爪を下にいる霊夢達に向けた状態で落ちてきたのだ。
それを見た三人はこれからの展開をなんとなく理解し、そして冷や汗を流しそうになった。
もしもこのままコッチに落ちてきたら、勢いよく突っ込んできた爪が霊夢どころかルイズと魔理沙の身体をも仲良く貫くに違いない。

｢…うっわ、やべぇ！？コッチに向かって落ちてくるぞ！｣
「ちょ、ちょっ…！」
相手がこれから何をしてくるのか気づいた魔理沙は驚愕し、次いでルイズが悲鳴にも似た叫び声を上げる。
そして何とか避けようと二人とも身体を動かすがルイズはともかく一番下の魔理沙はどう頑張っても逃げれそうになかった。
一方の霊夢は、落ちてくる怪物を睨み付けながらも逃げようとはせず、結界を張ろうと自分の体に軽く力を入れる。

しかしその瞬間、左肩の傷口を中心にして鋭い痛みと痺れが彼女の体を容赦なく攻撃してきた。
まるで屍肉を容赦なく食い破っていく蛆虫のように、例えようのない激痛が襲ってくる。
「ぐ…くっ！」

霊夢はソレに一瞬だけ怯むものの、後一メイルほどの距離にまで迫ってきた怪物を見て何とか力を振り絞る。
その結果が実ったのか、怪物の爪が霊夢の身体を突き刺すまであと十サントというところで結界は展開された。
急ごしらえの結界は実にお粗末な仕上がりであったが、怪物の攻撃を弾くことは出来た。

「ギェッ！！」
後一歩というところで霊夢の結界に勢いよくはじき飛ばされた怪物は十メイルほど吹き飛び、その姿は茂みの中に消えていった。


「…れ、レイム！」
「おぉ！流石のお前でもやる時は結構やるじゃないか」
霊夢が見事襲ってきた怪物を返り討ちにしたところを見たルイズと魔理沙は、自分たちの上にいる巫女へ賞賛の言葉を送った。
そんな二人の声を無視し、怪物がいなくなった事を確認した霊夢は両足にゆっくりと力を入れて立ち上がろうとした。
「うっ…」
しかし…先程無理をして結界を張ったせいか体中を這い回る毒が活性化し、呻き声を上げて前のめりに倒れた。
既に怪物によって付けられた爪の毒は、彼女の体を支配していた。
それは決して死に至る程ではないが、途方もない痛みと痺れが交互にやってくる。
「レイム！……あっ」
自分の直ぐ傍で倒れた霊夢を見たルイズは直ぐに立ち上がると彼女の傍に近寄り、そして驚いた。
先程までピンピンしていた彼女の体から、玉のような汗が滲み出てきているのだ。
浮かべている表情は高熱にうなされているかの如く苦しそうであり、呼吸も乱れ始めている。
「ちょっ、ちょっと…どうしたのよレイm…アツッ！」
状況が把握できないルイズは軽く錯乱した所為か偶然にも霊夢の額に触れ、驚く。
なんと彼女の額は、まるで沸騰したお湯が入ったティーポットのように熱くなっていた。

「ふぅ、一時はどうなることかと思って…ん？どうした霊夢？」
ようやく起きあがった魔理沙は、エプロンに付いた土を払い落とそうとしたところで霊夢の様子に気が付いた。
「ま、マリサ！何だかレイムの様子がおかしいのよ！？まるで熱にうなされてるみたいで…」
「何だって？」
ルイズの言葉を聞いてすぐさま霊夢の傍に寄ると彼女の言うとおり、確かに熱にうなされているかのような状態であった。
いつも霊夢の姿を傍で見ていた魔理沙は、それを見て目を丸くした。
「お、おいしっかりしろ霊夢。何か変な毒キノコでも喰ったのか？」
目を瞑って不規則な呼吸を繰り返す霊夢の頬をペシペシと叩きながら、魔理沙は話し掛ける。

いくら突然とはいえ、苦しそうな人間の頬を叩いて良いものだろうか？
魔理沙が霊夢の頬を叩く光景を目にしながらルイズはどうでも良いことを考えた。

「う、ぅ…」
しかしそれが功を成したのか、霊夢は閉じていた両目をゆっくりと開けた。
そして自分の傍にルイズ達がいるのに気が付き、二人の方へ顔を向ける。
「ルイズ…それと魔理沙」
意識を取り戻した霊夢に安堵しつつも、ルイズ達は早速彼女に話し掛ける。
「レイム！一体どうしたのよ？さっきまであんなに元気だったのに…」
魔理沙も気になっていたその質問を、ルイズが投げかけた。
「そうだぜ。いつも気怠そうな顔してるからって何も本当に倒れるこたぁないだろ」
「うっさいわね…この白黒…うくっ…」
魔理沙の言葉に罵声を混ぜて返しつつ、霊夢は言った。

「毒よ…アイツの爪に仕込まれいたのよ…」

その時であった、後ろの茂みからもう聞きたくも無かったあの叫び声が聞こえてきたのは。

キ　ェ　エ　ー　ッ　！　

まるで地獄からやってきた餓鬼のような声に魔理沙とルイズが振り向く。
そして振り向いたと同時に、背後の茂みからあの怪物が再び飛びかかってきた。
先程霊夢の結界にはじき飛ばされたのにもかかわらず、元気であった。悪い意味で。

ルイズ、霊夢、魔理沙の内、最初に体が動いたのは魔理沙であった。

彼女はまず自分の傍にいるルイズを霊夢ごと両手で突き飛ばしてから、後方へと倒れ込んだ。
少しだけ湿った地面と植物が服と顔を汚したが、そのお陰で怪物の攻撃からは逃れる事が出来た。
魔理沙が倒れ込んだ直後。先程まで霊夢が倒れていた場所に、飛びかかってきた怪物の爪が勢いよく突き刺さる。
ドスッという恐ろしい音が辺り一帯に響き、木の枝に留まっていた一羽のフクロウが声を上げずに飛び去っていく。

（クソッ…何だよコイツは！？）
魔理沙は地面にうつ伏せた姿勢のまま、自分の後ろにいる怪物のしつこさに驚いている。
これまで幻想郷の弾幕ごっこを通じて戦闘を経験してきた魔理沙にとって、未知なる強敵であった。
いくら強力な攻撃を仕掛けてようが片腕を失おうが、コイツは怯えることはない。
まるで命令を与えられた人形や式のように、ダメージを受けようが手足を失おうが自分たちを殺すために向かってくる。
逃げるという選択もあるが、あの霊夢がまともに立ち上がれない程の一撃を与えたのだ。背中を見せれば襲ってくるだろう。

そんな相手を止める方法はたった一つ――息の根を止めるか、操っている者を殺すしかない。
だが、今のような切羽詰まった状況において行うべき行動は…間違いなく前者であろう。
（あんまり殺生とかはしたくないが…かといってむざむざ殺されたくないしな！）
やるしかないか―――心の中でそう決意した時、魔理沙の目がある物を捉える。
瞬間、彼女の心に残っていた未知なる敵に対する不安が驚愕と共に消え去った。

その道具は彼女、魔理沙にとって命の次に゛大切な道具゛であり、
いつも肌身離さず持ち歩き、その力と彼女自身の知識と技術を活かして幾多の戦いを共にくぐり抜け…
そして、つい数時間前にルイズのキツイ一撃と共に奪い取られてしまった、相棒とも言える程の存在。
彼女にとってかけがえのない物は今、湿り気を帯びた地面に転がっている。
（何でこんな所に…いや、そんな事よりもまずは…）
どうしてこんな所にあるのかわからなかったが、考えるよりもまずに体の方が動いた。
泥だらけの右手を動かしてすぐ目の前にある゛道具゛を手に取ろうとした時、悲鳴が聞こえてきた。

ハッとした表情を浮かべて振り向くと、あの怪物がルイズと霊夢を襲おうとしていたところであった。
まるで絵本の中に出てくる鬼の様に残った左手を天高く上げて、ゆっくりと二人に近づいていく。
「やだっ…！こっち来ないでよぉ！わたし達が何したっていうのよ！？」
先程悲鳴を上げたルイズは霊夢を庇うようにして怪物に背を向けながら、涙交じりの声で叫ぶ。
そして、一方の霊夢はもう殆ど意識が無いのか、目を瞑って苦しそうに息をしているだけだ。

そんな二人の姿を見た瞬間、魔理沙の瞳に明確な怒りの感情が灯ってゆく。
彼女はずっと以前に、幻想郷で似たような光景を幾つか目にしてきた。
その日暮らしの物乞いを平気な顔して集団で罵り、棒で叩こうとする良心の欠けた人間達。
弱り切って抵抗どころか命乞いすら出来ない人間を散々弄んだ挙げ句に喰い殺す下卑た妖怪。

所謂『圧倒的な力で弱者をいたぶる強者の構図』は、魔理沙にとって許せるものではなかった。
もはや遠慮はいらない。『コイツ』を一撃でぶっ飛ばしてやる―――！
心の中で決意した魔理沙は大きく息を吸い込み、力の限りこう叫んだ。

「おい！コッチ向けトカゲ野郎っ！！」

魔理沙が叫んだ瞬間、怪物はギィ！と鳴いてその体を彼女の方に向ける。
ルイズもまたその叫び声に反応して顔を上げると、偶然にも魔理沙と目があった。
魔理沙もそれに気づいてか一瞬だけルイズの方に顔を向けると、笑顔を浮かべてこう言った。


｢よく見てろよルイズ、逆転の゛魔法゛を今からコイツにぶち込んでやるぜ｣

｢――――えっ…？｣
それを聞いたルイズは魔理沙の言葉に目を丸くし、思わず声を上げてしまう。
その声を合図にしたのか、魔理沙は『花火』を打ち上げるための行動に移った。

まず彼女はうつ伏せの姿勢からグルンと体を動かして仰向けの姿勢になると腰に力を入れて、勢いよく上半身だけを上げる。
次に、右手に持った゛道具゛に左手をそ添えて中央部分に作られた穴を怪物の方に向けた。
そして、体内にある魔力の一部を腕を通して迅速かつ正確に゛道具゛に注ぎ込んでいく。
目の前にいる相手を完膚無きまでに倒す一撃を与えるために。


「　キ　ッ　キ　キ　ィ　！　！　！　」　
自分が先手を取るとでも言いたいのか、怪物は叫び声を上げて跳躍する。
先程と違い地上から一気に十メイル程跳び上がると、そのまま魔理沙の方へと落ちてくる。
もしも彼女がこのまま立っていたら、あの霊夢をダウンさせた爪の餌食になるのは目に見えている展開であった。

しかし、今の魔理沙にとっては絶好のチャンスとも言える状況であった。
空中にいるのならば避けられはしないだろうし、何より空に向けて『撃てば』ルイズ達に危害は加わらない。
今の魔理沙にとって先程まで『ヤバイ』と思っていた状況は、『貰った！』と言える程好都合だった。

「今更こっちに気づいても、手遅れだぜ？」
魔理沙はこちらに向かって落ちてくる怪物にそう呟き、笑顔を浮かべた。
その笑顔は相手をバカにするような嘲笑でも、ましてや人を徹底的に見下すかのような残酷な笑みでもない。
まるで陽の光を浴びて元気に育つ向日葵の如き、見る者を安堵させ元気づけてくれるそんな笑顔。
魔理沙よりも少し下の子供達が浮かべるような快活な笑みを、彼女は襲い来る怪物に見せていた。

――ザマァ見ろ！この勝負、私の勝ちだ！

魔理沙の心の内を代弁するかのように道具…否、『ミニ八卦炉』から一筋の光が放たれた。
丁度ピンポン球サイズの大きさを持つ光の線は速く、そして一直線に怪物の額を照らす。
しかしそれを意に介さず怪物は左手の爪を勢いよく振り上げ、叫び声を上げた。


「　キ　ェ　エ　ェ　ェ　エ　ェ　ェ　エ　！　！　」


さぁ死神よ、早く来い！お前の狩るべき命はここにあるぞ。
まるで人の命を狩りに来た死神を呼び寄せるかのような叫び声が森の中に響いた。

しかし、死神が選んだ命は魔理沙のものでもルイズのものでも霊夢のものでもなく――――怪物の命であった。

怪物の額を照らしていたミニ八卦路の小さな光の線は一瞬にして何十倍もの大きさになり、その体を一気に飲み込んだ。
ビームが発射されたと同時にミニ八卦路からもの凄い異音が聞こえ始め、ついでそれを両手で持つ魔理沙の体を強い衝撃が襲う。
気を抜けばそのまま吹き飛ばされるかのような衝撃に歯を食いしばり、両足にも力を入れて耐える。

｢キャアッ…！｣
一方のルイズは突然の出来事に驚くと同時に、目を開けていられないほどの閃光に思わず目を背けてしまう。
光の線から極太のビームへと昇華したそれは空を遮る無数の木の枝をも飲み込み、うっすらと星が見える夕暮れの空を上っていく。
時間にすれば僅か五秒であったが、ルイズとって五分もの時間が経ったように思えた。

しかし、その『五秒』が全てを終わらせた。
魔理沙のミニ八卦路から放たれたビームは、見事怪物を消し去っていたのである。
それは比喩などではなく、文字通りの意味で。

ビームが放たれて一分が経ったであろうか、ルイズはゆっくりと魔理沙の方へと目を向けた。
魔理沙は双月がうっすらと見え始めた空にミニ八卦路を向けた姿勢のまま、固まっている。
ふと頭上を見上げると、先程まで空を覆っていた幾つもの木の枝が綺麗サッパリ無くなっていた。

ルイズはそれを見て、先程ミニ八卦路から出たビームが通った跡なのだと理解した。
そして自分たちを殺そうとした怪物はというと、何処にもその姿が見あたらなかった。
もしかすると、あのビームを直撃を受けて体が―――…そこまで考えて、ルイズは身震いする。
｢すごい…まさかこんな…｣
ルイズは生まれて初めて見る゛魔法゛の感想かどうかはわからないが、無意識に呟く。
今まで数多くの見てきた彼女でも、パワーの塊とも言える魔理沙の゛魔法゛に驚きを隠せないでいた。

｢どうだルイズ？見事この私があの怪物を退治してやったぜ｣

ルイズの呟きに対し、魔理沙は満面の笑みを浮かべてそう言った。
その言葉に、流石のルイズもポカンと口を開けながら頷くしかなかった。

◆

(全く、私が気絶してる間に終わっちゃったのね)
そしてそんなルイズの後ろ姿と魔理沙の笑顔を、横になった霊夢は何も言わずに見ていた。
幸いにも怪物の毒は死に至るほどのものではなく、安い痺れ薬程度の効力しかなかったのである。
とはいえ一時的な呼吸困難と高熱で気を失ってしまい、つい先程目を覚ましたばかりではあるが。

だが目を開けたとき、既に怪物との戦いに決着はついていたらしい。
どうやら自分に一撃を与えたあの怪物は、結局魔理沙に退治されたようだ。
自慢のミニ八卦路を持って嬉しそうにしている彼女を見れば、それは一目瞭然であった。

(役に立たない時は立たないけど、立つときはしっかり立つのよね…)

まだ声を出せる程回復はしていないが、近いうちに礼でも述べてやろう。
霊夢は心の中でそう思いつつ、再度目を瞑った。
化け物がいなくなったのなら、無理に起きて体力を削る必要はないと思ったからだ。

目を瞑った後は体力も落ちていたからか、すぐに眠たくなってきた。
これが永眠にならない事を祈りつつ、霊夢は今日一日の感想を心の中で呟く。

（ホント、こうなることが分かってたら初めから屋上で寝てれば良かったわ…）

そんな事を思いながらも、霊夢は再び眠り始めた。
次に目覚める時は、柔らかいベッドの上だと一心に願いながら。

※

幾多もの星と双月が、暗くなっていく空を飾り始める夕暮れの時間。
この日、トリステインに住まう者達の何人かが、トリステインの地で空高く登っていく光の柱を見た。
それの正体を全く知らない者達は何かの予兆だと勘違いし、始祖への祈りを始めたり家に篭もる者もいた。
本当の事実を知っている者は少なく、そして彼らはその事を他人に言いふらしたりはしないであろう。

何故なら、この真実がどれ程現実味に薄れているのか理解しているのだ。
無論、真実のすぐ傍にいたルイズもその事を知っていた。

明日はきっと、とても良い天気になるわね。

ルイズはそんな事を考えながら、ボンヤリと空を見つめていた。



#navi(ルイズと無重力巫女さん)    </description>
    <dc:date>2012-02-14T23:47:31+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/4398.html">
    <title>ウルトラ5番目の使い魔</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/4398.html</link>
    <description>
      「ウルトラマンメビウスＴＶ本編終了後の世界」から「ウルトラマンＡ」を召喚

[[第1話　合体変身!!　ルイズと才人 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-01]]
[[第2話　黒衣の悪魔 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-02]]　
[[第3話　見よ!　双月夜の大変身 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-03]]　
[[第4話　奪われた『破壊の光』&gt;ウルトラ5番目の使い魔-04]]　
[[第5話　大ピンチ!!　ルイズを救え &gt;ウルトラ5番目の使い魔-05]]　
[[第6話　双月夜の大決闘!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-06]]　 
[[第7話　降り立つ光の巨人 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-07]]　
[[第8話　ダイナミック・ヒーロー! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-08]]　
[[第9話　WEKC結成!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-09]]　
[[第10話　変身宇宙人の謎を解け!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-10]]　
[[第11話　危機迫る!!　トリステイン王国最後の日 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-11]]　
[[第12話　WEKC初陣!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-12]]　
[[第13話　落日の決闘!!  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-13]]　
[[第14話　剣の誇り　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-14]]　
[[第15話　剣の誇り　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-15]]　
[[第16話　間幕、タバサの冒険 　第一回、タバサと火竜山脈　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-16]]　
[[第17話　間幕、タバサの冒険 　第一回、タバサと火竜山脈　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-17]]　
[[第18話　遠い星から来たお父さん　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-18]]　
[[第19話　遠い星から来たお父さん　(中編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-19]]　
[[第20話　遠い星から来たお父さん　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-20]]
[[第21話　踊れ!　怪獣大舞踏会　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-21]]
[[第22話　踊れ!　怪獣大舞踏会　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-22]]
[[第23話　無限と光の旅立ち!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-23]]
[[第24話　地球へ!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-24]]
[[第25話　甘い薬の恐怖 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-25]]
[[第26話　悪夢を砕く友情の絆 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-26]]
[[第27話　悪魔の忘れ形見 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-27]]
[[第28話　ウルトラマンエースVS異形の使い魔! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-28]]
[[第29話　ガリア花壇の赤い花　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-29]]
[[第30話　ガリア花壇の赤い花　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-30]]
[[第31話　宇宙正義の守護者　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-31]]
[[第32話　宇宙正義の守護者　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-32]]
[[第33話　怪獣は、時空を超えて 【前半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-33a]]／[[【後半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-33b]]
[[第34話　老いた龍 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-34]]
[[第35話　あの超獣の闇を撃て!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-35]]
[[第36話　シルフィを返して!!　(前編)　二大怪盗宇宙人参上 【前半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-36a]]／[[【後半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-36b]]
[[第37話　シルフィを返して!!　（後編）　ヒマラワールドをぶっ潰せ!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-37]]
[[第38話　間幕、タバサの冒険　第二回、タバサと神の鳥　(そのⅠ) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-38]]
[[第39話　間幕、タバサの冒険　第二回、タバサと神の鳥　(そのⅡ) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-39]]
[[第40話　間幕、タバサの冒険　第二回、タバサと神の鳥　(そのⅢ) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-40]]
[[第41話　間幕、タバサの冒険　第二回、タバサと神の鳥　(そのⅣ) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-41]]
[[第42話　王女の来訪 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-42]]
[[第43話　二人の黒い女 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-43]]
[[第44話　この美しき世界を…… &gt;ウルトラ5番目の使い魔-44]]
[[第45話　夏の日の旅立ち &gt;ウルトラ5番目の使い魔-45]]
[[第46話　勇気の証明　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-46]]
[[第47話　勇気の証明　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-47]]
[[第48話　一発必中！正義の一閃悪を撃て 【前半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-48a]]／[[【後半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-48b]]
[[第49話　過去からの翼 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-49]]
[[第50話　間幕、『烈風』カリンの知られざる伝説　霧の中の吸血鬼 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-50]]
[[第51話　間幕、『烈風』カリンの知られざる伝説　ひとりぼっちの勇者 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-51]]
[[第52話　間幕、『烈風』カリンの知られざる伝説　反撃開始!!　ウルトラ作戦・第一号!! &gt;ウルトラ5番目の使い魔-52]]
[[第53話　間幕、『烈風』カリンの知られざる伝説　ダイナよ再び &gt;ウルトラ5番目の使い魔-53]]
[[第54話　間幕、『烈風』カリンの知られざる伝説　戦士から母へ…… &gt;ウルトラ5番目の使い魔-54]]
[[第55話　大怪鳥空中戦!!　(前編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-55]]
[[第56話　大怪鳥空中戦!!　(後編) &gt;ウルトラ5番目の使い魔-56]]
[[第57話　心の中のウルトラマン &gt;ウルトラ5番目の使い魔-57]]
[[第58話　ＣＲＥＷ　ＧＵＹＳ再集結!!　アニマル星ＳＯＳ &gt;ウルトラ5番目の使い魔-58]]
[[第59話　平和と出会いと流れ星 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-59]]
[[第60話　間幕、夏の怪奇特集　ギーシュとモンモの大冒険！　（前編）　魔の山の秘密 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-60]]
[[第61話　間幕、夏の怪奇特集　ギーシュとモンモの大冒険！　（中編）　蘇る伝説！ &gt;ウルトラ5番目の使い魔-61]]
[[第62話　間幕、夏の怪奇特集　ギーシュとモンモの大冒険！　（後編）　二人の勇気とリュリュの夢 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-62]]
[[第63話　短い夏の日の終わり　（前編） &gt;ウルトラ5番目の使い魔-63]]
[[第64話　短い夏の日の終わり　（後編） &gt;ウルトラ5番目の使い魔-64]]
[[第65話　黒い星の申し子 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-65]]
[[第66話　裏切りの代償 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-66]]
[[第67話　決闘!!　才人vsアニエス　（前編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔-67]]
[[第68話　決闘!!　才人vsアニエス　（後編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔-68]]
[[第69話　許す心　救う心 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-69]]
[[第70話　呪いを込めたプレゼント &gt;ウルトラ5番目の使い魔-70]]
[[第71話　死を呼ぶ黒い二枚貝 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-71]]
[[第72話　ヤプールの罠！　赤い雨の死闘 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-72]]
[[第73話　反撃開始！　二人のウルトラマン &gt;ウルトラ5番目の使い魔-73]]
[[第74話　鳴動する世界 【前半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-74a]]／[[【後半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-74b]]
[[第75話　伝説の勇者たち　（前編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔-75]]
[[第76話　伝説の勇者たち　（後編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔-76]]
[[第77話　時を渡るゼロ&gt;ウルトラ5番目の使い魔-77]]
[[第78話　第四の異世界&gt;ウルトラ5番目の使い魔-78]]
[[第79話　シュレディンガーの猫 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-79]]
[[第80話　エース・メビウス＆ウルトラマンガイア　時空界の大決戦  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-80]]
[[第81話　アルビオン決戦　烈風ｖｓ閃光　（前編）  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-81]]
[[第82話　アルビオン決戦　烈風ｖｓ閃光　（後編）  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-82]]
[[第83話　双月に抱かれた星　（前編）  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-83]]
[[第84話　双月に抱かれた星　（後編）  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-84]]
[[第85話　蒼月の激闘 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-85]]
[[第86話　暗黒の意思 &gt;ウルトラ5番目の使い魔-86]]
[[第87話　二大超獣エースに迫る！ &gt;ウルトラ5番目の使い魔-87]]
[[第88話　舞い降りる不死鳥  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-88]]
[[第89話　時空を超えた奇跡  &gt;ウルトラ5番目の使い魔-89]]
[[第90話　決断のとき   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-90]]
[[第91話　迷いと戸惑いと…   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-91]]
[[第92話　受け継がれていた魂   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-92]]
[[第93話　勇者への手向け   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-93]]
[[第94話　防人の魂   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-94]]
[[第95話　最後の夜   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-95]]
[[第96話　一人の変身   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-96]]
[[第97話　孤独の重圧   &gt;ウルトラ5番目の使い魔-97]]
[[第98話　本当のウルトラタッチ 【前半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-98a]]／[[【後半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-98b]]
[[第99話　第一部最終回　ありがとう才人、異世界の思い人 【前半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-99a]]／[[【後半】&gt;ウルトラ5番目の使い魔-99b]]

　
　第二部
[[新、第1話　ルイズの帰郷　（前編）   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-01]]
[[第2話　ルイズの帰郷　（後編）   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-02]]
[[第3話　タバサの冒険　群青の狩人姫　（前編）   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-03]]
[[第4話　タバサの冒険　群青の狩人姫　（中編）   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-04]]
[[第5話　タバサの冒険　群青の狩人姫　（後編）   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-05]]
[[第6話　波乱の二学期、やってきた新人先生たち   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-06]]
[[第7話　がんばれ！未来の三ツ星シェフ　（前編）   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-07]]
[[第8話　がんばれ！未来の三ツ星シェフ　（後編）   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-08]]
[[第9話　イザベラのリュティス探索記！   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-09]]
[[第10話　小さなイザベラの大冒険！   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-10]]
[[第11話　泥まみれの勇気   &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-11]]
[[第12話　過去の光、未来の光  &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-12]]
[[第13話　涙雨の日  &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-13]]
[[第14話　傷の記憶  &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-14]]
[[第15話　悪夢との決闘  &gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-15]]
[[第16話　奇跡の星、ウルトラの星&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-16]]
[[第17話　邪悪へのレクイエム&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-17]]
[[第18話　長い雨のやむ日&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-18]]
[[第19話　混戦始末記、おいでませ魅惑の妖精亭！&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-19]]
[[第20話　ウルトラ大相撲！　百番勝負&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-20]]
[[第21話　カトレアの怪獣ランド&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-21]]
[[第22話　ものいわぬ友だち&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-22]]
[[第23話　ミス・エレオノールの多忙なる日常&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-23]]
[[第24話　地底の秘密書庫&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-24]]
[[第25話　愚か者の勇者&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-25]]
[[第26話　群青の湖の悪魔と伝説&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-26]]
[[第27話　魅惑の妖精亭は今日も繁盛！&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-27]]
[[第28話　東方よりの客人&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-28]]
[[第29話　嵐の前夜祭&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-29]]
[[第30話　封じられたウルトラタッチ&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-30]]
[[第31話　伝説の力&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-31]]
[[第32話　伝説を受け継いだルイズ&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-32]]
[[第33話　灼熱の挑戦&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-33]]
[[第34話　最終戦争の一端&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-34]]
[[第35話　激震！二大怪獣&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-35]]
[[第36話　星の守護者&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-36]]
[[第37話　三大怪獣、トリスタニア最大の決戦&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-37]]
[[第38話　シルフィだって怪獣は退治できるのね！　（前編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-38]]
[[第39話　シルフィだって怪獣は退治できるのね！　（後編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-39]]
[[第40話　ふたつめの虚無&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-40]]
[[第41話　奪われた虚無&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-41]]
[[第42話　囚われのティファニア&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-42]]
[[第43話　ハルケギニアの果てへ&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-43]]
[[第44話　大切なもののために&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-44]]
[[第45話　母のために、娘のために&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-45]]
[[第46話　揺るがぬ意志との戦い&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-46]]
[[第47話　進化の道筋&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-47]]
[[第48話　さらば、古の古戦場よ&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-48]]
[[第49話　堕ちた聖地&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-49]]
[[第50話　退場者と入場者&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-50]]
[[第51話　タバサの最後の冒険・ジョゼフからの挑戦状&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-51]]
[[第52話　優しすぎる悪夢&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-52]]
[[第53話　悪夢を越えたその先に……&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-53]]
[[第54話　共鳴する悪の波動&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-54]]
[[第55話　撃滅！　怪獣軍団&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-55]]
[[第56話　打ち砕かれた架け橋&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-56]]
[[第57話　闇に打ち勝つ選択&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-57]]
[[第58話　ぬくもりは、あの人のそばに&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-58]]
[[第59話　聖者と死神のはざまに&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-59]]
[[第60話　決着の必殺剣&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-60]]
[[第61話　未知なる世界の空を目指して&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-61]]
[[第62話　新造探検船オストラント号&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-62]]
[[第63話　鋼鉄の亡霊&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-63]]
[[第64話　激突！　東方号ｖｓ戦艦大和　（前編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-64]]
[[第65話　激突！　東方号ｖｓ戦艦大和　（後編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-65]]
[[第66話　東方号再建計画発動&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-66]]
[[第67話　眠れる大戦艦&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-67]]
[[第68話　不思議な風来坊&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-68]]
[[第69話　東方号爆破指令&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-69]]
[[第70話　プライド・オブ・レディース　（前編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-70]]
[[第71話　プライド・オブ・レディース　（後編）&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-71]]
[[第72話　東方号完成、三日前&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-72]]
[[第73話　悪魔に魅入られた姉妹&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-73]]
[[第74話　あの星空に願いよとどけ&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-74]]
[[第75話　人の闇　ヤプールの哄笑&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-75]]
[[第76話　アシタにサヨナラ&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-76]]
[[第77話　ウルトラマンの背負うもの&gt;ウルトラ5番目の使い魔、第二部-77]]
　

ウルトラマンＡについて

|名前|ウルトラマンＡ (エース)|
|身長|40メートル|
|体重|4万5千トン|
|年齢|1万5千歳|
|飛行速度|マッハ20|
|変身アイテム|ウルトラリング|
|得意技|メタリウム光線&amp;br()ウルトラギロチン他|
 
ウルトラ兄弟5番目の弟でウルトラの父の養子
初めて地球に来たときは西暦1972年、異次元人ヤプールの侵略を阻むために銀河連邦から派遣されてきた
地球での姿は北斗星司と南夕子、後に北斗星司一人で変身するようになった
現在では北斗とエースの意思は同一化している
西暦2007年に兄弟達と共にエンペラ星人と戦った後に光の国に帰還した
光線技、超能力の豊富さでは全ウルトラ戦士随一であり、技のエースの異名を持つ
----    </description>
    <dc:date>2012-02-14T22:34:51+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8720.html">
    <title>ウルトラ5番目の使い魔、第二部-77</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8720.html</link>
    <description>
      #navi(ウルトラ5番目の使い魔)

　第七十七話
　ウルトラマンの背負うもの
　
　くの一超獣　ユニタング　登場！
　
　
「ねえ、神さまっているのかな？」
「なあに、シーコったら突然？」
「えへへ、ちょっと昔を思い出しちゃったの。お父さまたちが生きてたころは、降臨祭のときにみんなそろってお祈りしてたじゃない……」
「ええ、あのころはみんな幸せだったね……」
「うん、戻れるものなら戻りたいね。そういえばさ、シーコは去年はなんてお祈りしたの？」
「みんなとずーっと、いつまでもいっしょにいられるようにって。だってさ、神さまって正しい人の味方なんでしょ？　姉さんたちは
みんなすごく優しいから、不幸になることなんて絶対ないって。だからみんないっしょにいれたら、それが一番幸せなんだと思って……
へへ……お願い、かなっちゃったね」
「そうね……でも、かなえてくれたのは神さまじゃないわよね。わたしたちみんな、悪い子になっちゃったんだもの……」
「なにがいけなかったんだろうね。神さまは、わたしたちのことが嫌いなのかな……」
「ほんと、シーコみたいにいい子のこと忘れちゃうなんて、ひどいやつだよ。けどもういいじゃない……いろいろあったけど、こうして
もう一度セトラ姉さんもエフィ姉さんも、キュメイラ姉さんもディアンナ姉さんもイーリヤ姉さんともいっしょにいれるようになったんだし」
「こらビーコ、ユウリにティーナのこともちゃんと数に入れてあげなさいよ」
「エーコこそ、そのふたりに限って姉さんとつけないんだからいっしょだよ……ふわぁ……どうしたんだろ、急に眠くなってきちゃった」
「わたしも、なんか眠いよ」
「しょうがない子たちね。わかったわ、あとで起こしてあげるからしばらくお眠りなさい」
「もう、エーコは相変わらずシーコには甘いんだから。けど、目が覚めたらお父さまとお母さまにまた会えるような気がするよ……」
「ええ、わたしも……」
「おやすみ、みんな……」

「いつまでも、いっしょだよ……」
　
　闇に食われた魂たちが眠りに落ちるとき、悲劇の凶獣はその本性を表す。
　鋭い牙の生えそろった口で空高く吼え、人間の作り出した建物を踏み壊して暴れまわる様はまさしく悪魔の使いにふさわしい。
　悪魔の誘惑に乗って、魂を売り渡した人間の末路……それは自らもまた悪魔となること。
　そして、身も心も闇に染まった魂が救われることは、もはやない。
　
　東方号の完成まで、あと数時間と迫った造船所。この世界を覆う暗雲を晴らすべく、人間たちが心血を注ぎ込んで作り上げた
希望の飛翔を妨害せんものと、ヤプールはくの一超獣ユニタングを送り込んできた。
　倉庫街に四度出現し、再び暴れ始める超獣を迎え撃たんと、ウルトラマンＡも姿を現した。
　しかしこの戦いが、光の戦士とともに戦う才人とルイズにとって大きな試練になろうとは、このときの彼らはしるよしもない。
「ヘヤァ！」
　戦闘態勢をとり、油断なく敵を見据えるエースに一寸の隙もない。鋭い眼差しは戦闘開始の咆哮をあげるユニタングの
一挙一投足を余さず睨み、燃える闘志は三人分が全開でたぎる。
〔サイト、東方号が飛び立てるようになるまで、あとどれくらい必要？〕
〔あと少なくとも二時間はいるってさ。できたばっかりの水蒸気機関をあっためるにも時間はいるし、実際はさらに時間かかるだろって
コルベール先生は言ってたぜ〕
〔はぁん、機械ってのはいろいろめんどうなのね。てことは、時間稼ぎじゃ生ぬるいわね。散々引っ張りまわされた分、利子つけて
お返ししてあげましょうか！〕
〔ああ、十倍返しでいこうぜ！〕
〔ふたりとも燃えているな。ようし、ならば私も負けてはいられないな。いくぞ！　勝負だ！〕
　ユニタングが倉庫の残骸を蹴り倒したのを合図として、戦いの火蓋は切って落とされた。
　ウルトラ兄弟の中でも、常に前に進むタイプの戦い方を得意とするエースの戦法は先手必勝あるのみだ。両者の間合いが
一気に詰まると、すれ違いざまにエースの手刀がユニタングの胸に火花を散らせる。
「トァッ！」
　第一撃の手ごたえ、あり。手刀が肉に食い込んで、エネルギーがほとばしる感触は確かに得た。
　だが、この程度で倒せるような相手ではないことはわかっている。実際、ユニタングはたいしたダメージを受けたようには見えず、
今度は向こうからユニコーンのような一本角を振りかざして襲ってくる。だが、真っ向きって受け止めるのは馬鹿のやることだ。
〔なんのっ！〕
　寸前まで引きつけてかわしたエースは、ユニタングの背中を思い切り蹴っ飛ばした。たまらず、勢い余ったのも含めて別の
廃倉庫に頭から突っ込んでいく。たちまち三件ほどの廃倉庫が崩れ落ち、近場に合った給水塔跡や見張り小屋などもあおりを
食って、ガラガラと音を立てて崩れていった。
〔しまった、少しやりすぎたか〕
　エース・北斗が、百メートル四方が一気に壊滅してしまった様にまずそうに言った。怪獣との戦いで、街にある程度の被害が
出てしまうのはやむを得ないが、町への被害は最低限に抑えるのが基本である。メビウスは最初、ディノゾールとの戦いで
これを知らなかったために街の一角を壊滅状態にしてしまい、当時隊員だったアイハラ・リュウに怒鳴られてしまったことがある。
　けれども、ここでの戦いなら問題ないとルイズは言った。
〔気にしなくていいわ。どうせこのあたりはいずれ取り壊す予定だって聞いたから、むしろ手間がはぶけるってものよ。だから
遠慮なく、あいつをぶっ飛ばしちゃってちょうだい！〕
〔そうか、そういうことなら本気を出していいな！〕
　エースは、血気盛んなＴＡＣ隊員北斗星司だったころに戻ったように言った。好戦的、といえば少し違うだろうが、ウルトラ兄弟の
中で誰が一番血の気が多いかと問われれば、まずエースが選ばれるのは間違いない。
　ゾフィー・マン・セブンは生真面目な理性派だし、若い頃は無謀さが目立ったタロウやレオも現在では教官を務めるほどに
落ち着いており、教職にあった80は言うに及ばず、ジャックも自らの心の隙を突かれた経験を多く持つせいか猪突はしなくなっている。
　が、中で例外的に若い頃とたいして変わっていないのがエースである。考えるよりも先に手が動き、感情が隠れず表に出る。
タロウが地球で戦っていたころも、メビウスのころも弟がピンチになると真っ先に飛び出したがったのはエースだった。恐らくは、
エースと同化した北斗の元々の性格が強く影響したのだろうが、それであるがゆえに才人やルイズとの相性はよく、シンクロの
度合いは人間とウルトラマンが同化した中ではトップクラスだろう。
　
「トォーッ！」
　
　ユニタングの角からの緑色破壊閃光をかわしてエースが跳んだ。跳躍五百メートル、太陽を背にして空中できりもみ回転
しながら落ちてきたエースは、ほとんど直角からユニタングの後頭部に急降下キックをお見舞いする。
〔どうだっ！〕
　重量物が超高速で激突したときに起こる爆発音にも似た衝撃波が空気を揺るがし、超獣にそのぶんの打撃を与えた。
　前のめりにのけぞって苦しむユニタング。が、超獣の強靭な生命力は人間であれば頚椎粉砕するほどの衝撃にも耐えて、
なおも十分以上の余力を持って反撃に出てくる。
　刃物になった腕に鋭い牙に角、肉体そのものが武器である超獣をエースは素手で迎え撃つ。
「テヤァァッ！」
　パワーにまかせたユニタングの攻撃をさばき技で威力を殺して受け流し、中段キック、頭部へのチョップ打ち下ろし、すばやく
腰を落としての下段キックの三連コンボが炸裂する。だがユニタングはそれにも耐えて、エースへと執念じみた執拗な攻撃を
仕掛けてくる。
〔ヤプールの怨念のなせるわざということか、しかし私も負けるわけにはいかない！〕
　生き物という枠に入る『怪獣』ならば、まだ生きるために暴れていると認められる点もあるが、悪意によって動いている『超獣」は
なにがあっても絶対に認めるわけにはいかない。エースとユニタングの、息もつかせぬ攻防は続く。
　しかし、戦いの流れは目に見えてエースに傾いていった。ユニタングも弱い超獣ではなく、この個体も対エース用に先代の
個体よりも攻撃力が引き上げられているのに、なぜかというと。
〔お前の攻撃方法はみんな予習済みなんだよ！〕
　才人が得意げに言ったのには訳がある。昨日、それにおとといと続いたユニタングの出現に、才人は戦うことになったらなにが
なんでも逃がすまいと、ＧＵＹＳメモリーディスプレイを使ってユニタングのデータを徹底的に暗記してきた。さっきの破壊閃光を
エースが簡単に避けられたのも、実は直前に才人がアドバイスしたからなのだ。
　今では以前に直接戦ったエース本人よりもユニタングに詳しいだろう。まったく、地球にいたころにその勉強熱心さの半分でも
あれば優等生になれたに違いないが、そのおかげで得た才人の自信と情報アドバンテージは確かだ。ウルトラマンを倒そうと
狙う宇宙人も、強豪と呼ばれる一団の大半は事前にウルトラマンの戦法や能力を徹底的にリサーチしたものばかり、ならば、
その理屈がウルトラマンにも適用されないはずはない。
　攻撃を一方的に受け続けて、かつ自分の攻撃はことごとく外されたユニタングは怒って、めちゃめちゃに手足を振り回しながら
向かってくるが、そうなればかえってエースの思う壺なのはいうまでもない。エースも足場が壊れることを気にする必要が
ないので、好きなように身をかわすことができ、むろんユニタングの得意技に対しても構えはできている。
　業を煮やしたユニタングの、鋭いハサミになった手からの白い糸攻撃。忍者漫画で言うのならば、忍法蜘蛛の巣とでも
名づけられるべきかもしれないそれがエースをからめとろうとしてくる。
「セヤアッ！」
　掛け声とともにエースは側転して糸攻撃をかわした。しかし、外れた糸が当たった廃倉庫は、糸の強烈な粘着質とユニタングの
怪力によって持ち上げられ、分銅のようにエースに襲い掛かってくる。
〔エース、危ない〕
〔大丈夫だ！〕
　才人の叫びに応えて、エースは飛んでくる倉庫をパンチで破壊すると、ユニタングの糸を逆に掴み取った。そしてそのまま
深く足をふんばり、漁師が地引網を引くときのように力を込めた。
〔いくぞ、力比べだ！〕
　ユニタングもエースの意図を悟って、雄たけびをあげて糸を引っ張り返す。ここに、超獣とウルトラマンの巨大な綱引きが
スタートし、両者は相手を力の限りを尽くして引っ張り合った。
「ヌオォォッ！」
　マンモスタンカーを軽々持ち上げるエースの筋肉が猛り、ユニタングもパワーを全開にして張り合う。
　ギリギリと、糸の張力を限界まで使った綱引きは、互いに譲らず互角の様相を見せている。そんな力と力の純粋な勝負に、
両者の足元の石畳の道は砕け散り、空からは駆けつけてきた竜騎士たちが歓声を送った。
「がんばれウルトラマン」
「腰を入れろ！　引き倒せぇ！」
　その応援が、拮抗していた両者のバランスを突き崩した。
「トァァッ！」
　一瞬、大きくパワーを増したエースの引き倒しが見事に炸裂した。ユニタングは正面から倒されて廃倉庫を押しつぶし、
連鎖して崩れてきた瓦礫を全身に受けてもだえている。
　やった！　すごいぞと歓声があがった。ウルトラマンは光の使者、その力の源は太陽の光のみならず、人々の心の光に
よるところが極めて大なのである。
　そう、闇は常に孤独だけれども、光あるところには人は自分以外の誰かを見出すことができる。応援してくれる人々の声の
ひとつひとつは小さなものであっても、重なり共鳴すればそれは大きなパワーとなって大歓声へと進化するのだ。
　攻めるのはいまだ！　エースは起き上がろうとしているユニタングに駆け寄って蹴り飛ばすと、うつぶせに倒れたユニタングの
背中に馬乗りになり、頭をつかむと地面に何度もぶっつけてやった。
「テヤァッ！　トアッ！」
　組み合った状態からの連続攻撃もエースの得意技のうちだ。特に頭への攻撃はどんな相手にも有効な打撃となりえる。
　ユニタングは額から何度も石畳にぶつけられてふらふらだ。やっとエースを振り払って起き上がったかと思ったが、自慢の
一本角はふらふらと揺らめいていてたよりない。
　そこへエースは間髪いれずに追撃の光線を叩き込んだ！
『パンチレーザー・断続光線タイプ！』
　額のウルトラスターから放たれる青色光線パンチレーザー、そのエネルギーを機関砲のような弾丸に変えた光線が
ユニタングに命中して爆発、巨体を弾き飛ばす。
〔ようし、効いてるぞ！〕
　通常はけん制程度の威力しか持たない光線でも、相手の弱点をついたり状態を見極めて使えば威力以上の効果を
発揮することもできる。かつて初代ベロクロンの口を狙って放ったパンチレーザーが、口内のミサイル発射機を爆発させて、
さらに体内の高圧電気袋にも大ダメージを与えて戦闘の決定打になったときがそれに当たる。
　今回も、ユニタングは万全ならば平気で耐えられただろうが、すでにダメージを負って防御力が弱っていたのが痛手になった。
人間も気力が充実しているときと意気消沈しているときとでは、同じように殴られても痛さが違うのと理屈はいっしょだ。
〔今がチャンスだ、たたみかけるぞ！〕
〔おう！〕
〔ええ！〕
　エースの合図に従って、才人とルイズも気合を入れる。三人分の闘志が最大限に共鳴したウルトラマンＡはまさに、
天下無敵の力を発揮した。
「トァァッ！」
　走り寄ってのジャンプキックがよろめかせ、ミドルキックが超獣の胴を打ち、無理やり引き起こしたところで投げ飛ばす！
　至近距離での格闘戦では、ひじうち、膝蹴り、正拳突き！
　ダメージは一方的にユニタングに蓄積し、対してエースのカラータイマーはまだ青のまま。
　これまでのハルケギニアの戦いで、ここまで圧倒的な戦いに持ち込めたことはなかった。事前の情報とそれに対する
備えの万全さが最高のコンディションを生み、本来互角であるべき戦いのてんびんを大きく傾けている。
　この好機を逃してはならない！　エースは一気に決着をつけるべく、体を大きくひねって必殺光線の態勢に入った。
　
〔くらえ！　メタリウム！〕
　
　だが、まさにそのときだった。
　
「待って！　その超獣はエーコたちなの！　殺さないで！」
　
　突然響いた悲痛な声に、メタリウム光線をまさに発射しようとしていたエースは感電したかのように動きを止めた。
〔な、なんだって!?〕
〔今の声は……あの子〕
　声のした方向をエースの視線を借りて見たルイズは、ボロボロのなりをしたベアトリスが祈るようにエースを見上げているのを見た。
　彼女の顔は泥で汚れ、ルイズから見ても美しかった髪は黒く焼け焦げている。それにミシェルのマントを外套のように体に
巻いており、一見してただごとではないことはわかった。
　エースはユニタングへの攻撃をやめて、じっとベアトリスを見下ろした。ベアトリスはエースの視線が自分を向いていることに
びくりとしたが、おびえる彼女をミシェルがはげました。
「大丈夫、思い切って全部話して。ウルトラマンは、きっと聞き届けてくれるでしょう」
「うん……お願い、聞いてウルトラマン！　その、その超獣はエーコにビーコにシーコ、わたしの友達たちなの！　みんな、
元々はただの人間なのに、あんな、あんな姿に……わたし、もうどうしていいのかわからなくて、お願い、彼女たちを殺さないで！　
助けて、あげて……」
　それ以上はもう言葉にならなかった。ただでさえ折れそうな心を必死に奮い立たせて叫んだのだろう。大粒の涙を流して
ミシェルの胸に顔をうずめてしまい、後は糸が切れたように泣き続けた。
　しかし、勇気と気力を振り絞ったベアトリスの叫びは、確かにエースの心に響いていた。詳しい事情は今の話だけでは
わからないが、あの涙を信じられないようではウルトラマンとして失格だ。才人とルイズも、さして関わりが深いというわけではなくとも、
ベアトリスが涙をだしにした嘘をつくような下劣な人間ではないと信じている。
　心を落ち着けて立ったウルトラマンＡの目が光る。彼女の言葉を信じ、とどめを刺す機会を自然と棒に振って透視能力を使い、
ユニタングの体内を見通した。
　すると、どうか！
〔くっ、なんてことだ！　あの超獣の体内には、大勢の人間の魂が閉じ込められている〕
　エースは、目に映った光景のあまりの凄惨さに抑えきれない憤りを交えた声で言った。ユニタングの体内には、まるで幽閉か
人質のような形で魂が封じ込められている。もしも、さっきあのままメタリウム光線を放っていたら、あの魂たちも巻き込んで
粉々にしていたところだった。
　もちろん、驚いたのは才人とルイズも同じである。
〔な、ふざけんなよ！　おれたちは危うく人間を殺しちまうとこだったのか！〕
〔エーコたちって、確かベアトリスの側近の三人のことよね。でもまさか、人間が超獣になるなんて、そんなことがありえるの？」
〔少数だが、ある。くそっ、ひでえことをしやがるっ！〕
　人間が超獣化した例は、牛の怨霊に取り付かれた男が変貌した牛神超獣カウラや、地球人ではないが乙女座の精が
異次元エネルギーで変異させられた天女超獣アプラサール、なりかけらされた例としてはマザロン人の差し金で妖女に
変貌していた妊婦のことがあげられる。
　今回のことはそれらの例の中ではカウラに近いが、変貌させられたのが複数で合体変身していることと、超獣化の後は
魂が気球船超獣バッドバアロンに捕食された魂のように体内に閉じ込められている点で違う。しかも、魂の様子を観察すると、
単に体内に閉じ込められているどころではないことが才人とルイズにもわかってきた。
〔これは、魂がマイナスエネルギーの鎖でがんじがらめにされてやがる〕
〔ヤプールがいかに人間を信用してないかって、いい証明ね。この子たち……エレオノール姉さまやちぃ姉さまくらいの人もいる。
みんな無理矢理眠らされて、ひどい〕
〔どんな理由があってヤプールと取引したかは知らないが、これじゃあんまりだ〕
　くもの巣にかかった羽虫も同然に拘束されている魂の姿に、才人とルイズは心の底から憤った。が、今の才人たちは
悪の所業を他人事として見て傍観してすますような無責任な子供ではない。
〔なるほどな。ユニタングは、十人の人間に分離変身できる超獣だったはず。けど、今回は十人の人間が融合合体してるってことか〕
　ある意味では才人とルイズが合体変身するエースと同じということかと才人は思った。つまり、かつてのユニタングとは性質を
正反対にしてきたということになる。
　しかし、大事なのはそんなことではない。ユニタングが体内に人間の魂を宿しているということはすなわち、エースが絶対不利に
陥ってしまったことを意味していた。
　態勢を立て直し、逆襲に転じてきたユニタングの攻撃がエースを襲う。なぎなたのようにふるわれるユニタングの腕、だがエースは
避ける事は出来ても反撃することはできない。そして追い込まれたエースに、ついにユニタングの攻撃がヒットしてしまった。
「グッヌォォッ！」
　顔面を強打され、よろめいたエースをユニタングは押し倒して乱打する。マウントポジションをとられ、防御もままならない
エースに、容赦ないユニタングの攻撃は続く。そのあまりに野蛮で暴力的な攻撃ぶりに、ミシェルやサリュアは〔ほんとうにこいつは、
元は人間なの!?〕と思い、苦悶の声を漏らすエースにベアトリスも思わず叫んだ。
「やめて！　やめてエーコ、ビーコ！　あなたたちはそんなことをする人間じゃないでしょ。止まって！　わたしの話を聞いて！」
　いくら超獣に変えられてしまったとはいえ、元がエーコたちならとベアトリスは呼びかけた。
　だが、必死の叫びにも関わらず、ユニタングはぴくりとも反応しなかった。
「どうして！　なんで答えてくれないの。わたしを憎んでたんでしょう！　どうして」
「恐らく、ウルトラマンの姿を見たら人間の魂は封印されるように仕掛けられてたんだろう。卑劣なヤプールのことだ、人間を
信用せずにそれくらいの仕掛けをしていてもおかしくはない！」
　悲嘆にくれるベアトリスの肩を抱きながらミシェルは吐き捨てた。かつて二度に渡ってヤプールと直接対峙したときの、
あの人間を見下しきった気配は忘れようとしても忘れられるものではない。エーコたちにも、利用する目的で近づいたのだろうが、
やはりただで人間に力を貸すわけがなかったか。
「それじゃあ、もうどんなに呼んでもエーコたちにはとどかないってことなの？」
「ええ、それに奴は侵略よりもウルトラマンＡへの復讐を主眼にして行動しているふしがある。十人もの人間を改造したのも、
侵略作戦よりもいざというときにエースへの人質として使えると思ったからだろうな」
　ミシェルの推測はほぼ当たっていた。ヤプールは、姉妹の復讐のためと銘打って彼女たちに超獣の力を与えて、その代わりに
侵略の尖兵として動くことを強いていたが、ウルトラマンＡが現れたときだけは人間の意識を消し去って凶暴な戦闘獣に
なるようにとセットしていたのだ。
　理由は、むろんヤプールのエースへの恨みの深さが第一である。ヤプールは人類以上の高等知的生命体であるが、
マイナスエネルギーの集合体であるがゆえに感情の激するところは人間の何倍も大きい。知性と野心では侵略を望んでも、
それ以上に深いのが復讐心だ。
　だがむろん、悪辣なヤプールの考えはそれだけではない。知性を奪ったのは、元が人間であるがゆえにウルトラマンＡと
対峙することになったらおじけずくかもしれないことと、万一にも寝返ることを避けるためだ。むろん、最大の利点は人間であれば
人質として使えるからに他ならない。
〔うかつに攻撃したら、中の魂までもが巻き添えになる。しかも、肉体ごと変わっているから魂だけ取り出すこともできないっ！〕
　エースはユニタングの攻撃を耐えながら苦悶していた。かつて、超獣バッドバアロンやギーゴンに閉じ込められた魂を
解放したときには、元の肉体が存在していたから魂は帰ることができた。しかし今回は人間そのものが超獣に変えられて
しまっているために倒すわけにはいかない。
「ヘヤアッ！」
　なんとかユニタングを押しのけてエースは立ち上がった。しかし、受けたダメージは思いのほか大きく肩で息をしている。
　しかも、カラータイマーも点滅をはじめて、悩んでいる時間もないことを示している。
　どうすればいい？　どうすれば！
　雄たけびをあげるユニタングと泣きじゃくるベアトリス。勝とうと思えばすぐにでも勝てるが、両者がエースに必殺技を
撃たせることをためらわせている。
　そのとき、悩むエースと才人にルイズが毅然とした声で言った。
〔迷うことはないわ、とどめを刺しましょう〕
〔ルイズくん？〕
〔ルイズ！　お前、何を言い出すんだよ！〕
　思いもかけないことを言い出したルイズに、エースはもとより才人は大きく反発した。相手は元々人間だぞ、言うまでもない
ことが口に出掛かるが、それは冷静を超えて冷酷とさえ言えるルイズの言葉にさえぎられた。
〔落ち着いて考えなさい。今この状況で超獣にされてしまった人間を元に戻す手段があるっていうの？　ヤプールがそんなに
甘い相手じゃないってことはよくわかってるじゃない。ここでわたしたちが敗れたら、東方号は確実に破壊されるわ。そうしたら、
サハラに行くことも不可能になって、ハルケギニアの滅亡につながるのがわからないの〕
〔うっ、でも相手は人間だぞ！〕
〔今はもう悪魔の手先よ。わたしだって、エーコたちのことは少しは知ってる。ベアトリスの様子を見れば、あの子がどれだけ
彼女たちを大切に思っていたかもわかる。だからこそ、これ以上苦しまないようにしてあげるべきじゃないの〕
〔うっ、けどな……〕
　ルイズの言うことが正論だということは才人にもわかった。しかし、それでも納得できずにいる才人にルイズは怒鳴った。
〔いいかげんにしなさい！　わたしたちがどれだけ重いものを背負ってるか忘れたの？　わたしだって、できるものなら
助けてあげたいわ。けど、あの子たちのために世界を滅ぼすわけにはいかない。誰かがやらなきゃいけないなら、その苦しみを
受けるのはわたしたちであるべき。悪魔と戦うっていうのは、そういうものじゃないの！〕
　ルイズの気迫に才人は圧倒された。同時にルイズが大きな苦渋に耐えていることも伝わってきた。
　なにかを守るためには、ほかのなにかを犠牲にしなければいけないこともある。ベアトリスをこれ以上苦しめないためにも、
エーコたちがこれ以上罪を重ねないためにも、死なせて解放させてやろう。そのための苦しみを受ける覚悟、才人はルイズに
強い正義の信念を見た。
　だが。
〔だめだ、おれには殺せねえ〕
〔サイト！　あなたまだ強情をはるの！　それでも〕
〔ふざけんじゃねえ！〕
〔なっ!?〕
　それまで耐えてきた才人の放った突然の怒号は、決意を固めていたルイズをも圧倒した。
〔ああ、お前の言ってることは正論だろうよ。だがな、『悲しいけど覚悟して死なせて、仕方がなかったんだごめんなさい』なんて、
そんなのきれいにまとまってるだけでただの尻尾切りじゃねえか！　切られたほうは何も救われねえだろうが〕
〔っく！　理想論を語ってるんじゃないわよ。それができればどれほどいいか！　でも、可能性は限りなくゼロ、現実を見なさいよ〕
〔現実か、そんなもの言われなくても誰にだって見えるさ。ウルトラマンは神じゃない、届かない願いもあれば救えない命もある。
確かにそのとおりだと思うし、ましてやおれみたいなバカにゃ方法は思いつかねえ……だけどな〕
　才人はそこで一度言葉を切り、そして魂の全力を込めたような叫びを放った。
　
〔たとえ可能性がゼロでも！　百人が百人とも見放しても！　それでも助けを求める人がいるなら手を差し伸べるのがヒーローだ！　
ヒーローってのは悪人を倒すやつのことじゃねえ、悪人から弱い人を守るやつのことを言うんだ！　ヤプールに騙されてたってなら、
張り倒してでも目を覚まさせて連れ帰す。それができなきゃ、ただの殺し屋となにが違うってんだよ！〕
　
　才人の気迫はルイズに震えすら感じさせるものだった。才人にも、ルイズの正義の信念と真っ向からぶつかっても譲れない
思いがある。
　ルイズは、なにを夢みたいなことをと怒鳴ろうとしたが、それをエースに止められた。
〔そうだな、才人くんの言うとおりだ。人を救うことを、あきらめちゃいけない〕
〔エース！　あなたまでなにを〕
〔ルイズくん、君の言うことは正しい。しかし、人の命はそれ以上にかけがえのないものだ。思い出させられたよ、力は誰かを
助けるために使ってこそ意味がある。ウルトラマンの本分は、助けを求める人を決して見捨てないことにあるんだ！〕
　エース・北斗の胸中には、故郷M78星雲光の国のウルトラ兄弟の姿が浮かんでいた。
　何千、何百年の時を超えて宇宙の平和のために戦い続けてきた宇宙警備隊、彼らを支えていたのは守るべき人々の幸福な笑顔。
背中に子供が花を摘んで遊んでいられる世界があったからこそ、ウルトラマンたちはどんな苦しい戦いにも望んでいけたのだ。
　それをあきらめて妥協したりしたら、ウルトラの父に雷を落とされてしまうだろう。
〔でも！　実際に元に戻す手段はないのよ。どうするのよ？〕
〔いや、才人くんの言葉で気がついた。ひとつだけ可能性がある〕
〔えっ！〕
　エースは暴れるユニタングの、その体内に幽閉されている魂を指して言った。
〔あの超獣が、人間が変身してしまったというなら、肉体は変わってしまっても彼女たちのもののはずだ。だったら、彼女たちの
意識を目覚めさせたら、肉体の主導権が戻るかもしれない〕
〔なるほど！　テレパシーで呼びかけるってわけですね〕
〔そうだ、外側から助けることはできなくとも、内側からならあるいは。だが、この方法は大きな危険もともなう。くっ！〕
　身をかわしたエースのそばをユニタングの放った糸の束が通り過ぎていく。それだけではなく、接近打撃戦を挑んできた
ユニタングを受け止めて、防戦をはじめながらエースは告げた。
〔超獣め、心はなくとも本能で向かってくる。これの相手をしながらテレパシーを使うのは骨だぞ〕
〔ええっ！　じゃ、どうすれば〕
〔なにを驚いてるんだ、人を助けるっていうのは簡単じゃあないってことは君もよくわかっているだろう？　悪いが、テレパシーに
意識を向ける余裕は私にはない。代わりに、君たちが使うんだ〕
〔おれたちが、ですか？〕
〔そうだ、使い方は私の記憶を通じてすぐにでも知ることが出来る。ただし、集中を欠いたら通じない上に精神力を一気に
削られてしまうから気をつけろ。超獣は俺がなんとしてでも抑え込んでおく！　頼んだぞ！〕
　エースはそう告げると、本能のままに襲い掛かってくるユニタングを迎え撃ちに意識を集中させていった。一人称が
俺に変わっているのは北斗星司の意識が強くなっているからか、下手に傷つけるわけにはいかないので、力を加減して
かつ自分のエネルギーを少しでも節約しながら戦うのは相当に集中力をようする。これからエースに才人とルイズを支援する
余裕はないといっていい。
　しかし、意気はあっても考えは追いつかない才人がとまどっていると、ルイズが一喝した。
〔しっかりしなさいサイト！　あの子たちを助けるって言ったのはあんたでしょう。もたついている時間なんて一秒だってないはずよ！　
わたしもやるから、ぼやっとしてないでしゃんとしなさい！〕
〔ルイズ、お前反対してたんじゃ……？〕
〔あんた、わたしを血も涙もない鬼みたいに思ってるんじゃないでしょうね。わたしだって、誰かの泣き顔を見るのはだいっ嫌いなのよ！　
人の命にかえられるものはないんでしょう。なら、ぐずぐずしない！〕
〔ルイズ……ああ！〕
　才人はルイズの迷いのない言葉に目が覚めたように思えた。さっきは怒鳴ったのが恥ずかしい、ルイズにも人を助けられるなら
迷わず危地に飛び込む熱い魂が宿っていた。
　ウルトラマンＡは突進を繰り返してくるユニタングを抑え、牽制しながら時間を稼いでいる。しかし、カラータイマーが鳴り出した
以上は長くは持たないのは明白であった。
　エースが必死につなげてくれているチャンスを無駄にするわけにはいかない。テレパシーを使ってエーコたちの意識を呼び戻し、
ユニタングを自分自身の意思で人間体に戻らせる。だが、ヤプールによって人間の盾となるべくユニタングの中に幽閉されている魂は、
簡単に目覚めさせられるものではないだろう。
〔ルイズ、やるか？〕
〔待って、このまま呼びかけても、あの闇の力の封印力は強すぎるわ。赤の他人のわたしたちの声じゃあ、心の底までは届かないかも〕
〔……だったら〕
〔ええ、方法はひとつしかないわ〕
　才人とルイズは自分たちの力でできる唯一の道に、すべてを懸ける決意をした。それは、ふたりの精神エネルギーを一気に
すり減らしかねない危険なものであったが、迷いはなかった。
　ふたりが思いついた、いちかばちかの唯一の可能性。それを明かしたとき、ふたりを激励したエースでさえ一瞬動揺を
見せたが、それしかとるべき道はないことはすぐに理解した。
〔わかった。しかし、テレパシー能力をそんな使い方をした前例はほとんどない。ましてや、君たちは私の代役で能力を
制御するのだから結果はどうなるか完全に未知数だ。下手をすれば、三人とも致命的なダメージを受けることにもなるぞ〕
〔かまわないわ、後でああしておけばよかったって一生後悔し続けるよりは万倍もましよ。決めたからには、なにがなんでも
あの子たちを助ける。ラ・ヴァリエールに二言はないわ！〕
　自らが傷つくことなどはまったく念頭にないルイズの叫びに、エースは感心し、才人は頼もしさを覚えた。
　突進してくるユニタングを弾き飛ばし、エースは両腕を素早く回転させてから体の前でクロスし、腕全体から強烈な発光を放った。
『ストップフラッシュ！』
　閃光状の活動停止光線を受けて、ユニタングの動きが凍りついたように止まる。これで、わずかな時間ではあるがユニタングの
動きは封じられた。そしてそれを維持するため、エースは気合を振り絞って念を飛ばした。
『ウルトラ念力！』
　敵の体を念力で縛って行動を封じるこの力、これならば力の続く限りユニタングの動きを封じ続けることができる。ただし、
膨大な集中力をようするウルトラ念力を使い続けるためには、ウルトラマンＡはその間まったく身動きすることさえできなくなる。
残り少ないエネルギーを使っての足止め、チャンスは今しかない。
　意識を集中し、才人とルイズは脳波のベクトルを自分たちを中心にしたものから、自分たちを中継地点にしてテレパシーを別の
場所へと飛ばす。その流れに乗って、エースは自らの思念をルイズたちの示した相手へと送った……
〔ベアトリス……ベアトリスくん……〕
「えっ！　だ、誰？　今わたしを呼んだのは」
「姫殿下？　誰と話しているのです」
〔すまないが、説明している時間がない。君の友達を助けるのに君の力が必要だ、目をつぶって気持ちを落ち着けてくれ〕
「エーコたちを！……わかったわ」
　半信半疑ながら、わらにもすがりたい思いのベアトリスは言うとおりにした。手を組んで目をつぶり、ちょうどお祈りをするときと
同じ姿勢で、意識を静まり返らせる。すると、ベアトリスの脳裏に直接イメージが転送されてきたではないか。
　光に満ちた世界に佇む、銀色の巨人。ベアトリスはその手のひらの上にいた。
　
〔よく来てくれた。私の声が、聞こえているか？〕
〔ウルトラマンＡ!?　あ、あなたがわたしを呼んだの？〕
〔そうだ、よく聞いてくれ。今、君の友達はあの超獣の体内に魂を封印された状態になっている。助けたいが、私だけの力では
ヤプールの呪縛を打ち破ることは出来ない。彼女たちを目覚めさせ、人間に戻すためには君の呼びかけが不可欠なんだ。
協力してほしい〕
〔わたしの、呼びかけが……〕
〔そうだ、魂に呼びかけるには魂を持ってするほかはない。そして、それができるのは世界でたったひとり、君だけなんだ。
彼女たちへの愛がこもった君の声以外に、闇の底に沈んだ彼女たちの心に届くものはないだろう。私は彼女たちを死なせたくはない。
頼む、時間がないんだ〕
　ウルトラマンＡの要請に、ベアトリスがたじろがなかったとしたらうそになる。普通の人間にとって、ウルトラマンが自分に
語りかけてくるというそれだけでさえ、大いなる驚きであろうに、ベアトリスの精神力はすでに磨耗の極にあった。
　だが、それでも彼女は自己喪失には陥らなかった。全身を覆う疲労感も痛みも、のた打ち回りたいほどの吐き気もなにもかも
忘れて、ただ大きな叫びをあげた。
〔やるっ、やるわ！　あの子たちを助けられるならなんでもする。まだ言ってあげたいことも、してあげたいこともいっぱいあるんだもの。
死に逃げなんて絶対に許さない！　クルデンホルフの姫に手を上げたことだって忘れない！　誰一人だって、天国になんて
行かせてあげない。それがわたしの復讐なの！　お願い、力を貸してウルトラマン！」
　言っていることは滅茶苦茶だが、言葉の奥に込められた熱い思いは嫌というほど伝わってきた。
　人は憎しみで道を誤ることはある。しかし、誤った道から誰かが手を差し伸べれば戻ってくることもできる。
　ウルトラマンＡはベアトリスの思いを受け取り、才人とルイズは意識を集中してベアトリスの心をユニタングの中へと続く道を作った。
　暗い暗い闇の沼の中へと、ベアトリスの魂は落ちていく。やがて、その闇の底へと沈んだ魂に、小さな声が届き始めていった。
　
〔エーコ……ビーコ……シーコ……起きて……〕
　
　暗い闇の中で、誰かの声がする。
〔起きて……わたしの声を聞いて、お願い〕
　女の子？　誰だろう……？
〔起きなさい！　この、わたしの命令が聞けないの？〕
　うるさいな、人がせっかく静かに眠っているというのに、この蓮っ葉で、無遠慮さはどうだろう。
〔エーコ、起きなさいよ。あなたはいつでもわたしより先に起きて待ってたでしょ。寝坊なんて許さないわよ、エーコ、エーコ〕
　今度は、誰かの名前を呼び始めたようだ。エーコ、どこかで聞いたことがあるような……ああ、そうだ。
　『エーコ』……そういえば、それがわたしの名前だった。
　少しずつ、思い出してきた。
　そう、わたしの名前はエーコ。元トリステイン貴族の十四歳、ビーコとシーコはわたしの妹の名前。上には姉が七人いる。
　栗色の髪の丸顔、中途半端に髪を束ねるのは子供っぽいと言われるけど、気に入ってるんだからしかたがない。
　これが私、エーコという人間。
　そして、この憎たらしくも愛おしい声が誰なのかも、少々不本意ながらも思い出した。
「まったく、やっと楽になれると思ったのに。どうして邪魔をしにくるんですか？」
「あなたたちに、死んでほしくないからよ！」
　目を開けると、寝起きだというのに大声でがなりたててくる女の子がいた。
　やれやれ……どうしたんですか、その顔は？　まるで以前にハチに刺されたときみたい、あんまりうるさいものだからビーコとシーコも起きちゃったみたい。
　
　まったく、あなたはいつでもわたしたちを困らせますね。今度は『死ぬな』と、きましたか。
　
　『死ぬ』……『死ぬ』ということがどういうことなのか……ふと考えて、夜眠れなくなった思い出があった気がします。
　人は死んだらどこに行くのか、神さまの使いという人が書いた本には天国というのがあると記してあったけど、尋ねて教えてくれる人はいなかった。
　当然だよね。死んだ先を見て、帰ってきた人なんていないんだもの。
　なのに……神さまって不公平だよね。まだ死んでもいないのに、なにも悪いことはしていないのに、地獄だけは見せてくれるんだもの。
　だからわたしたちは悪い子になっちゃって……そしたら、天罰だけはしっかりくれるんだもの、嫌になる……
　
　でも、犯した罪の取り返しのつかなさはわかる。わたしたちは、なんの罪もない人にひどいことをしてしまった。
　償いは、しないといけない。
　
　銃士隊に追い詰められて、周到に用意してきた復讐劇のシナリオが破れさったと思い知らされたとき、姉さんたちは実力行使に出ようとした。
　超獣ユニタング……それが、わたしたち姉妹が自らの肉体の代償として手に入れた力。
　けど、悪魔からもらった体には、わたしたちも知らされていなかった毒が含まれていたらしい。
　目の前に現れたウルトラマンＡを見たとたんに、体の自由が利かなくなった。それだけではなく、全員の意思を統率していたセトラ姉さんが
突然なにも答えてくれなくなって、ほかのみんなも次々に意識を失っていった。
　どうやら、ヤプールはわたしたちの体を、ウルトラマンを見たら超獣の本能が目覚めるように仕組んでいたらしい。
　気づいてみたら、馬鹿な話だ。人間を滅ぼそうとするヤプールが、ほんとうに人間に手を貸すと信じていたわたしたちが……
　けれど、これでよかったのかもしれない。どのみちわたしたちには、明るい未来なんてありえるはずはないってわかっていたし。
　みんなが堕ちていき、最後に残ったのはわたしとビーコとシーコだけ。
　でも、あの子たちは少しも取り乱すこともなく、ただ疲れただけのように眠っていった。
　そして、わたしも……
　まるで、ぬるま湯の浴槽に浸かっているような、けだるくて心地よい感覚……それが激しい眠気を誘って、意識が黒く染められていく。
　もう動きたくない、なにも考えたくない。暗くて気持ちのいい世界……そう、ここでこうしていたら、そのうちお父さまとお母さまのいる
世界にも行けるだろうから、もう何もいらない、やっと安らかに眠ることができる。
　
　それなのに、あなたはどうしてもわたしたちを楽にはしてくださらないのですね……
　
　
　悪を倒すことは誰にでもできる。なぜならそれは暴力だから。
　しかし、正義を貫くことは難しい。なぜなら、人を救うためには優しさが必要であり、人を救わない正義はすなわち悪なのだから。
　戦えば楽に勝てる。しかし、かけがえのない命を闇から救うために、ウルトラマンＡの力に頼らない困難な闘いが始まった。
　
　
　続く 

　
#navi(ウルトラ5番目の使い魔)    </description>
    <dc:date>2012-02-14T22:33:41+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8716.html">
    <title>萌え萌えゼロ大戦（略）-52</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8716.html</link>
    <description>
      #navi(萌え萌えゼロ大戦（略）)


「……それじゃあ、皆さんシンさんと戦って？」 
　港町ラ・ロシェールからタルブの村へ向かう道すがら。 
チハはハーマンの昔話にそう尋ねる。 
　大型の高速乗合馬車で移動するシンたち四人とティファニアとチハたち 
大所帯は、彼女たちだけでほぼ馬車を占有する状況だった。シンたちは 
馬で移動する手段もあったが、ティファニアの護衛という観点から、 
一緒に馬車で移動することを選んだのだ。馬車にはティファニアたちの 
大きな荷物だけでなく、シンが背負っていた無機質な金属製の箱なども 
積み込まれ――過積載だとして追加料金を請求されたのだが、シンが 
なにやら書状を馬主に見せるとそれで話はお仕舞いになっていた。 
「まあね。あたしとカルナーサは賞金稼ぎだったし。シーナは違ったけど、 
立場の相違って似たような理由でシンと対峙して、結果素手のシンに 
あたしら全員ぼろ負けだったよ。 
　変な武術使うし、瞬発力はあたし以上だし、腕っ節はカルナーサ以上、 
知覚もシーナ以上なんて反則だよ」 
「はは……まあ、私たちは正規の軍人としての訓練を受けてますし、 
それ以前に鋼の乙女ですし……」 
　シンさん、いったい何をしたんだろう――チハは思わずシンに視線を 
向けるが、当のシン本人は、ティファニアと一緒に子供たちに囲まれていた。 
　その様子からはとても単機で敵軍を圧倒する超兵器である鋼の乙女の 
姿は想像もできないが、チハには、シンが子供たちの相手をしながら 
周囲への警戒を怠っていないことがよく分かった。 

　――そういえば、シンさん、テファのことを『姫様』って…… 
あれ、どういうことだろう？ 

　チハは改めてティファニアとシンに視線を向ける。相変わらずシンの 
ペースに調子を崩されっぱなしのティファニアだが、その緊張も徐々に 
解けているように見える。その様子に、チハは少し安心する。 
　そう。シンという鋼の乙女は、最初に出会ったときからそういう雰囲気を 
持っていた。 
　鹵獲され友軍となってはいるが、敵として戦っているはずの国の乙女で 
あるチハにも、シンは敵愾心の欠片も見せなかった。そればかりかともに 
くつわ……もとい鉄帯を並べてアフリカの砂漠を駆け抜け、最終的に 
ドイツ第三帝国に占領されたフランスを解放する大きな力となった。 
イギリスを代表する陸戦型鋼の乙女、陸の女王とも讃えられる歩兵戦車 
マチルダII マチルダの影に隠れ大きく取り上げられなかった存在だが、 
彼女はチハにとってはエイミーとならぶかけがえのない戦友だった。 

　馬車は途中の駅で馬を替えつつタルブへと向かう。不安定な政情から 
盗賊が出没するとのことだったが、結局チハたちはその姿を一度も目に 
することはなかった。 


　チハたちがラ・ロシェールを発った翌朝。タルブの村はいつも通りの 
朝を迎えていた。 
　村外れの『竜の道』近くに設定された練兵場で、駐留部隊である 
第1小隊と第7小隊の訓練がいつも通り行われている。『サンパチ』の 
通常使用許可が下りたため、その銃剣の扱い方を彼女たちは一日も早く 
習得しようと躍起になっていた。 
　何しろ『サンパチ』の銃剣は今までのマスケット銃に取り付ける刺突型の 
太く長い針のようなバヨネットとは違い短剣型なので、その視覚的な 
威嚇効果も高いが、これまでと違ったまるで槍のような扱い方を習得 
しなければならないのだ。おまけに普段の装備にこれが追加されたので、 
短剣の扱いに慣れていない隊員にはいっそうの重荷となっていた。 

「ふっ。いくら得物が同じだからって、このアタシに勝とうなんて思って 
ないよな？」 
　金髪をラフにカットしたアシンメトリーなヘアスタイルで、前髪の 
一部にグリーンのメッシュを入れた勝ち気な銃士が相手を挑発する。 
それを受けるのは、光の加減で水色を帯びたようにも見える金髪を 
ミディアムボブにした少女。銃士というにはまだ経験が浅く見えるが、 
訓練用の木銃剣を正面に『構え銃』の形で構えるその姿は、なかなか 
堂に入っている。 
「いくら第1小隊の突撃隊長ルフィーさんが相手でも、負けません！」 
「やれー！ミルク！相手が第1小隊だからって負けるなー！」 
「頑張れー！ミルク！」 
　少女の後ろから、同じ第7小隊の少女たちの激励が飛ぶ。ミルクと呼ばれた 
少女銃士は一瞬だけ後ろに視線を向けて微笑むと、再び目の前の強敵と 
向き合った。 

　『サンパチ』の銃剣は三八式歩兵銃をモデルとした銃本体と同じく 
大日本帝国の三〇年式銃剣がモデルのため、その扱い方もオリジナルに 
準拠している。違うのは威圧目的ではなく当初から実戦を想定しているため、 
最初から黒染めされた刀身に刃があることくらいだ。技術的に無理が 
ないため完成は『サンパチ』よりもはるかに早く、ハルケギニアの人間に 
とってはつば付きの片刃の短剣として扱われるが、銃剣としての扱いを 
知っているのはここでは海軍陸戦隊を指揮したこともあるあかぎか 
武内少将くらいなものだった。 
　その二人のうち武内少将は『サンパチ』完成を見ることなくこの地に 
眠り、あかぎもこの五年間活動を停止していたため、配備された第1小隊と 
第2小隊の訓練はあかぎが書き残した教本を元に行われていた有様だった。 
それに加えて数が揃わず秘匿兵器扱いという状況のため、まともな訓練が 
行われていたとは言いがたい。 
　それに対して第7小隊は小隊長のエミリーがアメリカ陸軍の鋼の乙女のため、 
当時使われていたM1905/42銃剣やそれを扱いやすくしたM1銃剣だけでなく、 
イギリスのP1907銃剣(原型は大日本帝国の三〇年式銃剣)をモデルにした 
M1917銃剣も実際に使用したことがあったため、彼女たちはここ数日で 
先行する二小隊に追いつくべく(エミリーの命令は『一週間で追い越すよ！ 
大丈夫みんなならきっとできる！』だったそうだ)、エミリーとあかぎの 
二人がかりで日米両方のハイパースパルタな銃剣術の特訓を休みなく 
受けた格好になっていた。 

「はじめ！」 
　審判役の第1小隊分隊長の号令に合わせ、二人は日本式に九歩離れた 
開始位置からじりじりと間合いを詰めて互いに攻撃の機を探る。 
先に動いたのはルフィーだった。 
「おらっ！」 
　一瞬で間合いを詰めての体当たり刺突……と見せかけて、素早く体を 
入れ替えての左体転刺突。しかし、ミルクもそれを巻き落とし刺突で返す。 
くるりと巻き落とされた木銃剣にルフィーが驚く暇もなく、その首筋に 
木銃剣が押し当てられていた。 
「勝負あり！勝者、第7小隊、ミリセント！」 
　審判役の第1小隊分隊長が高々と手を上げる。最初の位置に戻ってから、 
訓練通りに日本式の『立て銃』の姿勢で一礼するミルクの周りに、 
第7小隊の少女達が歓声を上げて群がった。 
「勝てた……」 
「すっげー！本当に勝った！」 
「い、痛いよフェイス」 
　仲間たちにもみくちゃにされて祝福されるミルク。マミなど僅かな 
例外を除いて本来なら採用試験に落伍した者ばかりが特例措置で集められて 
いるため、今まで『いらん子小隊』と呼ばれて精鋭の第1小隊に何一つ 
勝てるところがなかった彼女たちが初めて勝利を収めたのだから、 
その喜びようは並ではない。 
　だが、秘密部隊である第8小隊を除く他の小隊で実施されている 
ハルケギニア式とは異なるアメリカ陸軍式の苦しい訓練に耐え抜いた 
彼女たちに足りなかったのは確固たる自信だけであり、決して他の小隊に 
劣るものではないと知っていたのは、彼女たちを束ねるエミリーと、 
アニエスを筆頭とする隊長と小隊長たちだけだったというのはある意味 
悲しむべき事だったのかもしれなかった。 
　その輪の外で、ルフィーは憤懣やるかたない表情で木銃剣をミルクに 
向ける。 
「もう一本！もう一度勝負しやがれ！今のはお前をなめてかかってただけだ！ 
こんな負け方ありえねぇ！」 
　その怒りの矛先を向けられたミルクが声を出す前に、一番ミルクに 
構って喜んでいた赤毛の少女がミルクの手から木銃剣を取り上げて 
構えてみせた。 
「今度はあたしがお相手しますよ。ルフィーさん。突撃隊長同士、 
いっちょお相手願います」 
「フェイスか。なんで突撃隊長のお前やマミじゃなくて斥候のミリセントが 
先陣切ったのかわかんねーが、勝負するってんなら受けて立つぜ」 
　そう言って木銃剣を槍のように振り回すルフィー。だがその肩を不意に 
叩かれる。 
「こっちも選手交代よ。ルフィー。あなた熱くなりすぎてる。実戦だったら 
あなたの首は今頃胴体と泣き別れているわよ」 
「そうね。キャティの言うとおりよ。第一、相手を甘く見て戦場に立つなんて、 
あなたいったい何を考えているの？アニエス隊長がいないからって 
そういう態度は感心しないわね」 
　そう言ってルフィーから木銃剣を奪ったのは、藤色の髪をボックスボブにした 
少女銃士。あくまで冷静な彼女の言葉に、審判役の第1小隊分隊長も同意する。 
「悪かったよ。ったく。キャティだけじゃなくエルザまでかよ……
しゃーねぇ。譲ってやるから、負けるんじゃねえぞ」 
　渋々、という表情でルフィーはキャティの肩を叩くと、そのまま外の 
輪に戻っていく。それを見てから規定の位置に移動するキャティに、 
フェイスは苦手意識をあらわにした。 
「……うーわーよりにもよって……あの人、同い年とはとても思えないんだよな…… 
落ち着きすぎて何考えてるのか分かんないし」 
　小さく言葉にするフェイス。だが、その勝負は村の入り口に到着した 
高速乗合馬車によって中断することになったのであった―― 


　その頃――トリステイン魔法学院の学院長室には、一人の来客があった。 
　学院長オスマンの向かいに座るのは、純白の女官服に身を包み、 
ハーフアップにした長い藤色の髪の女性。髪をまとめる黄金のバレッタに 
浮き彫りされた紋章から、彼女がトリステイン王家に深い関わりがあることを 
知らしめている。髪型のせいか、二十代中盤に見えるその女性は、 
その見た目に反した落ち着いた雰囲気で、マチルダが運んできた紅茶に 
口を付けた。 
「いいお茶ね」 
「東方の最高級品。王家の人間にも滅多に出さん代物じゃが、お前さんを 
迎えるのには、これでも力不足なくらいじゃわい」 
「手紙、読ませてもらったわよ」 
「手間をかけさせたようじゃな。しかし、キャティ、お前さん以外に 
これを頼める人間を、ワシには思いつかんかった」 
　そう言ってオスマンは座ったまま頭を下げる。退席を命じられなかったため 
仕事を続けるマチルダだが、そんなオスマンを見たのは初めてだ。 
　ちらり、とオスマンはマチルダを見る。それを『席を外せ』との 
意思表示と受け取ったマチルダが立ち上がろうとすると、キャティと 
呼ばれた女性がそれを制した。これで二度目だ。 
「……部外者に聞かせてもいい話ではないと思うが」 
「あら？彼女も当事者よ。今はまだ違っていても、ね」 
「まぁ、お前さんが知らぬはずもない、か」 
　二人の会話は意味深だ。特にこのキャティという女性はどこまで自分のことを 
知っているのだろうか？――マチルダは背筋が寒くなる思いがした。 
　マチルダは、このキャティ――キャティ・ネヴュラートという女性に 
ついて、トリステイン王国宮廷女官長だと聞かされていた。名前から 
自分と同じアルビオン出身のようだが、自分とさして変わらない年齢に 
見えるその姿で、この落ち着きようはある意味異様だ。 
　そんなマチルダの思いをよそに、キャティはもう一度紅茶に口を付けると、 
話を切り出した。 
「さて。それでは本題に入ろうかしら。 
　ジョルジュ、あなたの要請した『始祖の祈祷書』の貸与だけれど、 
条件付きで許可が下りたわ」 
　キャティのその言葉を、オスマンは半ば予想していたかのように小さく 
溜息をつく。 
「その『条件』とやらの予想はつくが……聞かせてもらおうかの」 
「そうね。ジョルジュ。あなたの予想は当たっているわ。 
　まず、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの 
身柄を王家で預からせてもらうわ。そうね。アンリエッタさまの義妹になる、 
ということね。アンリエッタさまの義妹であれば王家の関係者、 
『始祖の祈祷書』を持っていても何ら不都合はないわね。 
　次に、エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロア・ 
ド・ラ・ヴァリエールの所属をアカデミーから王家直属に移管。 
とりあえず、私の下についてもらうことになるのかしら。 
アンリエッタさまが、アカデミーの横槍が入らない任務を任せたいと 
おっしゃっていることに関係していることよ。 
　この二つの条件をラ・ヴァリエール公爵が呑むのであれば、 
『始祖の祈祷書』の貸与を認める。これが王家の回答よ」 
「ワシの予想よりも厳しいの。すでに分家した次女以外全員を王家に 
寄越せ、とは。果たして、それをかの公爵が呑むかの？しかも、真の理由は 
話せまい。 
　ワシが話すにしても、果たして……」 
　オスマンはさっきよりも深く溜息をつく。キャティはもう一度紅茶に 
口を付けてからその問いに答える。 
「……これはまだ内密のことだけれど……」 
　キャティはそこまで言うと一度言葉を切り、ちらりとマチルダに視線を 
向けた。マチルダが思わず息を呑むのを見てから、キャティは続ける。 
「近々王宮の大掃除が行われるわ。その後、ゲルマニア皇帝アルブレヒト 
三世陛下との婚礼の儀に行われるアルビオンからの攻撃を待ってゲルマニアとの 
同盟および皇帝陛下との婚約を破棄。これはゲルマニアが安全保障条約が 
含まれる同盟を締結しているにもかかわらず援軍の即時派遣を実施しないと 
いうことが理由ね。 
　その上でアンリエッタさまは女王に即位し、ティファニア姫殿下を 
助けるという名目でアルビオンへの侵攻作戦が開始されることになっているわ。 
　ラ・ヴァリエール公爵閣下へのお話は、それからね」 
「な、なんじゃと！キャティ、お前さんがいて、どうしてそれを止めんかった！」 
(な、なんだってー！？い、いったいどういうことだい！？) 
　思わず立ち上がるオスマンと、何とか声に出さずにすんだが思わず 
顎が外れそうなほど驚くマチルダ。そんな二人に、キャティは静かに 
微笑んだ。 
「私はアルビオン王家とトリステイン王家をずっと見守ってきた。 
その私に、どうしてアルビオンの王権復興に反対する理由があるのかしら？」 
「ああ、知っておるとも。お前さんに頼み込んで情けをもらってから、 
ワシも三百年移ろう刻の只中に置き去りにされておるからの。 
　テューダー王家は滅亡した。これは事実じゃ。 
そして、それがトリステイン王家、いやアンリエッタ姫殿下にとって 
どういう意味を持つのか、知らぬお前さんではあるまい」 
「あのころのあなたは本当に可愛かったわね。ジョルジュ」 
　オスマンの抗議をにっこりと笑っていなすキャティ。その様子に、 
オスマンも毒気を抜かれたように腰を下ろす。そして溜息をまた一つ 
ついた。 
「お前さんが『そうである』と知っておれば、ワシもああいうことは 
せんかったわい。 
　三十年前にようやく真実にたどり着いた時も、お前さんは言ったな？ 
『やっと気づいたの？』と。忘れもせんわい」 
「でもそれは事実よ。王家の血統とは違っても、私も『そう』なのだから」 
(いったい何の話をしているんだい？この二人は？) 
　マチルダ一人ついて行けない状況だが、それを言葉にすることはできない。 
だが、噂話だと思っていたオスマンの年齢が、ほぼ事実だと言うことに 
マチルダは驚いた。そして、目の前のキャティという女性は、間違いなく 
それ以上の年月を生きているということにも。いったいどんな魔法を 
使っているのだろうか？『水』の禁呪でも、三百年以上もの時を 
凍り付かせる魔法など聞いたことがない。 
　マチルダのオスマンを見る目が変わったことに、自分自身が気づくのに 
時間はかからなかった。ある意味かわいそうな老人だ。まぁ、聞いている 
内容から察するに自業自得とはいえ、肌を重ねた相手に魔法をかけたか、 
それとも彼女自身にかかっている魔法が体液を通じてオスマンにも移って 
しまったのか――それはマチルダにも分からない。どちらにしても完全では 
ないことは、二人の容貌を見れば明らかだ。それとも、オスマン自身が 
流れゆく刻にも変わらない自分を何とかしようとして、髪と髭を伸ばした、 
のかもしれない。 
　だが、今のマチルダには、それ以上に重要なことがあった。 
「……一つ、質問してもよろしいでしょうか？ミス・ネヴュラート」 
「どうぞ」 
　それを受けてマチルダが言葉を口にしようとして……目の前にある 
カップの中身がほとんどなくなっていることに気づいた。 
「先におかわりをお持ちした方がよろしいみたいですね」 
「お願いできるかしら？」 
「かしこまりました」 
　マチルダはそう言って一度席を立つ。彼女がお湯を取りに出たのを 
確認して、オスマンが口を開いた。 

「……知っておって聞かせたな？」 
「彼女は優秀な秘書ね。あなたにはもったいないかも。でも、それも 
当然かしら？」 
「彼女はもう貴族ではない。それに、彼女が匿っているティファニアどのも、 
もう姫と呼ばれることはないはずじゃ。モード大公家は、あの日、教会の 
圧力によって滅亡という言葉すら生やさしい事態を迎えたのじゃからな」 
　オスマンの追求に、キャティは静かに答えた。 
「知っているわ」 
「なら、何故今になって蒸し返す？いや、最初からそのつもりじゃったな？ 
お前さん、いや、『ゼロ機関』の情報網なら、盗賊時代の彼女を捕縛し 
無理矢理言うことを聞かせることもたやすいはずじゃからの」 
「『ゼロ機関』も変わったわ。ジョルジュ。あなたがいた頃から。 
でもね、一つだけ間違っているわ」 
「何が違う？」 
　オスマンの眼光が鋭さを増す。だが、三百年の貫禄も、彼以上の刻の 
流れを見つめ続けた相手には通じなかった。 

　そう。『虚無』を捜すために『ゼロ機関』を設立したフィリップ三世だが、 
一つだけ誤算があった。 
　彼は『虚無』を知らなかった。 
　だからこそ、ガリアと双子の国といわれたトリステインが、戦役の 
和平の証として最初にアルビオンから后を迎え入れた時から千年近く 
トリステイン王家を守り続ける盾ともいわれる『魔女』を、自身が捜し 
求める『虚無』とは別系統の『虚無』を、そこに組み入れてしまった。 
だが、『魔女』は王家のために働いた。そして、それは今も変わらない。 
　オスマンがその『魔女』の正体に気づいたのは、今から三十年前、 
『ゼロ機関』設立後のことだ。彼は『魔女』を知っていた。それは若き日に 
探求心を満たすための旅の仲間として、そして、自分を受け入れてくれた 
相手として。だが、オスマンの追求にも、『魔女』は笑みを絶やさなかった。 
彼は思った。そういえば、今まで一度も彼女が笑う以外の感情の起伏を 
見せた姿を見たことがなかった、と―― 

　オスマンの眼光をいなしたキャティは、空になったカップに視線を 
移してから静かに言った。 
「……これはアンリエッタさまのご提案よ。あかぎは本当に素晴らしい 
師だわ。もし、彼女に出会わなければ、今のトリステインはもっと危うい 
ことになっていたでしょうね」 
「色々余計なことを仕込んでくれたようじゃな。あのばーさんは……」 
　オスマンは苦虫を噛み潰したような顔を隠さない。 
「あら？本当に良い友人よ。あかぎは。それに、女性に対してその言い方は 
失礼ね。第一、あなたの方が年上よ」 
「大日本帝国の、いや異世界の智慧と技術は、ワシらには危険すぎるわい。 
現実に独学でそれに近づいたロマリアのダ・ヴィンチとカンピーニは 
異端として火刑に処された。じゃから、ワシはコルベールくんにも 
その轍を踏まんように注意しておるがの。 
　まったく。ふがくが現れた時にもしらを切り通したのに、あのばーさんが 
目覚めたおかげで台無しじゃ」 
　オスマンは三十年前の『キョウリュウ』との戦いで非公式に公にされた 
『竜の羽衣』に触発され、独力で独自の発動機を開発して異端審問を 
受け火刑に処されたロマリアの天才メイジの名前を出す。特に変わり者として 
知られたダ・ヴィンチと違って癖こそあれど社交的だったカンピーニの 
弟子は多く、異端審問を免れた何人かはアルビオンやゲルマニアで研究を 
続けていると聞いたことがあるが、彼もそれ以上のことは知らなかった。 
「でも、マリアンヌさまと違って、アンリエッタさまはご自身であかぎに 
教えを請うたわ。兄弟がいらっしゃらないから、気負っているところが 
あるわね」 
「お前さんは……」 
　オスマンがそう口にしたところで、そこに新しい湯気の立つカップを 
手にしたマチルダが戻ってくる。ドアがノックされると同時に二人は 
何食わぬ顔でマチルダを迎えた。 

「お待たせ致しました。……何か？」 
　二人が自分を見る視線に、思わずマチルダは問い返す。だが、二人とも 
その問いには明確な答えを出さない。 
「……？」 
　腑に落ちないものを感じながらも、マチルダはキャティのカップを 
交換し、後ろに下げると改めて彼女の前に座り直す。 
そして、先程言いかけた言葉を続ける。 
「それでは、よろしいでしょうか？」 
「どうぞ」 
　新しいカップに口を付けてからにこやかに答えるキャティ。 
見た目の年齢はさして変わらない二人だが、その様子は真逆。マチルダは 
その笑みに隠された無言の圧力に気圧されそうになりながらも、気丈に 
踏みとどまった。 
「……どうして、そっとしておいてくださらないのですか？」 
「あなたが望んだことではないかしら？ 
　事が及びそうになった時、あなたは彼女にタルブのミス・エンタープライズを 
頼るよう言付けていた。そうそう。あなたがミス・エンタープライズのことを 
知る前は、その相手はラ・ロシェールのミスタ・トゥールビヨン――
いいえ、彼はミスタ・サンダーヘッドと呼ぶべきでしょうね」 
「全部お見通し、ってことですか」 
　マチルダの語気が剣呑さを帯びる。だが、その程度で何が起こるわけでもない。 
「あたしは、煉獄の炎に焼かれても構わない。生きるためと言い訳しても 
それだけのことをやって来た自覚はある。でもね、あの子には…… 
ティファニアに指一本でも触れたら、そのときは……」 
「彼女の意志よ。そして、皆の意志でもあるわね」 
　キャティのその言葉に、マチルダは吐き捨てるように頭を振る。 
そして、貫き通すような鋭い視線でキャティをにらみつけた。 
「はっ！聞いて呆れるよ。いったい、誰の意志だって？モード大公家も、 
サウスゴータ家も、エンタープライズ家も、サンダーヘッド家も、 
みんな炎の中に消えたんだ。 
　あたしは、ティファニアには、今のシティ・オブ・モードは見せられない。 
絶対にね」 
　マチルダは、子供を守る母のように、今にもつかみかからんばかりの 
勢いでキャティに迫る。キャティはカップにもう一度口を付けると、 
静かに席を立った。 
「そうね。彼女がアルビオンの最後の王権でなければ、あなたの望む 
未来が手に入れられたかもしれないわね。いくら彼女自身が己を蔑んでも、 
それは変えようのない天命よ。 
　それに、彼女はもう選んでしまったわ。もうじきタルブに着く頃ね」 
「……なっ……！？」 
　驚愕に目を見開くマチルダ。その様子に、キャティは静かに告げる。 
「未来を変えたいなら急ぎなさい。アンリエッタさまもタルブに向かうわ。 
　私は、できればあなたには彼女の、ティファニア姫殿下のそばにずっと 
いて欲しいと思っているわ。あなたがそばにいれば、あなたが望まない 
運命を、変えられるかもしれないわね」 
　そう告げるキャティの顔からは表情が消えていた。感情のない言葉に 
マチルダはその真意をはかりかねる。だから、キャティがそのまま学院長室から 
去っても、後を追うこともできず、オスマンと二人その場に立ち尽くした。 
　ようやく立ち直ったマチルダは、横に立つオスマンに尋ねる。 
「……いったい、あの方は何者なのですか？」 
「もう一つの『伝説』じゃよ。ワシも彼女がどれくらい生きているかしらん。 
睦言の冗談交じりに『白銀の姫騎士』と背中を合わせて戦ったこともあると 
聞いたこともあるがの。 
　ま、ああ見えて娘が百人下らんくらいおるしの。ワシの娘も数十人だか 
創ったと……あいたたた」 
　思わずマチルダはオスマンの足を踏みつけていた。『このスケベジジイ』との 
心の声は、それが的外れであると気づかない。思わずうずくまるオスマンに、 
マチルダは言い放つ。 
「……一週間ほど休暇をいただきます！よろしいですね？」 
　答えは聞いてないとばかりにそのまま学院長室を出て行こうとする 
マチルダを、オスマンは呼び止めた。 
「……何か？急いでいますの」 
「待つんじゃ。今から馬で駆けてもトリスタニアからの姫殿下には追いつかん！ 
　ふがくに頼んで連れて行ってもらえ。それしか方法はない！ 
ワシが緊急事態じゃと言っておったと言えば、ミス・ヴァリエールも 
拒まんじゃろう」 
「わかりました。ありがとうございますっ！」 
　マチルダは礼もそこそこに学院長室から走り去る。その後ろ姿に、 
オスマンはつぶやいた。 
「『虚無』も、『異世界』も、ワシらには過ぎた代物じゃて」と。 


　マチルダがふがくを捜して学院長室から飛び出した頃。トリスタニアの 
王宮では―― 

「本当によろしいのですか？」 
　王宮の最上層にあるテラス。そこにいるのは一頭の風竜だ。その頭を 
なでるのは、ワルド子爵。そして、アンリエッタ姫もそこにいた。 
　ワルドの問いかけに、アンリエッタ姫はにこやかに微笑む。 
「わたくしがいなくなれば、王宮に巣食うネズミどもが目を覚まします。 
戻ったばかりのアニエスには少々苦労をかけますけれど、わたくしが 
戻るまでちゃんと対処してくれるでしょう」 
「彼女が負う責は、軽くないと思いますが」 
「一時的なことです。わたくしが戻れば、そんなものは元からなかったの 
ですから」 
　アンリエッタ姫のその言葉に、ワルドは内心でアニエスに同情する。 
　確かに、真実を知らぬままリッシュモン高等法院長とつながっている 
第2小隊小隊長ミシェルを油断させるためには、アニエスたちに何も告げずに 
行動するのが一番だ。だが、この行動は、アニエスに王宮守護の手落ちの 
責を負わせることになる。 
　ならば――ワルドは目前の風竜を見上げる。この任務に必要なのは速度。 
可能な限り短時間で任務を完了させ、王宮に戻ること。それを果たすために、 
ワルドはグリフォンではなく風竜を手配した。予定では今朝ティファニア姫は 
途中で合流した『ゼロ機関』のエージェントである銃士隊第8小隊とともに 
タルブの村に到着しているはず。彼女と接触し、アルビオンの女王として 
起つことを約束させるために、アンリエッタ姫は自らの手中にある 
『ゼロ機関』を最大限に活用していた。 
「さあ、行きますわよ。エスコート、宜しくお願いしますわ。ワルド子爵」 

　――そして。トリスタニアの王宮から、一頭の風竜が飛び立った。 


#navi(萌え萌えゼロ大戦（略）)    </description>
    <dc:date>2012-02-12T21:22:02+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/1853.html">
    <title>テスト空間</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/1853.html</link>
    <description>
      *砂場

#vote(アイテム１[262],アイテム2[37],という風に[38],カンマで区切って[45],ね[55])

**画廊用ページテスト

***水兵服
#image(http://www35.atwiki.jp/anozero/?plugin=ref&amp;serial=26,http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/1610.html)

***鬼哭街/Zero
#image(http://www35.atwiki.jp/anozero/?plugin=ref&amp;serial=23,http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/1610.html)

***使い魔のカービィ
#image(http://www35.atwiki.jp/anozero/?plugin=ref&amp;serial=13,http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/1610.html)

***サテライト60 しえすた
#image(http://roofcity.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/up0004.jpg,http://roofcity.hp.infoseek.co.jp/)

***ルイズさんのアイコン
#image(http://roofcity.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/up0005.gif,http://roofcity.hp.infoseek.co.jp/)



[[使い魔くん千年王国tree test]]

**表のテスト
※以下の作品は妄想です。執筆予定はありません

***半角スペースあり
|BGCOLOR(#E0FFFF):作品タイトル |BGCOLOR(#E0FFFF):元ネタ |BGCOLOR(#E0FFFF):召喚されたキャラ |
| [[ザンキゼロ]] | 仮面ライダー響鬼 | ザンキさん(ティファニアが召喚) |
| [[00の使い魔]](ダブルゼロの～) | ゼロの使い魔 | ティファニア |

***半角スペースなし
|BGCOLOR(green):作品タイトル|BGCOLOR(blue):元ネタ|BGCOLOR(#E0FFFF):召喚されたキャラ|
|[[ザンキゼロ]]|仮面ライダー響鬼|ザンキさん(ティファニアが召喚)|
|[[00の使い魔]](ダブルゼロの～)|ゼロの使い魔|ティファニア|

&amp;link_up()

**更新日時表示プラグインのテスト。
*** あ行
| [[ゼロのアルケミスト]] | アクエリアン・エイジ | クラリス・パラケルスス | &amp;update(ゼロのアルケミスト) |
| [[使い魔くん千年王国]] | 悪魔くん             | 松下一郎 | &amp;update(使い魔くん千年王国) |
| [[ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐]] | 平成版 ガメラ | ギャオス | &amp;update(ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐) |
| [[ゼロのアルケミスト]] | アクエリアン・エイジ | クラリス・パラケルスス | &amp;date(ゼロのアルケミスト) |
| [[使い魔くん千年王国]] | 悪魔くん             | 松下一郎 | &amp;time(使い魔くん千年王国) |
| [[ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐]] | 平成版 ガメラ | ギャオス | &amp;update(j,ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐) |

***tree表示テスト
| [[ゼロのぽややんtest]] | ガンパレードマーチ  | 速水厚志（魔王版） | &amp;update(ゼロのぽややんtest) |



*各作品の目次ページ案

[[作品hogehoge&gt;テスト空間/作品hogehoge]]

*人気ページのテスト

**今日の人気ページ

#popular(today,ignore=トップページ,ignore=メニュー,10)

**昨日の人気ページ

#popular(yesterday,ignore=トップページ,ignore=メニュー,10)

*サイト内全体としての案

次のような構成にしてはどうだろうか？
案として、３作品の場合の目次ページの例を作成した。
このうち、「ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐」については、目次ページおよび作品ページの例を作成した。
具体的な作品ページ（１つの作品の目次）の内容（特にプラグインの設置方法）については上の「作品hogehoge」での例を参考にしていただきたい。

以下目次の例
----
#contents(fromhere=true)

* あ行

| [[ゼロのアルケミスト&gt;テスト空間/ゼロのアルケミスト]] | アクエリアン・エイジ | クラリス・パラケルスス |
| [[使い魔くん千年王国&gt;テスト空間/使い魔くん千年王国]] | 悪魔くん             | 松下一郎 |

*か行
| [[ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐&gt;テスト空間/ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐]] | 平成版 ガメラ | ギャオス |

*ひとつにまとめたテスト
|&amp;strong(){あ行}|||
| [[ゼロのアルケミスト&gt;テスト空間/ゼロのアルケミスト]] | アクエリアン・エイジ | クラリス・パラケルスス |
| [[使い魔くん千年王国&gt;テスト空間/使い魔くん千年王国]] | 悪魔くん             | 松下一郎 |
|&amp;strong(){か行}|||
| [[ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐&gt;テスト空間/ゼロの使い魔外伝‐災いのタバサ‐]] | 平成版 ガメラ | ギャオス |
|&amp;strong(){さ行}|||
| [[◎◎◎]] | △△△ | □□□ |

* あ行(タイトルその他の文字数が多かったら？)
| [[ゼロのアルケミストアルケミストアルケミストアルケミストアルケミスト]] | アクエリアン・エイジ | クラリス・パラケルスス |
| [[使い魔くん千年王国]] | 悪魔くん             | 松下松下松下松下松下松下松下松下松下松下松下松下松下松下松下一郎 |
| [[ゼロのアルアルアルケミスト]] | アクエリアン・エイジエイジエイジエイジエイジエイジエイジエイジエイジエイジエイジエイジ | クラリス・パラケルスス |

[[夜天の使い魔]]
*未作成のページ一覧
#yetlist()

*長編一覧分割
[[長編（０７／０９以前）&gt;一覧テスト01]]
[[長編（０７／１０以降）&gt;一覧テスト02]]

*三点リーダー
…(2byte)
・・・(6byte)
「・・・」(行中での使用)
 ・・・(行頭に半角スペース)
　・・・(行頭に全角スペース)
&amp;nbsp;・・・(行頭にnbsp)


*アスキーアート
#aa(){{
　　　　　＿　　　　　　　＿　　　　 ,ｨ =个=､
　 　 〃　｀　ヽ　　　　〃　 ＾ヽ　 〈_/´￣ ｀ヽ　 　
　 　 l lf小从} l　/　J{　 ﾊ从{_,　 { {_jｲ｣/j｣j〉　
　　 ﾉﾊ{*ﾟヮﾟﾉﾊ/,　 ノルﾉｰﾟﾉjし　 ヽl| ﾟヮﾟﾉj|
　　(（/} )犬(｛つ&#039;　 /く{ {丈} }つ　 ⊂j{不}lつ
　　 / &#039;&quot;/_jl〉`　j 　 l　く/_jlﾑ! |　 く7 {＿}ﾊ&gt;
　　 ヽ_/ｨﾍ_)～′　ﾚ-ﾍじﾌ～l　　‘ｰrtｧｰ’

}}

*折り畳みコメント
#region(この絵に対するコメント)
- コメント1  -- 描いた人  (2009-07-65 72:55:78)
- コメント2  -- 反応した人  (2009-07-65 85:57:85)
- コメント3  -- 最新の人  (2009-07-65 91:59:86)
#comment
#endregion
　    </description>
    <dc:date>2012-02-12T21:17:45+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8356.html">
    <title>Maximusな使い魔</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8356.html</link>
    <description>
      THE KING OF FIGHTERSシリーズよりマキシマを召喚

参考リンク：[[マキシマ プロフィール&gt;http://kofaniv.snkplaymore.co.jp/character/index.php?num=maxima]]


----
　
[[Maximusな使い魔 プロローグ  &gt;Maximusな使い魔-02]]／[[  B&gt;Maximusな使い魔-03]]

[[Maximusな使い魔 第01話&gt;Maximusな使い魔-04]] 
[[Maximusな使い魔 第02話&gt;Maximusな使い魔-05]] 
[[Maximusな使い魔 第03話&gt;Maximusな使い魔-06]] 
[[Maximusな使い魔 第04話&gt;Maximusな使い魔-07]] 
[[Maximusな使い魔 第05話&gt;Maximusな使い魔-08]] 
[[Maximusな使い魔 第06話&gt;Maximusな使い魔-09]] 

----    </description>
    <dc:date>2012-02-11T20:04:20+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8719.html">
    <title>Maximusな使い魔-09</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8719.html</link>
    <description>
      #navi(Maximusな使い魔)
#setpagename(Maximusな使い魔 第06話)
「…何で全部片付けちゃうのよ」

顔を洗って帰ってきたルイズは、マキシマと教室を見渡して呟いた。
ルイズが居ない間に、マキシマが教室を片付けていたのだ。
その事にルイズは、何故か頬を脹れさせている。
「どうしたんだ？掃除なら終わったぜ？」
「そうじゃないのよ…」

ルイズは『私が教室を滅茶苦茶にしてしまったのだから、私が掃除をするんだ』と、意気込んでいた。
自分のしたことに責任を持ち、行動に移そうとしていたのだ。
しかし、マキシマが全て終わらせていた。完璧に。
ルイズのやる気が、口の開いた風船のように萎んでいく。
「なんだ。そんなに掃除が好きなのか？」
マキシマは気にした様子も無くルイズに聞く。

まさか自分のせいでルイズが落ち込んでいるとは思ってもいない。
そんなマキシマに、ルイズは「…はぁ」っと短くため息を吐く。
事が事だけに、怒るに怒れない。
むしろ、自分が居ない間に掃除を終わらせていた使い魔を褒めるべきではないか。
そう考えて、気分をリセットする。

「ま、まぁ…。よくやったわ」
「ん？ああ」
そう短く言葉を交わすと、マキシマが手に付いた埃をはらう。
「そろそろランチの時間じゃないか？またあの食堂でいいのか？」
高く昇った日を窓越しに眺めながらマキシマがルイズに問いかける。
朝食の時間を考えれば、昼食は今ぐらいの時間だろう。 
「そうね。基本的に食事は食堂で。自室で食べる人もたまにいるけどね。毎日ってわけでもないでしょうけど」
答えながら教室を出るルイズと、それに続くマキシマ。
ルイズはマキシマに昼食を厨房でとるように伝えると、食堂の中へ入っていった。
それを見送り、厨房に向うマキシマ。

厨房の中を覗くと、マルトーが怒鳴るように指示を出している。朝以上に忙しそうだ。
中へ入っていくと、シエスタがマキシマを見つけ、小走りで近づいてくる。
「忙しそうだな。こりゃあ呑気に食事って訳にもいかなそうだ」
「大丈夫ですよ！一人分位ならすぐに用意できますから」
シエスタが昼食を用意しようとしたが、引き止める。
「いや。まだいい。それより何か手伝える事はあるか？いつまでもタダ飯を食わせてもらう訳にもいかないからな」
「おう！助かる！裏から小麦粉を４袋持ってきてくれ！！茶色い袋だ！」

シエスタの返事よりも早く、マルトーが指示を出す。
「もう…。ごめんなさい。お願いできますか？」
困ったように頼むシエスタに「まかせときな」と言うと、マキシマは厨房から出て行く。
シエスタがその背中を見送り、自分の仕事に戻る。 

「まさか４袋一気に持ってくるとはなぁ…」
生徒達の昼食が終わり、ようやく落ち着いた厨房でマルトーが呟く。
大の大人が肩に担いで持つようなものを四つ一気に軽々と持ってきたマキシマに脱帽していた。
固そうな黒パンをスープに浸しながら、マキシマは厨房の人達と談笑中だ。
昼食を終えた生徒は、さっさと部屋に戻るわけでもなく食堂でダラダラと過している。

「シエスタ！デザートを配ってくれ！終わったら部屋に戻ってもいいぞ！」
マルトーの放った言葉に、マキシマの耳がピクリと反応する。
「大丈夫ですよ！洗物もちゃんとやりますから」
「気にするな。あいつの熱、まだ下がってないんだろ？部屋に戻って看病してやりな」
「でも私の仕事だし・・・」

恐らく、今朝話してたもう一人の使用人の子の話だろう。
「・・・俺が配ろうか？」
「お！頼めるか」

押し問答を続ける二人にマキシマが提案すると、マルトーが賛成する。
「少し時間もあるしな。構わないぜ。」
「いいんですか？マキシマさん・・・」

シエスタが申し訳なさそうに聞いてくるが、「まかせときな」と頼もしい返事をするマキシマ。
「そのかわりと言ってはなんだが、そのデザートを一つくれないか？」 

「…おい。ルイズの使い魔がデザート配ってるぞ」
「…本当だ。ルイズの使い魔がデザート配ってる」

マキシマがデザートを配り始めると、またヒソヒソ話しが始まる。
エプロンを着けたマキシマがデザートを配る姿はなかなかに異様だ。
その様子に気が付かずにお喋りに夢中な者も数人。
フリルの付いた派手な服を着た、金髪の少年が薔薇を片手に談笑中だ。
時折薔薇を鼻に持っていく姿は、まさしくナルシストである。

「おいギーシュ。お前今誰と付き合ってるんだ？」
「いい加減に教えろよ！」

取り巻きの生徒の言葉に「フ…」と微笑んで見せると、少年はまるで舞台の上に居るように熱弁を始めた。
「付き合う？僕にはそのような特定の女性はいない…。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだから！」
言い終えると同時に奇妙なポーズをとる。
「主演男優賞貰えるな…」
「バカのな…」

周りの生徒から散々に言われるが勝手に悦に入ってる少年の耳には届かない。
マキシマは気にせずに少年達のテーブルにデザートを並べる。
すると奇妙なポーズをとったのが災いしてか、ポケットから小瓶が地面に落ちた。
足元に転がってきたそれを拾い上げ、なんとなく中身をみてから、少年の目の前のテーブルに置く。
「落ちたぞ」
一声掛けて、その場を去ろうとするマキシマの耳に、予想外な言葉が聞こえた。
「あ、あれれ〜？ナンダこの瓶は〜。僕知らないなー！！」
不自然である。
「へぇー。人がせっかくあげた物を知らないとか言うんだ…」
少年の後ろから少し怒気を孕んだ声が掛かる。
少年が反射的に振り向くと、金色の髪を綺麗にロールさせた少女が腕を組み佇んでいる。
「せっかくあなたのために調合したのに、知らないって言うんだ…」
「まってくれモンモランシー！君が僕のためにわざわざ調合してくれたのは判る！だけど今は！今だけは！！」
モンモランシーの不機嫌そうな顔が、一転して赤く染まる。
「べ、別にギーシュのために調合したとか…。ギーシュが喜んでくれるのが嬉しいとか…。そんなんじゃないんだから…。
今だって、一緒にデザートを食べたいなとか…そんな事思ってないんだからね！！」

さっき自分で調合したとか言ったよな…。
周りの皆が同じ事を考えていると、一人の少女が少年に近づくと、手をワナワナと震えさせた。
「ギーシュ様…。やはりミス・モンモランシーと…」
「ケ、ケティ！？違うんだよ！違うんだ！僕の心の中に住んでいるのはいつだって君一人———」
パン！と少年の頬が小気味良い音を立てる。

ケティと呼ばれた少女は顔を両手で隠し、泣きながら走り去った。
「ふぅ…。困ったチャンだな」
「本当にね…」
何気なく放った言葉に、まさか返事が返ってくると思ってなかった少年は、ビクリと体を震わせた。
振り向けば、笑顔のモンモランシー。

「ハハハ…」
「フフフ…」
お互いに少し笑い合うと、モンモランシーが小瓶に手を掛ける。
小瓶の蓋を取ると、小瓶の横に置いてあったケーキに中身を掛ける。
苺の鮮やかな赤と、小瓶の中に入っていた、これまた鮮やかな紫色が美しくケーキを彩る。
その様子を、固まった笑顔で見ることしか出来ない少年の額に、一筋の汗が落ちる。

小瓶の中身が全てケーキにかかり、瓶がテーブルに再び置かれる。
美しく彩られたケーキは、その色とは裏腹に毒々しい匂いを放っている。
少量ならばその香りは人々の鼻腔を楽しませるであろうその液体は、今や見る影も無い。
マキシマ確認したその小瓶の中身は、間違いなく香水だった。 
「アハハ…」
「ウフフ…」
もう一度笑い合うと、モンモランシーはケーキを少年の前に置く。
そして死刑台に掛けられた首に、斧を振り下ろすように言った。

「食え」

一瞬にして周りの空気が凍る。
そこで、乾いた笑い声を出しながら少年は言う。
「お、可笑しなことを言うんだね。冗談きついなぁ。これは明らかに食べることの出来ないそれじゃないか」
「そうね。確かに食べたら確実に体に悪いそれね」

モンモランシーはワインの瓶を掴むと、テーブルに叩きつける。
すでに空になっていた瓶は簡単に割れると、すぐに凶器と化した。
その切っ先を少年の喉に突き立てると、笑顔で言った。

「黙って食え」


「モウ一杯…。モウ一杯水ヲクレ…」
グラスをテーブルに叩きつけるように置くと、ぜえぜえと息を整えるギーシュ。
その頬には紅い紅葉が二つ綺麗に描かれている。
「お花畑が見えたよ…。赤と紫の鮮やかなお花畑が…」

マキシマはデザートの乗っていたトレイを脇に抱えてその場を去ろうとする。
しかし、ギーシュはそれを見逃さなかった。
「待ちたまえ。そこの君」
声を掛けられたマキシマは、その場で振り返り眉をひそめる。 
「君のおかげで、二人のレディと僕の喉が傷ついた。どう責任を取るつもりだね？」
「自業自得っていうんだぜ。僕ちゃん」

マキシマの返答に、ギーシュの額に青筋が浮かび上がる。
「僕ちゃんだと！？誰に言っているのか判っているのか？」
「自分の失態を人のせいにしようとしてる貴族の僕ちゃんにだ」

そう言うと、周りの生徒達がどっと笑った。

「そうだギーシュ！お前が悪い！」

「何を言っているんだい給仕君。君があれを拾わなければこんな事にならなかったんだぞ」
「あれはお前のじゃないんだろ？じゃあ別に僕ちゃんには関係ないじゃないか」
その言葉に顔を赤くしたギーシュは、白い手袋を取り出すとマキシマに投げつけた。

「決闘だ！！」

ギーシュの言葉に、周りがざわつく。
マキシマは手袋を拾い上げると、承諾した。
「受けて立つぜ。僕ちゃん」
「この…！どこまでも憎々しい！」

そこで騒ぎに気が付いたルイズが、野次馬を掻き分けてマキシマに近寄る。
「なにしてんのよマキシマ！何の騒ぎ？」
まだいまいち状況が掴めていないルイズに、ギーシュが説明する。

「僕が彼に決闘を申し込んだ。それに彼が応じた。これは僕と彼の問題だ」
「何を言ってるのギーシュ！決闘は禁止されてるはずよ！」
「それは貴族同士の話だろう？そういえば彼は君の使い魔だったね、どうも頭に血が上りすぎて気が付かなかったよ」
そこでギーシュは、マキシマとルイズを見て、笑いながら言った。
「使い魔！ここは不出来な主人に免じて頭を下げれば特別に許してやらない事もない！」
「マキシマ！やっちゃいなさい！私が許すわ」
ギーシュの言葉にルイズが反応する。
大人げ無かったかと思っていたマキシマも、ギーシュの言葉にはカチンときた。
「これはお前と俺の問題なんだろ？嬢ちゃんは関係ないはずだ。それとも今更怖くなったのか？」

「…後悔するなよ。十分後にヴェストリの広場で待つ」
そう言うと、ギーシュは身を翻し食堂から姿を消した。

「ああ言ったのは良いけど。どうしよう…」
「心配するな。適当に相手してやるさ」
頭を抱えているルイズの肩に手を置くと、余裕の篭った声を掛けるマキシマ。

そんな二人の元に、シエスタが駆けつけてきた。
「こ、殺されちゃう…。マキシマさん！！謝りに行きましょう！！」
マキシマの手を取り、必死に引き止めようとするシエスタを、マキシマがなだめる。

「心配するなって。それより部屋に戻ってな。病人が待ってるんだろ？」
軽口をたたくマキシマの様子に、落ち着きを取り戻すシエスタだが、まだ不安がある様子だ。
「大きく出たけど、何か勝てる見込みはあるの？あんな奴だけど、結構強いわよ」
「言っただろ？俺の周りにも魔法みたいなもんがあったって。あの僕ちゃんの捻じ曲がった根性を叩き直してやるよ」

食堂を出るマキシマとルイズを、シエスタは不安げに見送った。 

#navi(Maximusな使い魔)    </description>
    <dc:date>2012-02-11T20:03:35+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8359.html">
    <title>Maximusな使い魔-04</title>
    <link>http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/8359.html</link>
    <description>
      #navi(Maximusな使い魔)
#setpagename(Maximusな使い魔 第01話)

ルイズは、嬉しかった。
自分の召喚した平民が、今まで自分を馬鹿にしていたクラスメートの前に
立つ。
たったそれだけの事だった。

ルイズの目から涙が零れた。
それを他のクラスメートたちに見られなかったのも、平民の彼が私に背を向けて、
その大きな体で隠してくれたおかげだ。
それがルイズにはたまらなく嬉しかった。

この学院に、彼女の味方はいなかった。

入学当初は彼女にも友達と呼べる仲間がいた。
最初の頃は魔法を失敗しても
「大丈夫だよ」「次は成功するわ」「諦めないでがんばって」
等、優しい言葉をくれたクラスメートたち。

しかし時を重ねるにつれて、励ましの言葉も「ハァ…」というため息に変わり
彼女の周りにいた人たちも次第に離れていってしまった。
今では、「またかよ…」「いい加減にしてくれ」「成功率ゼロだな」
という失望と呆れの声に変わってしまった。
「成功率ゼロ」「才能ゼロ」「友達ゼロ」
と言われ、「ゼロ」というとても不名誉な二つ名をつけられてしまった。

だけど彼女は諦めなかった。

基本的な知識だけでも他人よりもずっと多く取り込んだ。
単純なコモンマジックを一回でも成功させようと、徹夜で唱え続けたりもした。
図書室にこもり、一日中魔法の使い方に関する本を読み続けたなんてのは
毎日のようなことだった。

しかし、彼女は一度も報われなかった。

そんな彼女の前に、とても大きな背中がある。
まるで自分を守ってくれるように。
その背中を見ていると……不思議と安心できた。


――――――――――――――――――


「…坊やだって…？おい平民、誰に向って口をきいているのか分かっているのか!?」
小太りな少年は、頬の肉をプルプルと震わせながら怒りを露にしている。
しかし少年は、彼の大きい体に威圧されているのか、若干後ずさる。
二メートル以上もある長身で、かなりガタイのいいマキシマの目の前で
威圧されないものなど、ＫＯＦの参加者くらいではあるが。

「おいおい。初対面なのに誰に向って……ていうのはないだろう？それとも
自分が有名人だとでも思っているのか？」
マキシマが肩をすくめる。
「僕の格好をみて分からないのか？とんだ田舎者だな！…まぁいい。無知な平民にも教えてやる。」
少年は偉そうに腰に手を当て、エッヘン！とふんぞり返る。
腹の肉を上下に揺らしながら、少年は続ける。
「僕の名はマリコルヌ。風上のマリコルヌだ！平民！！貴族に名乗らせたんだぞ！
頭を下げろ！！」

「いや。別に自己紹介をしろ。なんて言ってないんだがなぁ…」
マキシマがポリポリと後頭部をかく。
この少年、マリコルヌは、自分を貴族だといった。つまり、どこかの金持ちの坊ちゃん
なのだろうか。

辺りを見回してみる。
同じ格好をした子供たちが、こちらを見下すような目で見ている。

どうやらここにいる全員が「貴族」で、こちらは「平民」という解釈なのだろう。
そうすると、俺はこの小僧に「下」に見られている訳だ。
あまり気分のいいものじゃないな。

「貴族ってのはもっと紳士的なやつのことだと思うんだがな。少なくとも女の子一人に対して
罵声を浴びせるやつのことじゃないだろう」

彼が言う言葉を、ルイズは黙って聞いていた。

「平民風情が言ってくれるじゃないか…。どうなるか分かっているのか？」
マリコルヌが、懐から杖を取り出し、マキシマにビシッと突きつける。
マキシマが「なんだそりゃ？」と杖を見ていると、
「いいぞマリコルヌ！」「生意気な平民に罰を与えろ！」
等、他の子供が騒ぎ立てる。


…平民に守られてちゃダメ。
貴族は平民を守るのよ！

彼女は決心する。


マキシマの手をクイクイっとルイズが引いた。
「どうした？嬢ちゃん」

「…もういいわ。もう大丈夫…ありがと」
「そうか」とマキシマが微笑みながらルイズの肩をポンッと叩く。


もうルイズの目には、涙は無かった。


ルイズは、マリコルヌの前に堂々と仁王立ちをする。
「なんだゼロのルイズ。姿が見えないからもう実家に帰っちゃったのかと思ったよ」
「お生憎様。風邪っぴきに何を言われようと、出て行かないわよ。
あなたこそ、家に帰って休んでいたら？早く風邪が治るように」
負けじとルイズも言い返す。

いつもの調子に戻ったルイズを見て、赤髪の少女はホッと胸をなでおろす。
「僕は風邪っぴきじゃない！風上だ！」
「あら？声が枯れてきてるじゃない。大丈夫？早く家に帰らないとぶっ倒れるわよ？」
「地声だ！！」

ギャーギャーと騒ぐ生徒たちにハゲ頭、コルベール教員が気付いたのはそれから
十分後であった。

――――――――――――――――――


「オッホン！さて…。ではコントラクト・サーヴァントを行ってください。ミス・ヴァリエール」
その言葉にルイズは「え？」と、間抜た声で返事をした。

「お言葉ですがミスタ・コルベール。彼は人間の平民にしか見えないのですが…？」
「そのようですな」

こともなげにコルベールは答える。
「いいですか？ミス・ヴァリエール。この使い魔召喚の儀式『サモン・サーヴァント』は
とても神聖な儀式なのです。『コントラクト・サーヴァント』は、最初に呼び出した生き物と
行わなければなりません。例えそれが人間の平民であろうと貴族であろうと。この儀式に反するという事
は、始祖ブリミルに反するということですよ」

ルイズはうめき声をもらした。
「でもでも！人間の使い魔なんて前例がありません！」
なおもルイズは反論する。
「なぁに。何事にも初めてというのは存在するのですよ」
「じゃあ！使い魔召喚をやり直「それとこれとは話が別です」…」

途端に元気が無くなったルイズ。

「この平民にも色々事情があるだろうし…」
と、最後の反対をするが、黙って首を横に振られてしまう。
ルイズは「ハァ…」と肩を落とした。

その様子を、他人事のように観察していたマキシマに、ルイズが近づく。
「なんだ？」
「ねぇ。届かないからしゃがみなさい」
「？」
なんのことだ？と言いつつ、少女に言われたとおりにする。

するといきなり少女にキスをされた。
「！！おいおい、俺がいい男だってのは分かるがイキナ…！？」


まず、何が起きたのか分析する。
左手の甲に正体不明の熱が襲う。
視界に謎の文字列が流れ、最後に見たことも無い文字が左上に小さく残る。
自分の目で確認するため、着けていたグローブを外す。

そこには、視界の隅に残された謎の文字と同じものがあった。
熱が引くと、今度は手の甲の文字が輝きだす。
「なんなんだ！こいつは！」
「落ち着きなさい。使い魔のルーンが刻まれているだけよ」
ルイズは涼しい顔で答える。

そこでマキシマは、妙な感覚にとらわれた。
(なんだ？妙に体が軽いぞ？それに……分析能力や思考・判断能力が飛躍的に上昇している)
これは一体…。
(この文字のせいか？どうやらこの効果を一時的に消すことも出来るらしいな。)

視界端の文字の情報にファイアウォールのような制限を掛ける。
すると左手のルーンが輝きを失う。
(この文字は後で分析するか…)

そう考えていると、例のバイクオタクのハゲ(マキシマはそう思っている)が
近づいてきた。
「見たことの無いルーンですね…。少し写させてもらってもよろしいですか？」
かまわない　というと、せっせと紙に書き写していった。

「それでは！今日のところは自分の部屋に戻って自分の使い魔と交流を深めてください！」
コルベールがそう生徒たちに言うと、子供たちは塔に向って進んでいった。


空を飛んで…。


「まさか本当にファンタジーの世界に来ちまった訳じゃないだろうな…？」
マキシマが目頭に指を当てて呟く。

正確には彼の周りにも空を飛べる人は数人いるのだが。

例えば彼の相棒は空中で「ｼｬﾗｰ」と言いながら飛べる。

「ルイズー！お前は歩いて帰れよ！｣
「お前は『フライ』はどころか『レビテーション』も使えないからなぁ！」
馬鹿にしながら飛んでいくクラスメートに
ルイズが冷めた目で杖を向けると、慌てて逃げていった。

今この場に残っているのはルイズとマキシマ、ついでにコルベールの
三人だけだった。
「気を落とさないでください。ミス・ヴァリエール。貴女はサモン・サーヴァントを成功させたのですよ」
「えぇ。大丈夫ですよ。それに、いつか必ず見返してやりますから！」
コルベールはルイズの言葉に、深くうなずいた。

「それじゃあこの辺で」
と、マキシマがバイクに乗ると、ルイズとコルベールは顔を見合わせた。
「何言ってるの？あなたも来るのよ」
ルイズの言葉に、マキシマは耳を疑う。
「何をいってるんだ？俺はこれから帰らなきゃならないんだが…」
その言葉に、コルベールは「アチャー…」っという顔をする。


「その…言いにくいんですが…」
コルベールが申し訳なさそうに話出す。

「帰れないわよ？」
　　　「「！？」」

ルイズがお構いなしに続ける。
「今…なんて言った…？」
「だから、帰れないわよ？」
コルベールが、言いにくかった事をサラっと言ってしまったルイズに
(空気読んでください！)と、念を送ってみるが、無駄だった。

「帰れないなんて事はないだろう。所でここは何処なんだ？」

「聞いたことくらいあるでしょ？ここがかの有名なトリステイン魔法学院よ」
「知らん」
即答する。

「相当な田舎者ね。ハルケギニア中探してもこの学院を知らないひとなんていないわよ？」
「なんだその古代生物みたいな国は。聞いたことがない」
ルイズが「ハイ？」と聞き返す。


「違うわ。ここはトリステイン王国よ。ハルケギニアは国じゃなくて大陸の名前。
ドンだけ田舎者なのよ…」
今度はマキシマが「ハイ？」と聞き返した。
「まてまて。誰も知らないような、地図にも書かれないような小さな国があるっていうんなら分かるが…
そんな大陸は聞いたことが無い……！？」
もしやと思い。
「カナダって国は知ってるか？俺の生まれた国なんだが…アメリカは？」
「聞いたことないわ」
マキシマは深いため息を吐いた。

やはりここは別の世界らしい。

「さあ。積もる話はあるでしょうが、それは部屋に戻ってからにしてください」
コルベールはそう言うと。帰るための準備を始める。

しょうがない。帰る方法が見つかるまで、しばらくやっかいになるか。

そうマキシマが考え、バイクのエンジンをつける。
「なんなのその椅子。うるさいわね！」
「何？こっちにはバイクもないのか」
そういうとマキシマは体を少し前へずらす。
「後ろに乗りな。嬢ちゃん」
ルイズは頭に「？」を浮かべつつ、マキシマの後ろに乗り込む。そして

「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。嬢ちゃんじゃないわ」
「そうかい。しっかり掴まってな」
マキシマは答えると、一度エンジンを吹かしてから、すぐに進みだす。
「ちょっと！私が名乗ったんだから！？いやぁぁぁぁああーーーーーーーー！？」

グンッと加速すると、ルイズの悲鳴を残してすぐに見えなくなってしまった。

「おお！！あの椅子はマジックアイテムの一つなのか！？しかしディテクトマジックにはまったく反応がなかった…！
もしや！人為的に作られたものなのか！？う～む…今すぐに聞きに行きたいが…明日にしておこう」


彼はまだ知らない。あの乗り物どころか、あの使い魔自身の体が、人為的に作られた「ネスツ」の科学の結晶という事を。



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